~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2019年5月1日(水祝) 
サラ系4歳以上牝馬 浦和1,400m
しらさぎ賞(S3)

レース紹介

令和最初の南関重賞「しらさぎ賞(S3)」!
牝馬重賞が充実している南関東競馬。
今年度は全部で9レース(※1)行われるが、“地方馬限定”となると、
「しらさぎ賞」のほか、暮れの「東京シンデレラマイル(S3)」があるのみだ。

“牝馬重賞(※2)”としての「しらさぎ賞」は今年で13回目を数えるが、過去10年の傾向を分析してみよう。

※1.古馬が出走可能な牝馬重賞
※2.2006年以前は3歳馬による重賞で、しらさぎ賞自体は今年で57回目

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2018年 ラーゴブルー 川崎 ハーツクライ 2人気
2017年 ニシノラピート 大井 サウスヴィグラス 2人気
2016年 ララベル 大井 ゴールドアリュール 1人気
2015年 ノットオーソリティ 船橋 スウェプトオーヴァーボード 1人気
2014年 レッドクラウディア 大井 アグネスタキオン 2人気
2013年 ナターレ 川崎 クロフネ 2人気
2012年 クラーベセクレタ 船橋 ワイルドラッシュ 1人気
2011年 ザッハーマイン 船橋 Mineshaft 1人気
2010年 ジョーイロンデル 浦和 クロフネ 2人気
2009年 デザートレジーナ 船橋 タヤスツヨシ 2人気

名だたる名牝が優勝馬に名を連ねている。
冒頭にも記載したが、地方限定の牝馬重賞ということで、しらさぎ賞を目標にする牝馬も多いのだろう。

また、JRA所属の有力馬が牝馬重賞を求めて南関東に移籍するケースも多くなった。
過去10年の優勝馬では2014年レッドクラウディアがその筆頭で、JRA所属時に「クイーン賞(Jpn3)」を制した実績がある。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

連対騎手は限られる!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2018年 吉原 寛人 山崎 誠士 的場 文男
2017年 柏木 健宏 矢野 貴之 瀧川 寿希也
2016年 吉原 寛人 矢野 貴之 左海 誠二
2015年 吉原 寛人 森 泰斗 的場 文男
2014年 森 泰斗 的場 文男 張田 京
2013年 的場 文男 吉原 寛人 御神本 訓史
2012年 戸崎 圭太 石崎 駿 吉原 寛人
2011年 的場 文男 左海 誠二 江川 伸幸
2010年 戸崎 圭太 森 泰斗 真島 大輔
2009年 戸崎 圭太 的場 文男 桑島 孝春

しらさぎ賞は特定の騎手が活躍する傾向にある。

過去10年で活躍が顕著なのは「吉原寛人騎手」の3勝、2着1回、3着1回と「的場文男騎手」の2勝、2着2回、3着2回。
特に、「吉原寛人騎手」は過去4年で3勝!金沢所属の騎手でもあり、驚くべき成績と言えるのではないだろうか。

さらに、「森泰斗騎手」は1勝、2着2回、「矢野貴之騎手」は2着2回。
2012年2着の「石崎駿騎手」も2006年&2007年に優勝している。

近年は大井所属馬の活躍が顕著!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
浦和 1 2 2 13 5.6% 16.7% 27.8%
船橋 4 3 5 30 9.5% 16.7% 28.6%
大井 3 3 1 24 9.7% 19.4% 22.6%
川崎 2 2 2 15 9.5% 19.0% 28.6%
南関以外 0 0 0 7 0.0% 0.0% 0.0%

南関東4場が互角の争い。
勝率こそ「浦和所属馬」が僅かに劣るが、連対率、さらには3着内率とほぼ互角の成績を残している。
ただし、直近5年に限ると「大井所属馬」の成績が良く、ワンツー3回を含め、3勝、2着3回、3着1回だ。

また、しらさぎ賞は2015年から「地方交流戦」として行われており、南関東地区以外からの参戦もある。
成績的には2015年5着のタッチデュール(笠松)が最高となっているが、全国区の活躍を見せる牝馬には要注目となるだろう。

