~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2022年1月13日(木) 
サラ系4歳以上 船橋1,000m
船橋記念(S3)

レース紹介

一瞬の煌めき!「船橋記念(S3)」!
船橋1,000mを舞台に行われるスプリント戦。
同舞台の「習志野きらっとスプリント(S1)」と並び、船橋競馬では最も短い距離で争われる重賞だ。
※南関東での最短距離重賞は「川崎スパーキングスプリント(川崎900m・S3)」

▼データ分析のポイント
・3番人気以内が全10勝
・カムイユカラスプリント優勝馬に注目
・追い込みが効いている

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2021年 キャンドルグラス 船橋 サウスヴィグラス 1人気
2020年 キャンドルグラス 船橋 サウスヴィグラス 2人気
2019年 アピア 大井 ファスリエフ 1人気
2018年 アピア 大井 ファスリエフ 1人気
2017年 フラットライナーズ 船橋 シニスターミニスター 1人気
2016年 イセノラヴィソン 船橋 ファスリエフ 3人気
2015年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 2人気
2014年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 3人気
2013年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 1人気
2012年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 1人気

船橋記念はナイキマドリードの歴史でもある。
同一重賞4連覇(南関東)の記録はフジノウェーブ以来(※)となり、南関東では史上2頭目の快挙だった。

なお、2021年末の「東京大賞典(G1)」でオメガパフュームが4連覇を達成。
南関東では史上3頭目、南関東のダートグレード競走では史上初の出来事だった。

※2010年~2013年の「東京スプリング盃(S3)」を4連覇、同レースは現在「フジノウェーブ記念(S3)」として実施されている

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

御神本騎手が前人未踏の5連覇に挑む

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2021年 御神本 訓史 笹川 翼 本田 正重
2020年 御神本 訓史 左海 誠二 笹川 翼
2019年 御神本 訓史 山林堂 信彦 山崎 誠士
2018年 御神本 訓史 中野 省吾 山崎 誠士
2017年 左海 誠二 森 泰斗 山崎 誠士
2016年 笹川 翼 森 泰斗 赤岡 修次
2015年 川島 正太郎 本田 正重 的場 文男
2014年 川島 正太郎 桑村 真明 増田 充宏
2013年 川島 正太郎 町田 直希 戸崎 圭太
2012年 川島 正太郎 山田 信大 戸崎 圭太

過去10年で“4連覇”した騎手が2名。

2012年~2015年は「川島正太郎騎手」がナイキマドリードとのコンビで4連覇を達成。
ナイキマドリードは2012年~2014年が川島正行厩舎、2015年は川島正一厩舎に所属しており、“川島一家”で4連覇の大偉業を達成したのである。

続いて、2018年~2021年を4連覇中の「御神本訓史騎手」。
同騎手はアピアとのコンビで2連覇、さらに2020年、2021年とキャンドルグラスの手綱を取って4連覇を達成した。

残念ながらキャンドルグラスは登録抹消となっているで同馬の3連覇は叶わないが、「御神本訓史騎手」としては5連覇のチャンスありだ。

地元の船橋所属馬が好成績

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 2 1 14 0.0% 11.8%
船橋 8 4 4 35 15.7% 23.5%
大井 2 3 1 26 6.3% 15.6%
川崎 0 1 4 16 0.0% 4.8%

地元の「船橋所属馬」が8勝、2着4回、3着4回と好成績。
ナイキマドリードとキャンドルグラスが際立つところではあるが、2021年は地元勢で上位3着内を独占している。

頭は人気馬!3番人気以内が全10勝!

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 6 2 0 2 60.0% 80.0%
2人気 2 1 2 5 20.0% 30.0%
3人気 2 1 0 7 20.0% 30.0%
4人気 0 1 3 6 0.0% 10.0%
5人気 0 2 1 7 0.0% 20.0%
6人気以下 0 3 4 64 0.0% 4.2%

上位人気馬が順当に結果を残している。
トップは「1番人気馬」の6勝、次いで「2番人気馬」と「3番人気馬」の2勝が続く。

「4番人気以下」は優勝実績がなく、2、3着に食い込むのがやっとという成績だ。

スピード勝負に紛れなし!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2021年 280 630 3,230
2020年 340 280 8,680
2019年 130 850 11,150
2018年 210 4,980 49,470
2017年 170 1,240 11,510
2016年 450 1,790 13,240
2015年 710 1,010 42,750
2014年 440 980 20,320
2013年 140 930 6,240
2012年 210 5,530 31,320
平均 308 1,822 19,791

前項「人気別成績」の通り、3番人気以内の馬が10勝しているので「単勝式」は非常に堅い配当。
先週の「報知オールスターカップ(S3)」の単勝配当も平均「533円」と低かったが、船橋記念はさらに低い「308円」となっている。

