コラム”

「九州1歳市場」
2024年6月24日

日本のサラブレッド1歳市場のスタートとなるのが、6月中旬に鹿児島県の大隅地方で開催される「九州1歳市場」。
10年ほど前はお客様より馬のほうが多いという厳しい年もありましたが、なんとか持ちこたえて最近は上昇ムード。
本年も昨年に続いて“売上レコード”となりました!

この主な要因は、最近のサラブレッド市場の好景気。
それともうひとつ、新コロ初年度に「完全オンライン」で実施したことによる“ネットショッピング”の定着があると思います。
もちろん、ヨカヨカやイロゴトシといった九州産馬の活躍で、注目が集まったこともありますね!
その影響か、今年はなんと上場馬が31頭も集まる大盛況。

そこで悩んでいたのが、主催する九州軽種馬協会の事務局長が「お昼のお弁当をどのくらい注文したらいいんだか……」
その結論は400個。そして結果は80個くらい余るという上々の結果でした。
足りなかったらシャレにならんですからね。
そんなわけで、私は市場終了後に2個もらって、帰りの道中と翌日の早朝にいただきました(感謝)。

九州1歳市場

(九州1歳市場)

しかしですよ。この時期の実施で気になるのは空模様。セリ市場の1週間前に週間天気予報を見ると……
「雨」
「降水確率100%」
「予想降水量300mm」
そりゃ厳しすぎるっす(泣)。

一昨年がすさまじい雨のなかでの開催になりまして、上場馬の展示がセリ市場内。
その年は新コロの影響で来場者数を制限していたため「密」にはなりませんでしたが、今年は別。
一昨年は1日に5往復くらいに減らされていた羽田~鹿児島便は、今や1日22往復とすっかり元どおり。
セリ市場で屋根があるところは少なくて、収容できるのは7~80人が限界……

と心配していたら、週末になったところで天気予報に変化が!
朝から晩まで雨という予想が「夕方まで雨」に変わっとるやんけ!
これは経験上、および数値予報解析の傾向から、当日に雨が降ることはなさげ。と安心して、
6月17日の月曜日にメチャメチャ揺れる飛行機で宮崎空港に到着。

そこからレンタカーに乗り換えて、打ち合わせ終了後にちょっと寄り道♪
鹿屋市近くにある「サテライトきもつき」という競輪&オートレースの場外です。

敵情視察

(敵情視察)

鹿屋には10年くらい前まで、荒尾競馬の場外馬券売場があったのですが、その当時は地方競馬の売上がイマイチだった頃……。
せっかく居住性がいい施設が作られたのに短命で終わってしまいました。
ちなみにその土地は、うなぎの養殖場→場外馬券売場→現在はメガソーラー。

でも今は世の中の状況が違っているわけですよ。だったらもしかして、ここで馬券を売る日が来るのでは?
という推理で視察してみました。

証拠物件

(証拠物件)

川口の第2レースを買って、訪問した証拠を残すの巻。結果は130円のプラスでした。
その第2レースは見ないでお宿に移動。
そして部屋のテレビをつけたら、ニュースで「鹿児島県には大雨洪水警報が出ています」と言っているではないですか!
この雨が夜のうちに降り終わってくれたらいいなあ。と思いつつ気絶して、午前2時頃に外を見たら雨風びゅうびゅう。
でも翌朝は晴れている!

その代わり、私のレンタカーのフロントガラスに落ち葉が山盛りでした。
でも「雨じゃないだけありがたいと思え」ですね。ありがたや~。

セリ市場は展示前に霧雨が降る時間帯もありましたが、基本的に晴天でした。
週間天気予報がハズレてよかった。これも皆様の日頃の行いが良いおかげです!

青空の下で展示

(青空の下で展示)

ちなみに結果は、31頭のうち22頭が落札されて、売却率は昨年の60%→71%にアップ。
売上の総額も5,790万円→7,290万円(税別)にアップ!
長時間の競り合いが発生する馬もいて、終わってみたらシャツが絞れるくらいに汗だくだくになりました。
こういうハードワークだったらナンボでもやりますよ!

インタビューに答える佐賀の真島二也調教師補佐

(インタビューに答える佐賀の真島二也調教師補佐)

という1日が終わり、そのまま熊本県に移動して別件のおしごと。こちらも雨が降らなくて助かった!
さて、私の次の出番は、7月2日(火)に東北新幹線の八戸駅からクルマで20分くらいの場所で実施される「八戸市場」です。
上場頭数はなんと、鹿児島より少ない28頭。
その一方で、8月に行われる「サマーセール」(静内)は馬が多すぎて、月~金の5日間の予定が土曜日まで延びたという……。
北海道では埋もれてしまうかな、と不安に感じる馬は、青森に連れてくれば目立ちますよ!!!

というセリ市場の谷間にあたる今週は、水曜日が帝王賞。現地でビッシビシと勝負するつもり……です!

◎1.グランブリッジ
○11.メイショウハリオ
▲5.ノットゥルノ
△7.セラフィックコール
△8.ウィルソンテソーロ
△12.キングズソード

JRA所属馬だけになってしまいました(汗)
でも買うのはボックスですよ。一応の中心に指名したのはグランブリッジ。
自分でレースを作れないタイプだとかねてから思っていましたが、だったら逆に軸としては最適ではないかしら?

ということで3連複はボックスで、3連単は念のため、1頭軸マルチにしてみようかな。
そういえばさきほど、台所の隅から帝王賞のコップ(陶器製)が出てきたんですよ。もしかして吉兆かも?

帝王賞カップ

(帝王賞カップ)


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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