1番人気 or 2番人気?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 0 0 6 40.0% 40.0%
2人気 6 0 0 4 60.0% 60.0%
3人気 0 1 3 6 0.0% 10.0%
4人気 0 3 2 5 0.0% 30.0%
5人気 0 1 2 7 0.0% 10.0%
6人気以下 0 5 3 61 0.0% 7.2%

過去10年の優勝馬は「1番人気馬」or「2番人気馬」のみ!
ただし、「1番人気馬」は4勝、4着以下6回、「2番人気馬」は6勝、4着以下4回と“両極端”の成績でもある。

となると、馬券的には「頭固定の2、3着流し」。
「3番人気以下」は甲乙つけがたいが、「6番人気以下」の人気薄にも警戒した方が良さそうだ。

ちなみに、昨年は1着から順に「2番人気 ⇒ 6番人気 ⇒ 3番人気」。
過去の傾向と同様の結果となっている。

単勝式は堅いが、連勝式は妙味あり!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2018年 320 1,730 13,130
2017年 360 2,730 25,150
2016年 160 3,300 37,060
2015年 180 820 10,610
2014年 510 1,990 16,880
2013年 860 9,470 145,910
2012年 100 520 5,600
2011年 130 900 45,050
2010年 430 1,470 16,790
2009年 320 1,470 175,490
平均 337 2,440 49,167

前項の通り、優勝馬は「1番人気or2番人気」なので、「単勝」の配当は非常に低い。
クラーベセクレタが勝った2012年には“単勝元返し”という配当もある。

逆に、妙味があるのは「馬複」と「三連単」。
「馬複」は平均2,440円、「三連単」は平均49,167円となっており、手広く流してみても良さそうだ。

枠番による有利/不利はなし!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 1 0 8 0.0% 11.1%
2枠 1 2 1 6 10.0% 30.0%
3枠 2 0 1 7 20.0% 20.0%
4枠 2 3 1 4 20.0% 50.0%
5枠 2 1 2 15 10.0% 15.0%
6枠 0 3 1 16 0.0% 15.0%
7枠 0 0 2 18 0.0% 0.0%
8枠 3 0 2 15 15.0% 15.0%

しらさぎ賞が行われる「浦和1,400m」はフルゲート12頭。
過去10年で1頭だけ除外(2012年)が出ているが、その他の年は全てフルゲート12頭立てで行われている。

最も優勝馬を輩出している「枠」は「8枠」の3頭。
次いで、「3枠」~「5枠」が2勝ずつで続き、連対率では「4枠」の50.0%が最も良い。

ただし、「7枠」と「1枠」の数字が少し悪いだけで、全体的には枠番による「有利/不利」はそれほど大きくないようだ。

4歳~6歳馬が中心のレース!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 0 0 0 0 - -
4歳 4 1 4 26 11.4% 14.3%
5歳 3 3 3 21 10.0% 20.0%
6歳 3 4 2 25 8.8% 20.6%
7歳以上 0 2 1 17 0.0% 10.0%

しらさぎ賞の出走条件は、2014年までは「3歳以上牝馬」で、2015年からは「4歳以上牝馬」(※)で行われている。
とはいえ、「3歳馬」の出走はゼロで、中心は「4歳~6歳馬」だ。

過去10年では、「4歳馬」が4勝、「5歳馬」が3勝、「6歳馬」が3勝。
2着、3着も「4歳~6歳馬」が好成績を残している。
しらさぎ賞は「牝馬限定」ということもあり、牡馬重賞と比較すると年齢が若い馬が活躍する傾向にあるようだ。

※本分析の対象期間のみ記載

牝馬は格より勢い!?

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
52~53kg 3 3 4 42 5.8% 11.5%
54~55kg 1 4 3 29 2.7% 13.5%
56kg以上 6 3 3 18 20.0% 30.0%

しらさぎ賞は格付別(クラス別)に斤量が異なる“別定戦(※1)”。
格付別の斤量は「A1級56kg」、「A2級54kg」、「B1級以下52kg」となり、今年の場合は、
2017年4月1日~2019年4月19日の期間中(※2)にダートグレード競走を勝っていれば「2kg」、地方重賞を勝っていれば「1kg」加増される。

