コラム”

「まもなく年度末」
2022年3月7日

今週の大井競馬の出走表を見てまず感じたことは、
「出走頭数が多い!!!」
とくにC3クラスの16頭立てに波乱の要素がありまくり。

ただ、数年前と違うのは
「このレース、勝つ馬がいないじゃねーか!」
と思うほど、わけわかんない顔ぶれのレースが少ない気がすること。
この要因は「JRAでもうちょっとで勝てた」馬や、いわゆる遅れてきた大物系の馬が増えてきたからかもしれません。

そもそも冬は大井競馬の開催が少ないので多頭数になりがち。
今週の火曜日は全レースが13頭立て以上で、後半4レースはすべて16頭立てになっています。
10年前くらいの記憶をたどると、この時期の前半戦はマジで「初心者は近づかないほうがいいですよ」という感じだったなあ。
出走全馬が前走で勝ち馬から2秒以上の差で負けているとか、けっこう見た記憶があるし。

昼間開催の多頭数

(昼間開催の多頭数)

それは今になって思うと、高知競馬名物の「一発逆転ファイナルレース」みたい。
でも大井の下級条件は真っ昼間だから、さらにレースが続くことを考えると手を出しにくい(汗)。
しかも大井は16頭立てだから、投網するにも限界が……(涙)。

それよりもっと前、大井競馬場にL-WINGができる前は、JRAと南関東の同時開催が今よりたくさんありました。
そんな頃に大井競馬場でドロドロ系のオジサンから聞いたのが
「オレは中央をやんないから」という言葉。

なんでそのオジサンと話したのかまったくもって謎ですが、
南関東を専門にしている人は間違いなくいました。

当時はネットを使える人がわずかで、ケータイ所持率も今よりはずっと低い数字。
自宅でレース映像を見返す手段は、当時放送されていた「大井競馬ダイジェスト」しかなかったと思います。
それも確か10分番組だったから、見られるのは残り200mというところ。 だから研究熱心な人とそうでない人の差がとてもビッグ。場立ちの予想屋さんの存在感もビッグだったように思います。

1997年の開催日程

(1997年の開催日程)

それを考えると、今は恵まれすぎですよ!
私を含めた現代人は、それに甘えていろいろとおろそかになっているのではと思うのです。
たとえば家族や友人の電話番号をまったく覚えていないとか。

能力は使わないと退化する。
これは個人的に気をつけているところです。
その対策として業務上で実行しているのは、
・インタビューは1対1の勝負と思ってその場でメモを取る(一応、録音しますが聞いたことが2回くらいしかない)
・文字数に指定がある読み物系の原稿は手書きで作る

字を書かないとか、なんでも検索するとかだと脳みそが退化すると思うんですよ。
自分自身のジジイ化は着々と進んでいますから、常に勝負の緊張感を持たなくては!
と心がけておりますです。

しかしまあ、スケジュールがひっ迫するとそう言っておられぬ状況になるわけで、
先週の水曜日の川崎競馬は2月に続いて到着したのが第7レース。
最初に挑んだ第8レースは事前の予想のままなら3連単が当たっていたのに、変更したおかげで大ハズレ。

ケンタッキーラウンジのローズルームで勝負

(ケンタッキーラウンジのローズルームで勝負)

続く第9レースはガチガチで当たったものの、
第10レースはパドックでマルを付けた7番人気のモンゲーハガネが2着に入ったのに、
勝ったペイシャムートンがヌケで大ハズレ。

今の状況はどうも「健全な馬券は健全な肉体と精神に宿る」から遠い場所にいる感じがするので、
今週の大井開催は突撃を自粛します(汗)。

しかしながら、3月11日は名古屋競馬場には行くのよね。
その日が今の名古屋競馬場でレースが行われる最終日。

2003年の上山から始まって、その後も北見、高崎、足利、宇都宮、益田、荒尾、福山と、
競馬場の最終日に臨場している私ですから、名古屋も最終日に行かないわけにはまいりません。

名古屋競馬場

(名古屋競馬場)

昨年は5回も行ったし、いろいろな思い出がある名古屋競馬場。
ただ、今回の最終日は廃止ではなくて移転なので、
惜別の人がどのくらい来るのか、場内がどんな雰囲気になるのか、ちょっと予測しにくい感じがします。

でもたぶん、名古屋駅から競馬場に向かう「あおなみ線」に乗る機会はしばらくないだろうなあ。
というわけで今週のフジノウェーブ記念は自宅から投票いたします。
こんな言葉を当たり前のように使えるのが、いかにも現代っていう感じですなあ。

ただ、世の中はコンピュータ化が進んでもネットの速度が上がっても、社会全体の仕事量は増えている気がするのよね。
そのおかげで私は忙しくさせていただいているわけですが(笑)。

◎6.ハルディネロ
○1.ルーチェドーロ
▲3.レッドフレイ
△5.ハートプレイス
△11.リンゾウチャネル
△9.リコーワルサー
△7.ストーミーデイ

思い起こせば、2年前のフジノウェーブ記念が大井競馬場に自由に入れた最後の日。
そのときは6番人気のトロヴァオが勝ち、2着が12番人気で3着が11番人気の大波乱。

今年のメンバーは逃げ先行タイプが少ない感じがするので、後方一気の形は厳しいと考えて、
距離ロスを少なくできる内枠を中心にしてみました。
そのなかには2年前に優勝した荒山勝徳厩舎に所属する4頭を全部入れておきます。

さらに2年前に表彰台に立った藤田凌騎手も入れておきましょう。
ただ、この重賞は過去5年で3連複が万馬券になったことが2回しかないんですよね。
それでも今年は波乱になると決め打ちして臨みます!


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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