コラム”

「もしもボックス」
2021年5月10日

大型連休中は5月3日に名古屋競馬場に行きましたが日帰り。
4日は園田競馬場で兵庫チャンピオンシップがありましたが、
無観客が発表されてしまったのではねえ……。

というわけで、名古屋へは単純往復。
競馬場でのおしごとが終わったあとは現地在住の競馬仲間と食事をしながら、高知競馬で勝負しました(汗)。
しかし、お店は20時でおしまいなので、そこでの勝負は最終の2つ前まで。
懲りない競馬野郎たちは名古屋駅に移動して、人影が少ない飲食店街で高知競馬を観戦しました。
そんな執念は残念ながら報われませんでした。
高知競馬の最終レースを3連複7頭ボックス35点買いで勝負して、29.9倍が的中でニガワライ。

いやいや、グチったらイカン。
ハズレよりはるかにマシだと思わなきゃ!

さてさて、大型連休中でも名古屋競馬場のなかは例年よりもスッカスカでしたが、かきつばた記念の馬券は過去最高の売上を記録しました。
これはもう単純に、いつもなら海外やら温泉やら、またはデパートとかにお出かけしていた人たちが
自宅で時間を持て余していたという証拠ですな。

ラプタスが連覇

(ラプタスが連覇)

それでも競馬業界は変わらずに営業。
その状況を見るにつけ、こんなことを思うのです。

ドラえもんの「もしもボックス」で
「もしも馬券をインターネットで買えなかったら」と聞いてみたら
どういう現実が目の前にあったでしょう。

おそらく、日本の地方競馬は壊滅していたと思います。
南関東であっても、4つとも無事でいられたかどうか。

じつは、なんとなくその姿が想像できる事例が海外にはあるのです。

たとえば、タイ。
首都のバンコクには競馬場が2つありましたが、
そのうちの1つは王室所有地に建てられていたのに賃貸料の滞納が続いたため廃止。
もうひとつは開催が続いていましたが、昨年1月を最後に中止が続いています。
こちらは日本で言うとJRAみたいな感じ。

2019年1月のバンコク競馬

(2019年1月のバンコク競馬)

バンコク以外には、地方競馬に相当するものがチェンマイとコラート、ウドンタニにあります。

というか、ありました……(涙)。
チェンマイとコラートはちゃんと調べていませんが、ウドンタニはホームページのURLが中国系に乗っ取られていました。
そこから判断すると、タイの競馬は壊滅したと考えていいのでは……

もうひとつの事例は韓国。
こちらはソウル、釜山、済州の3カ所が変わらずに開催されていますが、賞金額は1年前の半分程度になっています。
韓国は10年ほど前にインターネット投票を廃止したので、馬券は現金でしか買えません。

その結果が、売上の激減。3か月ほどの開催中止を経て、その後は入場者数を座席数の10%程度に絞った開催が続いています。
その合間に無観客開催になることも。

で、その売上ですが、無観客開催時は1レースあたり5万円あればいいほう。
そりゃ馬主席だけで細々と売られていただけですからね……

しかし有観客開催でも売上はかつての10分の1くらい。
以前はソウル競馬場だと日曜日のメインレースだけで5億円くらい売れていましたが、今は3,000万円程度です。

仮に、日本でもこの状況だった場合、なんとかなるのはJRAだけでしょうね。
おそらく“最低限の開催”をして、馬と人を保護したことでしょう。
その代わり、競馬新聞とかはボロボロになったでしょうが。
地方競馬は単年度で収支を考えるからなおさら。
地方自治体が主催している限りは「収益が見込めない開催はしない」と判断されてしまうでしょう。

密にならず

(密にならず)

ちなみに地方競馬における2019年のインターネット投票比率は、すべての主催者が70%以上。
もっとも高いのは高知の94.4%で、低いのは大井の71.1%でした。

その大井でも「インターネット投票+場外発売」で見ると、92.7%。

「もしもインターネットで馬券が買えなかったら」

その結果はたぶん、私を含めた競馬周辺のマスコミ陣はみんな失業。
牧場の多くは馬から牛に転業、もしくは廃業したのではないかと思います。

それを思えば、まだマシな状況だと思うべき!

その幸せをかみしめながら、3年か4年後にタイで廃競馬場めぐりをしたいと思います(涙)。

それはそうと、2019年12月にソウル競馬場で買った前売りの馬券が当たっていることに気がついた!

韓国の払い戻し有効期間は1年

(韓国の払い戻し有効期間は1年)

単勝が2.3倍で複勝が1.5倍。それが5,000ウォンずつなので、払い戻しは19,000ウォン。
つまり約1,900円ですが、こんな不可抗力で損するなんて~!

そういうことがないように気をつけているのですが、
先日は門別競馬場で買った当たり馬券をポケットに入れたまま自宅に帰ってしまいました。
それを名古屋競馬場で最終レース後に払い戻そうとしたら
なんと、払い戻しの終了に間に合いませんでした。
当たり馬券を持ち歩くのはやめようと思っているのに……

でも今週は紙の馬券を買わないので大丈夫。
しらさぎ賞は混戦必至のメンバー構成になりました。

◎7.ダノンレジーナ
○2.ヴィルトファン
▲5.ライゴッド
△4.マーガレットスカイ
△11.レイナブローニュ
△10.アクアリーブル

浦和の1400mは外枠のほうが有利というイメージを持っていますが、しらさぎ賞はどうも内枠優勢。
上級条件だとやはり、前の位置で最初のカーブに入らないと間に合わないのでしょう。

でもダノンレジーナはメンバー的に格上でしょう。
相手は内枠から選んで、外の2頭は3連勝式の候補。

イメージとしては7→2,4,5→2,4,5,10,11で、3連単と3連複ですね。
このレースはボックスにしなくてもいいかなあと思います。


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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