~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2021年2月17日(水) 
サラ系4歳以上 大井2,600m
金盃(S2)

レース紹介

日本で一番長いダート重賞「金盃(S2)」
南関東のみならず、国内で行われるダート重賞では最も長い距離(2,600m)で争われる。
向こう正面からスタートし約1周半の攻防。
馬と騎手との折り合い、騎手同士の駆け引き、まさに人馬一体となる争いは見応え十分だ!

なお、金盃は2015年から距離が2,600m(旧2,000m)に変更されているため、一部の分析は2015年以降のデータとする。

※2020年現在、金沢の「北國王冠」と並んで最長距離
※第1回~第18回は2,400m、第19回~第58回は2,000m、第59回(2015年)以降は2,600m

▼データ分析のポイント
・騎手も馬も実績重視
・7歳以上の古豪に注目
・過去の金盃好走馬が活躍

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2020年 サウンドトゥルー 船橋 フレンチデピュティ 2人気
2019年 サウンドトゥルー 船橋 フレンチデピュティ 1人気
2018年 クラージュドール 船橋 キングカメハメハ 5人気
2017年 ユーロビート 大井 スズカマンボ 2人気
2016年 ジャルディーノ 大井 ワイルドラッシュ 3人気
2015年 アウトジェネラル 大井 アドマイヤドン 8人気
2014年 フォーティファイド 大井 フォーティナイナー 4人気
2013年 トーセンルーチェ 船橋 マリエンバード 2人気
2012年 トーセンルーチェ 船橋 マリエンバード 4人気
2011年 スーパーパワー 大井 スキャターザゴールド 1人気

過去10年の優勝馬のうち、2,000m以上の南関重賞 or JRA重賞を“複数”制している馬は4頭(太字)
南関東では長距離重賞が限られていることもあり、ステイヤーにとっては大目標となるレースの1つとなっている。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

長距離戦は騎手の腕の見せ所!?

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2020年 森 泰斗 楢崎 功祐 本田 正重
2019年 御神本 訓史 的場 文男 森 泰斗
2018年 森 泰斗 町田 直希 石崎 駿
2017年 吉原 寛人 山本 聡哉 森 泰斗
2016年 真島 大輔 吉原 寛人 本橋 孝太
2015年 御神本 訓史 森 泰斗 石崎 駿
2014年 戸崎 圭太 吉原 寛人 御神本 訓史
2013年 張田 京 御神本 訓史 石崎 駿
2012年 張田 京 米倉 知 森 泰斗
2011年 真島 大輔 今野 忠成 佐藤 博紀

長距離戦は騎手で買え!?
過去10年の1着~3着には、年間100勝以上をマークするジョッキーがずらりと並んでいる。
「太字」は前年に100勝以上(※)の勝ち星を挙げた騎手で、さらに「赤字」は前年の南関東リーディング上位3名だ。
※JRA含む

距離が2,600mとなった2015年以降は「森泰斗騎手」が5回、「御神本訓史騎手」「吉原寛人騎手」「石崎駿騎手」が2回、馬券に絡んでいる。
また、優勝騎手の「御神本訓史騎手(2015年)」「真島大輔騎手」「森泰斗騎手(2018年/2020年)」は、前年の南関東リーディングで2位以内だった。
“リピーター”と“前年の南関東リーディング2位以内”の騎手には要注目となりそう。

ちなみに、南関東リーディングは「森泰斗騎手」「矢野貴之騎手」「真島大輔騎手」が2015年から上位3位を独占していたが…
2019年以降は「森泰斗騎手」「矢野貴之騎手」の上位2名の背中を「笹川翼騎手」が猛追している形だ。

2020年南関東リーディングはこちら

大井vs船橋

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 0 19 0.0% 5.0%
船橋 5 1 6 26 13.2% 15.8%
大井 5 7 4 72 5.7% 13.6%
川崎 0 1 0 5 0.0% 16.7%

地元の「大井所属馬」が5勝、2着7回、3着4回。
これに続くのが「船橋所属馬」の5勝、2着1回、3着6回となり、両場合わせると10勝、2着8回、3着10回とほぼほぼ独占状態だ。

出走頭数では「船橋所属馬」の方が少ないので、好走率は同所属馬に分があるだろう。

6番人気以下が活躍

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 2 1 2 5 20.0% 30.0%
2人気 3 0 1 6 30.0% 30.0%
3人気 1 0 2 7 10.0% 10.0%
4人気 2 2 2 4 20.0% 40.0%
5人気 1 1 0 8 10.0% 20.0%
6人気以下 1 6 3 92 1.0% 6.9%

