コラム”

「競馬場の最終日」
2024年10月15日

先々週の木曜日(10月3日)、東京盃で2着に入ったマックスをノーマークにしてしまった私は、
そのままモノレールで羽田空港に移動。
空港に着いたらハズレの件なんかすっかり忘れて、深夜発の飛行機に搭乗です☆

今回の行き先はシンガポールで、目的地は競馬場。
シンガポールの競馬は10月5日で廃止されてしまうので、その最終日に臨場です。

シンガポールの競馬場

(シンガポールの競馬場)


私はこれまで、上山(山形県)、益田(島根県)、荒尾(熊本県)、
高崎(群馬県)、足利&宇都宮(栃木県)で競馬場の最終日を見守りました。
ついでに北見(北海道)と旧・名古屋の最終日も現地。

それなら海外でも競馬場が最終日を迎えるんだったら、そりゃイクシカナイダロウ!
今年3月末で廃止になったマカオに行けなかった分も含めて、気合満点で最終日の空気を感じてくるぞ!

という予定を昨年から立てて、9月中旬に成田から片道2万円弱の航空券があることを確認。
「さて、帰りはどうすっぺかな~」と考えていたら、出発の2週間前にテレビカメラと一緒に行くことになりました。
そのため出発地は羽田空港に変更。しかしもろもろの理由で厳しい行程となりました。

10月4日(金)0時05分(機内泊)7時頃にシンガポール→撮影→会食
5日(土)シンガポール競馬の最終日
6日(日)シンガポールからマレーシアに日帰りで行って撮影
7日(月)1時頃(機内泊)9時頃に羽田空港着

現地2泊で機内2泊だから、4泊3日って感じ???
さらに週末の通常業務があるものだから、シンガポールでは2泊とも睡眠時間は1時間半程度。
そのわりにはテンションアゲアゲで、我ながらよく頑張った~

井上オークス先生と記念写真

(井上オークス先生と記念写真)


ちなみに当初の予定は「4日の夕方にシンガポール空港に着いて、翌日の朝まで空港で過ごす」でした。
シンガポールの空港の制限エリア内には、リクライニングチェアがあるんですよ。

さらにコンビニや映画館、そして有料のシャワールームもあるから住めるくらい!
しかしビックリ。空港のWiFiにつないだら、競馬関係のホームページが見られなかったんですよ、どーゆーこと?

空港のフードコートは安くてウマい

(空港のフードコートは安くてウマい)


そのため凱旋門賞のレース映像も見られないどころか、nankankeiba.comも地方競馬全国協会も閲覧不可。
ただ、ダメなのは空港の無料WiFiだけっぽいので、
次にシンガポール空港で寝泊まりするときは事前に準備しておきますわ(備忘録)。

という詰め詰めスケジュールのなか、現地では制限多数の条件下で頑張って撮影。
その結果、この国の競馬が廃止に至った理由の一端を感じることができました。

その「理由の一端」とは早い話が、★主催者のヤル気が圧倒的に不足

最終レース後の閉場セレモニー

(最終レース後の閉場セレモニー)


だいたい、人口が同じくらいの香港(シンガポールが約600万人、香港は約700万人)が大繁盛しているんですからね。
この廃止は完全に人災ですよ。激おこプンプン。

いずれにしても、完成から25年程度しか経っていない競馬場は役目を終えることになりました。
もったいないったらありゃしない。

ただ、シンガポールの競馬は、運営がマレーシアと一緒になっている部分がありまして、
移籍する馬が多数いる模様。移籍する厩舎スタッフもいるそうです。

パレードする厩務員さんたち

(パレードする厩務員さんたち)


ちなみにシンガポールでは馬券発売が継続されます。
最終日も競馬場および場外発売所では、韓国(ソウル)とオーストラリア、夜は南アフリカの馬券を発売していました。

そのオッズは独自のもので「買う人はおらんじゃろ?」と思った韓国の馬券も、発売票数を見るとまあまあの数字でした(汗)。
しかしながら、売り上げが多いのは単勝と複勝。いろんな券種がまんべんなく売れている香港とは違う感じです。
※馬券の種類は、単勝、複勝、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単、4連単

左が韓国の単勝、右がシンガポールの4連単

(左が韓国の単勝、右がシンガポールの4連単)


そういえば、廃止されたマカオも単勝と複勝が圧倒的に売れていたっけ。
マレーシアも4連単を売っているものの、発売票数が1レースあたり400程度だから“的中者ゼロ”が連発。これを買う人って……?
そんなマレーシアの首都、クアラルンプールにあるセランゴール競馬場で、知っている文字を発見しました。

競馬情報の冊子に

(競馬情報の冊子に)


船橋所属だった中野省吾騎手ですよ。
長らくマカオで騎手生活を送っていましたが、マカオ競馬が廃止になって、ここで騎手免許を取得したとのこと。

昔はいろいろとありましたが、現在は自分で道を切り拓いていくフロンティア。
これからの活躍を期待したいと思います。

セランゴール競馬場

(セランゴール競馬場)


という“弾丸ツアー”から帰国して、水曜日は川崎競馬場に突撃!
しかしさすがに疲労が激しく、競馬場に着いたのが第9レース……
「じゃあ、ムリして行くなよ」というご指摘はごもっとも。でもベアバッキューンをナマで見たかったんだもん。

飲み物はイモノソーダワリデ

(飲み物はイモノソーダワリデ)


パドックは普通かな~という印象でしたが、結果はメッチャ大楽勝。私の目が節穴でしたスミマセン(汗)。
でも馬券は「南関道中」のとおりで大的中!
さて今週の重賞は、7頭立ての先週とは一変の16頭立て。ホームランを狙ってもいいのでは?

◎16.スマイルウィ
○5.マンダリンヒーロー
▲2.スピーディキック
△3.デュードヴァン
△13.フォーヴィスム
△1.ムエックス
穴15.ボンディマンシュ

アランバローズが逃げるとなれば、ペースは速め。
となれば展開的に、先頭集団の直後に付けられそうなスマイルウィが有利になると期待します。

マンダリンヒーローは右回りのマイルでそろそろ……という期待。スピーディキックも見限れない存在です。
そのあとの4頭は「展開次第で届くかも」という候補。
本線はスマイルウィの1頭軸ですが、三振しても上等ダー!の気持ちで3連複7頭ボックスも仕込む予定です!


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

コラム一覧