コラム”

「馬場状態が重要と改めて確認」
2019年6月17日

先週火曜日は金沢競馬場にGO!
ヤングジョッキーズシリーズの取材で12時頃に競馬場に着き、まずは一般レースで馬場の様子を確認。
すると、昨年までと様子が違っていたのです。
ここ3年ほど、金沢競馬場は逃げ馬が内ラチピッタリというコースで走り、そして逃げた馬が粘り込むというレースが多発。
複数の地元騎手が「内枠にスタートが速い馬がいたら、外枠の逃げ馬はノーチャンス」というほど、インコース天国の状況になっていました。
それなのに、今年の金沢競馬は内ラチから3頭分くらいを空けて走らせているのです。


金沢競馬場

(金沢競馬場)

いったいどうしてこうなったのかと某騎手に聞いてみたら、
冬の休催期間に路盤を大々的に改修したときに、インコースの部分に傾斜をつけた模様。
「砂がないときに路盤を見たんですが、けっこう削られていましたよ」とのことで、
その影響で雨が降ると砂がインに流れてきて、内から3頭分くらいが深くなっている状況が続いているそうです。
数年前の金沢競馬場が今みたいな感じでした。
外枠の勝率連対率が高くて、内枠はイマイチ。

とくにスタートから100mほどでカーブになる1700mは外枠が優勢で、
内枠の馬は外枠の先行馬に砂が深いところに押し込められるケースが多くありました。
これがいわゆる“金沢競馬のアリ地獄”。
それが復活したことは、金沢競馬で戦う際にアタマに入れておかないといけないですね。
要するに外枠の先行馬が有利。
この日も全体的に、そういう感じで出目が推移していました。

ということを理解して臨んだのに、なかなか的中につながらないのが悩みどころ。
外枠の馬を3割増しで評価しても、買わなかった内枠の馬が食い込んでくる、の連続。
この敗因は3連勝式を中心にしていたからで、ようやく最終レースの8番→4番→6番でビシッと的中。
しかしそれまでの傷を完治できるほどの特効薬ではありませんでした……。
金沢からサイタマに帰って、日曜日は高知競馬場にGO!


いつもより賑やかな高知競馬場

(いつもより賑やかな高知競馬場)

今年の私は高知競馬場との相性がよく、春までは回収率が500%を超えていたほど。
しかし5月以降の成績はいまひとつ。
これも原因は分かっているのです。

私が在宅で買うレースの大半は、最終レースの「一発逆転ファイナルレース」。
高知競馬の専門紙の記者さんが“足の遅い馬を厳選して出走馬を構成する”という、まともに予想ができないレースです。
そこで網打ち式ボックス馬券にて人気薄の馬を捕獲する、という作戦で上々の成績を挙げているわけですが、
これもヤミクモに買ってはイカンことに最近になって気がついたのです。

それは「格付けの数字が小さいレースはたいして荒れない」という件。
一発逆転ファイナルレースはC3クラスで実施されることが多いのですが、
同じC3クラスでも「1組から9組」までは、わりと平穏という傾向があるみたいなのです。
これがC2クラスやC1クラスになると、人気薄の馬が上位に食い込むケースも多々。

つまり、ファイナルレースだからといっても中身はさまざま。
なんでもかんでも参加するべきではないのです。
ということに気がついても、現地に行ったら見送るわけにはいかないのが人情。
というわけで日曜日のファイナルレースはC3の9組でしたが、現地の常連さんと相談しながらガッツリと買い込みました。


高知競馬の白熱したレース

(高知競馬の白熱したレース)

6月16日の高知競馬は、前日と前々日にけっこうな量の雨が降ったため、インコースを通っても大丈夫というコンディション。
第1レースを見た段階で「今日は内枠デー」と常連さん同士で確認し合いました。
にもかかわらず、3番4番2番で決まった第2レースを取り逃してしまったのはどーゆーこと!?

勝った3番はJRAからの転入初戦で、このクラスでは力が違うという存在。
そして2着に2.6秒もの差をつけての大楽勝でした。
だから「流すな・ボックス」の提唱者である私も、ここは逆らわずに3番を1着固定にして勝負。
しかしパドックでの歩様がガッタガタだった2番の馬を、一銭も買っていなかったのです。

内枠の馬を漏れなく買っていれば、
3連単117.3倍が当たって「いや~、高知競馬は簡単だねえ~」と左ウチワで余裕ある人生設計ができたはず。
それがなまじパドックを見たばっかりにハズレるとは……。
今日は自分のコンディションがイマイチだと自覚したので、3レースと4レースはおとなしく休養。
しかしリフレッシュしたところで臨んだ高知優駿がたいして荒れなかったため、豪快な“取ってマイナス”になってしまいました。


高知優駿優勝の御神本騎手と雑賀調教師

(高知優駿優勝の御神本騎手と雑賀調教師)

うーむ、このままでは引き下がれん。最終レースで逆転してやる!
オッズを見ると、私が買った馬券が当たれば、最低でも57倍。
1番人気の11番は高確率で出遅れるので、この日の馬場なら用はないはず!
「全国から参加するカモから根こそぎいただいちゃいましょう」
高知競馬場の近所に住むフリークたちと、その合言葉を唱えて迎えた最終レース。
しかし出遅れるはずの11番が、ゴール板のちょっと後ろに陣取った私たちの前を通ったときの位置取りがなんと4番手。
話が違うじゃねーか!!!

結局11番の馬は先行できれば実力上位で、2着に入線。
なんと3連複が1番人気の組み合わせになってしまいました。
こんなの“一発逆転”じゃないー!!!


惜しい

(惜しい)

この経験で、速い時計が出るときの高知競馬には気をつけろ、ということも認識いたしました。
今後の人生の糧にしたいと思います。
しかし懲りない私は今週も南関競馬を買いますよ。
水曜日のメインレースは京成盃グランドマイラーズ!

◎9.ミッシングリンク
○8.ベンテンコゾウ
▲7.クリスタルシルバー
△1.リコーワルサー
△5.トーセンブル
△12.サダムリスペクト
穴10.モンドアルジェンテ

ダートグレードレースを制した実績があるミッシングリンクが、転入初戦とはいえ54㎏で出られるのは有利すぎ。
船橋で5戦5勝のベンテンコゾウを相手筆頭に指名します。
クリスタルシルバーは的場騎手が休み明けですが、地力的には互角以上。
この三つ巴を本線にします。

穴として挙げたモンドアルジェンテは、赤岡修次騎手が買い材料。
高知ダービーを制したナンヨーオボロヅキは御神本訓史騎手が手綱を取りましたが、
その前のレースで乗っていたのが赤岡騎手だったのです。
しかし事情があってダービーには乗れず。
赤岡騎手にとっては重賞勝利をひとつ損したというところでしょう。
そのモヤモヤをここで晴らす可能性に一票!


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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