「1番人気馬」に絶対的な信頼度はない。
「1~5番人気馬」までが総じて結果を残している反面、4着以下に敗れるシーンも少なくないようだ。

また、特徴的なのは「6番人気以下」の好走。
勝率こそ1.0%と高くないものの、連対率6.9%、3着内率9.8%は人気を考えると上々の成績ではないだろうか。
昨年も1着から順に「2番人気」⇒「10番人気」⇒「7番人気」で決着しているように、「6番人気以下」の馬たちが波乱を演出している。

高配当が期待できる!?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2020年 450 21,670 413,790
2019年 160 950 5,960
2018年 740 3,630 44,860
2017年 400 14,050 118,070
2016年 450 1,610 11,730
2015年 4,070 4,620 553,090
2014年 800 6,900 48,170
2013年 520 2,030 18,910
2012年 1,080 20,610 213,460
2011年 240 4,450 170,150
平均 891 8,052 159,819

「馬複」の平均は8,052円、「三連単」は同159,819円。
前項の「人気別成績」の通り、軸馬の選択が難しく、人気薄の好走も多いため高配当となる傾向にあるようだ。

「1枠」の好走率が高い

【枠番別の成績(過去6年)】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 3 3 5 0.0% 27.3%
2枠 2 0 0 9 18.2% 18.2%
3枠 0 0 0 11 0.0% 0.0%
4枠 1 0 0 11 8.3% 8.3%
5枠 0 3 1 8 0.0% 25.0%
6枠 2 0 2 8 16.7% 16.7%
7枠 1 0 0 11 8.3% 8.3%
8枠 0 0 0 12 0.0% 0.0%

ここからは金盃が2,600mとなった2015年以降、6年間のデータでお届けする。

過去6年では「1枠」「2枠」「5枠」「6枠」の好走が目立つ。
「4枠」と「7枠」も1回ずつ勝利しているが、その他の好走は全て上記の枠番となっているのだ。

特に「1枠」は連対率27.3%、3着内率54.5%とハイアベレージ。
優勝馬こそ出ていないものの、コーナーを6回通過する長距離戦だけに、最短距離を走れる枠はプラスに作用するのかもしれない。

【牡馬牝馬別の成績(過去6年)】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 3 5 6 67 3.7% 9.9%
牝馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%
セン馬 3 1 0 7 27.3% 36.4%

タフな条件でもあり、「牝馬」の参戦は2017年タイムビヨンド(6着)のみ。

古豪が活躍!

【年齢別の成績(過去6年)】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
4歳 0 2 1 6 0.0% 22.2%
5歳 1 2 2 13 5.6% 16.7%
6歳 0 0 0 15 0.0% 0.0%
7歳以上 5 2 3 41 9.8% 13.7%

「7歳以上」の古豪が5勝、2着2回、3着3回。
現在、“5連覇中”の「7歳以上」の馬だが、年齢別にさらに細かく見てみよう。

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
7歳 1 1 2 15 5.3% 10.5%
8歳 2 1 0 10 15.4% 23.1%
9歳 1 0 0 11 8.3% 8.3%
10歳 1 0 1 3 20.0% 20.0%
11歳 0 0 0 2 0.0% 0.0%

以上のデータより「7歳」~「10歳」が勝ち星を挙げているのが分かる。
これを少し掘り下げてみると…

▽2016年2着ユーロビート(7歳時) ⇒ 8歳時に金盃優勝!
▽2017年3着クラージュドール(7歳時) ⇒ 8歳時に金盃優勝!
▽2019年1着 サウンドトゥルー(9歳時) ⇒ 10歳時に金盃連覇!

年齢を重ねて着順を上げているように、円熟味を増したステイヤーには一目置きたいところだろう。

オープン馬が強い!

【斤量別の成績(過去6年)】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
57kg以上 2 3 2 8 13.3% 33.3%
56kg 3 1 2 38 6.8% 9.1%
55kg 0 0 0 1 0.0% 0.0%
54kg 1 1 2 15 5.3% 10.5%
53kg以下 0 1 0 13 0.0% 7.1%

金盃の「斤量」はクラス別定で、以下の通りとなる。

▼A1級56kg A2級54kg B1級以下52kg 牝馬2kg減
※2020.2.3~2021.2.12までのダートグレード競走/JRA重賞1着馬は2kg、南関東S1/S2重賞1着馬は1kg加増
※2歳・3歳限定競走は除く

秋の「東京記念(S1・2,400m)」は年齢/性別による「定量戦」なので、クラス(格付)が下の馬にとっては金盃の方が走りやすい条件だ。

結論的には斤量「56kg」「57kg以上」を背負うオープン馬(A1級)が強い。
唯一、「54kg(A2級)」で優勝したのは2016年のジャルディーノだが、当時4連勝中で、オープン競走を完勝していた実力馬だった。

ちなみに、南関東のクラスは「番組賞金」によって決定する。
JRAでは基本的に1つ勝つと上のクラスに昇級するが、南関東では5着でも賞金を獲得すると上のクラスに昇級できるのである。

南関東の「クラス」「番組賞金」について、詳しくはこちらをご覧頂きたい。

金盃が得意な馬を探せ!

