~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2020年6月17日(水) 
サラ系3歳以上 船橋1,600m
京成盃グランドマイラーズ(S3)

レース紹介

南関東マイル重賞第2弾「京成盃グランドマイラーズ(S3)」
5月の「川崎マイラーズ(S3)」から続く、南関東所属馬限定による古馬マイル重賞!
春シーズンの集大成、そして夏以降の飛躍へと繋がる大注目の一戦だ!

▼データ分析のポイント
・船橋所属馬と小久保厩舎(浦和)が好成績
・前年の好走馬に注目
・川崎マイラーズ連対馬の好走率が高い

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2019年 ベンテンコゾウ 船橋 サウスヴィグラス 1人気
2018年 キングガンズラング 船橋 ストリートセンス 2人気
2017年 リアライズリンクス 浦和 ダイタクリーヴァ 3人気
2016年 レガルスイ 船橋 エイシンサンディ 3人気
2015年 ソルテ 大井 タイムパラドックス 1人気
2014年 トーセンアドミラル 船橋 キングカメハメハ 1人気
2013年 セイントメモリー 大井 アフリート 8人気
2012年 マグニフィカ 船橋 ゼンノロブロイ 8人気
2011年 ディアーウィッシュ 船橋 クロフネ 1人気
2010年 ディアーウィッシュ 船橋 クロフネ 2人気

生涯成績にダートグレード競走優勝歴のある「ソルテ」、「セイントメモリー」、「マグニフィカ」が名を連ねる。
2008年以前でも「ナイキアディライト」、「エスプリシーズ」、「ネームヴァリュー」、「サプライズパワー」などの名馬が並ぶ重賞だ。

今年で23回目と歴史は浅めの重賞だが、過去22年の船橋の歴史が詰まったレースの1つと言えるだろう。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

石崎駿騎手と矢野義幸厩舎!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2019年 御神本 訓史 真島 大輔 左海 誠二
2018年 石崎 駿 左海 誠二 真島 大輔
2017年 的場 文男 和田 譲治 柏木 健宏
2016年 石崎 駿 酒井 忍 山崎 誠士
2015年 吉原 寛人 本田 正重 森 泰斗
2014年 川島 正太郎 和田 譲治 本橋 孝太
2013年 本橋 孝太 森 泰斗 吉原 寛人
2012年 的場 文男 張田 京 今野 忠成
2011年 今野 忠成 森 泰斗 本橋 孝太
2010年 今野 忠成 坂井 英光 水野 貴史

過去10年で複数回優勝している騎手は「今野忠成騎手」「的場文男騎手」「石崎駿騎手」の3名。
特に、地元船橋所属の「石崎駿騎手」は、過去4年で2勝(ともに矢野義幸厩舎とのコンビ)を挙げる活躍ぶりだ。

また、「左海誠二騎手」と「真島大輔騎手」は2年連続で3着内に好走。
ともに2着と3着が1回ずつなので、今年こそは勝利を掴み取りたいところだろう。

人気薄の取り捨てがカギ!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1人気 4 2 0 4 40.0% 60.0% 60.0%
2人気 2 2 0 6 20.0% 40.0% 40.0%
3人気 2 1 3 4 20.0% 30.0% 60.0%
4人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
5人気 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
6人気以下 2 4 4 71 2.5% 7.4% 12.3%

「1番人気馬」が4勝、2着2回と好成績。
さらに、「2番人気馬」「3番人気馬」も好走率は高く、3着内率は「1番人気:60.0%」「2番人気:40.0%」「3番人気:60.0%」となっている。

一方、見逃せないのが「6番人気以下」の馬たち。
過去10年で2勝、2着4回、3着4回の成績を残しているので、単純計算すると、1年に1頭は馬券圏内に突入していることになる。

直近5年に焦点を当てると、優勝馬5頭は全て「3番人気以内」、2着は2015年~2018年まで「6番人気以下」。
人気馬と人気薄の組み合わせに妙味ありだ。

高配当を提供中!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2019年 320 1,020 7,860
2018年 310 5,850 42,450
2017年 660 4,090 58,530
2016年 580 9,670 202,480
2015年 260 1,920 14,360
2014年 360 570 3,880
2013年 3,070 5,000 490,340
2012年 2,360 5,770 163,390
2011年 240 420 16,360
2010年 350 640 29,730
平均 851 3,495 102,938

各賭式で高配当を提供している重賞だ。

8番人気馬が制した2012年、2013年はもちろん、その他の年も配当は比較的高め。
2014年と2019年こそ1~4番人気馬が3着内を独占したが、その他の8年は、全て6番人気以下が馬券に絡んでいる。

配当面では、「単勝」は1~3番人気馬が8勝を挙げているため、平穏な結果が多い。
一方、「馬複」は4桁配当が多く、前項「人気別成績」の通り、直近5年中、4回は「上位人気馬&下位人気馬」の組み合わせで高配当となっている。

