コラム”

「九州1歳市場ご購買御礼」
2021年6月28日

九州にセリ市場の司会進行をしに行くのは、もう15年以上も続いている年中行事。
先週の火曜日(6月22日)に九州1歳市場が開催されました。

九州1歳馬セールの名簿

(九州1歳馬セールの名簿)

以前は九州トレーニングセールの司会進行だけを担当していましたが、1歳市場はノータッチ。
しかし4年ほど前から手伝うようになって、3年前からは鑑定人も兼務することになりました。
鑑定人とは、セリ市場に上場された馬が誰に落札されたかを決める人。
買いたいと思う人が複数いれば、値段は市場原理に基づいて上昇していきます。

鑑定人はどのお客様に対しても公平でなければなりませんが、立ち位置としては販売者側。
ですから、少しでも高い価格になるようにセリ市場を盛り上げていかなければなりません。
これが1日に300頭前後の馬が登場する静内のセリ市場では厳しいところ。
全体の所要時間が長くなりすぎるとお客様が帰ってしまいますから、流れ作業っぽく感じる人がいても仕方ないかと思います。
でも九州のセリ市場は頭数が少ないので、1頭1頭に時間をかけることができます。

セリ会場

(セリ会場)

ただ、ていねいに進行しすぎてもダメなんですよね。
せり上がりが止まった馬に対して購買意欲をあおり続けると、お客様からの反感につながる可能性が出てきます。
だから適度な確認で、盛り上げつつもスムーズに進行させることを心がけねばなりません。

昨年はいわゆる新型コロナウイルスの影響で、
上場馬は鹿児島県曽於市(大隅半島の北部で、鹿児島空港からクルマで約1時間)の会場に来ましたが、
実際は午前10時から立ち姿と歩き姿をVTRに収録して、それを午後1時にネットにアップする形。
それを見て、午後4時までにインターネット経由で購入申し込みをする方式でした。

しかし今年は通常通りの進行で、インターネット経由でも参加できますよ、という形になりました。
というわけで、私が鑑定台に上がってハンマーを持つのは2年ぶりです。
さてさて、今年は売れるのかな……

鑑定人台からの景色

(鑑定人台からの景色)

と多少の心配がありつつスタートしたら、なんと今年は19頭のうち13頭が落札!
ちなみにオンライン限定の昨年は、19頭のうち売れたのが9頭。
通常どおりのセリだった一昨年は、17頭のうち5頭しか売れませんでした……。
それに比べると今年は本当に大盛況!
一昨年の5頭のなかに重賞で活躍中のヨカヨカがいたことも、興味を持っていただけた要因かなと思います。
よおし、7月4日のJRA小倉競馬場で行われるCBC賞は全力でヨカヨカを応援だ!!!

しかしまあ、数年前からセリ市場が活況となっているその波が、やっと九州にも来たのかと思うと感慨深いですわ(涙)。
その勢いが7月6日(火)に青森県で実施される八戸市場でも結果として現れることに期待したいものです!

7月6日は八戸市場です

(7月6日は八戸市場です)

それと同時に「暗黒時代」といえる時期を乗り越えてきた牧場のみなさんに敬意を表さなければなりません。
一時は「九州産馬限定戦」がどうなるか、本当にわからない時期があったのですから、これは九州のホースマンたちの粘り勝ち。
これからもいい馬がたくさん出てくれることでしょう。

いやしかし、セリ市場の緊張感から解放された影響でしょうなあ。
3年連続で会場内に忘れ物をしてしまいました。
ちなみに昨年はノートパソコンを忘れ、一昨年は携帯電話と名刺入れを置き去りにしていました。
今年はパソコンのケーブルなどが入った袋を事務所の机の上に放置プレイ。
幸い、クルマで3分ほど行ったところで気づいたので、取りに戻ることができました。

こんな感じで気持ちがフワフワしているときって危ないわ……。
交通事故にはマジで気を付けんといかんですタイ。
と気を引き締め直して運転して(しかし超絶に眠かった)、無事にレンタカーを返却。
そして鹿児島空港のラウンジ(ここはフリードリンクに焼酎が入っているのです)で「南関道中」を仕上げて送信。
すると、
帝王賞の入場券が当たったよメールが来ているじゃないの~\(^o^)/

当選!

(当選!)

今年の帝王賞の日は、午前中に羽田空港に着く予定なのです。
いやあ、羽田空港から大井競馬場を通過して帰るという、残念なことにならなくてよかったあ!

最近はいろいろと記憶が混ざるようになってきてしまって、どうも現地でレースを見ないとレース内容と結果が記憶に残らないのよね。
去年の帝王賞を勝ったのって誰だっけ?
優駿スプリントはたしか伊藤裕人騎手が勝った……と思って確認したら、それは一昨年ではないですか!
これはなかなかにヤヴァイですぞ。
ならば今年の優駿スプリントは、紙とSPAT4の両方で馬券を買って、リアルタイムでしっかり見よう。
そしたら記憶に残るかな?

◎6.ワールドリング
○11.ジョーロノ
▲1.チャンプタイガー
△9.サブノハクタカ
△4.ハートプレイス
△5.ミラコロカナーレ
△8.ブラックストーム

しかしまあ、これはかなりの混戦ですぞ。
そんななかに東京ダービーで期待したワールドリングが出ているのなら、これは押さえなくてはなりませぬ。
といってもボックスなんですけどね。
火曜日は馬券が買える場所に行くので、紙はワールドリングの単勝と複勝にしておきます(笑)。
それでも内枠優勢の傾向と、前走で逃げ、または先行していた馬が粘り込むことが多いということは念頭に置いてシルシをつけました。

そして水曜日は夜の帝王賞!

◎3.ミューチャリー
◎5.カジノフォンテン
▲8.オメガパフューム
△10.オーヴェルニュ
△7.チュウワウィザード
△4.テーオーケインズ

ミューチャリーとカジノフォンテンの船橋2頭は、これはもう完全にヒイキ目ですよ。
当たる可能性が高くなることを優先すれば、そりゃオメガパフュームを軸にするべきでしょう。
でも今年はこれでいいんです。
期待しまくりで大井競馬場に突撃します!


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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