~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2018年9月12日(水) 
サラ系3歳 川崎2,100m
戸塚記念(S1)

レース紹介

夏の3歳重賞第2弾「戸塚記念(S1)」
今年から南関東最高グレードの「S1(旧S2)」に格上げされる3歳重賞。

戸塚記念が行われる川崎2,100mは「川崎記念(Jpn1)」や「関東オークス(Jpn2)」が行われるコースで、
スタミナはもちろんのこと、コーナーを6回通過する器用さ、川崎競馬場でのコース経験などが求められる。

川崎経験馬が強いのか?勢いある上がり馬が強いのか?過去10年の傾向を探ってみよう。
なお、「別定戦」から、実績馬が出走しやすい「定量戦」に変わるので、傾向も変わるかもしれない。

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2017年 カンムル 浦和 サマーバード 4人気
2016年 ベルゼブブ 浦和 アグネスデジタル 3人気
2015年 ミスアバンセ 船橋 パイロ 5人気
2014年 キットピーク 大井 マーベラスサンデー 7人気
2013年 トラバージョ 船橋 ワイルドラッシュ 1人気
2012年 アスカリーブル 船橋 ブラックタキシード 1人気
2011年 ナターレ 川崎 クロフネ 2人気
2010年 ハーミア 大井 フィガロ 1人気
2009年 ブルーラッド 川崎 シーロ 5人気
2008年 ジルグリッター 船橋 スリリングサンデー 1人気

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

目立った成績を収めている騎手は不在…

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2017年 左海 誠二 石崎 駿 中野 省吾
2016年 山崎 誠士 吉原 寛人 真島 大輔
2015年 矢野 貴之 澤田 龍哉 吉原 寛人
2014年 岡部 誠 御神本 訓史 繁田 健一
2013年 石崎 駿 真島 大輔 今野 忠成
2012年 今野 忠成 御神本 訓史 繁田 健一
2011年 的場 文男 今野 忠成 石崎 駿
2010年 戸崎 圭太 町田 直希 山崎 誠士
2009年 御神本 訓史 真島 大輔 石崎 隆之
2008年 張田 京 戸崎 圭太 桑島 孝春

過去10年で3着内に複数回絡んでいる騎手は数名いるものの、目立った成績を収めている騎手はいない。

地元の「川崎所属騎手」に限ると、「今野忠成騎手」が1勝、2着1回、3着1回。
直近5年で3度、「川崎リーディング(勝利数)」を獲得している「山崎誠士騎手」は1勝、3着1回の成績だ。

“3連覇”を狙う浦和・小久保厩舎に大注目!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 2 0 0 10 16.7% 16.7%
船橋 4 3 5 39 7.8% 13.7%
大井 2 3 3 17 8.0% 20.0%
川崎 2 4 2 37 4.4% 13.3%

「船橋所属馬」が4勝、2着3回、3着5回と好成績。
出走頭数が多いため、勝率・連対率では他の3場と差はないが、力のある馬を多く送り込んでいるということが言えそうだ。

近年、調子が良いのは「浦和所属馬」。
現在、2年連続優勝中で、いずれも小久保厩舎(馬主も同じ)から優勝馬が出ている。
“3連覇”がかかる今年の出走馬は如何に!?

地元の「川崎所属馬」は2勝、2着4回、3着2回。
直近5年に絞ると、2着1回、3着1回と苦戦気味で、昨年に至っては出走頭数が1頭のみと寂しい状況。
今年は地元の意地を見せることが出来るだろうか。

5番人気馬に注目!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 2 0 4 40.0% 60.0%
2人気 1 2 2 5 10.0% 30.0%
3人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
4人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
5人気 2 3 0 5 20.0% 50.0%
6人気以下 1 1 6 75 1.2% 2.4%

「1番人気馬」は過去10年で4勝、2着2回。
「勝率40.0%」、「連対率60.0%」は人気別では最も良い成績だが、昨年は「4着以下」に該当(5着)してしまった。

