
ステイヤーの血が騒ぐ「東京記念(S1)」
今年から南関東最高グレードの「S1(旧S2)」に格上げされる長距離重賞。
先週の「戸塚記念」もS1に昇格したので、今年は2週連続でS1競走が楽しめることになる。
大井2,400mで争われる東京記念には、秋のビッグレースを見据えた有力馬が参戦。
今年で55回目を迎える伝統の長距離重賞を過去10年のデータで分析してみよう。
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2017年 | サブノクロヒョウ | 大井 | ロージズインメイ | 12人気 |
2016年 | ユーロビート | 大井 | スズカマンボ | 1人気 |
2015年 | プレティオラス | 大井 | フィガロ | 3人気 |
2014年 | ユーロビート | 大井 | スズカマンボ | 2人気 |
2013年 | プレティオラス | 大井 | フィガロ | 3人気 |
2012年 | スマートインパルス | 大井 | スパイキュール | 3人気 |
2011年 | テラザクラウド | 大井 | ゴールドアリュール | 3人気 |
2010年 | セレン | 船橋 | マーベラスサンデー | 1人気 |
2009年 | ルースリンド | 船橋 | エルコンドルパサー | 3人気 |
2008年 | ルースリンド | 船橋 | エルコンドルパサー | 1人気 |
リピーターが活躍する東京記念。
同一馬による複数回の優勝も多く、2014年&2016年はユーロビート、2013年&2015年はプレティオラス、
2008年&2009年はルースリンドが制している。
2、3着馬もリピーターが活躍する傾向にあるが、詳細は後述の「東京記念の1着~3着馬」にてご紹介しよう。
石崎駿騎手に注目!
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2017年 | 和田 譲治 | 大畑 雅章 | 石崎 駿 |
2016年 | 吉原 寛人 | 石崎 駿 | 的場 文男 |
2015年 | 本橋 孝太 | 森 泰斗 | 中野 省吾 |
2014年 | 真島 大輔 | 石崎 駿 | 達城 龍次 |
2013年 | 本橋 孝太 | 石崎 駿 | 坂井 英光 |
2012年 | 御神本 訓史 | 石崎 駿 | 石崎 隆之 |
2011年 | 今野 忠成 | 戸崎 圭太 | 山崎 誠士 |
2010年 | 石崎 駿 | 佐藤 裕太 | 本多 正賢 |
2009年 | 内田 博幸 | 石崎 隆之 | 町田 直希 |
2008年 | 内田 博幸 | 張田 京 | 的場 文男 |
長距離戦は騎手の捌きにも注目!
過去10年で活躍が顕著なのは「石崎駿騎手」で、1勝、2着4回、3着1回と抜群の成績を挙げている。
複数回優勝している騎手は「本橋孝太騎手」と「内田博幸騎手」。
この2名はそれぞれプレティオラス、ルースリンドで制しており、“人馬一体”“あうんの呼吸”ともいうべきコンビ力を発揮している。
大井所属馬が7連覇中!大井&船橋で19連対!
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 0 | 0 | 0 | 9 | 0.0% | 0.0% |
船橋 | 3 | 8 | 4 | 26 | 7.3% | 26.8% |
大井 | 7 | 1 | 4 | 47 | 11.9% | 13.6% |
川崎 | 0 | 0 | 2 | 13 | 0.0% | 0.0% |
南関以外 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0.0% | 16.7% |
「大井&船橋所属馬」が過去10年で19連対!
地元の「大井所属馬」は過去10年で7勝、2着1回。
2011年から昨年まで7連覇中と、地の利を存分に生かしている形だ。
対する「船橋所属馬」は3勝、2着8回。
近年は勝ち切れていないものの、連対率26.8%は群を抜いて良い成績となっている。
人気馬がきっちりと!?
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 3 | 3 | 0 | 4 | 30.0% | 60.0% |
2人気 | 1 | 4 | 2 | 3 | 10.0% | 50.0% |
3人気 | 5 | 0 | 3 | 2 | 50.0% | 50.0% |
4人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% |
5人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% |
6人気以下 | 1 | 2 | 2 | 75 | 1.3% | 3.8% |
「1~3番人気馬」が9勝と、上位人気馬がしっかりと期待に応えている。
と、昨年の「南関データ分析」でも記載したが、2017年は12番人気の「サブノクロヒョウ」が優勝し大波乱を演出した。
とはいえ、上位人気馬が好走する傾向に変わりはない。
中でも、最も勝ち星を挙げているのが「3番人気馬」の5勝で、「1番人気馬」の3勝をしのぐ成績をマークしている。
比較的堅めの決着!?