一方、「馬複」は4桁配当が5回、「三連単」は万馬券が7回。
直近3年はいずれの配当も落ち着いたものだが、軸となる上位人気馬から手広く流しても良いのかもしれない。

黄色とピンクの枠がスゴイ!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 0 9 10.0% 10.0%
2枠 1 0 0 9 10.0% 10.0%
3枠 1 1 1 9 8.3% 16.7%
4枠 2 1 2 10 13.3% 20.0%
5枠 3 3 1 10 17.6% 35.3%
6枠 0 0 1 16 0.0% 0.0%
7枠 1 3 0 16 5.0% 20.0%
8枠 1 2 5 12 5.0% 15.0%

黄色の「5枠」が5年連続連対中(3勝)。
直近5年の「5枠」の頭数は計8頭になるが、そのうちの6頭が3着内に好走している(3勝、2着2回、3着1回)。

次に好走率が高いのは「8枠」の1勝、2着2回、3着5回。
勝率、連対率は目立つ数字ではないが、過去10年の3着内率は「5枠」の41.2%に対して、「8枠」も40.0%と高くなっている。

ちなみに、「5枠」と「8枠」が同時に3着内に好走した回数は直近5年だけで4回だ。

スピード勝負なら牝馬も通用!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 7 9 5 60 8.6% 19.8%
牝馬 1 1 4 21 3.7% 7.4%
セン馬 2 0 1 10 15.4% 15.4%

牡馬牝馬混合の重賞は数多くあるが、船橋記念は「牝馬」が活躍している重賞の1つ。

過去10年で「牝馬」は1勝、2着1回、3着4回。
2014年以降、2019年と2021年を除く6回は「牝馬が1頭だけ」3着内に好走していた。

3着内に好走した「牝馬」6頭を、前項の「枠」と絡めてみると…「8枠の牝馬」が4頭、「3枠の牝馬」が2頭となる。
華やかな枠色に「牝馬」が収まったときは注目してみても面白いかもしれない。

世代間のスピード比べ!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
4歳 0 1 2 9 0.0% 8.3%
5歳 1 2 2 11 6.3% 18.8%
6歳 3 4 2 19 10.7% 25.0%
7歳以上 6 3 4 52 9.2% 13.8%

過去10年で最も勝ち星を挙げているのは「7歳以上」の6勝。
ただし、ナイキマドリードが「6~9歳」、アピアが「7・8歳」、キャンドルグラスが「6・7歳」での勝利なので、6勝は全てこの3頭によるもの。

一方、連対率では「5歳馬」「6歳馬」も見劣らない。
年齢を重ねた馬は出走頭数こそ多いものの、スピード勝負なら若い馬も負けていないようだ。

実績馬強し!

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
57(57.5)kg 8 3 3 24 21.1% 28.9%
55(55.5)kg 1 2 3 28 2.9% 8.8%
53(53.5)kg以下 1 5 4 39 2.0% 12.2%

船橋記念の斤量は“クラス別定”
斤量は【A1級57kg・A2級55kg・B1級以下53kg・牝馬2kg減】となり、
獲得賞金額などによる斤量の加増は無いので、実績馬にとっては力を出し易い条件だ。

そんな条件でもあり「57kg」を背負うA1級の馬が8勝、2着3回、3着3回で最も成績が良い。
次いで「53kg以下」「55kg」と続くが、やはり「53kg以下」の馬が出走表に並ぶとどうしても注目してしまう。
(「53kg以下」は2018年を除く全ての年で3着内に好走)

「53kg以下」の馬はのべ49頭が出走し、1勝、2着5回、3着4回。
このうち、1勝、2着1回、3着1回は「51kg」の馬なのである(のべ15頭)。

斤量「51kg」は“B1級以下の牝馬”となるので、格上挑戦の牝馬だからといって侮ってはいけない。

★冬期の斤量について
通年ナイターを実施している船橋は、寒さの厳しい冬期期間中も「ハートビートナイター」として実施される。
このため、ジョッキーが着用するアンダーシャツ分(寒さ対策)の重量「0.5kg」が斤量に上乗せされるのである。
例えば、船橋記念に出走するA1級の馬は斤量57.0kgが通常なのだが、斤量57.5kgでの出走となるのだ。

寒夜の中、風を切って走るジョッキーたちにもご注目頂きたい!

好走実績は全てあの馬!

【ゴールドカップの着順別の成績】

ゴールドカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドカップ1着 2 0 0 0 100.0% 100.0%
ゴールドカップ2着 0 1 0 0 0.0% 100.0%
ゴールドカップ3着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
ゴールドカップ4着以下 2 0 0 9 18.2% 18.2%

浦和1,400mで争われる「ゴールドカップ(S1)」。
2017年12月の実施回から距離1,400m(旧1,500m)で行われている。

過去10年の「ゴールドカップ」出走組からは4頭の船橋記念覇者を輩出。
この4頭は全て“ナイキマドリード”なので、ナイキマドリード以外の馬は船橋記念で勝利していないことになる。

“3着内”に枠を広げてみても、2019年ゴールドカップ2着のノブワイルドが船橋記念でも2着に好走したのみ。
両レースはレース間隔が短く、上位馬の転戦は少ないが、条件替わりで一変する馬も多くはなさそうだ。

2021年ゴールドカップの結果

狙いはココ!

