コラム”

「名古屋競馬場」
2021年12月27日

現在の名古屋競馬場でレースが実施されるのは来年3月11日が最後。
新年度からは臨海部にある「弥富トレーニングセンター」を改修して作られる、
新しい名古屋競馬場で開催が始まります。

私は名古屋競馬場には埼玉県人のわりによく行っていて、
今年は5月、6月、9月、10月、そして先週木曜日の名古屋グランプリと5回も訪問。
5月は連休中でにぎやかでしたが、6月は無観客でさみしいのなんのって。
無観客の競馬場で勝負するのって、なんかムナシイものがあるよなあと思ったことでした。

今年の東海ダービー

(今年の東海ダービー)

私はおそらく来年度もおニューの名古屋競馬場によく行くことになると思いますが、
問題はそこまでの交通機関。
各種の情報を総合すると、名古屋駅の横にある「名鉄バスセンター」から高速道路を経由して無料バスが運行される可能性が高そうです。

ただし、1日にどれくらいの本数が運行されるのかは不明。
名鉄バスセンターから新しい競馬場までは25分から30分はかかると思われますし、
今の客層を考えるとたぶん、今のお客さんの9割以上は新しい競馬場には行かないのでは?

名古屋競馬場名物のまぶしい西日

(名古屋競馬場名物のまぶしい西日)

ちなみに現在の名古屋競馬場は、2026年に実施される「第20回アジア競技大会」の選手村として整備されます。
その工事は資料によると来年9月からスタート。
ということは、名古屋競馬場のスタンドや各種施設が残存する期間はきわめて短くなる模様です。

そしておそらく、競馬場の香りがまったく残さない再開発になる予感……
ただし名古屋競馬場が移転しても、その敷地内に場外馬券売場が作られることになっているのはいい話ですね。

しかしアジア競技大会が終わった後の再々開発時に、この土地を利用する予定だった某施設が「場外発売所があるなら使わない」という、
今さらナニ言ってんのという案件が発生しているようですが……

名古屋競馬場の正門

(名古屋競馬場の正門)

それはおいといて、個人としてこれまでたぶん50回以上は足を運んだ名古屋競馬場は、
あと3か月ちょっとで終了となります。
場内の飲食店はすでにコンプリートしているけれど、改めてもう一巡してみようかな。

と思っていましたが、1日で何軒もハシゴするのはムリでした(当たり前)。
というわけで今回は1か所だけ。
どうやらこの店は、今の名古屋競馬場とともに去りぬ……ことになるそうです。

いちばん端の店に行きました

(いちばん端の店に行きました)

というかですよ。
どうやら新しい競馬場に引っ越す食堂はゼロっぽい感じなんですよ。
弥富トレセンには厩務員さんなどが住む集合住宅が建っていて、それなりの人口はあるのに敷地内にはお店がゼロ。
5年ほど前に行ったときは、廃墟化した商店の跡地がありました。
みんなクルマを持っているから、トレセン内のお店は使わないんでしょうね……

今の競馬場の飲食店も歴史がある店だらけ。
パドックに近い場所にある麺類のお店が唯一の例外で、老舗の「大島屋」さんの息子さんが経営しています。

大島屋のどて丼と串カツ

(大島屋のどて丼と串カツ)

しかしですよ。
「大島屋」さんは同じ屋号と別の屋号で中京競馬場でもお店を出しているのよね。
昨年、中京競馬場で何も考えずに入ったお店のメニューが名古屋競馬場とほとんどいっしょで、超ビックリしました(笑)。

というわけで、3月までに再訪するのはそれ以外のお店。
具体的に言うと、特別観覧席のなかの2店と、入場口のすぐ右側にあるお店の計3つですね。
入口の右側の真ん中のお店「すみれ」は10月に行っておきました。

いま気がついたんですが、大島屋さんのどて丼は「バラ肉」で、すみれさんのどて丼は「モツ」なんですね!

すみれのどて丼と串カツ

(すみれのどて丼と串カツ)

いまのところ来年は3月10日の名古屋大賞典とラストの3月11日に行くつもりですが、
たぶんその日は大混雑になるのでしょうねえ。
でも競馬場の移転という出来事に遭遇するのは、おそらくこれが最後では?

ちなみに前回は1996年の盛岡競馬場で、その前は1985年の高知競馬場。
日本の競馬場の姿を考えると、これから移転する可能性がありそうな競馬場はなさげ。
でも昔は移転がメチャメチャ多くありました。

南関東の4つの競馬場もすべて別の場所から移転した経歴がありまして、
浦和は春日部から、船橋は柏から、川崎は戸塚から、そして大井は八王子から。
すべて昭和の前半までの話です。

でもその頃は「移転」されるのはラッキーなことで、「廃止」された競馬場がどれだけたくさんあったことか。
なんてったって昭和23年の時点では、沖縄を除くすべての都道府県に競馬場が存在していたのですから。

しかし現在はネットで馬券が買えるようになったおかげで、競馬場が廃止される可能性がほとんどなくなりました。
先日、船橋の矢野義幸厩舎を訪問しましたが、矢野調教師は騎手として所属していた紀三井寺競馬場(和歌山市)の廃止を経験しています。
矢野厩舎を訪問した理由は、地方競馬全国協会のホームページに掲載されたミューチャリーの記事の取材のため。

むむむ、そうなるとミューチャリーを本命にしないわけにはいかないやん!

◎9.オメガパフューム
○11.ミューチャリー
▲12.クリンチャー
△5.ウェスタールンド
△2.タービランス
△1.ロードブレス
△8.ノンコノユメ

もちろん、ミューチャリーを1着に固定した馬券も買いますよ!
でもやっぱり暮れの大井といえば、オメガパフュームかなと思います。
JBCクラシックは出遅れと小回りコースがキツかった感じがしましたから、本命はこちら。

そしてクリンチャーにも注目。
東京大賞典は7枠が5年連続で連対していて、6年前は8枠が2着(ホッコータルマエですが)と外枠が優勢。
そのデータとクリンチャー自身が冬になると体調が上がるという点を考慮して、
この三つ巴を中心にしたフォーメーションと、3連複7頭ボックスの網打ち馬券で勝負する予定です!


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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