2018年しらさぎ賞を例に、少し具体的に書くと…
優勝馬ラーゴブルーは「B1級以下」だったので「52kg」、2着ファイトユアソングは「A2級」なので「54kg」。
3着ニシノラピートは地方重賞2勝の実績があったため、A1級の「56kg」に加え、地方重賞勝ちの「1kg」が加増され、合計「57kg」となる。
また、「東京スプリント(Jpn3)」覇者コーリンベリーは、ダートグレード競走勝ちの「2kg」が加増されて「58kg」だった。

2018年しらさぎ賞 馬名 クラス別斤量 地方重賞 ダートグレード競走 合計斤量
1着 ラーゴブルー 52kg (B1級以下) - - 52kg
2着 ファイトユアソング 54kg (A2級) - - 54kg
3着 ニシノラピート 56kg (A1級) 1kg - 57kg
4着 コーリンベリー 56kg (A1級) - 2kg 58kg

少し前置きが長くなったが、過去10年のしらさぎ賞で好成績を残しているのは「56kg以上」の馬。
6勝、2着3回、3着3回となっており、格付が高い馬が順当に成績を残している。
続いて、「52kg~53kg」の3勝、2着3回、3着4回だが、こちらは「格付が下の馬」、すなわち「格上挑戦馬」が該当する。

「牝馬は格より勢い」という格言も聞かれるが、上記の結果だけを見れば、「格」を重視した方がいいのかもしれない。
ただし、現在、2年連続で「格上挑戦馬」が勝利している。

※1.南関東以外の馬は南関東格付基準表に当てはめて決定
※2.2歳時の成績は除く

トライアル制覇の勢いは!?

【ティアラカップの着順別の成績】

ティアラカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ティアラカップ1着 1 1 0 3 20.0% 40.0%
ティアラカップ2着 1 0 1 2 25.0% 25.0%
ティアラカップ3着 0 1 0 1 0.0% 50.0%
ティアラカップ4着以下 0 1 0 11 0.0% 8.3%

しらさぎ賞と同舞台で行われるトライアルレース。
2014年(※)からトライアルとして実施されているため、データ分析も2014年以降とする。

過去5回の優勝馬は全てしらさぎ賞に出走し、1勝、2着1回。
「ティアラカップ」は“A2以下の格付馬によるレース”ということを考慮すると、悪くない成績ではないだろうか。

また、「ティアラカップ」2着馬は4頭が出走して1勝、3着1回。
昨年の優勝馬ラーゴブルーはここに該当する。

※2014年はプリムラ賞

2019年ティアラカップの結果

4着以下から巻き返す馬も多い!

【マリーンカップの着順別の成績】

マリーンカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
マリーンカップ1着 0 0 0 0 - -
マリーンカップ2着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
マリーンカップ3着 0 0 0 0 - -
マリーンカップ4着以下 0 4 3 9 0.0% 25.0%

JRA勢が出走できるダートグレード競走「マリーンカップ(Jpn3)」。
連対馬のサンプルは2012年のクラーベセクレタのみだが、しらさぎ賞では単勝1.0倍の支持に応えて快勝している。

注目は「マリーンカップ4着以下」の2着4回、3着3回。
そのうち、「マリーンカップで4着~7着」に“健闘”した馬が5頭を占めているのは見逃せない。

※2011年のマリーンカップは開催中止
※2009年のマリーンカップはしらさぎ賞以後に開催

2019年マリーンカップの結果

上位馬には要注目!

【東京シンデレラマイルの着順別の成績】

東京シンデレラマイル着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京シンデレラマイル1着 2 0 1 3 33.3% 33.3%
東京シンデレラマイル2着 2 2 0 2 33.3% 66.7%
東京シンデレラマイル3着 0 0 1 0 0.0% 0.0%
東京シンデレラマイル4着以下 0 4 0 24 0.0% 14.3%

前年末に行われるマイル重賞「東京シンデレラマイル(S3)」。
冒頭にも記載したように、南関東では貴重な地方馬限定(※)の牝馬重賞だ。

過去10年で東京シンデレラマイル優勝馬は6頭がしらさぎ賞に出走して2勝、3着1回。
同様に2着馬も6頭が出走し、2勝、2着2回の成績を残している。
2着馬の方が安定感はあるが、やはり重賞上位馬には注目が必要だろう。

※東京シンデレラマイルは南関東所属馬のみ

2018年東京シンデレラマイルの結果


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は5月8日(水)に船橋競馬場で行われる「東京湾カップ(S3)」です!

南関データ分析とは

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