人気馬を軸にして、相手は手広く!がデータ的には良さそうだ。

船橋勢が中心も、侮れないのは浦和・小久保厩舎!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 3 1 9 7.1% 28.6%
船橋 7 3 4 62 9.2% 13.2%
大井 2 4 4 22 6.3% 18.8%
川崎 0 0 1 8 0.0% 0.0%

地元の「船橋所属馬」が7勝、2着3回、3着4回と好成績。

連対率では「浦和所属馬」の「28.6%」が1位となるが、連対した4頭(3着馬も)は全て「小久保智厩舎」というから驚きだ。
「小久保智厩舎」は毎年のように好走馬を送り出しており、現在、3年連続で3着内馬を輩出している(1勝、2着1回、3着1回)。

外枠の成績が良い!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 2 1 6 10.0% 30.0%
2枠 0 1 1 8 0.0% 10.0%
3枠 1 1 2 14 5.6% 11.1%
4枠 1 1 1 15 5.6% 11.1%
5枠 1 0 1 16 5.6% 5.6%
6枠 3 2 1 13 15.8% 26.3%
7枠 3 1 0 15 15.8% 21.1%
8枠 0 2 3 14 0.0% 10.5%

枠番による有利不利が少ない船橋コース(※1)だが、京成盃グランドマイラーズに限ると外枠有利(※2)の傾向が出ている。
現在、2年連続で連対している「1枠」も連対率は高いが、「6枠」と「7枠」の好成績にはぜひとも注目したいところだ。

また、「人気別成績」の項目でご紹介した、「6番人気以下」の2勝、2着4回、3着4回という成績。
3着内の数を合計すると10回あるが、そのうち5回は「7枠」もしくは「8枠」からの激走となる。
「外枠」が嫌われて人気を落としているようであれば、逆に狙ってみるのも面白いかもしれない。

なお、京成盃グランドマイラーズは過去10年でフルゲート14頭立てが8回(除外の3回を含めず)。
フルゲート割れは2018年と2019年だが、「1枠」が勝利した2018年は9頭立てと少頭数だった(2019年は13頭立て)。

※1.【参考】2019年4月1日~2020年3月31日の船橋1,600mの枠番別成績はこちら
※2.「1~4枠」を内枠、「5~8枠」を外枠とする

人気薄の牝馬には要注意!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 9 7 93 8.4% 16.0%
牝馬 0 1 2 4 0.0% 14.3%
セン馬 0 0 1 4 0.0% 0.0%

「牝馬」は出走数が7頭と少ないものの、2着1回、3着2回と3着内に好走する確率は悪くない。
さらに注目したいのが「人気」で、2013年3着のアスカリーブルは「11番人気」、2016年2着のプリンセスバリューは「9番人気」だった。
※もう1頭は、2019年3着のミッシングリンク「3番人気」

経験生かしてリピーターに!?

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 0 0 0 0 - -
4歳 1 2 1 11 6.7% 20.0%
5歳 4 1 3 9 23.5% 29.4%
6歳 2 4 2 21 6.9% 20.7%
7歳以上 3 3 4 60 4.3% 8.6%

近年は「5歳馬」の活躍が目覚しい。
過去10年で4勝、さらに強調すると、過去5年で3勝を挙げており、勝率「23.5%」は突出して高い数字だ。
ただし、連対率では「4歳馬」~「6歳馬」で大きな差は出ていない。

また、京成盃グランドマイラーズは“リピーター”が活躍する重賞でもある。
以下が複数回、3着内に好走した馬となるが、こちらは年齢を重ねた馬がリピーターとなるケースが多い。

馬名 京成盃グランドマイラーズ好走歴
リアライズリンクス 2017年1着(7歳) ⇒ 2018年2着(8歳)
グランディオーソ 2015年3着(6歳) ⇒ 2016年3着(7歳)
ソルテ 2014年2着(4歳) ⇒ 2015年1着(5歳)
トーセンアドミラル 2014年1着(7歳) ⇒ 2015年2着(8歳)
セイントメモリー 2013年1着(6歳) ⇒ 2014年3着(7歳)
ディアーウィッシュ 2010年1着(6歳) ⇒ 2011年1着(7歳) ⇒ 2012年3着(8歳)

勝率の高い「5歳馬」では、ソルテが2015年に優勝したのみ。
その他の馬は全て「6歳以降」に連対しているので、傾向的には「好走実績のない5歳馬」と「前年好走の6歳以上馬」となりそうだ。
昨年はリピーターの好走が無かったので、昨年の好走馬が今年も出走するようであれば注目したい。

実績馬が力を出しやすい条件!

