~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2023年2月22日(水) 
サラ系4歳以上 大井2,600m
金盃(S2)

レース紹介

日本で一番長いダート重賞「金盃(S2)」
南関東のみならず、国内で行われるダート重賞では最も長い距離(2,600m)で争われる。
向こう正面からスタートし約1周半の攻防。
馬と騎手との折り合い、騎手同士の駆け引き、まさに人馬一体となる争いは見応え十分だ!

なお、金盃は2015年から距離が2,600m(旧2,000m)に変更されているため、一部の分析は2015年以降のデータとする。

※第1回~第18回は2,400m、第19回~第58回は2,000m、第59回(2015年)以降は2,600m

▼データ分析のポイント
・騎手も馬も実績重視
・過去の金盃好走馬が活躍
・前年の東京記念優勝馬も好成績

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2022年 フレッチャビアンカ 船橋 キンシャサノキセキ 2人気
2021年 マンガン 川崎 アイルハヴアナザー 2人気
2020年 サウンドトゥルー 船橋 フレンチデピュティ 2人気
2019年 サウンドトゥルー 船橋 フレンチデピュティ 1人気
2018年 クラージュドール 船橋 キングカメハメハ 5人気
2017年 ユーロビート 大井 スズカマンボ 2人気
2016年 ジャルディーノ 大井 ワイルドラッシュ 3人気
2015年 アウトジェネラル 大井 アドマイヤドン 8人気
2014年 フォーティファイド 大井 フォーティナイナー 4人気
2013年 トーセンルーチェ 船橋 マリエンバード 2人気

過去10年の優勝馬のうち、2,000m以上の南関重賞 or JRA重賞を“複数(※)”制している馬は5頭(太字)
南関東では長距離重賞が限られていることもあり、ステイヤーにとっては大目標となるレースの1つとなっている。
※当年の金盃優勝を含める

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

長距離戦は騎手の腕の見せ所!?

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2022年 御神本 訓史 本田 正重 張田 昂
2021年 吉原 寛人 本田 正重 森 泰斗
2020年 森 泰斗 楢崎 功祐 本田 正重
2019年 御神本 訓史 的場 文男 森 泰斗
2018年 森 泰斗 町田 直希 石崎 駿
2017年 吉原 寛人 山本 聡哉 森 泰斗
2016年 真島 大輔 吉原 寛人 本橋 孝太
2015年 御神本 訓史 森 泰斗 石崎 駿
2014年 戸崎 圭太 吉原 寛人 御神本 訓史
2013年 張田 京 御神本 訓史 石崎 駿

長距離戦は騎手で買え!?
過去10年の1着~3着には、年間100勝以上をマークするジョッキーがずらりと並んでいる。
「太字」は前年に100勝以上(※)の勝ち星を挙げた騎手で、さらに「赤字」は前年の南関東リーディング上位3名だ。
※JRA含む

距離が2,600mとなった2015年以降の8年間では、「森泰斗騎手」が6回も3着内に好走。
さらに、「御神本訓史騎手」は過去8年で3勝を挙げ、「本田正重騎手」は直近3年だけで2着2回、3着1回の成績を残している。

ちなみに、南関東4場の総合リーディングは「森泰斗騎手」「矢野貴之騎手」「笹川翼騎手」の3名が2019年から上位を独占中だ。

2022年南関東リーディングはこちら

大井vs船橋

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 0 17 0.0% 5.6%
船橋 5 1 7 20 15.2% 18.2%
大井 4 7 3 79 4.3% 11.8%
川崎 1 1 0 2 25.0% 50.0%

地元の「大井所属馬」が4勝、2着7回、3着3回。
これを上回るのが「船橋所属馬」の5勝、2着1回、3着7回となり、両場合わせると9勝、2着8回、3着10回とほぼほぼ独占状態だ。

この独占状態を打ち破ったのが2021年優勝のマンガン。
「川崎所属馬」としての金盃優勝は、2001年のインテリパワー以来だった(2002年は「船橋所属」として金盃連覇)。

6番人気以下が活躍

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 1 1 2 6 10.0% 20.0%
2人気 5 0 1 4 50.0% 50.0%
3人気 1 0 2 7 10.0% 10.0%
4人気 1 2 3 4 10.0% 30.0%
5人気 1 2 0 7 10.0% 30.0%
6人気以下 1 5 2 90 1.0% 6.1%

現在、3連覇中の「2番人気馬」が計5勝と圧倒的な成績。
「1番人気馬」に絶対的な信頼度がないので、「2番人気馬」の活躍がより際立っている。

また、特徴的なのは「6番人気以下」の好走。
勝率こそ1.0%と高くないものの、連対率6.1%、3着内率8.2%は人気を考えると上々の成績ではないだろうか。

高配当が期待できる!?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2022年 510 1,740 17,450
2021年 470 2,600 14,450
2020年 450 21,670 413,790
2019年 160 950 5,960
2018年 740 3,630 44,860
2017年 400 14,050 118,070
2016年 450 1,610 11,730
2015年 4,070 4,620 553,090
2014年 800 6,900 48,170
2013年 520 2,030 18,910
平均 857 5,980 124,648

