
今週は北海道苫小牧市のノーザンホースパークで「世界でいちばん平均価格が高い当歳1歳馬市場」であるセレクトセールが開催されています。
ここはなんというか「夢と魔法の王国」みたいなもので、多くの人にとって非日常の世界を感じられる機会だといえます。
多くの馬にせり上がりが発生して、そして5秒や10秒でわたくしの年収くらいの金額が
あっさり上昇するのですから非日常以外のなにものでもないですよ。
なかにはワタクシの生涯賃金(現在のところ未確定)を超える価格で取引される馬も登場します。
その1週間前は、青森県の八戸市場で同じ1歳馬のセリ市場が開催されたわけですが、そこでの総売却金額はおよそ9千万円。
それがセレクトセールのたった1頭に負けてしまう状況を見るとねえ……(涙)
それでも今年の八戸市場は、42頭が上場されて29頭が落札という成績は上々。
しかし平均価格が伸び悩んだという結果になりました。
しかしながら、金額が上がるかどうかはお客様次第。
これは主催者サイドではどうにもできない面があります。
(八戸「奏」市場)
見た目も血統も悪くない馬がいても、その馬を買いたいと思うお客様が1人しかいなければ、
その馬は上場申込者の最低希望価格で落札されることになります。
しかし購入希望者が複数いて、その人たちのサイフがとても大きければ、金額は上昇していきます。
だから主催者として頑張らねばならぬのは、お客様を増やすこと。
そして、八戸市場のファンを増やすこと。
それが奏功している部分はあると思います。
購買登録者の人数は徐々に増えて、今年は遠出しにくい社会環境だったにもかかわらず、
昨年と同じくらいのお客様に来ていただきました。
八戸市場が開催された7月7日は、前日が雨で当日はくもり時々雨という予報。
でも、セリ市場が終了するまで降水ゼロという、恵まれた天気になりました。
それでも前日の雨の影響で湿度が高い点は心配。
来場される皆様にはマスク着用をお願いしていますから、それが原因で私のように熱中症で倒れてしまう人が出たらシャレになりません。
というわけで「熱中症に気をつけてください」と、何回かアナウンス。
セリ開始前の展示は、例年は14~15頭に並んでもらうのですが、
今年はいつもと同じ場所に11~12頭、建物をはさんで反対側の広場に3頭という形にしました。
(展示の風景)
それでも馬を買うには相談が必要ですから、ところどころに密集が発生。
でも屋外だから、そんなに気にしなくてもいいのかな?
(展示第2会場)
展示は11時40分頃に終わりまして、12時半からセリ売り開始。
活発なせり上がりがあったのは3頭くらいでしたが、声がかからなかったのは42頭のうち13頭。
10年くらい前までは売却率が3割前後でしたから、本当に競走馬の市況は良くなったと思います(感涙)。
しかしながらそんな気持ちが吹っ飛んでしまうのが、八戸市場の翌週(つまり今週)に開催されるセレクトセール。
そんな値段やブランドをあっさりと凌駕してくれる馬が登場することを期待したいものです。
馬主資格をお持ちのみなさま、ぜひぜひ八戸市場にご来場くださいませ!
さてセリ終了後は、汗だくのスーツ姿から普通の服に着替えて、レンタカーでちょっと寄り道。
6月14日に先陣を切って再開された、岩手競馬の場外馬券売場に行くのです。
八戸からいちばん近いのはテレトラック十和田。
といっても八戸の市街地から40分くらいかかります。
その運転中に雨がザーザー。
この時間の雨でよかった~!
テレトラック十和田は、国道4号線沿い。
「道の駅とわだ」の敷地内にあります。
ここに来た目的は、翌日のジャパンダートダービーの馬券を買うこと!
現場に着くと「入場OK」の看板が。
どうやら来場者が多い場合は入場規制が入る模様です。
さっそく入口の自動ドアを開けると、警備員のおじさんに非接触型の体温計を当てられました。
(入場オッケー)
めでたく入場許可が下りて中に入ると、案内所は無人。
発売機の近くには警備員がもう1人いましたが、客の数は20人くらいでした。
大画面の前のイスは4人掛けの通路側だけが使用可能で、マークカードの記入台はガード付き。
この雰囲気なら営業しても大きな問題はなさそうです。
(イスはガムテープでブロック)
(記入台はガード付き)
でも長居は無用。とっととブラヴールの単勝を買って撤収しましょう。
……ところで前売りってやってるの?
それを確認しようと発売機の画面を見に行くと、映っていたのは「水沢」だけでした。
まじか~、売ってないんかい!
出馬表で発売要項を確認すると「他地区の場外発売は7月8日から再開」だって。
ジャパンダートダービーの紙の馬券は、明日にならないと買えないんですか(涙)。
仕方がないから来た証拠に1枚だけ馬券を購入。
ついでに道の駅で青森特産のニンニクを買おうかな。
(来場記念馬券)
応援馬券を買うという目論見はハズレましたが、ブラヴールは4着だったので金銭的には助かりました。
でも紙の馬券が欲しかったなあ。
しかしそのジャパンダートダービー、せっかく3連複7頭のボックスで攻めたのに、3着馬がヌケてハズレでしたよ。
ブラヴールが3着まで届いていれば11万馬券が獲れたのに!
でもめげないで今週も網を張っていきますよ。
ただ、スパーキングレディ―カップは10頭立てだからなあ。
網は小さめにするべきかも。
◎1.ファッショニスタ
○8.サルサディオーネ
▲10.メイクハッピー
△5.メモリーコウ
△2.マルカンセンサー
ファッショニスタは昨年の優勝馬。
最内枠も有利になると考えていいでしょう。
サルサディオーネは、昨年はJRA所属で2着。
大井移籍後も成績良好で、今回も逃げ粘りが期待できるでしょう。
メイクハッピーは休み明けでも問題なさそうで善戦以上に要警戒。
相手なりに走れるメモリーコウも押さえます。
穴は昨年の5着馬、マルカンセンサー。
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。