コラム”

「2歳馬取材の季節です」
2021年3月8日

毎年恒例、2歳馬の取材が始まりました。

昨年の今ごろは世の中の雰囲気が「なんだかよくわからないけどヤバそう」という感覚で、そして店頭からはマスクが消滅。
私は3月末まで馬産地を中心に巡りましたが、すべてノーマスクで過ごしました。
だって手に入らなかったんだからしょうがないじゃん。

その状況を救ってくれたのが、4月初旬に私の本棚の奥から発見された、9年前に買ったとおぼしき50枚入りのマスク。
そのおかげで浅野家はマスク騒動の影響をそれほど受けずに過ごすことができました。

そして現在、浅野家にある50枚入りのマスクは未使用分が6箱……。
あれから1年足らずでマスクがこんなに潤沢になるとは予想できませんでした(汗)

マスクの山

(マスクの山)

逆に1年前よりも値が上がっているのが旅行費用。
昨年のこの時期は、飛行機が減便を重ねても需要の減少に追いつかないという感じでした。
3月末に私が北海道から帰る際の飛行機は、客があまりに少ないために(放送では飛行機の不具合と言っていましたが)直前に運休。
50人ほどの客は1時間後の飛行機に振り替えられました。
それでも乗った飛行機は搭乗率3割ぐらい。
これなら飛行機を飛ばすより1人1,000円の食事券を配るほうが安上がりだよなあ、と納得したことでした。

そういえば昨年の3月は高知の黒船賞にも行きました。
高知も無観客開催でしたが、マスクしている人はゼロでした。
競馬場に行く前に、商店街のドラッグストアをひととおり巡ったものの収穫なし。
「高知でもマスクが枯渇しとるんか……」と思ったことを覚えています。

そのときに泊まったホテルでは、フロントで「こういう時期に泊まっていただいてありがとうございます」と言われました。
実際にガラガラだったようで、翌朝8時頃に朝食会場に行ったら客が2名ポッキリ。
そのときに利用した航空券&1泊のツアーパッケージは、たったの20,800円だったのですが……

昨年3月11日の高知駅前

(昨年3月11日の高知駅前)

その数字は私の高知訪問歴において、近年まれに見る安さ。
しかしですよ。
今年の黒船賞の日で調べてみたら、最安値で32,500円!

通常時はJALの羽田-高知が1日5便くらいありましたが、今は1日に2便(全日空は3便)。
つまり航空会社としては「いま移動するのは観光客ではなく、用事がある人」と考えた価格設定をしているように感じます。

そのためか、北海道に行くお値段も昨年より3割増しという印象。
でもこれが、じつは「需要と供給がマッチして、お値段も適正な範囲になっている」なのかもしれませんね。

しかしながら、経済が繁栄するには不要不急の消費が重要。
世の中のすべての人が「仕事してメシ食って寝る」だけに徹したら、多くの第3次産業は消滅してしまいます。
もちろん競馬産業も。

現時点でもそれを感じるところはありまして、先日の取材前に寄った茨城県古河市のラーメン屋さんは12時頃でも空席多数。
以前は行列ができる店だったのに……
待たずに入れたことを素直に喜ぶのはビミョーな気がしました。

ウマいラーメン

(ウマいラーメン)

さて、佐野ラーメン大盛りで腹パンパンになって向かった先は、栃木県芳賀町にあるトゥモローファーム。
育成休養牧場には2歳馬もたくさんいて、そのなかには大井でデビューする予定の馬が3頭いました。
この件については今のところヒミツ。
「すぱっと!POG!」の2021年シーズンが始まったら公開しようと思います(笑)。

2歳馬の取材が終わったあと、坂路の終点付近にできたグランピングの施設を見学させていただきました。
「グランピング」とは、日本ではここ2~3年で徐々に施設ができてきた“豪華なキャンプ”。
私が青年時代に経験してきた、テントを設営して火を起こして食事を作り、翌朝は二日酔いで撤収作業してヘトヘトという
体育会系のキャンプとは対極にあるものです。

つまり「テントは設営済み、食事は材料も道具も用意済みで片づけ不要」という、オイシイところだけを提供するキャンプです。
まあなんというか、セレブ~な世界ですな(汗)

牧場内のグランピング施設

(牧場内のグランピング施設)

夜は星空を見ながらグラスを傾け、朝はサラブレッドが坂路を駆け上がる音で目が覚める……
というのがコンセプトのようです。
引き続き整備が続きますが、リゾートホテルにあるようなプールもできているから本格的。

牧場内のプール

(牧場内のプール)

その風景だけ切り取ると、ここが栃木県とは思えない感じ(失礼)。
夏になったら泊まりたいなと思いましたが、でも私のような庶民だと、温泉ホテルでバイキングのほうが気楽という気がしなくもない……

私の友人知人には「グランピング」が似合いそうな人もいますが(すべて馬主資格を持っていない人)、ちょっと住んでいる世界が違う気がします。
私も余裕ある人生を送りたい!

しかしビンボー暇なしにドップリ漬かってしまった現状からは、そう簡単には抜け出せませぬ。
そんなわけで今週もセコセコと動きます。
水曜日は確定申告に行く予定。
フジノウェーブ記念は前売りで購入かな?

◎5.クロスケ
○1.ベストマッチョ
▲11.サブノジュニア
△10.グレンツェント
△2.レイチェルウーズ
△7.カプリフレイバー
△6.サトノファンタシー

ここで急に思い出しましたよ。
昨年は金沢の中島龍也騎手に用事があったのでこのレースを見に行って、
その中島騎手が12番人気のマッチレスヒーローで2着に入ったのにハズレたことを。
あれから1年しか経っていないのか~。

その昨年が3連複26万、3連単172万の配当。
大波乱の要因のひとつは1番人気のサブノジュニアが4着だったことでした。
今年もおそらく上位人気になりそう。
一応は押さえますが、ボックス向きのレースだと思います!


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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