
金沢競馬場で実施されたJBC。
ミューチャリー&吉原寛人騎手がJBCクラシックを勝ったことで、地方競馬を主戦場にするマスコミ陣は大盛り上がり。
そのおかげでレース後の取材が長引くことになりました(笑)。
最終レースのJBCクラシックは発走時刻が16時20分で、金沢競馬場から撤収したのが17時30分。
仮にJRA所属馬が勝ったとしたら、たぶん17時頃には競馬場を後にしていたことでしょう。
めでたいめでたい。
(めでたい写真)
ただ、個人的にはわりとケツカッチン。
JBCの日は作家の乗峯栄一さんが率いる悪者軍団と志賀町の高級ホテルに泊まる予定で、夕食のスタートが19時。
金沢競馬場からお宿までは約60km。
しかしですよ。
レンタカーで競馬場に行っていた私は、いろいろな事情で記者とカメラマンの計4名を金沢駅まで送り届ける任務を背負っておりました。
金沢競馬場から金沢駅を経由してお宿までだと、夕食に間に合うのは厳しいかも。
とりあえずナルハヤで出発しよう。
まずは勝手知ったる金沢の裏道を駆使して、金沢駅に17時55分に到着。
そこで4名を降ろし、悪者軍団の1名を乗せて出発。
カーナビには「目的地まで62km、到着予想時刻は20時」と表示されておりました。
たぶん、それよりは早く着くだろうけど。
夕食は先に始めてもらおうかな。
という連絡をしてもらって頑張って運転したら、お宿に向かう「のと里山海道」がメチャメチャ快適でビックリ!
さらにこの道が無料になっていて2度ビックリ。
10年くらい前に砂浜をクルマで疾走できることで有名な「千里浜なぎさドライブウェイ」に行ったときは、ところどころに料金所があったのに。
そのおかげで到着予想時刻は徐々に縮まって、高級ホテルには19時ピッタリに到着。
我ながら絶妙な時間配分となりました(喜)。
(豪華な夕食)
JBCの日に能登半島で泊まった理由は、
その翌日にJRAで調教師をされていた角居勝彦さんが運営する、引退馬を繋養する施設を見学するため。
というわけで夜の宴会は日付が変わる頃に切り上げて、翌朝は9時に出発です。
角居さんの牧場があるのは能登半島の先端付近。
しかしまあ、能登半島はなかなか足が向かない場所なんですよね。
金沢競馬場によく行く私でも。
その理由は単に「遠いから」。
私はJR全線乗車を達成しましたが、能登に向かうJR七尾線に乗ったのも、20年以上前でございます。
牧場に行く前のトイレ休憩場所として、まずは珠洲市の道の駅を目指します。
でも高級ホテルからの距離が80km。
つまり金沢駅からだと140km。
能登半島は細くて長いので、レンタカーはバッテリー併用のクルマを指定しましたが、正解でしたわ。
(道の駅は珠洲駅跡)
それでも80kmの道のりは信号が少ない高規格道路で、道の駅には1時間半くらいで到着。
すると乗峯先生が「角居さんが牧場に来るのは午後1時くらいだって、アハアハ」
とおっしゃるではないですか。
だったらもう少し大浴場でゆっくりできたのに……
でもこういうことはよくあるので(笑)、すこしだけでも観光しましょう。
ヒマつぶしに向かったのは能登半島の本当の先端、禄剛崎。
海と空が青かった!
(禄剛崎灯台)
そして午後1時に角居さんの牧場にレッツゴー。
看板がないとのことでしたが、わりとアッサリ発見できました。
牧場には4頭を収容できるキレイな厩舎がありましたが、全体的には発展途上。
年内にあと2頭が来るとのことですが、この時点での在厩馬はドリームシグナルくん(シンザン記念を優勝)だけでした。
(角居さんの牧場)
その様子をしばし眺め、写真撮影用にブラシをかけて、そのあとは周辺の見学に出発です。
珠洲市は地理的な要因のせいか、人口が順調に減少中。
なんでも「本州ではもっとも人口が少ない市」だそうで、およそ1万3千人と最盛期の3分の1になってしまいました。
そのぶん、新しいことを始めるにあたっては、行政の助けを得られやすいようです。
角居さんがそう感じているのはもちろん、「世界のスミイ」という看板があるからこそ。
それはいわゆる“田舎”において、大きな武器になると思います。
(角居さんと乗峯先生)
しかしまあ、牧場の周囲にはオーバースペックな公共施設がたくさんありますね……
「ここに馬を放牧すると、いい景色になると思うんですよね」
と角居さんが指し示したのは、野球場が5個は入りそうな大平原。
そこでは数年前にボーイスカウトの世界大会みたいなイベントが行われた模様ですが、
それ以後は草刈りが地元の雇用につながっているだけ。
そういう場所を活用しつつ、馬と人を増やしていくことを考えているそうです。
そんな話をしながら1時間半ほど歩き、牧場に戻ってきたら猛烈な雨がやってきた!
牧場の地面は粘土質で、そこに水分が入ったものだから一気にドロドロ。
そのためになんと、私が借りたクルマが動かなくなってしまいました。
もう完全にタイヤが空回り。
これは砂かベニヤ板がないと脱出するのはムリだわ(泣)。
そこに助け舟を出してくれたのが角居さん。
「牽引しましょう」と、馬の引き綱をレンタカーと角居さんのクルマにつないで引っ張ってもらいました。
同時に私もクルマを持ち上げながらプッシュ。
大雨のなか格闘すること数分、なんとか脱出に成功。
でもパンツまでビショビショですわ。
(角居さんもビショビショ)
それも含めて思い出に残る1日になりました。
次に金沢競馬場に行くときには、また訪問しようと思います。
でもやっぱり奥能登は遠い……。
珠洲市を15時半に出発して、金沢駅に着いたのは18時半でした。
運転しやすい「のと里山海道」が整備されていなかったら、金沢から日帰りで珠洲まで行くのはとてもムリ。
そう考えると昔の人はエライなあ。
ハイセイコーが活躍していた頃もそう。
飛行機は鉄道よりお値段が2倍も3倍もするから、北海道に行くには夜行列車と青函連絡船がメインルート。
当時の人の体力はスゴかったんだなと感じます。
そういう時代に活躍した馬の名前を冠するハイセイコー記念。
今回はタフそうな馬を選んでみようかな。
◎7.ナックファルコン
○1.ハッピースパイラル
▲2.フォラステロ
△3.ママママカロニ
△12.ジュンブルームーン
△14.サブノリョウマ
ナックファルコンの母イケノナインは、門別所属時に船橋の平和賞で2着。
その血統と大井のマイルで快勝した経験を評価して中心に取ります。
ハッピースパイラルとフォラステロは距離延長にも対応できそう。
フォラステロは門別でシルトプレの2着があるので、その比較からも有力視できます。
ママママカロニは鎌倉記念を見る限りでは、左回りがビミョーかも。
右回りに戻れば勝利まで考えていいでしょう。
ジュンブルームーンは2つ上の半兄が私の某クラブでの出資馬ですが、現在は浦和所属で通算未勝利。
でもその事実に気づいてしまったので押さえます!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。