【金盃の1~3着馬】

1着 2着 3着
2020年 サウンドトゥルー フレアリングダイヤ トーセンブル
2019年 サウンドトゥルー シュテルングランツ ワークアンドラブ
2018年 クラージュドール ウマノジョー キングニミッツ
2017年 ユーロビート ウマノジョー クラージュドール
2016年 ジャルディーノ ユーロビート プレティオラス
2015年 アウトジェネラル ドラゴンエアル フォーティファイド
2014年 フォーティファイド ツクバチャーム アウトジェネラル
2013年 トーセンルーチェ フォーティファイド スターシップ
2012年 トーセンルーチェ タートルベイ スマートインパルス
2011年 スーパーパワー シーズザゴールド フリートアドミラル

「太字」の馬は金盃で複数回、3着内に好走した馬となる。
距離が2,600mに距離が変更された2015年以降もリピーターが活躍する傾向に変わりはないようだ。

リピーターの活躍は大井2,400mで争われる「東京記念」の南関データ分析でも記載しているが、
南関東においては限られた条件(※)ということもあり、長距離戦を目標に息の長い活躍をする馬が多いのかもしれない。

※南関東で行われる2,400m以上の重賞は「金盃」「東京記念」「ダイオライト記念(船橋2,400m・Jpn2)」の3競走

【金盃トライアル(金盃TR)の着順別の成績】

金盃TR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
金盃TR1着 0 0 1 1 0.0% 0.0%
金盃TR2着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
金盃TR3着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
金盃TR4着以下 0 0 0 5 0.0% 0.0%

2019年の金盃時から実施されている「金盃トライアル競走」。
(年跨ぎのため、初回のレースは2018年12月実施)

今年で3回目となるため傾向は掴みにくいが、やや苦戦気味と言えるかもしれない。
それでも、長距離が得意なステイヤーが参戦しているだけに大注目だろう。

2020年金盃トライアルの結果

好走率が高い!

【報知オールスターカップ(報知ASC)の着順別の成績(過去6年)】

報知ASC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
報知ASC1着 0 1 0 1 0.0% 50.0%
報知ASC2着 0 0 1 0 0.0% 0.0%
報知ASC3着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
報知ASC4着以下 3 0 0 9 25.0% 25.0%

お正月の川崎開催で行われる2,100mの重賞。
金盃の前後は中長距離重賞が各場で行われていることもあり、「報知オールスターカップ(S3)」からの転戦馬は少ない。

「報知オールスターカップ」の上位馬は好走率も高いが、注目は同レース4着以下の馬たち。
なんと「報知オールスターカップ」出走組の全3勝を挙げているように、さらなる距離延長で前進しているのだ。

小回りの川崎コースから広い大井外回りコースへ。
条件替わりで一変する馬を見つけたいところだろう。

2021年報知オールスターカップの結果

もう一つの大井長距離重賞

【東京記念の着順別の成績(過去6年)】

東京記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京記念1着 1 1 1 2 20.0% 40.0%
東京記念2着 0 1 0 2 0.0% 33.3%
東京記念3着 0 0 1 3 0.0% 0.0%
東京記念4着以下 0 1 1 21 0.0% 4.3%

前年の9月~10月に行われる2,400mの「東京記念」。
前述したように、南関東では貴重な長距離重賞ということで、金盃と同様に多くのステイヤーが参戦している。

現在、5年連続で「東京記念」優勝馬が金盃に出走して1勝、2着1回、3着1回、6着2回。
絶対的な信頼感はないものの、一定の成績を残していると言えるだろう。

2020年東京記念の結果

ステイヤーが大活躍!

【前走の距離別の成績(過去6年)】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,800m未満 0 1 0 17 0.0% 5.6%
1,800m~2,000m未満 0 2 0 14 0.0% 12.5%
2,000m以上 6 3 6 44 10.2% 15.3%

こちらのデータは「前走の距離別の成績」となる。
前走が「2,000m以上」の馬が全6勝を挙げ、2着3回、3着6回と長距離路線組がきっちりと結果を残している。

一方、前走「1,800m未満」と「1,800m~2,000m未満」は2着が合計3回あるのみ。
大幅な距離延長はプラスとはなっていないようだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は3歳重賞!「金盃」の翌日2月18日(木)に大井競馬場で行われる「雲取賞(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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