~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2018年9月19日(水) 
サラ系3歳以上 大井2,400m
東京記念(S1)

レース紹介

ステイヤーの血が騒ぐ「東京記念(S1)」
今年から南関東最高グレードの「S1(旧S2)」に格上げされる長距離重賞。
先週の「戸塚記念」もS1に昇格したので、今年は2週連続でS1競走が楽しめることになる。

大井2,400mで争われる東京記念には、秋のビッグレースを見据えた有力馬が参戦。
今年で55回目を迎える伝統の長距離重賞を過去10年のデータで分析してみよう。

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2017年 サブノクロヒョウ 大井 ロージズインメイ 12人気
2016年 ユーロビート 大井 スズカマンボ 1人気
2015年 プレティオラス 大井 フィガロ 3人気
2014年 ユーロビート 大井 スズカマンボ 2人気
2013年 プレティオラス 大井 フィガロ 3人気
2012年 スマートインパルス 大井 スパイキュール 3人気
2011年 テラザクラウド 大井 ゴールドアリュール 3人気
2010年 セレン 船橋 マーベラスサンデー 1人気
2009年 ルースリンド 船橋 エルコンドルパサー 3人気
2008年 ルースリンド 船橋 エルコンドルパサー 1人気

リピーターが活躍する東京記念。
同一馬による複数回の優勝も多く、2014年&2016年はユーロビート、2013年&2015年はプレティオラス、
2008年&2009年はルースリンドが制している。
2、3着馬もリピーターが活躍する傾向にあるが、詳細は後述の「東京記念の1着~3着馬」にてご紹介しよう。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

石崎駿騎手に注目!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2017年 和田 譲治 大畑 雅章 石崎 駿
2016年 吉原 寛人 石崎 駿 的場 文男
2015年 本橋 孝太 森 泰斗 中野 省吾
2014年 真島 大輔 石崎 駿 達城 龍次
2013年 本橋 孝太 石崎 駿 坂井 英光
2012年 御神本 訓史 石崎 駿 石崎 隆之
2011年 今野 忠成 戸崎 圭太 山崎 誠士
2010年 石崎 駿 佐藤 裕太 本多 正賢
2009年 内田 博幸 石崎 隆之 町田 直希
2008年 内田 博幸 張田 京 的場 文男

長距離戦は騎手の捌きにも注目!
過去10年で活躍が顕著なのは「石崎駿騎手」で、1勝、2着4回、3着1回と抜群の成績を挙げている。

複数回優勝している騎手は「本橋孝太騎手」と「内田博幸騎手」。
この2名はそれぞれプレティオラス、ルースリンドで制しており、“人馬一体”“あうんの呼吸”ともいうべきコンビ力を発揮している。

大井所属馬が7連覇中!大井&船橋で19連対!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 0 0 9 0.0% 0.0%
船橋 3 8 4 26 7.3% 26.8%
大井 7 1 4 47 11.9% 13.6%
川崎 0 0 2 13 0.0% 0.0%
南関以外 0 1 0 5 0.0% 16.7%

「大井&船橋所属馬」が過去10年で19連対!

地元の「大井所属馬」は過去10年で7勝、2着1回。
2011年から昨年まで7連覇中と、地の利を存分に生かしている形だ。

対する「船橋所属馬」は3勝、2着8回。
近年は勝ち切れていないものの、連対率26.8%は群を抜いて良い成績となっている。

人気馬がきっちりと!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 3 0 4 30.0% 60.0%
2人気 1 4 2 3 10.0% 50.0%
3人気 5 0 3 2 50.0% 50.0%
4人気 0 0 1 9 0.0% 0.0%
5人気 0 1 2 7 0.0% 10.0%
6人気以下 1 2 2 75 1.3% 3.8%

「1~3番人気馬」が9勝と、上位人気馬がしっかりと期待に応えている。
と、昨年の「南関データ分析」でも記載したが、2017年は12番人気の「サブノクロヒョウ」が優勝し大波乱を演出した。

とはいえ、上位人気馬が好走する傾向に変わりはない。
中でも、最も勝ち星を挙げているのが「3番人気馬」の5勝で、「1番人気馬」の3勝をしのぐ成績をマークしている。

比較的堅めの決着!?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2017年 12,320 32,180 687,250
2016年 210 1,770 5,830
2015年 510 590 7,550
2014年 280 180 2,090
2013年 690 4,500 440,110
2012年 1,060 4,160 84,260
2011年 350 610 4,510
2010年 140 1,560 12,390
2009年 450 950 45,500
2008年 180 270 1,090
平均 1,619 4,677 129,058

