~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2018年5月10日(木) 
サラ系3歳牝馬 大井1,800m
東京プリンセス賞(S1)

レース紹介

南関東牝馬クラシック第2戦「東京プリンセス賞(S1)」 !
東京プリンセス賞は、第1戦の「桜花賞(S1)」から、コース【浦和(左回り)⇒大井(右回り)】、
距離【1,600m⇒1,800m】、開催時間【昼間⇒ナイター】と条件が大きく替わる。
過去の歴史の中でも「桜花賞&東京プリンセス賞」の二冠を達成した馬はわずかに3頭という
険しいクラシックロードを過去10年のデータから分析してみよう。

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2017年 アンジュジョリー 浦和 タートルボウル 5人気
2016年 リンダリンダ 大井 フレンチデピュティ 2人気
2015年 ティーズアライズ 大井 ワイルドラッシュ 7人気
2014年 スマートバベル 船橋 サウスヴィグラス 7人気
2013年 カイカヨソウ 船橋 ティンバーカントリー 1人気
2012年 アスカリーブル 船橋 ブラックタキシード 3人気
2011年 マニエリスム 船橋 ゼンノロブロイ 2人気
2010年 トーセンウィッチ 船橋 キングカメハメハ 6人気
2009年 ネフェルメモリー 船橋 アジュディケーティング 1人気
2008年 ブライズメイト 船橋 エイシンサンディ 3人気

過去10年で同じ種牡馬を父に持つ優勝馬は誕生していないが、
近年は「アメリカ出身の種牡馬」が優勝(2013年~2016年)する傾向にあるようだ。

ちなみに、「羽田盃(S1)」の「南関データ分析」でも触れた「過去10年の南関東リーディングサイアー(収得賞金順)」の成績。
東京プリンセス賞では「サウスヴィグラス」、「アジュディケーティング」の2頭が優勝馬を輩出しているが、
「ゴールドアリュール」からは優勝馬が出ていない。
「ゴールドアリュール産駒」は、2017年ステップオブダンス3着、2016年スアデラ2着、2015年ララベル3着。
今年こそはチャンスを掴む馬が出てくるだろうか!?

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

今年こそは!真島騎手&山崎騎手!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2017年 笹川 翼 真島 大輔 森 泰斗
2016年 桑村 真明 本田 正重 山崎 誠士
2015年 矢野 貴之 山崎 誠士 真島 大輔
2014年 澤田 龍哉 石崎 駿 山田 信大
2013年 今野 忠成 的場 文男 石崎 駿
2012年 今野 忠成 森 泰斗 吉原 寛人
2011年 戸崎 圭太 森 泰斗 石崎 駿
2010年 張田 京 真島 大輔 戸崎 圭太
2009年 戸崎 圭太 今野 忠成 坂井 英光
2008年 山田 信大 石崎 隆之 吉田 稔

「戸崎圭太騎手」が優勝2回、3着1回、「今野忠成騎手」が優勝2回、2着1回と好成績を挙げている。

直近3年に限ると、「真島大輔騎手」が2着1回、3着1回、「山崎誠士騎手」も2着1回、3着1回。
ともに桜花賞馬(※)で1回ずつ東京プリンセス賞に挑戦しているが、惜しくも勝利を手にできなかった。

※「真島大輔騎手」はララベル(2015年)、「山崎誠士騎手」はモダンウーマン(2016年)に騎乗

1番人気馬は堅実?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 2 3 2 3 20.0% 50.0%
2人気 2 2 0 6 20.0% 40.0%
3人気 2 2 0 6 20.0% 40.0%
4人気 0 0 2 8 0.0% 0.0%
5人気 1 1 2 6 10.0% 20.0%
6人気以下 3 2 4 92 3.0% 5.0%

過去10年の「1番人気馬」は2勝にとどまっているものの、3着内には7頭が入っている。
やや勝ち切れないところは否めないが、3着内率70%と“堅実さ”は魅力だろう。
「2番人気馬」、「3番人気馬」はともに2勝、2着2回。
「1~3番人気馬」をトータルすると6勝、2着7回となり、過去10年の連対馬20頭中、「1~3番人気馬」が13頭占めていることになる。

一方、「6番人気以下」は3勝を挙げ、2着も2回あるが、「6番人気以下同士」でのワンツー決着は1回もなく、
「人気上位馬&人気薄」の組み合わせに妙味があるかもしれない。

ちなみに、「1番人気馬」は現在、3年連続で連対馬が出ていない(3着2回、11着1回)。

組み合せ次第では!?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2017年 1,310 4,940 82,550
2016年 490 3,370 11,490
2015年 2,630 11,480 71,620
2014年 2,560 4,970 163,230
2013年 180 320 21,390
2012年 720 840 145,870
2011年 340 3,720 32,690
2010年 1,340 1,450 51,700
2009年 110 170 2,080
2008年 610 4,080 323,060
平均 1,029 3,534 90,568

各賭式の平均配当は「単勝:1,029円」、「馬複:3,534円」、「三連単:90,568円」と荒れ気味。
「人気別成績」でも示したように、連対馬2頭は「人気上位馬&人気薄」の組み合わせが多く、
直近5年でも、2013年に1、2番人気馬が1、2着となった以外は、全て「1~3番人気」&「5番人気以下」の組み合わせとなっている。

船橋勢が圧倒的だが…!?

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 0 0 5 16.7% 16.7%
船橋 7 4 3 31 15.6% 24.4%
大井 2 3 5 55 3.1% 7.7%
川崎 0 3 2 30 0.0% 8.6%

過去10年で7勝を挙げる「船橋所属馬」の独壇場ともいえる結果となっている。
この7勝のうち、4勝は故・川島正行氏、2勝は川島正一調教師で、2009年~2014年まで川島親子が“6連覇”を達成!