「2~4番人気馬」は各1勝を挙げているが、特筆したいのは「5番人気馬」。
過去10年で2勝、2着3回の成績を残しており、連対率は50.0%を誇る。
また、「6番人気以下」の“3着6回”も気になる数字で、昨年は「9番人気馬」が3着に入り、波乱を演出している。

単勝、馬複は手堅く!三連単は手広く!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2017年 1,280 3,310 201,440
2016年 1,520 1,470 68,340
2015年 590 19,640 402,040
2014年 1,870 1,910 19,590
2013年 180 1,070 5,310
2012年 130 670 7,800
2011年 570 2,770 33,480
2010年 200 1,040 27,640
2009年 1,040 780 12,390
2008年 190 1,130 37,960
平均 757 3,379 81,599

前項「人気別成績」の表を見て頂ければわかるが、過去10年で5番人気以内の馬が18連対している。
その為、「単勝」、「馬複」は比較的落ち着いた配当が多い傾向だ。

「三連単」に関しては、直近3年が高配当。
現在、3年連続で6番人気以下が3着に入っていることもあり、3着馬は手広く流しても良さそう。

傾向としては、「馬複」は人気上位5頭のBOX(全10通り)、
「三連単」は上位人気馬を1,2着にマークし、3着は6番人気以下に流すといったところだろうか。

真ん中の枠が好成績!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 1 3 6 0.0% 10.0%
2枠 0 2 0 8 0.0% 20.0%
3枠 1 1 1 15 5.6% 11.1%
4枠 3 1 0 14 16.7% 22.2%
5枠 3 0 4 11 16.7% 16.7%
6枠 2 2 1 14 10.5% 21.1%
7枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%
8枠 0 3 0 17 0.0% 15.0%

1着回数が多いのは「4枠・5枠」の各3回。
また、「5枠」は3着が4回もあり、過去10年で7回も馬券に絡んでいることになる。

一方で、成績が芳しくないのが「1枠・2枠・8枠」の”両端”。
川崎コースはフルゲート14頭のため、「1枠・2枠」は必然的に頭数が少なくなるが、
1周1,200mと小回りなコースでもあり、極端な枠はやや割引が必要なのかもしれない。

強い女が台頭!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 6 9 8 83 5.7% 14.2%
牝馬 4 1 2 20 14.8% 18.5%
セン馬 0 0 0 0 0.0% 0.0%

「牡馬6勝」に対して「牝馬4勝」と互角の戦いを繰り広げている。

「3歳牝馬」にとって、秋の目標の1つは11月に行われる「ロジータ記念(S1)」。
ロジータ記念は「川崎2,100m」で行われることもあり、同舞台の戸塚記念には有力牝馬が参戦する傾向にある。
今年から戸塚記念もS1競走となるため、牡馬もメンバーが揃いそうだが、力のある牝馬には注目したいところだろう。

また、“夏は牝馬”という格言どおりの結果とも言えそうだ。

今年の芙蓉賞はハイレベル!?

【芙蓉賞の着順別の成績(過去6回)】

芙蓉賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
芙蓉賞1着 1 0 0 5 16.7% 16.7%
芙蓉賞2着 0 0 1 3 0.0% 0.0%
芙蓉賞3着 0 0 1 4 0.0% 0.0%
芙蓉賞4着以下 0 0 1 9 0.0% 0.0%

※2011年~2014年は未実施のため、過去6回分の成績

川崎2,000mで行われる戸塚記念トライアル「芙蓉賞」。

過去6回の「芙蓉賞優勝馬」は全て戸塚記念に出走し、優勝は2015年のミスアバンセのみ。
あまり戸塚記念に直結していないトライアルだが、今年は傾向が変わる可能性がある。

昨年までの出走条件は「B3以下」だったが、今年は「A1以下」の馬にも門戸が開かれたのだ。
いわゆる、「オープン競走」となったため、例年以上にレベルの高いトライアルとなった可能性は高いだろう。

2018年芙蓉賞の結果

黒潮盃組は見逃せない!

