コラム”

「フェブラリーSに南関東所属馬が出走!」
2020年2月24日

東京競馬場で行われるフェブラリーステークスに地方競馬所属馬が出走するのは、一昨年のララベル以来。
その前は2015年のハッピースプリント&サトノタイガーで、その前は2012年のナイキマドリード。
フリオーソが最後の直線で猛然と差を詰めて2着に入ったのって、2011年だから9年前なのね……

岩手のメイセイオペラが優勝したのは1999年。
2002年はトーセンブリザードが2着に入りましたが、
まあなんというか、最近はダート界もJRAとの差が大きくなってきましたよねえ。

ダートグレードレースで、逃げ先行勢がJRA所属馬→その後ろに大きなスペース→地方所属馬が一団、というのもよくあること。
これには仕方がない面もあって、購入価格がそれほど高くない馬に対して、1か月30万円の育成費用をかける人は少ないんですよ。
高値で取引された馬は良い育成、そうでない馬はそれなりの育成、という流れは確実にありますから、
競走馬の世界もけっこうな格差社会になっております。

そんななか、今年はフェブラリーステークスに南関東から3頭も出走するというではあーりませんか!
金曜日の夜にネット競馬さんで予想オッズを見ると、大井のノンコノユメが30倍くらいで、モジアナフレイバーが50倍。
船橋のミューチャリーは90倍という数字になっていました。

いやいや、そんな人気にならないでしょ?
と思っていたら、実際の単勝オッズはノンコノユメが29.1倍、モジアナフレイバーが45.4倍、
ミューチャリーは112.9倍だから、わりといい線いっている!

個人的な予想は
◎モズアスコット
○ノンコノユメ
▲デルマルーヴル
以下省略
でした。

ノンコノユメは大きいコースが合っていると思うし、
デルマルーヴルはワイルドな走りをするのでコーナー2つが合っているはず!

ノンコノユメ

(ノンコノユメ)

という根拠でシルシを付けたら、本命だけが正解でした(泣)。
それでもノンコノユメは8着、モジアナフレイバーが6着、ミューチャリーは11着でしたが、
1ケタ着順に2頭も入ったのはすごいこと!
ちなみに前回の「1ケタ着順に地方馬2頭」は、2002年のトーシンブリザード=2着、トーホウエンペラー=5着以来でした。

現場でそれなりに馬券を買っていましたが、
実際のところは「本当に上位に来たときに丸腰だったらくやしい」という“保険”的な気持ちでのもの。
実際、モジアナフレイバーが出遅れて、芝とダートの切れ目のところでジャンプしていたのを見てからは、
南関東の3頭に意識が行っていませんでしたから。

モジアナフレイバー

(モジアナフレイバー)

というわけで、モジアナフレイバーが6着に入ったのを知ったのは、レースが終わって1時間半後の府中駅前。
ノンコノユメ、ミューチャリーを含めて、後方から差を詰めてきていたんですね。
ケイティブレイブの2着に頭の中が持っていかれてしまいましたよ……。

でも“フェブラリーSは、前走が地方競馬だった馬がよく上位に入る”という意識があったんですよね。
今年で言うと、南関3頭とJRAに戻ったブルドッグボス、それとデルマルーヴル、ケイティブレイブで計6頭。
それでなんで馬券がハズレるの!?

でも実際は、そんな悔しさはまったくなくて、ハズレてすがすがしいという気分。
とくに南関東でデビューしたモジアナフレイバーとミューチャリーがアウェーの地で“参加賞”以上の結果を残したことは、
2020年のフェブラリーステークスの記憶として、私のなかに残ることでしょう。

ミューチャリー

(ミューチャリー)

とくにモジアナフレイバーは、3月28日にドバイのメイダン競馬場で行われる「ゴドルフィンマイル」に出走する予定ですからね。
おそらく当日の第2レースで実施されるのでネット中継で見るしかないと思いますが、いい結果を期待したいものです。

記念馬券

(記念馬券)

冒頭で「ダート界もJRAと地方の差が」と書きましたが、でも最近は地方競馬のレベルが上がってきたなと思いますね。
来年度の「すぱっと!POG!」でも、将来性が高いと思われる馬を見逃さないようにしなくては!

それに関連して、ちょっと悩ましいことがあるのです。
フェブラリーステークスの前に行われたヒヤシンスステークスで、デビュー2戦目のカフェファラオが圧勝。
全日本2歳優駿を制したヴァケーションよりも、ケンタッキーダービーへの出走権ポイントが上になったのです。

じつはワタクシ、4月下旬に北米に行こうと考えておりまして。
当初は5月1日に現地から帰ってこようと思っていましたが、
最近になってケンタッキーダービーが5月2日に行われることに気付いたのです。
ならば、旅程を少し延ばすべきかしら!?
そこに行くならば、日本からの遠征馬が出走するとテンションがさらに上がります。
それが川崎所属のエスポワールシチー産駒だったらさらに胸熱!
その行方がどうなるのか、結論を待ちたいと思います。

ちなみに「SPAT4」のお年玉キャンペーン「ケンタッキーダービーの観戦チケット」には応募しておりません(汗)。
そういう期待ができるほどに、今の地方競馬はハイレベル。
とくに短距離戦線は役者が揃っていますから、出走させる側も予想する側も大変ですよ。
フジノウェーブ記念もハイレベル!

◎5.キャンドルグラス
○4.リコーワルサー
▲6.ヒガシウィルウィン
△11.ロイヤルサーティン
△13.グレンツェント
△7.サブノジュニア
穴15.エポック

なんと、大井の1400mで勝ったことがあるのが、リコーワルサーとキャンドルグラス、ロイヤルサーティン、ゴーディーだけ。
わりと特殊といえるコースだけに、フジノウェーブのようにリピーターが強そうと考えて、
昨年2着のキャンドルグラスを中心にしました。

ヒガシウィルウィンはマイル未満に出走するのが、なんと2歳時の2016年6月30日以来。
大丈夫なのか心配ですが、ここで変身する可能性に賭けてみます。
グレンツェントとサブノジュニアは距離がカギでも相手なりに走れそう。
穴のエポックは、昨年のケンタッキーダービーに出走したマスターフェンサーの兄貴ということでちょっとだけ。

プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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