~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2021年3月24日(水) 
サラ系3歳 大井1,700m
京浜盃(S2)

レース紹介

羽田盃トライアル「京浜盃(S2)」
3歳クラシックへの登竜門となる京浜盃。
JRAでは「弥生賞(G2)」に位置する競走となり、南関東クラシックへ向け有力馬が顔を合わせる。
優勝馬の多くが南関東クラシックで大活躍している出世レースだが、ここに至るまでの傾向を分析してみよう。

▼データ分析のポイント
・森騎手、本橋騎手、御神本騎手が好相性
・「8枠」は人気薄でも押さえたい
・「全日本2歳優駿(Jpn1)」の上位馬が好成績

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2020年 ブラヴール 船橋 セレン 8人気
2019年 ステッペンウルフ 船橋 サウスヴィグラス 3人気
2018年 ヤマノファイト 船橋 エスポワールシチー 1人気
2017年 ヒガシウィルウィン 船橋 サウスヴィグラス 3人気
2016年 タービランス 浦和 パイロ 2人気
2015年 オウマタイム 船橋 タイムパラドックス 3人気
2014年 ハッピースプリント 大井 アッミラーレ 1人気
2013年 ジェネラルグラント 船橋 ロージズインメイ 2人気
2012年 パンタレイ 川崎 フィガロ 2人気
2011年 クラーベセクレタ 船橋 ワイルドラッシュ 1人気

南関東を代表する名馬がズラリ。
過去10年の優勝馬のうち、後の南関クラシックホースは5頭(うち、二冠馬3頭)、3着内にまで広げると計9頭にもなる。
つまり、「京浜盃」での勝利は南関東クラシック戦線の“主役”になることを意味するのである。

とりわけ、南関東クラシック第1戦「羽田盃(S1)」との相性が良く、過去10年で4勝、2着3回、3着1回。
なんと8割の京浜盃覇者が羽田盃でも好走しているのだ。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

ま「み」むめ「も」!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2020年 本橋 孝太 矢野 貴之 赤岡 修次
2019年 御神本 訓史 森 泰斗 本橋 孝太
2018年 本橋 孝太 御神本 訓史 柏木 健宏
2017年 森 泰斗 赤岡 修次 矢野 貴之
2016年 森 泰斗 笹川 翼 和田 譲治
2015年 左海 誠二 張田 京 吉原 寛人
2014年 吉原 寛人 真島 大輔 山崎 誠士
2013年 石崎 駿 佐藤 裕太 左海 誠二
2012年 森 泰斗 戸崎 圭太 山崎 誠士
2011年 戸崎 圭太 御神本 訓史 的場 文男

「森泰斗騎手」が3勝、2着1回の活躍。
コンビを組んだタービランス、ヒガシウィルウィンは、京浜盃をステップにクラシックのタイトルを手にしている。
また、パンタレイで制した2012年の京浜盃が“牡馬”で手にした初のタイトルだった。

直近3年では「本橋孝太騎手」が2勝、3着1回と素晴らしい成績。
本番となる羽田盃でもヤマノファイトとのコンビで勝利し、昨年はブラヴールを2着に導いている。

余談だが、近年は「マ行」の騎手の相性が良く、上記2名のほかに「御神本訓史騎手」が直近3年で1勝、2着1回の活躍だ。

船橋所属馬が圧倒!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 1 1 18 4.8% 9.5%
船橋 7 5 3 31 15.2% 26.1%
大井 1 3 5 49 1.7% 6.9%
川崎 1 1 1 17 5.0% 10.0%

「船橋所属馬」が過去10年で7勝、2着5回。
うち、同所属馬にるワンツー決着は5回もある。

地元の「大井所属馬」は1勝を挙げているものの、2着3回、3着5回と勝ち切れていない印象だ。

上位拮抗!

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 3 0 4 30.0% 60.0%
2人気 3 1 0 6 30.0% 40.0%
3人気 3 2 2 3 30.0% 50.0%
4人気 0 0 1 9 0.0% 0.0%
5人気 0 0 3 7 0.0% 0.0%
6人気以下 1 4 4 86 1.1% 5.3%

「1~3番人気馬」がそれぞれ3勝(計9勝)を挙げている。
ただし、3着が「3番人気馬」の2回しかないように、3強揃っての好走は意外にも少ない。
これは直近3年にも該当しており、いずれの年も2頭が馬券圏内に好走し、1頭は4着以下に敗れているのだ。

ちなみに、「6番人気以下」での優勝は昨年のブラヴールのみ。

単勝は堅く、馬複、三連単は高配当!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2020年 2,670 4,800 101,190
2019年 710 1,420 181,460
2018年 210 520 3,960
2017年 420 2,360 29,050
2016年 300 3,370 173,480
2015年 490 19,530 286,030
2014年 110 880 6,550
2013年 330 540 7,170
2012年 510 830 12,380
2011年 130 380 3,510
平均 588 3,463 80,478

「単勝」は昨年こそ4桁配当だが、全体的には堅く収まっている。

一方、「馬複」、「三連単」は高配当の香りが…
上位人気馬が揃って好走するケースが少ないため、“紐荒れ”の傾向にある。
特に「三連単」は高配当が多く、近年は10万円オーバーのビッグ配当が頻発している。

ピンク祭り!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 0 1 13 0.0% 0.0%
2枠 1 3 1 9 7.1% 28.6%
3枠 2 0 1 16 10.5% 10.5%
4枠 3 1 1 15 15.0% 20.0%
5枠 0 0 2 17 0.0% 0.0%
6枠 0 0 1 19 0.0% 0.0%
7枠 2 1 0 16 10.5% 15.8%
8枠 2 5 3 10 10.0% 35.0%

