コラム”

「ポツンと一軒家」
2025年12月1日

個人的に、建造物の構造とその成り立ちに関心がありまして。
だからフランスに行くと、石造りのでっかいお城がどういう間取りで、そしてどうやって作ったのか興味津々。
その建物を眺めながら想像をするだけで、ごはんドンブリ3杯は楽にイケます。

そんな私ですから「山奥の一軒家に行く」という、仲間うちのイベントに参加しないわけがありません。
その行き先は、東京都檜原村にある「小林家住宅」。
JR五日市線の武蔵五日市駅から20kmほど西に行き、そこから山道を1kmほど登ったところにある“ポツンと一軒家”です。

小林家住宅の案内

(小林家住宅の案内)

ここは国の重要文化財で、建てられたのは約300年前。
なんでこんなすさまじい山奥に家を建てたのか、という疑問が浮かぶ場所は日本全国にけっこうありますが、
そのなかでもレベルが高い物件だと思います。
だって、家に行くための道路がないんですよ。あるのは山道、ケモノ道。
しかしそれでは重要文化財としての補修などができないため、山を登るモノレールが設置されました。

それに乗りに行こうというのが今回の真の趣旨。
だって鉄道旅行オタクの集まりなんだもん。
というわけで、自宅から2時間半ほどかけて武蔵五日市駅に到着。
駅前で待機していた仲間のクルマに4人乗りして、山のほうへと入っていきます。

東京都の西の端です

(東京都の西の端です)

ちなみに檜原村は昭和22年の人口が6,642人でしたが、そこから右肩下がりという状況で、今年の元日が1,923人。
目指す「小林家」も17年前まで人が住んでいたそうですが、正直なところ「マジですか?」というレベルの場所なのです。
そういう場所で昔の人は生計を立てていたというのだから、文明に囲まれた人生を送っている私にとってはアンビリーバボー。
そんな話をしていたら、クルマはモノレール乗り場に着きました。

モノレールが到着

(モノレールが到着)

ここから9人乗りのモノレール(安定走行のためのガイドレール付き)で、200mくらいの標高差を運んでもらえます。
このモノレールがなかなか面白くて、ここまで「ムリして来てよかった~」と思える物件。
最大斜度は43度らしいのですが、気分としてはタワーオブテラー。
「ここでエンストしたらどーすんのかな」とか言いながら、13分ほど乗ると終点です。

急勾配すぎる

(急勾配すぎる)

帰りはモノレールに乗るか、地力で下山するかの2択ですが、脚部不安を抱える50歳以上の5人組は、40分後に出発するモノレール一択。
「小林家」は、この近所に住んでいたというおばさまが案内してくれました。
ちなみに「クマを見たのは2回くらいかな」だそうです(怖)。

小林家住宅

(小林家住宅)

しかしいつも思うのは「こんな山奥に、チェーンソーもブルドーザーもない時代に、よくこんな家を作ったよなあ」ということ。
釘を使わない工法で、木を切ってから梁に丸太をどうやって設置したのかも想像がつかん。
でもそれを想像するのが楽しくて、興味深いことなのです。

家をゆっくり見学して、モノレールまでの時間が20分ほど。
なので、この奥にあるという家のほうに向かうことにしました。
すると、そのケモノ道に真っ黒いフンが。1つは丸い粒状で、もうひとつは棒状。
これはたぶん、
☆丸い粒=シカ
☆棒状のもの=熊
なんじゃない?
あとで案内の人に聞いたら「たぶん正解」だそうです……。
それを不安に思いつつ、戻れるところまでケモノ道を登りましたが、これは日が暮れるとマジで怖いですな。

この先に家がもう1軒あるらしい

(この先に家がもう1軒あるらしい)

「冬は学校の帰りが真っ暗。懐中電灯は持っていましたけれど、落ち葉を踏む音がこだまして、
後ろから誰かがついてきている気がして本当に怖かったですよ」と案内のおばさま。
いやいやいや、本当に昔の人はスゴイ。あたしゃまだまだ甘っちょろいなあ。
まあまあ疲れていたけれど、これは良い自己啓発になりましたわ!

さて、檜原村からの帰り道もテレワーク。
その途中でイマイチの体調を復活させるべく、ラーメン大盛り&ニンニクどっさりでドーピングしますかね♪
これは……。直径30cmくらいあるかも。レンゲもデカい。ドンブリも重い。
こりゃやっちまったかな(汗)。

威圧感たっぷり

(威圧感たっぷり)

とビビったものの、意外とあっさり完食できてしまいました。
でもスープは高血圧を考慮して最小限で……

そして先週の土曜日は、半年ぶりくらいに快楽亭ブラック師匠の落語を聴きにレッツゴー!
会場は「寄席発祥の地」である下谷神社です。
上野駅から浅草方向に向かって徒歩5分ほど。
じつはまだ仕事が終わっていないんだけど、心を開放しないとやっとられん!

ブラック師匠の映画が間もなく公開

(ブラック師匠の映画が間もなく公開)

という強い気持ちで2時間ほど楽しんで、でも打ち上げには参加しないで地下鉄のなかでテレワーク(苦)。
そして高校時代からの仲間との忘年会で瓶ビールを5本くらい飲んで、浦和記念と兵庫ジュニアグランプリ、
園田金盃しか馬券を買わなかった1週間が終わりました。

でも今週は水曜日の勝島王冠を見に行きますよ~!

◎7.キングストンボーイ
○3.ミックファイア
▲4.ダテノショウグン
△8.ムットクルフェ
△5.ライトウォーリア
△10.オピニオンリーダー

キングストンボーイ鞍上の吉原寛人騎手は、
11月30日のソウル競馬場の「コリアグランプリ」(ダート2,300m)に高知のユメノホノオと今年2度目の韓国遠征。
しかし結果は、勝ち馬から3.1秒差での4着でした。その悔しさをここで晴らすのでは?という気がするので本命です。
ミックファイアはJBCクラシックで大敗しましたが、南部杯から臨んだ4頭はすべて5着以下。
完全に度外視可能と考えて、巻き返しに期待です。
休み明けでも実力があるダテノショウグン、格下でも善戦傾向があるムットクルフェ、引退レースのライトウォーリア、
春の大井記念で3着に入ったオピニオンリーダーを押さえます。

続く木曜日は2歳1,200mのジェムストーン賞!

◎15.ハンデンドレイク
○12.ワナハヴファン
▲9.フークアンビション
△11.ミライヘノヒーロー
△10.ゴールドカグヤヒメ
△14.プレストエンペラー

これはかなりの混戦。
一応の中心には、鎌倉記念でワイルドな流れのなか2着に入ったハンデンドレイクを指名。
同じ荒山勝徳厩舎のワナハヴファンを対抗に取ります。
単穴に置くのは船橋のフークアンビション。
管理する米谷康秀調教師と吉原寛人騎手は、地方競馬教養センター騎手課程の同期生なのです。
そのタッグチームは強力かも?


プロフィール

プロフィール

浅野 靖典

1969年8月1日生まれ

1998年にグリーンチャンネル「中央競馬中継」のキャスターから競馬関係のキャリアをスタート。
現在は各種媒体に原稿を寄稿し、競馬関係のメディアにも出演。
青森、九州のセリ市場の司会進行役も担当している。
ときどきグリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で、ワゴン車の運転手として全国を放浪。
各地の地方競馬場には1~2年に一度以上は訪問している。

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