コラム”

「ラストライド」
2025年11月25日

先週は水曜日に笠松競馬場に行きまして、木曜日が名古屋競馬場、金曜日が川崎競馬場と、渡り歩いてまいりました。

笠松競馬場は「ラブミーチャン記念」の取材でして、競馬場に行く前に笠松町役場の敷地内にある「ラブミーチャン記念碑」を拝見。
これは11月5日に除幕式が行われたばかり。
これが町役場に設置されたのは、笠松町が競馬場を大切に思っていることを表現した形なのだと思います。

ラブミーチャン記念碑

(ラブミーチャン記念碑)

しかしまあ、笠松競馬場はよく廃止されませんでしたよ……

10年前の2015年は、古馬C級の1着賞金が16万円。
2着が3万2千円で、3着が1万6千円となって、4着と5着は賞金ゼロでした。
ついでに20年前の2005年は、C級の1着賞金が15万円。2着は3万8千円で3着が2万円で、4着は1万1千円で5着がゼロ。
本当によく耐えたと思います。

しかしながら廃止の香りがしたことはまあまああって、いろいろな話が聞こえてきました。
とくに地主さんとの交渉は大変だったみたいです。
10年前くらいまでは内馬場に田んぼ、畑、鉄塔がありました。
それが姿を消して、交渉が進んでいることを感じさせてくれました(2コーナーの内側のお墓は残っています)。
それに続いて、競馬場から1kmくらいの場所にある厩舎から一般道を歩く状況を解消させる事業が進められています。

3コーナーの奥に厩舎が新設されます

(3コーナーの奥に厩舎が新設されます)

というわけで昭和の香りが漂うスタンドは、しばらく残る模様です。

競馬の景気の回復は賞金額を見ると明らかで、現在はC級の1着賞金が40万円で、5着でも4万円。
こんな復活を見せたのは、ネット投票が普及したおかげ。そして「ウマ娘」のおかげです。
今年になって名鉄の笠松駅の駅名標が「ウマ娘・シンデレラグレイ」に変身していたときは「マジか~」と思いました。
するとこんどは、駅舎内の「ぷらっと笠松」がウマ娘な感じに変わっていてビックリよ!

写真撮影用に店内がスッキリ

(写真撮影用に店内がスッキリ)

ここはもともと、コミュニティバスの待合室。
それなのに店内にあったイスが撤去されたってことは、完全にそっち方面に振り切りましたな!
「海外からのお客さんが増えました。この間はメキシコから来た人を案内しましたよ」と言うのは、ぷらっと笠松のキャプテンの後藤さん。
「私はよく分からないんですけど、すごいことですよね」

スミマセン、私も「ウマ娘」がどんなんなんだかサッパリ。
でもゲーム業界で仕事をしていたもので、アニメとゲームは日本がトップランナーであるという意識はメチャメチャあります。
いやしかし、これはスゴイ。競馬業界を復活させてくれたお礼を兼ねて、ウマ娘の関連会社の株を買おうかな(遅い)。

続いて競馬場に向かうと、亜咲花さんのミニライヴが始まるところ。
亜咲花さんは「ウマ娘」ではエスポワールシチーを担当しています。

本日のイベント

(本日のイベント)

アニメソングシンガーで声優もするのは、じつはスゴイことなんですよ。
30年くらい前に、声優養成所の人たちの練習風景をよく見ていた経験からも実感します。
という、亜咲花さんのステージを見るのが本日のメインイベントです♪

観客の半分くらいは60歳以上かなあ。それなら「走れコウタロー」の替え歌である「走れダート競馬」はテッパンですね!
ミニライヴを2回、予想ステージを1回の計3回をすべて見て、もうこの日の任務は完了。
その余韻でラブミーチャン記念の取材をしましょかね~♪

翌日は名古屋競馬場に突撃して、まずは駐車場内にある「ヤマザキショップ」にごあいさつ。
すると店長が「宮下瞳騎手が調教師試験に受かったから、来週水曜日で引退ですよ」と教えてくれたではあーりませんか!

競馬場のコンビニ

(競馬場のコンビニ)

たぶん合格するとは思っていたけれど、11月とは知らなんだ。
「つーことは、アサノさんは来週も名古屋に来ますよね?」
いやいやいや……。ちと保留でスンマセン。
とりあえず、宮下騎手のグッズは買っておきますわ。

千円でした

(千円でした)

さらに金曜日の川崎は、今野忠成騎手と山崎誠士騎手が現役最後。
パドックで競馬仲間のユミちゃんに遭遇したら、山崎騎手推しの彼女は涙目でしたよ。
「20年も見てきたから……。なんかねえ……」と、パドックで写真を撮りまくっていました。
しかしですよ。「今日は仕事があるから、9レースまでしかいられないんです」だって。マジですか?

写真を撮る人が多数

(写真を撮る人が多数)

合格発表が木曜日で、最終騎乗が金曜日。それはあまりにも急な話だわよ。
リサーチすれば「もしかして」と考えることはできるだろうけれど、なかなかねえ……。

そんなわけでユミちゃんの代わりに、という気持ちを含めて、最終レースの「川崎ジョッキーズカップ」を観戦しました。
するとおーっと、ゲートで今野騎手の騎乗馬が立ち上がって今野さんが振り落とされた!
背中が軽くなったその馬は向正面に入ったところで先頭に。
しかし最後は失速して、櫻井光輔騎手と佐野遥久騎手に差されて3番手。
で、本当の3着は、神尾香澄騎手が逃げ粘った?

てことは、私の鬼の網打ち3連複9人ボックス84点は、1着2着4着ってことですか。
ネット競馬さんでのシルシは神尾騎手が本命なのに~。
いや~、これはヘタこいた~。

2万馬券を逃したのは痛すぎる~と嘆いていたら、
山崎騎手が検量エリアに戻る前に観客エリアに来て「今野さんがいない!」と叫んでウケを取っておりました。

山崎騎手がファンサービス

(山崎騎手がファンサービス)

後検量が終わったところで山崎騎手は花道に来てファンサービス。
落馬で現役を終えた今野騎手も来て、苦笑いをして去っていきました。

スンマセンの今野騎手

(スンマセンの今野騎手)

この両名の調教師デビューはいつかしら。

今週の水曜日は浦和記念。
ちなみに山崎騎手は父の山崎尋美厩舎のボランタスで、14年前に浦和記念を勝っています。
今年はそういう雰囲気がある出走馬がいるかな?

◎11.ロードクロンヌ
○5.ナイトオブファイア
▲3.マルカンラニ
△12.クラウンプライド
△4.スレイマン

ロードクロンヌは重賞で4戦連続3着以内。おそらく小回りコースも大丈夫でしょう。

逆転の期待は、初の古馬混合重賞に出るナイトオブファイア。
マルカンラニは、来週の勝島王冠ではなくてこちら、という点が気になりますが、
東京記念でお世話になったことだし3番手(個人的な事情でスミマセン)。

あとは距離延長がプラスになるクラウンプライド、
このなかで唯一、浦和で勝利したことがあるスレイマンまでとしておきます。


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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