
先週は日本列島の大部分が「過去10年で最強の寒気」に包まれまして、電車が止まるなどいろいろ大変な状況になった場所がありました。
そんなときに“通年ナイター”が行われる温暖な高知県に行く私は持っている~♪
と思ったら残念無念。高知県の天気予報は晴れのち曇りで、18時の予想気温が0度。一発逆転ファイナルレースの時間だとマイナス4度!
それでも雪が降るわけじゃないからまあいいか。
と気を取り直して、早朝の飛行機で高知龍馬空港に行き、レンタカーに乗車。
第1レースまでは5時間くらいあるので、まずは高知の立ち寄り先としておなじみの土佐黒潮牧場に向かいます。
しかし空はどんより曇り空。クルマから降りたら寒いのなんのって。しかも雨が降ってきおった!
というタイミングで到着したら、場内ではパドック放牧されていた馬たちを厩舎に戻しているところ。
それが終わるまで待機して厩舎に到着。まずは先日、30歳で亡くなったエイシンガイモンさんの祭壇で手を合わせます。
(エイシンガイモンさんの祭壇)
エイシンガイモンさんは気性が荒く、10年くらい前に私はこめかみを噛まれて流血したことがあります。
ちょっと噛む場所がズレていたら、耳たぶを食いちぎられていたわ!
という昭和の悪役プロレスラーみたいな攻撃を食らったことがあったので、それからはガイモンさんには近寄りませんでした。
でも大往生には敬意を表さないとね。
近くの馬房には2008年の川崎記念を制したフィールドルージュがいました。
(川崎記念の覇者)
そのころまでは寒くてもときどき雨が降るくらいだったんですよ。
しかし正午に黒潮牧場を出発したら、雪と風が強くなってきて「聞いてないよ~」状態。
でもクルマで20分ほどの食堂に着いたら曇り空で、道路は乾いていました。
でも14時頃に高知競馬場に到着して、取材開始時刻が近づいたので業務エリアに入ったら、いきなり気合が入った雪が降ってきた!
その量は高知競馬の職員さんが「パトロールが映るかなあ」というくらい。
それでもこの日のメインイベント「全日本新人王争覇戦」のスケジュールは予定通りで、
検量室前での集合写真の撮影時は大粒の雪が舞っている状況。
この空模様に、騎手も取材陣もなんだかヘンなテンションになっていました(汗)。
(集合写真)
さらに気温が時間とともに低下。
そのなかで行われた第2レースの「全日本新人王争覇戦の第1戦」は、JRAの角田大河騎手が好位追走から差し切り勝ち。
後方から追い上げてきた飛田愛斗騎手がアタマ差2着となりました。
しかし雪は「降っても降ってもまだ降りやまぬ♪」という状況。
すると第3レースに騎乗した騎手が「砂が凍っていて顔が痛いっす」と言いながら検量室へと向かっていました。
確かに、いつもは砂が深くて歩きにくい高知競馬の検量室前が、今日は普通のスピードで進める!
そういう馬場で実施された第2戦は、第1戦と同じく角田騎手が勝ち、飛田騎手が2着という結果になりました。
その第2戦でアクシデント発生。船橋の篠谷葵騎手が4コーナーで落馬。
私はたまたま、篠谷騎手のご両親と高知空港で遭遇して面識があったので、篠谷騎手の父をバックヤードに案内。
ケガはあるものの意識はハッキリしている篠谷騎手を見て、お父さんはすこし安心していたように見えました。
市内の病院に向かう救急車を見送ってスタンドに戻ると、飛田騎手のお父さんに遭遇。
「福岡行きの飛行機が欠航になったから、今日は高知に泊まります」とうれしそうでした。
そのほかにもいろいろなアクシデントがあった今年の全日本新人王争覇戦。
検量エリアに戻って取材を続けると、さらに雪の量がマシマシに!
(高知とは思えない景色)
第5レースのレース後に帰ってきた騎手は、しゃべる気力もないという雰囲気。
すると検量室から外の様子を見に出てきた騎手が、
「こりゃダメだ~」「もうやめぇや~」と騒ぎ始めました。
その一方で某騎手が「いやいや、僕は稼ぎたいですから」「オレも」と笑いながら応酬。
この明るさが高知競馬のいいところなんですよね。
しかしですよ。第6レースのパドックの映像を見ると、なんか雰囲気がおかしい……
そしたらアレレ、鞍を持った騎手が歩いて戻ってきたではないですか!
(パドックから帰還)
パドックから検量室までの150mくらいで体に雪がまあまあ積もっているのだから、これは相当な降雪量。
ということで第6レースは取りやめになって、第7レースも取りやめに。
続く第8レースも天候調査中と放送がありましたが、結局18時40分頃に「開催打ち切り」となりました。
この状況でも打ち切り決定まで時間がかかったのは、おそらく装鞍所に出走馬が入っていた関係ではないかと。
それにこの日はナイター開催が高知だけ。
後半戦だけでも7億円くらいは馬券が売れるわけだから、運営側としてはそう簡単に「できませんからやめまーす」とは言えませんよね。
(取り止め)
……そうだ、今のうちに馬券を買っておかなくちゃ!
私は最終レースに出走する「モノノフブルー」の単勝を買うつもりだったんですよ。
「モノノフ」とは、ももクロのファンの愛称。
本来の意味はニシケンモノノフ産駒だからでも、モノノフとして見過ごすわけにはいきません。
ちなみにブルーのほかには「レッド」「ピンク」「イエロー」「グリーン」がいて、なぜかパープルがいません(涙)。
(買えてよかった)
というわけで開催打ち切りが決定する前に急いで購入。するとあらウッカリ。レース番号を塗り間違えた!
でも打ち切りになったら払い戻しになるから大丈夫(笑)。
というわけで調子に乗って、モノノフブルーの単勝を3枚も買ってしまいました(ちなみにブルーは脱退した早見あかりさんの色)。
その後はめったに見られない高知競馬の雪化粧を写真におさめ、早々に高知市内に戻りました。
それから通常より早めスタートで反省会。さすがに夜8時でも繁華街は閑散としていました。
(反省会)
そんな記憶に残る高知競馬から帰宅して、その後は北海道でマイナス23度というさらなる厳寒を経験。
そして水曜日は川崎競馬場に突撃する予定です。
◎8.エルデュクラージュ
○3.テーオーケインズ
▲5.ウシュバテソーロ
△6.ノットゥルノ
△4.ペイシャエス
エルデュクラージュは昨年が報知オールスターカップ2着→川崎記念2着。
今年は報知オールスターカップが1着なので、川崎記念は……という期待です(汗)。
前走の時計は昨年の報知ACより3.5秒も遅いですが、圧勝だったのでそこは不問。
日本でもっともカーブがきつい川崎競馬場に対する高い適性が大きな武器になると思います!
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。