コラム”

「ジャパンダートダービー」
2021年7月19日

まあなんというか、ビックラコンですよ。

なにがって、先週のジャパンダートダービーですよ!
ブービー人気で逃げ切ったキャッスルトップの渋谷信博調教師とはかなり昔からの知り合いで、
キャッスルトップの生産牧場の息子さんである城市厩務員とは、
小規模の飲み会で一緒したことがある間柄(城市厩務員はベロベロだったので覚えていないと思いますが……)。

いやしかし、これはメチャメチャ大金星!
渋谷調教師は7月6日の八戸のセリ市場にお越しいただいておりました。
真面目に頑張っていればいいことが起こるんだなあと思う次第でございます(涙)。

今年の八戸市場の展示。渋谷調教師が写っています

(今年の八戸市場の展示。渋谷調教師が写っています)

ちなみに私の注目馬はリプレーザ。
今年のメンバー構成では、地方競馬所属馬には出番がないだろうなと思いましたし、
それは多くの競馬ファンも同じ意見だったことと思います。

いやしかし、初勝利まで9戦を要した馬が、逃げに転じて覚醒したとしても、ここまでの結果を残すとは!
ちなみに昨年の今ごろは、渋谷信博厩舎は未勝利だったんです。
昨年の初勝利は7月19日(C3クラスのユウユウクラージュ)。
さらに仲野光馬騎手は昨年が大井での騎乗がゼロで、ジャパンダートダービーが今年の大井初騎乗!

渋谷信博調教師が初めて重賞を制したのは2010年の霧島賞。
今は亡き荒尾競馬場で実施された九州産馬限定の重賞です。そのレースで森泰斗騎手も重賞初制覇を飾りました。
その翌年も渋谷調教師は同じ馬、テイエムヨカドーで霧島賞にチャレンジ。
じつはわたくし、その日は荒尾競馬場におりまして、渋谷調教師と装鞍所で話をしたことを覚えています。

2011年の荒尾競馬

(2011年の荒尾競馬)

その霧島賞は2着でしたが、年末の東京シンデレラマイルでは単勝12番人気で差し切り勝ち!
渋谷厩舎は重賞3勝のうち2勝を単勝12番人気で挙げたという、スゴイ記録を達成しました(笑)。
しかしまあ、仲野騎手って初騎乗が24歳で、ここまで7年間での通算勝利数が45。
それを知っているとなおさら、この大一番で買える要素は少なくなるよなあ。

そんなふうに思っていたら、競馬仲間のNK倉さんが「もしリーディング上位の騎手だったら勝っていなかったのでは」とポツリ。
おお、確かにそうかも!
競馬業界に限らずですが「先入観」が本質を見失ういちばんの敵。
キャッスルトップが仲野騎手じゃなかったら違うラップを刻んでいたことでしょう。
ひょっとすると「どうせダメだべな~」という気持ちでレースに参加していたかも。

渋谷調教師も同様。
もし別の厩舎だったら7月19日の明鐘岬特別(船橋1600m)を選んでいた可能性は大いにあると思います。
ジャパンダートダービーで5着以内に入る確率と、明鐘岬特別で好走する確率を比べると、後者のほうが明らかに上ですよね。

仲野騎手にしても、12番人気馬ならボロ負けしても「仕方ない」で済む話。
それでも仲野騎手だからこそ「どうせ負けるなら力を出し切って負けよう」と考えることができるのだろうと思います。
これがリーディング上位の騎手なら「負けるにしても、次の自己条件に向けて余力を残そう……」と考える可能性が高そう。
それこそが悪い意味での「先入観」なんですよね。決め付けは可能性を閉ざすことと同じ意味。
もちろん「無謀なチャレンジ」は避ける必要がありますが、自分自身、いつまでも挑戦できる人間でありたいものです。

ちなみに私のたくさんある座右の銘のひとつは
☆勝負は終わったときに決まるんじゃない。あきらめたときに決まるんだ。

そんな前フリから予想を始める習志野きらっとスプリント。
今年のダート1000mでの1着賞金は日本一の高額でございます!

◎11.ダノングッド
○10.キャンドルグラス
▲7.アドバイザー
△8.カプリフレイバー
△3.コパノフィーリング
△14.ダノンジャスティス

中心に抜擢するのは高知所属のダノングッド。
JRAで6勝して、しかし大井所属時は3着まで。
昨春に高知に移ると復活して5戦連続で連対しましたが、今年3月の休養明け初戦は馬体重がマイナス30kg。
しかしそれも徐々に回復。前走の園田FCスプリントで見せた圧巻のマクリ再現に期待します。

キャンドルグラスとアドバイザーは、今年1月の船橋記念(1000m)で1着2着。
キャンドルグラスは3ヶ月ぶりの実戦、アドバイザーは相手強化でも実力的に無視できません。

カプリフレイバーは今年の船橋記念で3着。こちらも流れひとつでチャンスあり。
コパノフィーリングは昨年8月にJRA小倉のダート1000mで勝ったスピードに注目です。

大穴は高知のダノンジャスティス。
前走の園田FCスプリントは内枠の影響でインコースを通ったために、カーブでブレーキをかけながら走った印象がありました。
今回は大外枠。全速ターンで回ってくると一発があるかもしれません。
高知2頭の馬複&ワイドも買いますよ!

続く木曜日は浦和でプラチナカップ。
こちらは1400mです。気温と夕立が心配……

◎7.ベストマッチョ
○9.ダノンレジーナ
▲11.ヴァケーション
△5.グランドボヌール
△2.マムティキング

ベストマッチョは昨年のプラチナカップを58kgで勝利。
今年も同じ58kgなら連覇できると判断します。

ダノンレジーナは2か月ぶりの実戦ですが、浦和で3着内率100%の実績なら今回も崩れることはないでしょう。
不気味なのがヴァケーション。前走の900m戦は、馬に“喝!”を入れるためだったような気が。
その効果がいきなり現れる可能性に警戒します。

グランドボヌールの前走は、1999年に記録された浦和1400mのレコードタイムに0.3秒差というメチャ速いもの。
当日にゲリラ豪雨が襲来するようなら……という場合に備えて押さえます。
差し脚があるマムティキングが押さえ。

しばらく暑い日々が続きますが、水分をしっかり摂って健康第一でいきましょう!


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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