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2017年 | 12,320 | 32,180 | 687,250 |
2016年 | 210 | 1,770 | 5,830 |
2015年 | 510 | 590 | 7,550 |
2014年 | 280 | 180 | 2,090 |
2013年 | 690 | 4,500 | 440,110 |
2012年 | 1,060 | 4,160 | 84,260 |
2011年 | 350 | 610 | 4,510 |
2010年 | 140 | 1,560 | 12,390 |
2009年 | 450 | 950 | 45,500 |
2008年 | 180 | 270 | 1,090 |
平均 | 1,619 | 4,677 | 129,058 |
上位人気馬が好成績を挙げているだけに、「単勝」は3ケタ配当が8回と堅めの決着。
同様に、「馬複」は3ケタ配当が5回、三連単も4ケタ配当が5回となっており、2008年には三連単1,090円というガチガチの決着もある。
一方、荒れた決着となったのは「2013年」と「2017年」。
特に、2017年は単勝万馬券の決着で、「馬複」、「三連単」も高配当を提供している。
ちなみに、2013年&2017年は「1番人気馬」が4着以下に敗れている。
枠順による大きな偏りはない!
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 1 | 2 | 0 | 11 | 7.1% | 21.4% |
2枠 | 0 | 0 | 1 | 12 | 0.0% | 0.0% |
3枠 | 1 | 2 | 1 | 12 | 6.3% | 18.8% |
4枠 | 1 | 2 | 2 | 11 | 6.3% | 18.8% |
5枠 | 2 | 1 | 1 | 12 | 12.5% | 18.8% |
6枠 | 4 | 0 | 2 | 10 | 25.0% | 25.0% |
7枠 | 0 | 1 | 3 | 15 | 0.0% | 5.3% |
8枠 | 1 | 2 | 0 | 17 | 5.0% | 15.0% |
ユーロビートが2014年&2016年に「6枠」から勝利を手にしている。
また、2013年はプレティオラスが同じく「6枠」から制しており、「6枠」は過去5年で3回優勝。
近年は「6枠」の活躍が目立つものの、1~3着馬を全体的に見ると枠番による大きな偏りは見られない。
過去10年の東京記念はフルゲート16頭が3回(※)のみで、少頭数となることもしばしば。
2,400mの長丁場でもあり、枠番による有利/不利はそれほど大きくないのかもしれない。
※取消があった2017年を除く
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 8 | 9 | 10 | 93 | 6.7% | 14.2% |
牝馬 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% |
セン馬 | 2 | 1 | 0 | 5 | 25.0% | 37.5% |
タフな条件ということもあり、「牝馬」の出走は過去10年で2頭のみ。
「セン馬」の2勝、2着1回はいずれもユーロビートだ。
経験に勝るものは無し!?
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
3歳 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% |
4歳 | 3 | 3 | 2 | 9 | 17.6% | 35.3% |
5歳 | 3 | 0 | 1 | 14 | 16.7% | 16.7% |
6歳 | 1 | 3 | 2 | 25 | 3.2% | 12.9% |
7歳以上 | 3 | 4 | 5 | 48 | 5.0% | 11.7% |
競走馬としての充実期を迎える「4歳・5歳馬」と、経験に勝る「7歳以上馬」が好成績。
「4歳馬」は2017年にワン・ツー・スリーを決めるなど、過去10年で3勝、2着3回、3着2回。
さらに、「5歳馬」も3勝、3着1回の成績を残しており、「4歳・5歳馬」だけで計6勝を挙げている。
「7歳以上馬」は過去10年で3勝、2着4回、3着5回。
2008年~2016年の9年間は、「7歳以上馬」が必ず1頭以上、3着内に好走している。
ちなみに、「7歳以上馬」をさらに細分化してみると…
▽7歳:2勝、2着0回、3着4回
▽8歳:1勝、2着1回、3着0回
▽9歳:0勝、2着3回、3着1回
年齢の若い「7歳馬」の成績が最も良いが、9歳馬の頑張りにも注目したいところだ。
リピーターが活躍する東京記念!
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2017年 | サブノクロヒョウ | カツゲキキトキト | キングニミッツ |
2016年 | ユーロビート | ストゥディウム | ケイアイレオーネ |
2015年 | プレティオラス | ユーロビート | カキツバタロイヤル |
2014年 | ユーロビート | サミットストーン | ツルオカオウジ |
2013年 | プレティオラス | スターシップ | ウインペンタゴン |
2012年 | スマートインパルス | スターシップ | カキツバタロイヤル |
2011年 | テラザクラウド | マズルブラスト | ボランタス |
2010年 | セレン | ルースリンド | カキツバタロイヤル |
2009年 | ルースリンド | セレン | ゴールドイモン |
2008年 | ルースリンド | マズルブラスト | ケイアイプラネット |
東京記念の「1~3着馬」はご覧のとおり。
太字は複数回3着内に好走している馬だが、2017年を除く全ての年で、該当馬が1頭以上いることになる。
2015年にいたっては「1~3着」全てが、過去に好走実績があるという結果に。
2015年3着のカキツバタロイヤルは2012年&2010年にも3着、2011年2着マズルブラストは2008年2着、さらに2006年には優勝している。
息の長い活躍を見せるステイヤーには一目置く必要があるようだ。
前年の1,2着馬は信頼度が高い!
