「着順の重み」
2015/7/28
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そして今年も優勝争いは大混戦となった。
このシリーズに勝つための最大のポイントは「大きい着順を取らないこと」。4戦を通じて、どれだけ「セコく」乗ってこられるかがカギなのである。
それは過去3名の「シリーズで未勝利だったけど優勝した」騎手がいることからも明らか。まして各騎手には「勝ちたい」という意識が普段以上に強くあるわけで、そうなると株式相場の格言「人の行く裏に道あり花の山」の、まさにそのとおり。力量的に劣勢という馬に乗ったとき、いかにさりげなく流れ込むかなのだ。
(ファンプレゼント用に寄せ書き中)
しかし、今年は運不運が結果に大きくつながった。
優勝した金沢の藤田弘治騎手は3番人気と5番人気の馬に騎乗したのだが、どちらもパドックでの気配が抜群。そして2戦とも1着となって、第1ステージ12位からの大逆転優勝となった。
逆に1ポイント差で2位となった村上忍騎手は、10着だった最終戦で8着だったら優勝していた。そこから1ポイント差の山本聡哉騎手も、2回あった6着のどちらかが5着なら優勝。
(右から笠松・吉井友彦騎手、金沢・藤田弘治騎手、[奥]金沢・青柳正義騎手)
いちばん口惜しいのは真島大輔騎手で、園田での初戦が2コーナーで競走中止。10番人気馬だったが、これが完走して8着にでも入っていれば、優勝していたのである。ああ、なんてもったいない……
「そうなんですよね。でも競走中止だもんなあ」と、真島騎手はやり場のない悲しみを自分のなかで消化させるしかない、というような表情をしていた。
的場文男騎手は真島騎手と2ポイント差、優勝騎手とは4ポイント差の5位だった。昨年は名古屋で「もうこれが最後のチャンスだろうから、渾身の騎乗をしたよ」と語っていたが、大井の帝王は今年もこの舞台に帰ってきた。的場騎手は2009年に園田競馬場で2戦とも勝利して優勝。しかし今年は、そのミラクルを別の騎手にされてしまった。
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