
ヤングジョッキーズシリーズの最終戦の舞台はJRA中京競馬場。
この時点でも一応、出場騎手全員に優勝の可能性があるのですが、前日の名古屋競馬場で2勝を挙げたJRAの小林凌大騎手が圧倒的に優勢。
前日が10頭立て9番人気で9着→11頭立て10番人気で10着と厳しい成績だった大井の大木天翔騎手でも中京で連勝して、
そして小林騎手はもちろん名古屋競馬場でまずまずの着順だった騎手が全員2ケタ着順を連発……
という結果だったら、まさに「メークミラクル」みたいな優勝が実現できます(汗)。
しかしですよ。
私が買った中京スポーツの競馬面によると、大木騎手の馬は2頭ともシルシが1個またはゼロ。
それでも過去のヤングジョッキーズでは、最終日は大万馬券が出るというのが基本中の基本。
私は昨年、中山の芝のレースで金沢の魚住謙心騎手を買わなかったばかりに3連複の11万馬券を逃してしまったという出来事がありました(涙)。
だから今年はなんとしても獲らねばならん!
と、瞳の奥に炎が上がる星飛雄馬のような気合(表現が古い)でパドック診断をしたのであります。
(パドック診断中)
第1戦でもっとも良い雰囲気だなあと感じたのが、川崎の野畑凌騎手の馬。
続いて小林騎手の馬も良さげ。
うーむ、1番人気か。
ほかにも目立つ馬はいましたが、でも芝に乗るのが初めてという騎手が7人もいるわけでしょ。
人気どおりに決まるわけないじゃんね。
といった要素を加味して選んだ8頭で3連複のボックス勝負56点。
これが見事に的中したのであります!
結果は1番人気(2.1倍)→8番人気(28.7倍)→13番人気(127.4倍)で、3連複が630.4倍でした。
久しぶりに諭吉先生がたくさん出てきたよ~(感涙)
(大的中)
いや~、残高照会をして数字が増えているのもウレシイけれど、現ナマを手にするのもいいですなあ。
最後の最後に前走が障害競走だった2着に入った8歳馬を加えておいてよかったよ~。
という「ごっつぁんです」な状態になったので、前日に続いて来場していた愛知県在住のIS黒さんに生ビールをプレゼント。
昨日の夜、串焼きとおでんが超ウマい店に連れて行ってくれたおかげです!?
(前夜祭)
この高配当の立役者は、13番人気馬で3着に入った大木騎手。
彼は浦和のトライアルラウンドで、ズバ抜けた最低人気馬で3着に入ってファイナル進出を決めた実績があるのよね。
ついでに船橋のトライアルラウンドでは6番人気馬で勝利。
大木騎手は2019年4月デビューで、12月25日時点で通算18勝。
ケガでの長期離脱もあって数字としては厳しいのですが、個人的にはいい印象を持っている騎手のひとりです。
これから歯車がかみ合ってくれば、一気に成績が上がりそうな気がします。
馬券が当たったからお世辞を言っているわけではありません!
(中京競馬場で東京トゥインクルファンファーレ)
さらに大木騎手は中京での2戦目も148.5倍の14番人気馬で6着に健闘。
いちおう、万馬券を獲らせてくれた感謝を込めて買い目に入れていましたが、
パドックで見た馬の姿は成績的にもパドック診断的にも買いにくい感じ……
それを最後方から上位に食い込ませたのだから、ちょっとしたオドロキがありました。
ここのところ南関東でデビューする騎手が増えていますが、上位の騎手のカベがとても厚くて大変だと思います。
今年は森泰斗騎手、矢野貴之騎手、笹川翼騎手、和田譲治騎手が200勝オーバーで、
第5位を争う町田直希騎手、本田正重騎手が120勝を超えたあたり。
成績上位の騎手には勝てるチャンスがある馬が集まってくる好循環が発生するので、
それ以外の騎手がそこに食い込むためには実力以外のものが必要かなと感じます。
2022年でそれをつかみかけている、と思えるのは船橋の岡村健司騎手と大井の達城龍次騎手。
岡村騎手は前年の48勝から倍増に迫る勢い。
達城騎手も前年の39勝から倍近くに勝ち星を伸ばしています。
こういう“名前を出す商売”というのは、一部の天才を除いては「キッカケさえあれば」というケースが多いと思うんですよ。
スポーツ選手は「いいコーチと出会うかどうか」という面がありますし、
タレントさんにしても「時流に乗れるかどうか」が大きな要素だったりします。
私は今年のクリスマスは「ももいろクローバーZ」のコンサートで過ごしましたが、
ももクロだってちょっと何かが違っていたら、ここまでの存在になれなかった可能性は十分にあったと思うのです。
(今年もさいたまスーパーアリーナでコンサート)
サラブレッドにしても似たような部分はあって、素質はあっても厩舎の調教スタイルにマッチしなくて成績が上がらなかったり、
預けられた育成場がその馬に合っていなくて能力を開花できなかったり。
そんなふうに感じてしまわざるを得ないケースをいくつか見てきました。
やはり重要なのは運と縁。
今年の東京大賞典はそのあたりを考えて、シルシをつけてみたいと思います。
◎5.メイショウハリオ
○3.ライトウォーリア
▲9.カジノフォンテン
△10.サンライズホープ
△11.ミヤギザオウ
△7.リンゾウチャネル
△6.ウシュバテソーロ
メイショウハリオは今年のJBCクラシックで5着でしたが、レース後に手綱を取った濱中俊騎手が「右回りのほうが……」とコメントしていました。
その点と出走メンバーを考えて中心視。
対抗には移籍がキッカケになったと思えるライトウォーリアを指名。
さらに実績上位のカジノフォンテンを単穴に据えます。
あとは前走がチャンピオンズカップだった馬と勝島王冠だった馬をマークして、最後にダートに転じてから一変したウシュバテソーロまでマーク。
このなかでもっとも気になるのは、1月3日の川崎・報知オールスターカップではなく東京大賞典を選んだライトウォーリアですね。
兵庫のラッキードリーム、川崎のゴールドホイヤー、船橋のアトミックフォースも1月3日ではなくこちらを選んだ点が気になりますが、
キリがないので無印に。
ついでにJRAのノットゥルノも無印にさせていただきます!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。