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JRAダート有力馬紹介 ノーザンファーム編その1

POGファンの皆さま、こんにちは。
『POGの王道』(通称:黄色本)の編集長を務めている関根です。

昨年、初めてコラムを書かせていただき、紹介したのは5頭。
5頭中3頭が勝ち上がり、中でもメルキオルは、ブルーバードC(Jpn3)を勝利することができ、
私としても最低限の仕事はできたかな……と自負しています(笑)。

今年もノーザンファームを中心に取材をしてきましたが、
年々「ダートで活躍してくれそう」という言葉が聞かれるようになりました。
これまでは、どうしても「芝の中距離馬で活躍しそうな馬」が注目されがちでしたが、
2024年に新たな3歳ダート三冠が創立されたことで、流れが変わってきたことが要因の一つだと思っています。

今年も、取材してきた中で選りすぐりの期待馬を紹介します。
「目指せ!全頭勝ち上がり、複数頭重賞勝利!」

●イナズマダイモン(父・クリソベリル、 母・パリスビキニ)
今年、新種牡馬として注目されているのは、何と言ってもコントレイル。各牧場での産駒の評判は、かなりのものでした。
ただ、コントレイルに負けず劣らず評価が高かったのがクリソベリルです。ゴールドアリュールの後継種牡馬として、
初年度から一気に名を馳せてくれるのでは、と期待してしまうほどの称賛ぶり。

そのクリソベリル産駒から、最初に名前を挙げたいのがイナズマダイモン
ノーザンファーム早来・加我厩舎で育成されていた同馬は、すでにトレセンに入厩済み。
取材時に加我烈士厩舎長から「6月の東京ダート1,400mを狙いたい」と話していたとおり、
早期デビューが見込まれています。

距離は1,400~2,000mまでも対応できそうということで、柔軟性も兼ね備えていそうなのも心強い。
山内大輔調教主任からも、期待馬として挙げられていた1頭。
オーナーは、フォーエバーヤングを所有している藤田晋氏となれば、世界で活躍するレベルに到達するかもしれません。

●カレイジャスビート(父・リアルスティール、 母・ティールグリーン)
ノーザンファーム空港B-3厩舎に取材に行くと、馬房から姿を現し、悠然と立ち止まったカレイジャスビート
すると、足立稔厩舎長から「さて、この馬のお父さんは何でしょう?」と、いきなりクイズが(笑)。
私たちが答えられるわけもなく、すぐに答えを教えてくれました。
同馬の父は、イナズマダイモンのところで名前が出たフォーエバーヤングと同じリアルスティールです。

足立厩舎長からは、「ポテンシャルの塊。悪いところがまったくない」と、
次から次に飛び出す最高級の褒め言葉に、取材陣も"走らないわけがないだろう"と思ってしまったほど。
おそらく芝デビューになる可能性が高いのですが、力感あふれる馬体からは、本質的にはダートが向きそうなタイプ。

「スタミナモンスター」とも足立厩舎長から評されていたように、距離は長くても良さそう。
データを見ても、リアルスティール産駒はダートだと1,900m以上で良績を残しています。
まさに南関三冠の舞台で輝ける1頭でしょう。

●ヴェイルドハート(父・サートゥルナーリア、 母・カヴァートラブ) ※すぱっと!POG2025-26!未登録(5/26時点)
今回の牧場取材で記憶に残っている1頭といえば、このヴェイルドハート。
ノーザンファーム早来・野崎厩舎で見せてもらったのですが、その馬体が大きいこと。
なんと取材時の馬体重が590kg!さらに大きくなる可能性もあるとか。

これまで2歳出走馬のJRA最高馬体重は、エプルシャージュの618kgで、
JRAの2歳最高体重勝利記録は、ミュアウッズの586kg。
取材時には、横手裕二調教主任が「その記録を超えたい!」と話していました。

ちなみに、ヴェイルドハートを管理する尾関調教師は、何を隠そうミュアウッズも手掛けていました。
大きい馬の扱いなら“どんと来い"でしょう。
野崎孝仁厩舎長が、「数字ほど重苦しさはない」と話すように、芝でも活躍してくれそうですが、
ダートでもパワフルな走りを見せてくれるのでは、という願いを込めて挙げさせていただきました。

ヴェイルドハート

ヴェイルドハート

●アニマレイ(父・ニューイヤーズデイ、 母・ガルデルスリール)
北米でわずか3戦して引退したニューイヤーズデイ。
現時点での代表産駒を見てみても、東京スプリント競走覇者のエートラックス、
桜花賞(浦和)勝ちのプラウドフレール、全日本2歳優駿を制したミリアッドラヴなど、ダート馬がズラリ。

このアニマレイに関しては、ノーザンファーム空港・C-2厩舎で育成されておりすでにトレセンに入厩済み。
それだけでなく、この時期の2歳馬とは思えない破格の時計をマークしています。
藤春猛厩舎長によると、「動きは申し分ない。最終的にはダートになると思います」とのこと。
半姉は、紫苑Sを勝ったモリアーナですし、血統的にも活躍できる下地はできています。
ロケットスタートを切って、そのまま世代の頂点まで上り詰める、そんな逸材だと思っています。

●ヴンダーバール(父・ナダル、 母・モンオール)
昨年の2歳馬戦線の話題をさらったのがナダル産駒。
冒頭で触れたメルキオルに、クレーキング、プロミストジーン、ホーリーグレイルと、ダートで勝ちまくっています。
当然、2世代目となる現2歳馬もナダル産駒に注目していたのですが、
どうしてもクリソベリルやルヴァンスレーヴに押され気味。
昨年の活躍により、今後、種付け数は増えていくとは思いますが。

逆に言えば、その中で有力視されているナダル産駒は間違いないということ。
ノーザンファーム早来・倉宗竜也厩舎長は、
「ダートで活躍してくれると期待しています。距離は1,400~1,600m」と話し、
さらに「6月の東京ダートでのデビューを目指します」と力強いコメントも。
もしかしたらデビューはもう少し後ろ倒しになるかもしれませんが、ダート路線ど真ん中で活躍してくれそうな1頭です。

文/関根計介『POGの王道』(双葉社)

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