上位人気馬が好成績を挙げているだけに、「単勝」は3ケタ配当が8回と堅めの決着。
同様に、「馬複」は3ケタ配当が5回、三連単も4ケタ配当が5回となっており、2008年には三連単1,090円というガチガチの決着もある。

一方、荒れた決着となったのは「2013年」と「2017年」。
特に、2017年は単勝万馬券の決着で、「馬複」、「三連単」も高配当を提供している。
ちなみに、2013年&2017年は「1番人気馬」が4着以下に敗れている。

枠順による大きな偏りはない!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 2 0 11 7.1% 21.4%
2枠 0 0 1 12 0.0% 0.0%
3枠 1 2 1 12 6.3% 18.8%
4枠 1 2 2 11 6.3% 18.8%
5枠 2 1 1 12 12.5% 18.8%
6枠 4 0 2 10 25.0% 25.0%
7枠 0 1 3 15 0.0% 5.3%
8枠 1 2 0 17 5.0% 15.0%

ユーロビートが2014年&2016年に「6枠」から勝利を手にしている。
また、2013年はプレティオラスが同じく「6枠」から制しており、「6枠」は過去5年で3回優勝。

近年は「6枠」の活躍が目立つものの、1~3着馬を全体的に見ると枠番による大きな偏りは見られない。
過去10年の東京記念はフルゲート16頭が3回(※)のみで、少頭数となることもしばしば。
2,400mの長丁場でもあり、枠番による有利/不利はそれほど大きくないのかもしれない。
※取消があった2017年を除く

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 8 9 10 93 6.7% 14.2%
牝馬 0 0 0 2 0.0% 0.0%
セン馬 2 1 0 5 25.0% 37.5%

タフな条件ということもあり、「牝馬」の出走は過去10年で2頭のみ。
「セン馬」の2勝、2着1回はいずれもユーロビートだ。

経験に勝るものは無し!?

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 0 0 0 4 0.0% 0.0%
4歳 3 3 2 9 17.6% 35.3%
5歳 3 0 1 14 16.7% 16.7%
6歳 1 3 2 25 3.2% 12.9%
7歳以上 3 4 5 48 5.0% 11.7%

競走馬としての充実期を迎える「4歳・5歳馬」と、経験に勝る「7歳以上馬」が好成績。

「4歳馬」は2017年にワン・ツー・スリーを決めるなど、過去10年で3勝、2着3回、3着2回。
さらに、「5歳馬」も3勝、3着1回の成績を残しており、「4歳・5歳馬」だけで計6勝を挙げている。

「7歳以上馬」は過去10年で3勝、2着4回、3着5回。
2008年~2016年の9年間は、「7歳以上馬」が必ず1頭以上、3着内に好走している。

ちなみに、「7歳以上馬」をさらに細分化してみると…
▽7歳:2勝、2着0回、3着4回
▽8歳:1勝、2着1回、3着0回
▽9歳:0勝、2着3回、3着1回

年齢の若い「7歳馬」の成績が最も良いが、9歳馬の頑張りにも注目したいところだ。

リピーターが活躍する東京記念!

【東京記念の1~3着馬】

1着 2着 3着
2017年 サブノクロヒョウ カツゲキキトキト キングニミッツ
2016年 ユーロビート ストゥディウム ケイアイレオーネ
2015年 プレティオラス ユーロビート カキツバタロイヤル
2014年 ユーロビート サミットストーン ツルオカオウジ
2013年 プレティオラス スターシップ ウインペンタゴン
2012年 スマートインパルス スターシップ カキツバタロイヤル
2011年 テラザクラウド マズルブラスト ボランタス
2010年 セレン ルースリンド カキツバタロイヤル
2009年 ルースリンド セレン ゴールドイモン
2008年 ルースリンド マズルブラスト ケイアイプラネット

東京記念の「1~3着馬」はご覧のとおり。
太字は複数回3着内に好走している馬だが、2017年を除く全ての年で、該当馬が1頭以上いることになる。
2015年にいたっては「1~3着」全てが、過去に好走実績があるという結果に。

2015年3着のカキツバタロイヤルは2012年&2010年にも3着、2011年2着マズルブラストは2008年2着、さらに2006年には優勝している。
息の長い活躍を見せるステイヤーには一目置く必要があるようだ。

前年の1,2着馬は信頼度が高い!