【カムイユカラスプリント(カムイユカラS)の着順別の成績】

カムイユカラS着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
カムイユカラS1着 3 1 0 1 60.0% 80.0%
カムイユカラS2着 1 0 1 2 25.0% 25.0%
カムイユカラS3着 0 0 0 0 - -
カムイユカラS4着以下 0 0 1 12 0.0% 0.0%

※「カムイユカラスプリント」がオープン競走となって以降のデータ(6年分)

船橋記念トライアルとして実施されている「カムイユカラスプリント」。
船橋記念を連覇したアピア、2020年の優勝馬キャンドルグラスは本競走をステップ(1着)に船橋記念を勝利している。

また、2021年は本競走1着のアドバイザーが船橋記念でも2着に好走している
(現在、4年連続で「カムイユカラスプリント」優勝馬が連対中)

「カムイユカラ」という名のレースは昔から船橋で行われていたが、
2015年実施回からはオープン競走となり、よりハイレベルなレースとなっているようだ。

2021年カムイユカラスプリントの結果

真夏から真冬へ

【アフター5スター賞の着順別の成績】

アフター5スター賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
アフター5スター賞1着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
アフター5スター賞2着 3 0 0 1 75.0% 75.0%
アフター5スター賞3着 1 1 0 2 25.0% 50.0%
アフター5スター賞4着以下 0 1 2 13 0.0% 6.3%

前年夏に大井1,200mで行われている「アフター5スター賞(S3)」。

現在、4年連続で船橋記念の優勝馬を輩出しているが、ここもアピアとキャンドルグラスが該当する。
必勝ローテとしては「アフター5スター賞好走」⇒「カムイユカラスプリント優勝」⇒「船橋記念」だろう。
※前年のアフター5スター賞と船橋記念を制した馬は不在

2021年アフター5スター賞の結果

優勝馬は両極端

【習志野きらっとスプリント(習志野きらっとS)の着順別の成績】

習志野きらっとS着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
習志野きらっとS1着 3 1 0 3 42.9% 57.1%
習志野きらっとS2着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
習志野きらっとS3着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
習志野きらっとS4着以下 0 2 0 9 0.0% 18.2%

船橋記念と同舞台で行われている「習志野きらっとスプリント(S1)」。
地方競馬「スーパースプリントシリーズ」のファイナルを飾る競走で、全国各地からスピード自慢が集結する。

現在、7年連続で「習志野きらっとスプリント」の優勝馬が参戦しているが、船橋記念では3勝、2着1回、10着2回、競走中止1回。
同舞台の重賞勝ち馬なので注目を集めることになるが、傾向的には「勝つか負けるか」の両極端な結果となっているようだ。

2021年習志野きらっとスプリントの結果

【1~3着馬の4コーナー通過順】

船橋記念

1着 2着 3着
1番手 2
(20.0%)
2
(20.0%)
3
(30.0%)
2~5番手 6
(60.0%)
6
(60.0%)
1
(10.0%)
6番手以降 2
(20.0%)
2
(20.0%)
6
(60.0%)

習志野きらっとスプリント

1着 2着 3着
1番手 6
(60.0%)
2
(20.0%)
1
(10.0%)
2~5番手 4
(40.0%)
7
(70.0%)
3
(30.0%)
6番手以降 0
(0.0%)
1
(10.0%)
6
(60.0%)

船橋1,000mは向こう正面からスタートし、3・4コーナーを周って308mの直線へ。

上段のデータは「船橋記念」、下段は「習志野きらっとスプリント」の4コーナーでの位置取り。
()内のパーセンテージは各着順に占める、位置取りの割合を示している。

船橋記念の「位置取り」に関しては、「4コーナー先頭」の馬が2勝、2着2回、3着3回。
必ずしも“先手必勝”という結果とはなっていないのが分かる。

逆に“必勝パターン”は「4コーナーで2~5番手」に位置している馬で、6勝、2着6回、3着1回だ。
さらに、「6番手以降」の馬も2勝、2着2回、3着6回となっており、直線で追い込むシーンも少なくない。

これを同舞台の「習志野きらっとスプリント」と比較すると、「4コーナー先頭の優勝馬」と「6番手以降」の成績に差が見られる。
「習志野きらっとスプリント」では「4コーナー先頭」の馬が勝ち切り、「6番手以降」から追い上げるシーンは少ない。
一方、「船橋記念」はその逆の傾向で、差し馬が台頭しているのだ。

「船橋記念」は寒さの厳しい真冬、「習志野きらっとスプリント」は盛夏に行われる重賞。
天候・砂の状態などなど、微妙に違いが出るのかもしれない。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は1月19日(水)に浦和競馬場で行われる「ニューイヤーカップ(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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