連対率20.0%超えは「2枠」「4枠」「8枠」の3つ。
直近3年は「4枠」の好成績が続いているが、「8枠」の連対率35.0%も見逃せない。

これは以下に示す過去8年の成績を見れば明らかだろう

1着 2着 3着
2020年 3枠 4枠 8枠
2019年 4枠 8枠 4枠
2018年 4枠 2枠 8枠
2017年 7枠 8枠 1枠
2016年 8枠 8枠 5枠
2015年 7枠 8枠 2枠
2014年 8枠 8枠 5枠
2013年 4枠 2枠 8枠

過去8年で「8枠」は2勝、2着5回、3着3回。
じつに8年連続で「8枠」が3着内に好走し、ワンツー決着も2回を数える。
人気に関係なく好走しているので、是非とも「8枠」は押さえたいところだ。

クラシックを狙う牡馬が優勢

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 9 9 106 6.8% 13.5%
牝馬 1 1 1 9 8.3% 16.7%
セン馬 0 0 0 0 - -

牡馬クラシックを狙う素質馬が参戦していることもあり、「牡馬」が圧倒的に有利。
そんな中、「牝馬」が1回だけ優勝している。
優勝馬は、後に「羽田盃(S1)」、「東京ダービー(S1)」の南関牡馬クラシック二冠を達成するクラーベセクレタだ。

近年の出世レース!

【ニューイヤーカップの着順別の成績】

ニューイヤーカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ニューイヤーカップ1着 2 1 0 3 33.3% 50.0%
ニューイヤーカップ2着 1 1 2 3 14.3% 28.6%
ニューイヤーカップ3着 1 1 0 5 14.3% 28.6%
ニューイヤーカップ4着以下 0 0 0 26 0.0% 0.0%

「浦和1,600m」で行われる年明け恒例の3歳重賞。

「ニューイヤーカップ(S3)」で特に注目したいのが1~3着馬。
該当馬は過去10年でのべ20頭が出走し、4勝、2着3回、3着2回の成績を残している。

「浦和1,600m」はトリッキーなコースとして知られるが、「ニューイヤーカップ」上位馬の力量は素直に評価したいところだ。

2021年ニューイヤーカップの結果

大注目の重賞

【雲取賞の着順別の成績】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 0 2 0 3 0.0% 40.0%
雲取賞2着 0 0 0 8 0.0% 0.0%
雲取賞3着 0 0 0 10 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 0 1 2 24 0.0% 3.7%

2019年から「S3重賞」に昇格した「雲取賞(S3)」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、実施初年度から2年連続で南関クラシックホースを輩出している。
なお、「雲取賞」の1~3着馬には「京浜盃」、1、2着馬には「羽田盃」の優先出走権が付与されている。

2018年までの「準重賞」のデータを含むが、「雲取賞」出走組は京浜盃では苦戦を強いられている。
「雲取賞」優勝馬は過去10年で5頭が出走して2着2回。
同じく2、3着馬はのべ18頭が出走しているものの、3着内に好走した馬は出ていない。

ただし、「雲取賞」は本項目の冒頭に記したように、重賞昇格以降、レースレベルは格段に向上。
一方で、「京浜盃との相性」となると、やや割引が必要なのかもしれない。

2021年雲取賞の結果

JRA勢相手の好走歴は信頼の証!?

【全日本2歳優駿の着順別の成績】

全日本2歳優駿着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
全日本2歳優駿2着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
全日本2歳優駿3着 0 1 2 3 0.0% 16.7%
全日本2歳優駿4着以下 1 3 1 15 5.0% 20.0%

前年12月に行われる2歳ダート王決定戦「全日本2歳優駿(Jpn1)」。
強豪JRA勢をはじめ、全国から有力馬が参戦しており、レベルの高い争いが展開されている。

JRA勢相手に好走=能力の証ではあるが、次は「全日本2歳優駿」の“好走馬”にフォーカスを当ててみよう。

【全日本2歳優駿「上位馬」の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿[5着以内] 3 4 3 5 20.0% 46.7%
全日本2歳優駿[地方最先着馬] 2 3 0 5 20.0% 50.0%

上段は「全日本2歳優駿」で5着以内に好走した馬の京浜盃での成績だ。
これを見ると、いかに好成績を残しているかが分かるデータで、のべ15頭が京浜盃に参戦し、10頭が3着内に好走している。

参考までに、下段のデータは「全日本2歳優駿」5着以内かつ京浜盃に出走した15頭のうち、“地方最先着馬”に絞り込んだデータだ
好走率は大きく変わらないが、JRA勢相手に好走した実力は侮れないだろう。

2020年全日本2歳優駿の結果

成長曲線の差?

【南関2歳重賞ウイナーの成績】

2歳重賞 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
鎌倉記念優勝馬 1 1 1 2 20.0% 40.0%
平和賞優勝馬 0 0 1 5 0.0% 0.0%
ハイセイコー記念優勝馬 0 0 0 4 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿優勝馬 1 0 0 1 50.0% 50.0%

南関東では、例年9月~12月にかけて2歳重賞が行われる。
京浜盃出走馬の成長曲線は各馬それぞれだが、果たして「2歳重賞ウイナー」が京浜盃でも通用しているのだろうか?

「2歳重賞ウイナー」はのべ17頭が参戦。
もちろん、クラシックへの“一叩き”として走る馬もいるが、京浜盃に限ってはあまり結果が出ていないようだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は南関東牝馬クラシック第1戦!3月31日(水)に浦和競馬場で行われる「桜花賞(S1)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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