
先々週と先週は北海道で牧場めぐり。
毎度おなじみ2歳馬の取材ではありますが、今年はスケジュールが過去イチで忙しくなっております。
その影響は睡眠時間に直結しまして、寝るのは日付が変わってから。
しかし起きるのは午前4時45分で固定されておりまして、先週土曜日は新千歳空港に午前9時半に着いて、
20時半の飛行機に乗るまで延々と空港の4階にあるフリースペースで仕事しました。ネットカフェか!
来年こそは有能な若手を取材業務に投入して、あたしゃあいさつ回り程度だけにして、原稿はなるべく書かないようにするぞ!
そんな感じで今後の方向性をいろいろと模索しているわけでございます。
(取材は楽しくても体はハード)
そんな2週間のなか、たくさんの牧場関係者と話をしているところですが、
来年から南関東のダート3歳路線が劇的に変わるってことを意識している人は、私の予想よりも少ない感じでした。
ただし、それを意識している牧場や育成場は「狙ってます」という感じがありました。
たとえば某育成場では、昨年の1歳馬のセリ市場で「ダートっぽい馬」を購入して、パワーをつける育成を施しているとのこと。
この作戦がうまくいけば、いわゆる「先行者利益」を取れる形になるのでは?
これまではJRAデビュー予定でダート向きと評価されている馬は
「早めに勝ち上がっても出るレースがないのよね~」という話になっていましたが、その意識もいずれ変わってくるはず。
なんてったって、来年は
1月=船橋でブルーバードカップ
2月=大井で雲取賞
3月=大井で京浜盃
これがすべてJRAとの交流重賞に変身。
さらに4月の羽田盃、6月の東京ダービーは「Jpn1」で、東京ダービーは1着賞金が1億円!
ただし、JRA所属馬の出走枠は、ほかのダートグレード競走と同様に地方所属馬より少なくなるとのこと。
つまりJRAのダートで勝ち星を挙げた馬が、確実に3歳ダートクラシックに出走することを狙って、
早い時期に南関東に移籍するケースが増えてくるのでは?
今週の京浜盃にもそういう存在が2頭も登場。
トノパーはJRAで3戦とも善戦止まりでしたが、浦和での移籍初戦を圧勝して重賞に挑戦。
サグアロはJRAのダート中距離で1勝して、南関東での移籍初戦が京浜盃。
これまでも東京ダービーを勝ったマカニビスティーとか、JRAから南関東のタイトルを狙って移籍してくるという事例はありました。
そんな馬主さんの采配が増える可能性は高そうです。
(ちとせ割を愛用しました)
その一方で、春はサウジアラビアとドバイで3歳のダート重賞が行われますから、どれを選ぶのか悩む陣営が多くなりそう。
今回の北海道の取材でそんな情勢を感じ取ることができたので、そのあたりを「すぱっと!POG!」のコラムなどで紹介できればと考えています。
その道を歩めそうな存在を新ひだか町の山のほうにある「ノルマンディーファーム」で発見。
JRA所属なので「すぱっと!POG!」的にはアレですが、来年の東京ダービーを狙える素質がありそうでした。
(WBC優勝の瞬間はノルマンディーファームで)
いやしかし、来年から3歳限定のダートグレード競走が増えることが、北海道のみなさんの頭のなかにあまり入っていなかったのはちょっと意外。
今回の取材が基本的にJRAデビュー馬を対象にしたものだからってことはあるかもですが。
それとは別の理由ですが、最近になってダートな感じの種牡馬が増えましたね。
たとえば優駿スタリオンステーションでは、チュウワウィザードとエスポワールシチーが満口御礼。
今年が競走デビューとなるダート系の種牡馬では、モーニンとエピカリスの産駒を見ました。
ダート系の種牡馬が増えたのは、牧場側が「わかりやすい血統」を意識している傾向が出てきたため。
地方競馬の賞金が上がってきたことも理由のひとつです。
そうなると、今後はさらに「芝」と「ダート」の二極分化が進んでいくのかも。
それを取材する側の意識も変わっていかないとダメだなあと、今年の取材を通して感じました。
しかしながら、朝から日が暮れるまで取材して、宿に入ったら原稿仕事という日々は厳しい限り。
もう若くないんだから……(涙)。
(取材中は高カロリーでちょうどよし)
その影響で、浦和の桜花賞は買うヒマもレースを見るヒマもございませんでした。
救いといえば、買っていたらハズレていたと思われること……
そして今週も遠方への出張が入っております。
でもたぶん、今週はちゃんと馬券を買えるはず。
今週から大井競馬がナイターになりますからね。
さらに羽田空港に到着して、元気が残っていれば帰りがけに寄ることも可能。
それを目標に頑張ることにするか!
ちなみに水曜日の京浜盃はパソコンでの観戦が確定しております。
南関東所属馬限定戦として最後の京浜盃は、上位拮抗の良いメンバーとなりました。
◎10.トワシュトラール
○7.サグアロ
▲3.トノパー
△6.ポリゴンウェイヴ
△5.サベージ
△11.タイガーチャージ
ここまでで、レースレベルが高かったのは雲取賞という気がするので、そこで3着だったトワシュトラールに期待。
対抗のサグアロ、3番手のトノパーはJRAデビュー馬で、心情的には地方デビュー馬に期待したいのですが、
やはりJRAデビュー馬は育成過程が違うことがあったりするので、この位置に置きます。
ポリゴンウェイヴは高い実力の持ち主ですが、距離延長は微妙な気がするので連下まで。
まくり脚があるサベージ、雲取賞は差のある4着でも素質的に上位のタイガーチャージを押さえます。
馬複と3連複のボックスかな?
浅野 靖典
1969年8月1日生まれ
1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
JRA、青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。