【黒潮盃の着順別の成績】

黒潮盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
黒潮盃1着 2 0 0 2 50.0% 50.0%
黒潮盃2着 2 1 0 3 33.3% 50.0%
黒潮盃3着 1 0 0 3 25.0% 25.0%
黒潮盃4着以下 2 3 4 32 4.9% 12.2%

戸塚記念の約1か月前に大井競馬場で行われる3歳重賞「黒潮盃(S2)」。
条件が「大井1,800m」⇒「川崎2,100m」に替わるが、その関連性はどうだろう。

過去10年の戸塚記念には「黒潮盃優勝馬」が4頭出走し、2頭が戸塚記念を制覇。
さらに、「黒潮盃2着」からは2頭、「黒潮盃3着」からは1頭の戸塚記念覇者を輩出している。

また、「黒潮盃で4着以下」に敗れた馬からは2頭の優勝馬が出ており、2着、3着に好走する馬も多い。
大井⇒川崎の条件替わりで一変する馬を見つけるのも馬券検討の一つと言ってよさそうだ。

ちなみに、昨年は黒潮盃優勝馬が5着に敗れ、黒潮盃2着馬が戸塚記念でリベンジ。
過去10年で「黒潮盃出走組」が戸塚記念の馬券に絡まなかったことは”1度もない”ということを付け加えておこう。

2018年黒潮盃の結果

関東オークス上位馬には大注目!

【関東オークスの着順別の成績】

関東オークス着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
関東オークス1着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
関東オークス2着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
関東オークス3着 0 1 0 0 0.0% 100.0%
関東オークス4着以下 0 0 1 4 0.0% 0.0%

南関東牝馬クラシック第3戦「関東オークス(Jpn2)」。
戸塚記念と同舞台で行われるだけに、当然ながら注目のレースとなる。

関東オークスはJRA勢とのレースとなるだけに、「上位争い=実力馬」がそのまま当てはまる。
過去10年で「関東オークス1~3着馬」は戸塚記念に4頭参戦しているが、そのうちの2頭が優勝、1頭が2着に好走している。
また、「関東オークス4着以下」からは2011年のハルサンサン(関東オークス4着!)が3着に食い込んでいる。

2018年関東オークスの結果

連勝馬には注目!

【戸塚記念1~3着馬の前走成績】

前走着順 1着 2着 3着
前走1着 4 4 1
前走2着 2 1 1
前走3着 1 1 2
前走4着以下 3 4 6

黒潮盃の「南関データ分析」と同様に、過去10年の「1~3着馬」の「前走成績」を調べてみた。

過去10年の優勝馬のうち、「前走1着馬」は4頭、うち3頭は前々走も制している”上がり馬”だ。
さらに、そのうちの2頭は3走前も制しており、戸塚記念で4連勝を達成している。

「前走4着以下」から戸塚記念を制したのは2009年ブルーラッド、2011年ナターレ、2014年キットピークの3頭。
うち、キットピーク、ブルーラッドは「黒潮盃4着以下」からの戴冠となっている。

川崎巧者は見逃せない!

【川崎コースの経験有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 8 7 7 83 7.6% 14.3%
経験なし 2 3 3 20 7.1% 17.9%

1周1,200mと小回りなコースは経験がものをいう!?
過去10年の優勝馬のうち、実に8頭が川崎コースの「経験があり」、2着、3着も「経験あり」が大勢を占めている。
「経験なし」での優勝は2014年キットピークと2017年カンムルの2頭。
ちなみに、昨年は「経験なし」の馬が1,2着を独占したが、これは過去10年で初めての出来事だった。

さらに細かく見てみると、「経験あり」のうち、「川崎コース無敗馬」の成績は以下のとおり。

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
無敗馬 6 1 1 11 31.6% 36.8%

「経験あり」の8頭中、6頭までが「川崎コース無敗」を誇る”川崎巧者”。
「1~3着馬の前走成績」で示した「前走4着以下」から戴冠したナターレ、ブルーラッドも「川崎コース無敗馬」に該当する。
特にナターレは川崎コース3戦3勝、重賞「クラウンカップ(S3)」も制していた。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は“S1昇格”!9月19日(水)に大井競馬場で行われる「東京記念(S1)」です!

南関データ分析とは

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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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