
先週月曜日と火曜日は鹿児島県にいました。
飛行機に乗るのは3月28日以来だから、およそ3か月ぶり。
これだけ人の動きが少ないと交通関係の業界が厳しくなるのは当然で、羽田発の鹿児島行きなんて1日に15本くらい飛んでいたのに、
私が予約したときはJALとスカイマークが各2便でANAとソラシドエアが各1便。
でも私は事情があってJALにしか乗れないもので(汗)、朝8時15分発の飛行機しか選べませんでした。
早朝に自宅を出発して、久しぶりの羽田空港に到着。
出発案内の電光掲示板を見ると「欠航」の表示が半分以上。
私の乗る鹿児島行きは満席に近い状況のようです。
しかしですよ。
機内に入ってみたら、乗客は全員、となりに人がいないという形。
つまり「満席」でも搭乗率は60%程度なんですね。
日本の航空会社は大丈夫なのかと心配になってしまいました。
(鹿児島空港近くでまずはラーメン)
鹿児島空港に着いて、2日間で3200円の激安レンタカーを借り、向かったのは日本軽種馬協会・九州種馬場。
ここで「九州1歳セール」が開催されるのです。
例年ならば、当日に「比較展示」をしてから販売がスタートとなりますが、今年はインターネットオークション形式。
10時から上場馬を紹介するVTRを撮影して、13時からそれを配信。
同時にネットオークションの入札ボタンがクリックできるようになります。
(VTR収録終了後の様子)
今年の上場馬は19頭。
そのうち18頭が九州産馬です。
北海道と比べると小規模で、開催場所が鹿児島空港から車で1時間ちょっとというのでは、馬主さんがあまり来ないのは仕方ないところ。
ちなみに昨年の購買登録者数は20名程度でした。
しかし今年は50名をオーバー。
ネットオークション方式なので、現地に来なくても競りに参加できるからでしょう。
そのおかげで売れた馬は昨年の5頭から9頭に増加。
初めての試みでしたが、まずは成功といっていいと思います。
私はといえば、VTR収録が終わったあとはとくにやることなし。
来場者へのあいさつとか、ネット環境に不慣れな人への説明とか、そんなことをしながらセールの行方を見守っていました。
ちなみに「どうやってやるの?」とガラケーを出した人がいました……
それでも13時の入札スタート時には、競り会場に設けられた大型モニターを見ながらチェックしたり相談したりしている人が40名ほど。
しかしその人数は徐々に減っていきました。
そりゃそうですよね。
この方法だとその場での攻防がないので、入札した馬が競り上がらなかったらやることないですものね。
(競り開始30分後の様子)
ただ、スタッフとしては先に撤収するわけにはいかないところ。
例年だと競りの所要時間は1時間弱ですが、今年は競りが15時に終了して、再上場が16時まで。
その再上場の申し込みがあった馬に競り上がりが発生したのです。
再上場は、終了まで1分以内に入札があった場合、そこから競りが3分間延長されるというルール。
つまり、ひたすら続くという可能性もあります。
だから、5万円刻みで新しい値段がつくのは3分おき。
こりゃ終わらないんじゃないか???
なんとわたくし、帰りの飛行機が18時35分発だったのです。
最終便が欠航になっているので、これしか選べなかったのですが……
となると、九州種馬場を出るのは16時半がリミット。
競りの状況を見る限りでは「早退」の可能性も出てきました。
この戦いがいつまで続くのか。
と緊張感を持って画面を見守っていたら、15時55分に時間切れで落札者が決定!
これで16時までに再上場申し込みの電話がかかってこなければ、無事に競り市場が終了です。
10秒前、5秒前……
16時の時報とともに、事務所内は万雷の拍手。
よかったよかった、おつかれさまでしたー!!!
(トップセラーとなった本田土寿さんにインタビュー)
というわけで後片付けをして16時10分頃に空港に向けて出発。
種馬場の近くにある野方インターから東九州自動車道に乗って、安全運行でいきましょう!
と時速80kmでのんびりと進んでいたら、ちょっと気になることが。
そういえばパソコンってどうしたっけ?
コロコロかばんにしまった記憶がないよなあ。
これはもしかしたら忘れたか?
次のインターは5km先。
とりあえず1回降りて、確認してみよう。
やっぱりなかった……
現在の時刻は16時40分。
種馬場まで往復40分で、ここから空港までは1時間。
だとすると、飛行機に間に合わないかも!?
そのとき、現場にグリーンチャンネルの「馬産地通信」の撮影スタッフがいることに気がついた!
急いで電話してみると、まだ種馬場にいるとのこと。
カクカクシカジカと用件を伝え、数分後にまた電話してみると、黒いケースに入ったパソコンを発見したと報告。
撮影スタッフは熊本に行くので、通り道である鹿児島空港で合流することにしました。
ホッとひと安心。
しかしここでまたミスしてしまいました。
カーナビによると、鹿児島空港までオール高速で行くよりも、途中から国道10号線を使うほうが数分速いという表示。
「高速は遠回りしているからなあ」と思い、カーナビの言うとおりに進んだら、これがじつは罠だった!
残り30kmくらいのところで所要時間が35分となっていたのを見て「だまされた!」と気がつきました(泣)。
最初の到着予想時刻は17時半でしたが、それがどんどん下方修正。
いまさら高速には戻れないところに来てしまったし、混んでいる道を少しでも避けるしか手はないな。
国分の市街地は生活道路を使って信号を回避。
踏切も遮断されることなく通過。
道中では飛行機に間に合わないかもと何回か思いましたが、18時ピッタリにレンタカーを返納。
すぐさま空港まで送ってもらって18時5分。
そしたらなんと、撮影スタッフに先を越されておりました。
ハズカシイ……
帰りの飛行機の出発時刻は18時35分。
でもこれは「私の記憶によると」という時刻。
本当にそれで合っているのか?
と頭を低くしながら出発ロビーに行くと、その記憶は合っていました。
おーこわ。
(間に合いました)
そういえば九州種馬場には、去年もガラケーと名刺入れを忘れて帰ったんだっけ。
それをいま思い出しました。
物忘れに気をつけないといけないお年頃なのね(涙)。
それでも結果的に大惨事にならなかったのは何より。
今週の「南関道中」は、その現場に忘れたノートパソコンで作成しております。
さて、今週は久々に重賞がない開催。
水曜日のメインレースはオープン特別の「浦和スプリント」となっています。
登録段階では高知の馬もいましたが、枠順を見たら南関東所属馬のみの9頭立て。
ただ、メンバーは濃い!
◎2.ブルドッグボス
〇9.マーガレットスカイ
▲6.ベストマッチョ
△8.スマートドレイク
ブルドッグボスは勝ちにきたとみるべきでしょう。
このあとは少し休んでオーバルスプリント、という青写真ではないかしら?
2番手は浦和1400mで2戦2勝のマーガレットスカイ。
ベストマッチョは力量的に上位ですが、コーナー4つの1400mはどうよ、という点を危惧して3番手。
相手なりに走れそうなスマートドレイクが連下の穴。
今回は絞って厚く行くべきでしょう!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。