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
55kg以下 1 1 3 12 5.9% 11.8%
56kg以上 9 9 7 89 7.9% 15.8%

「56kg以上」の斤量を背負った馬が、9勝、2着9回、3着7回とほぼほぼ3着内を占めている。
一方、「55kg以下」の馬は、出走数が17頭と少ない中で、1勝、2着1回、3着3回の成績だ。

京成盃グランドマイラーズは、格付別(クラス別)に斤量が異なる別定戦。
格付別の斤量は「A1級56kg」、「A2級54kg」、「B1級以下53kg」で、牝馬は「2kg」、3歳馬は「2kg」減量される。
加えて、2020年6月5日までの番組賞金額により、以下の金額ごとに「1kg」加増となる。

■3歳:6,000万円
■4歳:9,000万円
■5歳:12,000万円
■6歳以上:15,000万円

番組賞金とは、基本的に1着~5着までの着内賞金により算定(※)される。
本競走の1着賞金は「1,200万円」なので、上記の年齢別の加増条件を満たすには“相当な実績が必要”ということがお分かり頂けるだろう。
過去10年に限ると「57kg以上」で出走した馬は4頭と少なく、実績がある馬でも同条件で出走できるレースと言えそうだ。

※番組賞金(算定方法)の詳細はこちら

転戦馬は少ない…

【かしわ記念の着順別の成績】

かしわ記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
かしわ記念1着 0 0 0 0 - -
かしわ記念2着 0 0 0 0 - -
かしわ記念3着 0 0 0 0 - -
かしわ記念4着以下 0 0 1 11 0.0% 0.0%

「かしわ記念(Jpn1)」は、京成盃グランドマイラーズの約1か月半前に行われる“春のマイル王決定戦”

ローテーション的には中5、6週位なのだが、過去10回で転戦してきた馬は12頭のみ。
今回と同舞台で行われる重賞ではあるが、やはり毛色の違うレースということだろう。

2020年かしわ記念の結果

連対馬は要チェック!

【川崎マイラーズの着順別の成績】

川崎マイラーズ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
川崎マイラーズ1着 2 0 0 4 33.3% 33.3%
川崎マイラーズ2着 2 1 1 2 33.3% 50.0%
川崎マイラーズ3着 0 1 0 3 0.0% 25.0%
川崎マイラーズ4着以下 2 0 2 25 6.9% 6.9%

京成盃グランドマイラーズの約1か月前に行われる「川崎マイラーズ(S3)」。
こちらは南関東所属馬限定の古馬マイル重賞ということもあり転戦馬は多い。

過去10回の「川崎マイラーズ」優勝馬からは、6頭が京成盃グランドマイラーズに参戦し2勝。
同様に2着馬は6頭が参戦し2勝、2着1回、3着1回となり、2014年~2018年は「川崎マイラーズ」の連対馬が3着内に好走していた。

2020年川崎マイラーズの結果

上位勢より4着以下からの巻き返し

【報知グランプリカップ(報知GPC)の着順別の成績】

報知GPC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
報知GPC1着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
報知GPC2着 0 1 0 4 0.0% 20.0%
報知GPC3着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
報知GPC4着以下 1 1 2 13 5.9% 11.8%

同年2月に船橋1,800mで行われる「報知グランプリカップ(S3)」。
京成盃グランドマイラーズまで少し期間は開くが、上位馬の多くが出走してきている。

しかしながら、上位馬は苦戦気味。
過去10回の「報知グランプリカップ」1~3着馬は12頭が参戦しているが、2着が1回あるのみだ。

2020年報知グランプリカップの結果

重賞からの転戦組が強い!

【前走レース別の着順別の成績】

前走 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
重賞 7 5 9 72 7.5% 12.9%
重賞以外 3 5 1 29 7.9% 21.1%

※南関東地区以外の重賞を含む

京成盃グランドマイラーズの「前走」が「重賞か否か」に分類した成績。

「前走が重賞」の馬は7勝、2着5回、3着9回。
対して、「前走が重賞以外」の馬は3勝、2着5回、3着1回となっており、上位馬の多くは「重賞」をステップに参戦してきている。
(「前走が重賞以外」の優勝馬3頭は、A2条件のレースを勝ち上がっての参戦)

これと同様の分析を「川崎マイラーズ」でも行ったが、その時は…
「前走が重賞」は3勝、2着7回、3着5回、「前走が重賞以外」の馬は7勝、2着3回、3着5回となっている。

シーズン最初の南関東限定マイル重賞「川崎マイラーズ」、対して「京成盃グランドマイラーズ」は春シーズンの盛りに行われる重賞。
格上挑戦馬も多かった「川崎マイラーズ」と比較すると、重賞転戦組が結果を出している重賞と言えそうだ。

今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は3歳スプリント王決定戦!6月23日(火)に大井競馬場で行われる「優駿スプリント(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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