しかしながら、2015年以降は、「2015年ティーズアライズ(大井)」、「2016年リンダリンダ(大井)」、「2017年アンジュジョリー(浦和)」が優勝。
「船橋所属馬」は2015年&2016年に2着があるが、2017年は4着が最高となっており、少し風向きが変わってきた印象だ。

「1枠」と「2枠」で明暗が分かれる…

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 0 15 6.3% 6.3%
2枠 2 2 3 11 11.1% 22.2%
3枠 2 0 1 15 11.1% 11.1%
4枠 2 2 1 15 10.0% 20.0%
5枠 1 2 1 16 5.0% 15.0%
6枠 1 1 1 16 5.3% 10.5%
7枠 0 1 1 18 0.0% 5.0%
8枠 1 2 2 15 5.0% 15.0%

「内枠~外枠」までほぼ均等な成績だが、勝利数では「内枠勢(※)」にやや分がある。
中でも、最も好成績を挙げているのが「2枠」で、2勝、2着2回、3着3回の成績を残している。

一方、相性が悪いのは最内枠の「1枠」。
「1枠」はのべ16頭が出走しているが、3着内に好走したのは2014年に優勝したスマートバベルのみ。
3着内率は「2枠」の38.9%に対して、「1枠」は6.3%となっており、隣同士の枠でも明暗がくっきりと分かれる結果となった。

ちなみに、前日に同条件で行われる「羽田盃」での「1枠」の3着内率は16.7%。
羽田盃の3着内率は「内枠/外枠」で大きな差はないが、その中で「1枠」は2番目に相性の悪い枠となっている。

※「1~4枠」を内枠、「5~8枠」を外枠とする

桜花賞で敗れた馬でもチャンスあり!

【桜花賞の着順別の成績】

桜花賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
桜花賞1着 1 2 2 3 12.5% 37.5%
桜花賞2着 1 1 0 5 14.3% 28.6%
桜花賞3着 2 1 0 6 22.2% 33.3%
桜花賞4着以下 3 4 4 31 7.1% 16.7%

南関東牝馬クラシック第1戦「桜花賞」。

過去10年で「桜花賞馬」は8頭が参戦し、1勝、2着2回、3着2回。
「桜花賞&東京プリンセス賞」の二冠に輝いたのは2009年ネフェルメモリーのみという険しいクラシックロードだ。

逆に注目したいのが“桜花賞で4着以下に敗れた”馬たち。
過去10年で該当馬はのべ42頭が参戦しており、3勝、2着4回、3着4回と好成績を挙げている。

ちなみに、東京プリンセス賞の1~3着を“桜花賞4着以下の馬”で占めたのは、過去10年で2回ある。
そのうちの1回が昨年で、桜花賞6着、8着、5着馬が東京プリンセス賞で1着、2着、3着となっている。

南関東で最もトリッキーなコース(浦和1,600m)で行われる「桜花賞」。
そして、大井の外回りコースで行われる「東京プリンセス賞」。
開催時間も昼から夜に替わるだけに、条件の”合う/合わない”は重要な要素となりそうだ。
※2011年は桜花賞中止

2018年桜花賞の結果

2着馬がアツイ!

【東京2歳優駿牝馬の着順別の成績】

東京2歳優駿牝馬着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京2歳優駿牝馬1着 2 1 2 3 25.0% 37.5%
東京2歳優駿牝馬2着 3 1 0 1 60.0% 80.0%
東京2歳優駿牝馬3着 1 0 0 8 11.1% 11.1%
東京2歳優駿牝馬4着以下 1 2 2 32 2.7% 8.1%

東京プリンセス賞と同じ「大井コース」で行われる“2歳女王決定戦”「東京2歳優駿牝馬(S1)」。

特筆は「東京2歳優駿牝馬1、2着馬」で、実に5頭もの東京プリンセス賞馬を輩出している。
さらに細かく見てみると、2歳女王は8頭が出走して、2勝、2着1回、3着2回。
これをしのぐ成績は「東京2歳優駿牝馬2着馬」で、5頭が出走して、3勝、2着1回、連対率は驚異の80.0%を誇る。
現在、3年連続で「東京2歳優駿牝馬2着馬」が連対していることも強調材料だ。

上記の「東京2歳優駿牝馬1、2着」で、東京プリンセス賞を制した5頭の成績を抜き出してみると…

東京2歳優駿牝馬着順   桜花賞着順  
2016年リンダリンダ 2着 2着
2015年ティーズアライズ 2着 8着
2013年カイカヨソウ 1着 3着
2009年ネフェルメモリー 1着 1着
2008年ブライズメイト 2着 6着

上表で明らかなように、桜花賞で振るわなかった馬でも、東京プリンセス賞で巻き返すパターンがある。
東京2歳優駿牝馬1・2着馬が出走してきたら、要チェックとなるだろう。

ちなみに、昨年の東京プリンセス賞1、2着馬もこのパターンに近い。
昨年の東京プリンセス賞馬アンジュジョリーは、「東京2歳優駿牝馬3着」⇒「桜花賞6着」とステップを踏み、
同2着アップトゥユーは、「東京2歳優駿牝馬2着」⇒「桜花賞8着」から巻き返している。
これは、前項の「桜花賞の着順別成績」にも通じるところだ。

2017年東京2歳優駿牝馬の結果


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は5月16日(水)に川崎競馬場で行われる「川崎マイラーズ(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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