コラム”

「萌え文化の威力」
2023年2月13日

諸事情がありまして、2月12日は佐賀競馬場に行っておりました。
もともと月末に佐賀競馬場に行く予定を組んでいましたが、それより前に佐賀競馬場に行かねばならない用事ができたので、
2月は佐賀に2回も行くことに……。

でも行けば面白いことがあるもので、今回はぐうぜんたまたま「ウマ娘コラボレーション」が実施されている日に訪問。
私は「ウマ娘」をダウンロードしていなくて、ウマ娘の声優さんが歌うテーマソングなら聞いたことはありますよ、
電車のなかでウマ娘をやっている兄ちゃんもよく見ますねえ。
というくらいの認識でして、一応はゲーム会社で働いていたという経歴のわりに、スマホゲームに関して興味ゼロでございます。

しかしその一方でアイドル文化には理解と興味を持っているわけで、年齢のわりには“萌え系”の知識は多いと思います。

しかしそれでもビックリですよ。
「ウマ娘」のイベントが行われる佐賀競馬場が、こんなに混雑するなんて!
12時すぎに競馬場に着いたら、まず駐車場が大混雑。
今まで30回は佐賀競馬場に来ていると思いますが、クルマを停めたのは過去イチで遠い場所でした。
そして場内に入るとスゲエ人。
先週木曜日の佐賀記念よりも多いんでないかい?

佐賀にしては大混雑

(佐賀にしては大混雑)

入口の右側にある「龍ラーメン」には10人ほどの列ができていて、となりの「のだ屋」は並びゼロ。
これはおそらくネットで下調べをした人が多かったからではないかしら?

龍ラーメンだけ行列あり

(龍ラーメンだけ行列あり)

さらに私が年に1~2回の訪問でも常連状態になっている食堂の「亭謝馬」が満員御礼状態。
昼メシを……と思ったけれど、こりゃ後回しだわ。

その後はタイミングよく取材ができて、この日のミッションはひとまず完了。
もうひとつ業務がありますが、その前に「ウマ娘」の声優さんが登場してのトークイベントがはじまるよ~~~♪

登場したのはカレンチャン役の篠原侑さん、スマートファルコン役の大和田仁美さん。
「みなさ~ん、こーんにーちわー」
の声を聞いた佐賀競馬場のスタンドからどよめきが起こったのは、
おそらく大半の人が声優さんの声をテレビや映画館以外で聞くのが初めてだったからでしょう。

トークイベントですが、話の内容に競馬のことがほとんど出てこなかったのは、こりゃまあ仕方がないところかな。
それでも萌え萌えの声を聞いた観客のみなさんはニコニコ顔。
しかしまあ、ウマ娘を目当てに佐賀競馬場に来たと思われる人たちからは、ものすごい熱量を感じましたわ。

場内には5か所のフォトスポットを設置

(場内には5か所のフォトスポットを設置)

でっかいカメラを持っている人も多かったですが、トークイベントは撮影禁止のお触れが出ていたので、みんな守っていましたね(当たり前)。
イベントは第6レース後と第9レース後に行われて、
雨が降ってきた第9レース後(18時10分)のステージもスタンド前は1回目の7割くらいの入りでした。

いやしかし、萌え文化ってスゲエ。
じつは私、その前日に横浜アリーナで開催された、ももいろクローバーZの「バレンタインイベント」に行ってきたわけですよ。
興味がない人から見れば「ももクロ」も「ウマ娘」も似たようなもんだろと思われるのでしょうが、
いやいや、それなりに萌え文化に興味があって、そこそこの金額を使っている私から見ても、これはちょっと違いますわ!

私も萌え文化には理解があります

(私も萌え文化には理解があります)

食堂街の奥にある「カフェFUJI」ではオリジナルポストカード付きのメニューが販売されていて、
それが昼過ぎはざっと50人待ちで夕方5時でも10人待ち。
スタンドの近くでは「スマートファルコンのウマドルソーダ(600円)」や「ナリタブライアンのカレードッグ(500円)」などを
持ったグループが“映える”写真を撮りまくっていました。

夕方5時でも行列中

(夕方5時でも行列中)

ちなみにそういう人たちは馬券をまったく買わないというわけではなくて、前半戦のゴール前はなかなかの歓声。
なんだか佐賀競馬場じゃないみたい!

ちなみに2月12日(日)の来場者数は5,612名だったそうです。
馬券発売額は通常の日曜日よりちょっと少ないくらいだったようですが、
現在は競馬場以外で馬券を買われる率が高いから、気にする必要はないと思います。
それよりも今まで福岡市近辺に住んでいても来たことがなかった人に、佐賀競馬場の雰囲気を知ってもらえただけでも十分では?

コラボのポスター

(コラボのポスター)

私は福岡空港からレンタカーで行きましたが、空港からの所要時間はオール一般道で約50分。
夜8時にクルマを返す前に給油したら、たったの3.8リットルでした。原チャリか!
なお、佐賀県は2月末までの水曜日と日曜日は、県内すべてのいわゆる路線バスが無料だそうです。
なので頑張れば、佐賀空港から競馬場まで0円で行けます!

しかしこの集客力には侮れないものがありますなあ。
運営会社の株を一瞬だけ持っていたことがありますが、買い戻そうかしら。
ちなみに私はウマ娘について興味ゼロというわけではなくて、ちょっとやってみようかなという意思は持っています。
ただしダウンロードするのは韓国版のウマ娘。
ソウルの地下鉄の駅にデカデカと展開されていた広告を見てビックリしたもので(汗)。

左からスペシャルウィーク、サイレンススズカ、トウカイテイオー

(左からスペシャルウィーク、サイレンススズカ、トウカイテイオー)

ところで「ウマ娘」には牡馬もいるのよね。
牝馬限定戦じゃなくても成り立っているのは、ガチな競馬ファンを対象にしたゲームではないと割り切った側の勝利ですな。
韓国のウマ娘も走るのは日本の馬だし。

でも水曜日の浦和のメインは牝馬限定戦。
4年連続で単勝6番人気以下の馬が連対しているんですけど……

◎1.マカゼ
○5.クラティアラ
▲3.ボルドーグリフォン
△8.アトカラツイテクル
△12.ハーンドルフ
△9.ポーチュラカ

単勝1番人気になる馬を推理するのも難しい……。
さらに月曜日のトリプル馬単が的中ゼロ!

そんな難解なコンディションのなか、中心視するのは浦和が初めてのマカゼ。
最内枠からスンナリ先行できそうという見立てです。
あとはけっこう難解なので、過去の連対馬の成績に似ているような感じがする馬を並べてみました。
これは間違いなく、流しちゃダメよ、ボックスよ!


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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