
6月に鹿児島と大阪、そして7月は青森に行きましたが、
見た限りではそこに住む人々の社会活動は昨年までとあまり変わっていないように見えます。
その一方で落ち込んでいるのは旅行関連業界。
鹿児島に行ったときは飛行機の本数が少なすぎて選択の余地がありませんでしたし、
大阪では泊まった市内中心部のホテルが税込み2500円と激安。
青森では往復飛行機での1泊2日ツアーを利用しましたが、その値段が例年の7割程度。
新幹線の片道の値段とあまり変わらない数字でした。
この状況があと数か月も続くとなると、廃墟化する温泉観光地とかができる可能性がありますね。
私の鉄道趣味仲間も大半が自宅周辺と会社にしか行かない人になっています。
でも、私の仲間は「列車に乗っているだけで満足」という人だらけ。
旅行といっても、ひたすら列車に乗り続けて、
列車が尽きたら駅前のビジネスホテルに泊まってメシはコンビニ、というのがだいたいのパターン。
それなら会社に通勤するために電車に乗るのとたいして変わらないんですけどねえ。
しかしながら私の周辺からは「○○に行ってきた」という声がほとんど聞かれなくなってしまいました。
かく言う私も、4月以降に仕事以外で行ったのは東京都だけ。
お仕事は別なので先週は北海道に行きましたが、改めて旅行関連業界が死にかかっていることを実感してきました。
7月の北海道といえば観光シーズンでお値段も高め。
しかし私が乗った全日空は180人乗りの小型機で、それでも搭乗率は7割くらいでした。
新千歳空港に着いてレンタカーの受付カウンターに行ったら、客よりも係員の人数が圧倒的……。
(午後1時の新千歳空港)
営業所までの連絡バスに乗って、その車窓から見えたのは、おびただしい数のレンタカー。
それだけ借りる人がいないんですね。
そんなわけで値崩れも激しく、私が借りた車は24時間で免責保障が付いて消費税込み2000円。
それで「このクルマです」と案内されたのは、走行距離が935kmの新車でチョービックリ。
ちなみにこの会社も駐車場はクルマだらけでした。
(もうすぐ1000km)
でも、そのあとスーパーに寄ったらまあまあの混雑。
改めて、余暇活動に使われているお金が減っていることが実感できました。
これだと日本国民の貯蓄率が上がることになるよなあ。
私もしばらく海外に行けないしコンサートも配信だし、お金の使用量が急降下。
そういった人たちが多いから馬券の発売額が伸びていると思われる昨今の競馬業界ですが、
喜んでいいのかどうか、複雑なところです。
門別競馬場も無観客での開催が継続中。
場外発売所は開店しているのですが、競馬場周辺の住民が紙で馬券を買おうとすると、
40~50km離れた静内か苫小牧に行く必要があります。
開催関係者以外で門別競馬場のスタンドに入れるのは、マスコミ陣と出走馬がいる馬主さんだけ。
馬主さんは新スタンドに入れますが、見たところ来場者は10人程度でした。
当然のことながら、馬券発売機は真っ暗。
売店もないので食料飲料をたくさん買って競馬場の記者席に入ったら、
そこには大量のカップラーメンやお菓子、飲み物が置いてありました。みんな考えることは同じなのね。
でもこれではパソコンを置く場所がないよ~
ということで無人のスタンドに移動。
静かすぎて仕事がメチャメチャはかどる!
(無人のスタンド)
(馬券発売機は真っ暗)
私が門別競馬場に行ったのは、ノースクイーンカップの取材のため。
今年は大井所属馬が3頭も遠征して、上位の支持を受けていました。
昨年は大井のクレイジーアクセルが勝利を挙げて、グランダム・ジャパン古馬シーズン優勝への足掛かりにした重賞。
しかしながら、他地区所属馬には長距離輸送という関門があります。
はたしてその影響はどうなのか、と思いながらパドックを見ると、大井の3頭は大丈夫かなという印象でした。
一般的に言われているのは、競走馬が馬運車に乗り続けられるのは20時間まで。
それ以上になると輸送熱などが発生する確率が上がるそうです。
(無人のパドック)
東京から青森までは東北自動車道で9時間、
そこから函館まで船で4時間、函館から門別まで4時間ですから、船の待ちがなければ17時間。
さらに佐賀から遠征してきたアンバラージュはというと、
九州道から山陽、新名神、北陸、磐越を経て東北道だから、海を渡る前で20時間近く。
しかも前走から中10日で門別ですよ。
そりゃマイナス15kgで歩様が硬いのはしょうがないよなあ。
と思ったら、アンバラージュが最後の直線でぐんぐん差を詰めてくる!
ゴール地点ではメチャメチャきわどい差。
でもスローVTRを見ると届いていないっぽい……。
手綱を取った松井伸也騎手に話を聞くと、苦笑いするしかないという感じ。
大井からの3頭は、グランモナハートが3着に粘ったものの、ナンヨーオボロヅキは「距離が長かったですね」(小野楓馬騎手)
という8着で、ナムラメルシーは「ずっとフワフワしていた」(五十嵐冬樹騎手)という9着。
それを考えると、アンバラージュの僅差2着はどう理解すればいいのやら?
(最終レース後の門別競馬場)
こういうのは本当に疑問が残るところで、ほかに思いつくのはたとえばトウホクビジン。
船橋のクイーン賞で3着に入ったことがありますが、仮にトウホクビジンが船橋所属だったらどうだったか?
個人的な予想では、C1クラスあたりでウロウロという成績だったと思います。
やっぱり競馬の結果には、馬の能力以外に関係するものがあるんですよ!
でも水曜日の習志野きらっとスプリントは全国からスピードタイプが集まる重賞だから、
インサイドワークはあまり関係ないかな?
◎12.ノブワイルド
〇4.アザワク
▲2.キャンドルグラス
△10.アピア
△5.クイーンズテソーロ
△8.フランシスコダイゴ
ノブワイルドの連覇が濃厚とみますが、北海道のアザワクにも期待!
続いて木曜日は昼の浦和でプラチナカップ。
◎2.ベストマッチョ
〇6.ダノンレジーナ
▲11.ワンパーセント
△10.バトードラムール
△4.クインザヒーロー
△9.マーガレットスカイ
これはむずかしいですよ。
第1回の一昨年はキタサンミカヅキが優勝、第2回の昨年はノブワイルドが勝利。
今年はそれに匹敵する……といえば、ベストマッチョかな?
2番手には勢いがあるダノンレジーナで、3番手には浦和で4戦3勝のワンパーセント。
でもこれはボックスでしょ!
今週は木曜日から4連休というカレンダー。
来年は予定通りになることを祈って、今はそれぞれができることをしていきましょう!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。