「馬複」の平均は5,980円、「三連単」は同124,648円。
上位人気馬が勝利しているので「単勝」は落ち着いている一方、連勝式の配当はかなり跳ねている傾向にある。

「8枠」はマイナス

【枠番別の成績(過去8年)】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 3 3 7 0.0% 23.1%
2枠 3 0 0 11 21.4% 21.4%
3枠 1 1 0 12 7.1% 14.3%
4枠 1 0 1 14 6.3% 6.3%
5枠 0 3 1 12 0.0% 18.8%
6枠 2 0 3 11 12.5% 12.5%
7枠 1 1 0 14 6.3% 12.5%
8枠 0 0 0 16 0.0% 0.0%

ここからは金盃が2,600mとなった2015年以降、8年間のデータでお届けする。

連対率は「1枠」~「7枠」まで大きな差は無いのの、内側の方がやや有利な傾向。
また、3着内に1度も好走実績がない「8枠」はマイナス要素と言えそうだ。

大井2,600mはコーナーを6回通過するコース設定でもあり、最短距離を走れる枠はプラスに作用するのかもしれない。

【牡馬牝馬別の成績(過去8年)】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 5 7 7 84 4.9% 11.7%
牝馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%
セン馬 3 1 1 12 17.6% 23.5%

タフな条件でもあり、「牝馬」の参戦は2017年タイムビヨンド(6着)のみ。

古豪が活躍!

【年齢別の成績(過去8年)】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
4歳 1 3 1 6 9.1% 36.4%
5歳 2 2 2 17 8.7% 17.4%
6歳 0 1 0 22 0.0% 4.3%
7歳以上 5 2 5 52 7.8% 10.9%

「7歳以上」の古豪が5勝、2着2回、3着5回。
2016年~2020年まで「7歳以上」の馬が5連覇を達成したが、年齢別にさらに細かく見てみよう。

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
7歳 1 1 2 19 4.3% 8.7%
8歳 2 1 1 14 11.1% 16.7%
9歳 1 0 0 14 6.7% 6.7%
10歳 1 0 1 3 20.0% 20.0%
11歳 0 0 1 2 0.0% 0.0%

以上のデータより「7歳」~「10歳」が勝ち星を挙げているのが分かる。
これを少し掘り下げてみると…

▽2016年2着ユーロビート(7歳時) ⇒ 8歳時に金盃優勝!
▽2017年3着クラージュドール(7歳時) ⇒ 8歳時に金盃優勝!
▽2019年1着 サウンドトゥルー(9歳時) ⇒ 10歳時に金盃連覇!(11歳時にも3着)

年齢を重ねて着順を上げているように、円熟味を増したステイヤーには一目置きたいところだろう。

オープン馬が強い!

【斤量別の成績(過去8年)】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
57kg以上 3 3 3 10 15.8% 31.6%
56kg 4 3 3 50 6.7% 11.7%
55kg 0 0 0 1 0.0% 0.0%
54kg 1 1 2 21 4.0% 8.0%
53kg以下 0 1 0 15 0.0% 6.3%

金盃の「斤量」はクラス別定で、以下の通りとなる。

▼A1級56kg A2級54kg B1級以下52kg 牝馬2kg減
※2022.2.7~2023.2.17までのダートグレード競走/JRA重賞1着馬は2kg、南関東S1/S2重賞1着馬は1kg加増
※2歳・3歳限定競走は除く

秋の「東京記念(S1・2,400m)」は年齢/性別による「定量戦」なので、クラス(格付)が下の馬にとっては金盃の方が走りやすい条件だ。

結論的には斤量「56kg」「57kg以上」を背負うオープン馬(A1級)が強い。
唯一、「54kg(A2級)」で優勝したのは2016年のジャルディーノだが、当時4連勝中で、オープン競走を完勝していた実力馬だった。

ちなみに、南関東のクラスは「番組賞金」によって決定する。
JRAでは基本的に1つ勝つと上のクラスに昇級するが、南関東では5着でも賞金を獲得すると上のクラスに昇級できるのである。

南関東の「クラス」「番組賞金」について、詳しくはこちらをご覧頂きたい。

金盃が得意な馬を探せ!

