コラム”

「九州から川崎へ」
2023年3月6日

2月23日に佐賀競馬場に行ったのは、九州産馬限定の3歳戦「たんぽぽ賞」を観るため。

九州の馬産地界における正月は「たんぽぽ賞」で、お盆は「霧島賞」とJRA小倉競馬場で行われる「ひまわり賞」。
この3つはなんとしても維持しなければ、という強い気持ちで競馬業界が経済的に厳しい時代を乗り越えてきました。

個人的には「競馬は興行」だと思っているので、こういうレースはもっと増えてほしいもの。
かつて、盛岡競馬場には東北産馬限定の「銀河賞」がありましたが、いつの間にかなくなっていました。
その後、東日本大震災が発生しまして『「がんばろう東北」のひとつとして関東&東北産馬限定戦を創設してください』と
青森県軽種馬協会を中心とした人たちがJRAに働きかけましたが力及ばず……
でも、まだあきらめていないとのことですよ!

それはおいといて、たんぽぽ賞は九州で誕生した3歳馬が目標にする舞台のひとつ。
しかしながら九州産馬は1世代あたり60~70頭なので、
各馬の力量差がわりとハッキリするために堅い決着になるのが通例です。

たんぽぽ賞がまもなくスタート

(たんぽぽ賞がまもなくスタート)

というわけで今年の結果は
1着=オバケノキンタ(熊本県出身・3番人気)
2着=ネオシエル(宮崎県出身・2番人気)
3着=ゴーツウキリシマ(鹿児島県出身・1番人気)
となりました。

私はネオシエルの単勝を千円、オバケノキンタの単勝を200円という配分で勝負をしていたもので、
最後の直線ではどっちも応援しないといけない形に……

ハナ差でオバケノキンタが1着

(ハナ差でオバケノキンタが1着)

でもゴールした瞬間に速攻で気持ちを切り替えて、オバケノキンタの側について記念写真の列に加わるの巻。

おめでとうございます

(おめでとうございます)

2着のネオシエルは、昨年に続く佐賀所属馬の優勝まであと一歩。
でもよく頑張ったと思います。
距離のカベはあるかもですが、ぜひとも九州産馬による九州ダービー制覇を目指してほしいなあ。

そんな喜びの結果のあとは祝勝会。
といってもほとんど全員がクルマで来ているので、ソフトドリンクで乾杯です。
行くのは「ウマ娘コラボ」のときに長蛇の列ができていた「Fuji」という名前の軽食堂。
店の前にあるテーブルにてバンザイ三唱となりました。

祝勝会

(祝勝会)

この店は2022年5月にオープン。
年季が入った「食堂」が並ぶなかで、ちょっと違う雰囲気を漂わせています。

その翌日は熊本に移動。
まずは荒尾競馬場の跡地を訪問……

荒尾競馬場跡地

(荒尾競馬場跡地)

かつての馬場の真ん中に場外馬券売場ができて、建物のなかには荒尾競馬の歴史と写真が掲示されています。
そして窓の外を見ると、かつてのスタンドが重機4台で絶賛破壊中でした(涙)。

スタンドが

(スタンドが)

おそらく5月頃には跡形もなくなっていることでしょう。
見ておいてよかった。

それにしても最近の競馬業界の好景気を考えると「荒尾競馬を続けていればよかったのに」と思ってしまいますねえ。
でもあの当時の判断としては仕方がなかったのだと思います。
荒尾競馬の廃止理由のひとつには、スタンドの耐震強度の不足もあったからなおさら。

という寄り道を経て熊本市内で用事を済ませ、土曜日は小倉競馬場を経由して帰宅。
第9レースでは佐賀所属の飛田愛斗騎手と元佐賀競馬の騎手で現在はJRA職員の新原健伸さんが誘導馬に乗るという共演が見られました。

元騎手の新原職員

(元騎手の新原職員)

という九州3泊4日は盛りだくさんでしたが、その分だけ睡眠時間が減るから帰りの飛行機では離陸前に気絶。
着陸寸前に目が覚めてサクサクと飛行機から降りたらアラマ大変。
自宅に帰れる電車が終わってた……
となれば取るべき手段はただひとつ。
24時間営業の「羽田空港第3ターミナル(国際線)」で夜明かし!

ただ、昨年10月頃までは夜の空港がとても静かで快適でしたが、今は3年前に限りなく近い状況に戻りました。
だから寝床となるベンチを確保したら動けません。
しかし今回はウッカリ。
パソコンを充電できる場所を求めて移動したら、座れる場所が見つからなくてウロつくハメになってしまいました。
その影響もあって、翌朝の帰宅後はしばらくグッタリ。
その余波はしばらく続いて、水曜日の川崎も現地に着いたら第8レースでした。

それなのに到着した瞬間、競馬場内で打ち合わせがスタート(泣)。
それが終わったらもうエンプレス杯のパドックですよ。

笠松の3頭もガンバレ

(笠松の3頭もガンバレ)

結果はグランブリッジ→ヴァレーデラルナ→テリオスベルと、単勝人気の順番どおり。
私の決断は、ヴァレーデラルナとテリオスベルのワイド一本勝負で的中はお見事!
2.5倍だったから1点勝負としては上出来(喜)。
川崎記念で手広く買いすぎた反省をいかしたゾ。
いや~、ワイドっていいねえ♪

翌日も川崎競馬場に突撃して、最終レースの前に撤収。
そんなビンボー暇なし状態ですが、3月9日(木)に行われるフジノウェーブ記念を予想します。
なお、今週の現地参戦はムリであります……

◎4.デュードヴァン
○1.アヴァンティスト
▲3.ギシギシ
△12.ギャルダル
△9.ティアラフォーカス
△8.ブンロート
△11.ルーチェドーロ

フジノウェーブ記念は5年連続で白い帽子の1枠が連対中。
ですが、それより前は外枠が優勢だったのよね……。
だから「内枠有利」と決めつけてはイカンということで、内枠代表を3頭、外枠代表を4頭、挙げてみました。

そのなかで注目したいのは、的場文男騎手と初コンビを組むブンロート。
船橋の矢野義幸厩舎と的場文男さまのタッグは久しぶりではないかしら。
期待しつつ見守りたいと思います!


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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