【前年の東京記念の着順別の成績】

前年着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
前年1着 1 2 0 1 25.0% 75.0%
前年2着 2 1 0 2 40.0% 60.0%
前年3着 0 0 0 0 0.0% 0.0%
前年4着以下 0 0 2 15 0.0% 0.0%

こちらは、「前年の東京記念」における着順別の成績を示している。
前項の「東京記念1~3着馬」にあるように、隔年での活躍も目立つが、前年の東京記念好走馬も好成績を残している。

「前年の東京記念1着馬」は過去10年で4頭が出走し、1勝、2着2回。
また、「前年の東京記念2着馬」は5頭が出走し、2頭が前年の悔しさを晴らす結果となっている。

2017年東京記念の結果

大井記念上位馬は要チェック!

【大井記念の着順別の成績】

大井記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
大井記念1着 2 2 1 4 22.2% 44.4%
大井記念2着 1 1 0 2 25.0% 50.0%
大井記念3着 1 0 0 3 25.0% 25.0%
大井記念4着以下 1 3 3 28 2.9% 11.4%

同年5月に大井2,000mで行われる「大井記念(S1)」。
「帝王賞(Jpn1)」のステップレースの1つではあるが、例年、南関東の中長距離路線の有力馬が多く参戦している。

過去10年の「大井記念出走組」からは5頭の東京記念優勝馬を輩出しており、うち2頭は「大井記念1着馬」。
さらに、「大井記念2着馬」からは1頭、「同3着馬」からも1頭の東京記念優勝馬が出ている。

大井記念は2008年~2013年が2,600m、2014年からは2,000mで施行(※)されている。
サンプル数は少ないが、2014年以降の4年間で「大井記念1~3着馬」はのべ7頭が参戦し、2勝、2着2回、3着1回。
3着内率71.4%は悪くない確率ではないだろうか。

※本分析の対象期間のみ記載

2018年大井記念の結果

ダイオライト記念組は好成績!

【ダイオライト記念(D記念)の着順別の成績】

D記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
D記念1着 0 0 0 0 0.0% 0.0%
D記念2着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
D記念3着 1 1 0 2 25.0% 50.0%
D記念4着以下 3 2 0 7 25.0% 41.7%

同年3月に船橋2,400mで行われるダートグレード競走「ダイオライト記念(Jpn2)」。
南関東からはタイトルホルダーが参戦することも多く、東京記念にも出走してくるようであれば、当然注目度は高くなる。

同年のダイオライト記念出走組からは「ダイオライト記念3着馬」が4頭出走し、1勝、2着1回。
「ダイオライト記念4着以下」からは12頭が出走し、3勝、2着2回の成績を挙げている。

JRA勢相手に好走した馬はもちろんのこと、ダイオライト記念に挑戦した実力馬なら、
地方馬限定の東京記念では実力上位といったところだろう。

2018年ダイオライト記念の結果

金盃覇者は…!?

【金盃の着順別の成績】

金盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
金盃1着 1 0 0 7 12.5% 12.5%
金盃2着 3 0 0 2 60.0% 60.0%
金盃3着 1 1 0 2 25.0% 50.0%
金盃4着以下 2 1 2 14 10.5% 15.8%

同年2月に大井2,600mで行われる長距離重賞「金盃(S2)」。
南関東では2,400m以上の重賞が「東京記念」、「金盃」、「ダイオライト記念」の3競走のみとなっていることから、
東京記念と同様、「金盃」にも長距離が得意な“ステイヤー”が出走してくる。

過去10年で8頭の「金盃優勝馬」が参戦しているが、東京記念を制した馬はわずかに1頭。
逆に「金盃2着馬」が巻き返す傾向にあり、5頭中3頭が東京記念を制している。

金盃は2008年~2014年は2,000m、2015年からは2,600mで施行(※)されている。
2015年以降、「金盃1、2着馬」は4頭が参戦し、東京記念を制しているのは1頭(2016年ユーロビート)のみだが、
「金盃2,600m」と「東京記念2,400m」の距離関係を考えると、データの傾向が変わってきてもいいだろう。

※本分析の対象期間のみ記載

2018年金盃の結果


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は南関東最初の2歳重賞!10月17日(水)に川崎競馬場で行われる「鎌倉記念(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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