【金盃の1~3着馬】

1着 2着 3着
2022年 フレッチャビアンカ セイカメテオポリス サトノプライム
2021年 マンガン トーセンブル サウンドトゥルー
2020年 サウンドトゥルー フレアリングダイヤ トーセンブル
2019年 サウンドトゥルー シュテルングランツ ワークアンドラブ
2018年 クラージュドール ウマノジョー キングニミッツ
2017年 ユーロビート ウマノジョー クラージュドール
2016年 ジャルディーノ ユーロビート プレティオラス
2015年 アウトジェネラル ドラゴンエアル フォーティファイド
2014年 フォーティファイド ツクバチャーム アウトジェネラル
2013年 トーセンルーチェ フォーティファイド スターシップ

「太字」の馬は金盃で複数回、3着内に好走した馬となる。
距離が2,600mに変更された2015年以降もリピーターが活躍する傾向に変わりはないようだ。

リピーターの活躍は大井2,400mで争われる「東京記念」の南関データ分析でも記載しているが、
南関東においては限られた条件(※)ということもあり、長距離戦を目標に息の長い活躍をする馬が多いのかもしれない。

※南関東で行われる2,400m以上の重賞は「金盃」「東京記念」「ダイオライト記念(船橋2,400m・Jpn2)」の3競走

【金盃トライアル(金盃TR)の着順別の成績(過去4年)】

金盃TR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
金盃TR1着 0 0 1 3 0.0% 0.0%
金盃TR2着 0 1 1 2 0.0% 25.0%
金盃TR3着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
金盃TR4着以下 0 0 0 8 0.0% 0.0%

2019年の金盃時から実施されている「金盃トライアル競走」。
(年跨ぎのため、初回のレースは2018年12月実施)

今回で5回目となり、過去4年のトライアル組からは2着1回、3着2回の好走馬を送り出している。
該当馬はトーセンブル(2着1回、3着1回)とサトノプライム(3着)の2頭だ。

まだまだデータは少ないものの、長距離が得意なステイヤーが参戦しているだけに大注目だろう。

2022年金盃トライアルの結果

好走率が高い!

【報知オールスターカップ(報知ASC)の着順別の成績(過去8年)】

報知ASC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
報知ASC1着 0 1 0 1 0.0% 50.0%
報知ASC2着 1 0 1 0 50.0% 50.0%
報知ASC3着 0 0 1 1 0.0% 0.0%
報知ASC4着以下 4 1 0 11 25.0% 31.3%

お正月の川崎開催で行われる2,100mの重賞。
金盃の前後は中長距離重賞が南関各場で行われていることもあり、「報知オールスターカップ(S3)」からの転戦馬は少ない。

過去8年の「報知オールスターカップ」1~3着馬からは6頭が参戦して1勝、2着1回、3着2回。
3着内率66.7%は非常に安定感があるので“好調なステイヤー”の勢いには是非とも乗りたいところ。

また、注目したいのは「報知オールスターカップ」で4着以下に敗れた馬たち。
過去8年で4勝、2着1回の成績を残しており、勝率25.0%、連対率31.3%もハイアベレージと言えるだろう。
昨年も同レース7着のフレッチャビアンカが金盃を勝利し、同4着のセイカメテオポリスが2着だった。

小回りの川崎コースから広い大井外回りコースへ。
条件替わりで一変する馬を見つけたい。

ちなみに、直近5年は「報知オールスターカップ」からの転戦馬が4勝している。

2023年報知オールスターカップの結果

もう一つの大井長距離重賞

【東京記念の着順別の成績(過去8年)】

東京記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京記念1着 2 1 2 2 28.6% 42.9%
東京記念2着 0 1 0 4 0.0% 20.0%
東京記念3着 0 0 1 3 0.0% 0.0%
東京記念4着以下 0 2 2 25 0.0% 6.9%

前年の9月~10月に行われる2,400mの「東京記念」。
前述したように、南関東では貴重な長距離重賞ということで、金盃と同様に多くのステイヤーが参戦している。

現在、7年連続で「東京記念」優勝馬が金盃に出走して2勝、2着1回、3着2回。
同じ“大井の長距離重賞”として親和性は非常に高いという結果だ。

2022年東京記念の結果

ステイヤーが大活躍!

【前走の距離別の成績(過去8年)】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,800m未満 0 1 0 21 0.0% 4.5%
1,800m~2,000m未満 0 2 0 18 0.0% 10.0%
2,000m以上 8 5 8 58 10.1% 16.4%

こちらのデータは「前走の距離別の成績」となる。
前走が「2,000m以上」の馬が全8勝を挙げ、2着5回、3着8回と長距離路線組がきっちりと結果を残している。

一方、前走「1,800m未満」と「1,800m~2,000m未満」は2着が合計3回あるのみ。
大幅な距離延長はプラスとはなっていないようだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は3歳重賞!「金盃」の翌日2月23日(木祝)に大井競馬場で行われる「雲取賞(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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