前年着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
前年1着 | 1 | 2 | 0 | 1 | 25.0% | 75.0% |
前年2着 | 2 | 1 | 0 | 2 | 40.0% | 60.0% |
前年3着 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0% | 0.0% |
前年4着以下 | 0 | 0 | 2 | 15 | 0.0% | 0.0% |
こちらは、「前年の東京記念」における着順別の成績を示している。
前項の「東京記念1~3着馬」にあるように、隔年での活躍も目立つが、前年の東京記念好走馬も好成績を残している。
「前年の東京記念1着馬」は過去10年で4頭が出走し、1勝、2着2回。
また、「前年の東京記念2着馬」は5頭が出走し、2頭が前年の悔しさを晴らす結果となっている。
2017年東京記念の結果
大井記念上位馬は要チェック!
大井記念着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
大井記念1着 | 2 | 2 | 1 | 4 | 22.2% | 44.4% |
大井記念2着 | 1 | 1 | 0 | 2 | 25.0% | 50.0% |
大井記念3着 | 1 | 0 | 0 | 3 | 25.0% | 25.0% |
大井記念4着以下 | 1 | 3 | 3 | 28 | 2.9% | 11.4% |
同年5月に大井2,000mで行われる「大井記念(S1)」。
「帝王賞(Jpn1)」のステップレースの1つではあるが、例年、南関東の中長距離路線の有力馬が多く参戦している。
過去10年の「大井記念出走組」からは5頭の東京記念優勝馬を輩出しており、うち2頭は「大井記念1着馬」。
さらに、「大井記念2着馬」からは1頭、「同3着馬」からも1頭の東京記念優勝馬が出ている。
大井記念は2008年~2013年が2,600m、2014年からは2,000mで施行(※)されている。
サンプル数は少ないが、2014年以降の4年間で「大井記念1~3着馬」はのべ7頭が参戦し、2勝、2着2回、3着1回。
3着内率71.4%は悪くない確率ではないだろうか。
※本分析の対象期間のみ記載
2018年大井記念の結果
ダイオライト記念組は好成績!
D記念着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
D記念1着 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0% | 0.0% |
D記念2着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
D記念3着 | 1 | 1 | 0 | 2 | 25.0% | 50.0% |
D記念4着以下 | 3 | 2 | 0 | 7 | 25.0% | 41.7% |
同年3月に船橋2,400mで行われるダートグレード競走「ダイオライト記念(Jpn2)」。
南関東からはタイトルホルダーが参戦することも多く、東京記念にも出走してくるようであれば、当然注目度は高くなる。
同年のダイオライト記念出走組からは「ダイオライト記念3着馬」が4頭出走し、1勝、2着1回。
「ダイオライト記念4着以下」からは12頭が出走し、3勝、2着2回の成績を挙げている。
JRA勢相手に好走した馬はもちろんのこと、ダイオライト記念に挑戦した実力馬なら、
地方馬限定の東京記念では実力上位といったところだろう。
2018年ダイオライト記念の結果
金盃覇者は…!?
金盃着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
金盃1着 | 1 | 0 | 0 | 7 | 12.5% | 12.5% |
金盃2着 | 3 | 0 | 0 | 2 | 60.0% | 60.0% |
金盃3着 | 1 | 1 | 0 | 2 | 25.0% | 50.0% |
金盃4着以下 | 2 | 1 | 2 | 14 | 10.5% | 15.8% |
同年2月に大井2,600mで行われる長距離重賞「金盃(S2)」。
南関東では2,400m以上の重賞が「東京記念」、「金盃」、「ダイオライト記念」の3競走のみとなっていることから、
東京記念と同様、「金盃」にも長距離が得意な“ステイヤー”が出走してくる。
過去10年で8頭の「金盃優勝馬」が参戦しているが、東京記念を制した馬はわずかに1頭。
逆に「金盃2着馬」が巻き返す傾向にあり、5頭中3頭が東京記念を制している。
金盃は2008年~2014年は2,000m、2015年からは2,600mで施行(※)されている。
2015年以降、「金盃1、2着馬」は4頭が参戦し、東京記念を制しているのは1頭(2016年ユーロビート)のみだが、
「金盃2,600m」と「東京記念2,400m」の距離関係を考えると、データの傾向が変わってきてもいいだろう。
※本分析の対象期間のみ記載
2018年金盃の結果
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は南関東最初の2歳重賞!10月17日(水)に川崎競馬場で行われる「鎌倉記念(S2)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。
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