前回「ノーザンファーム編その1」を掲載させていただきましたが、
今回もノーザンファームで取材した中から、ダートの王者候補を紹介したいと思います。
また最後に、写真がない馬に関しても、「ダートで面白いよ」と挙がった馬も何頭かピックアップします。
ぜひそちらも参考にしてください。
●ゲタリア(父・クリソベリル、母・リップスポイズン)
今回もクリソベリル産駒から。
当然、牧場の方々もPOGファンのことを気遣って
「芝でも走れると思いますが、最終的にはダートが合いそうです」と話していただくことが多いのですが、
同馬に関しては「ダート三冠に進んでくれたら嬉しいです」と力強いコメントが!
ノーザンファーム空港・B‐5厩舎スタッフの青木一馬さんによるもので、
「馬格、スタミナ、パワーが武器。一定のスピードで走り続けるようなタイプ」とのこと。
確かに馬体を見ると、2歳馬とは思えないトモの力強さを感じさせていました。
少し気性的に前向きすぎる部分はあるようですが、個人的にはおとなしいより多少ヤンチャなほうが良いと思っています。
今年に入り、B-5厩舎出身馬がJRA重賞で好走しまくっており、
フェブラリーS覇者のコスタノヴァもB-5厩舎で育成されていました。
先輩に続いてもらいましょう!
●アメリカンコール(父・American Pharoah、母・イヴニングコール)※すぱっと!POG!2025-26未登録(5/28時点)
ノーザンファーム早来・木村厩舎で育成された馬で、取材時に木村浩崇厩舎長から「抜けて良い」とも評されていた1頭です。
「跨ってからの背中の感触、動き、性格も良く、操縦性も高い」とまさに絶賛の嵐。
すでに入厩済みで、デビュー戦は芝を予定していたようですが、少し後ろ倒しになりそうな気配。
木村厩舎長は「ダートの番組が揃ってから」と話していましたが、
芝でも走れそうな柔軟性を備えているということでしょう。
デビュー戦は芝、ダートどちらになるかは分かりませんが、血統的にはダートでの活躍を期待したいところ。
山内大輔調教主任に話を聞いた際にも、注目馬として挙げられていましたし、
最大目標は名前の通り、アメリカのケンタッキーダービーか!?
アメリカンコール
●ネイティヴプライド(父・クリソベリル、母・ビキニブロンド)
前回、パリスビキニの仔・イナズマダイモンを紹介しましたが、今回はもう1頭の“ビキニ”です。
ビキニといえば水着、水着といえば砂浜……ということで、ビキニが入るとダートで走るようになるのでしょうか(笑)。
話は逸れてしまいましたが、この馬の名前が挙がったのが、ノーザンファーム空港・B-4厩舎でのこと。
取材に対応していただいた小野寺竜樹厩舎長補佐は、
「手応えが圧倒的に違う。海外のレースまで視野に入ってきてもおかしくない」というトーンの高さ。
もしかしたら、取材した中で最も自信に満ちあふれていたコメントだったかもしれません。
ビキニブロンドは、これまでゴリゴリのダート系種牡馬と配合されたことがありませんが、
産駒はやはりダートでの活躍が目立ちます。
クリソベリルと種付けされたことで、いよいよ超一流ダート馬が誕生したかもしれません。
●エクストラプッシュ(父・ナダル、母・ヘアケイリー)
やっぱりナダル産駒は外せません。
ノーザンファーム空港の川崎洋史場長にインタビュー取材をした際に、ナダル産駒の注目馬について聞いたところ、
「牡馬ならこの馬!」と出てきたのが、このエクストラプッシュでした。
さらに「馬体が素晴らしい。ダート中距離に適性がありそうです」と付け加えていただきました。
B-6厩舎の高見優也厩舎長からも、
「バランスが良くて、かなりセンスが高そうです。ダートで走ると思う」と期待の高さがうかがえたのですが、
個人的にB-6厩舎は、タレントが揃っている印象を受けました。
クラシック候補生が数多くいる中で、ダートの一番手として挙がった同馬には、存分に期待していいのではないでしょうか。
●スマイルガーデン(父・ナダル、母・スマイルシャワー)
川崎場長から、「ナダル産駒の牝馬なら」と挙がったのがこのスマイルガーデン。
3月時点で495kgと牝馬としては恵まれた馬体をしているのが最大の強みで、思い通りに調教を進めることができたようです。
ノーザンファーム空港・A-1厩舎の橋上淳厩舎長補佐に話を聞くと、
「早い時期から使えると思います。厩舎の第一陣を飾ってくれるのでは」と仕上がりの早さを強調していました。
すでにトレセンに入厩しており、どうやら6月デビューも視野に入っているとのこと。
短距離戦で活躍できそうなスピードも兼ね備えており、2歳重賞を獲れる器の持ち主かもしれません。
その他に、写真はありませんが取材で出てきた馬を簡単に紹介します。
堅実な血統のトリグラフヒル(父・ナダル、母・トリプライト)、
仕上がりが早そうなクラッチスラッガー(父・キズナ、母・レンブランサ)※、
筋肉の質が素晴らしいというブロンザイト(父・クリソベリル、母・クルークハイト)※、
短距離向きのスピードを持っているというCannyの2023(父・Munnings)※。
※すぱっと!POG!2025-26未登録(5/28時点)
ぜひ指名の参考にしてみてください。