~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2023年11月30日(木) 
サラ系3歳以上 船橋1,000m
船橋記念(S3)

レース紹介

一瞬の煌めき!「船橋記念(S3)」!
船橋1,000mを舞台に行われるスプリント戦。
同舞台の「習志野きらっとスプリント(S1)」と並び、船橋競馬では最も短い距離で争われる重賞だ。
※南関東での最短距離重賞は「川崎スパーキングスプリント(川崎900m・S3)」

なお、開催時期を1月から11月に移行したため、2023年の船橋記念は2回実施となる。

▼データ分析のポイント
・3番人気以内が全10勝
・カムイユカラスプリント連対馬に注目
・逃げ切りは少ない

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年1月 ティアラフォーカス 大井 パイロ 3人気
2022年 キモンルビー 船橋 コパノリチャード 3人気
2021年 キャンドルグラス 船橋 サウスヴィグラス 1人気
2020年 キャンドルグラス 船橋 サウスヴィグラス 2人気
2019年 アピア 大井 ファスリエフ 1人気
2018年 アピア 大井 ファスリエフ 1人気
2017年 フラットライナーズ 船橋 シニスターミニスター 1人気
2016年 イセノラヴィソン 船橋 ファスリエフ 3人気
2015年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 2人気
2014年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 3人気

データ分析の対象期間外とはなったものの、船橋記念はナイキマドリードの歴史でもある。

ナイキマドリードは2012年~2015年に船橋記念4連覇を達成!
同一重賞4連覇(南関東)の記録はフジノウェーブ以来となり、南関東では史上2頭目の快挙だった(※)。

船橋記念はナイキマドリードをはじめ、年を跨いで好走するケースが多い重賞。
過去10年ではアピア、キャンドルグラスも連覇を達成し、2022年の優勝馬キモンルビーは翌2023年にも2着に好走している。

※2010年~2013年の「東京スプリング盃(S3)」を4連覇、同レースは現在「フジノウェーブ記念(S3)」として実施中
※史上3頭目は2018年~2021年にオメガパフュームが達成した「東京大賞典(G1)」4連覇

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

船橋記念=御神本騎手!6年連続連対中!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年1月 和田 譲治 御神本 訓史 本田 正重
2022年 御神本 訓史 真島 大輔 森 泰斗
2021年 御神本 訓史 笹川 翼 本田 正重
2020年 御神本 訓史 左海 誠二 笹川 翼
2019年 御神本 訓史 山林堂 信彦 山崎 誠士
2018年 御神本 訓史 中野 省吾 山崎 誠士
2017年 左海 誠二 森 泰斗 山崎 誠士
2016年 笹川 翼 森 泰斗 赤岡 修次
2015年 川島 正太郎 本田 正重 的場 文男
2014年 川島 正太郎 桑村 真明 増田 充宏

続いてはジョッキーの“連覇”に注目。

現在、6年連続連対中(2018年~2022年5連覇)と凄まじい相性を発揮しているのが「御神本訓史騎手」。
アピアで2連覇、キャンドルグラスで2連覇、そしてキモンルビーで2年連続連対となると今年は…!?

地元船橋の川島厩舎!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 2 1 16 0.0% 10.5%
船橋 7 4 4 30 15.6% 24.4%
大井 3 3 1 23 10.0% 20.0%
川崎 0 1 4 23 0.0% 3.6%

地元の「船橋所属馬」が7勝、2着4回、3着4回と好成績。
特に注目は“川島一家”の活躍だ。

2012年~2014年は川島正行厩舎&川島正太郎騎手、2015年及び2020年~2022年は川島正一厩舎が勝利している
(2015年の優勝騎手も川島正太郎騎手)。
2023年1月も川島正一厩舎のキモンルビーが2着だったので、川島正一厩舎としては4年連続連対中だ。

2023年11月の船橋記念にて引退の報が出ているキモンルビー。
同馬の出否は11/20時点では未定も、主戦の「御神本訓史騎手」、そして「川島正一厩舎」には今年も注目となるだろう。

頭は人気馬!3番人気以内が全10勝!

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 3 1 2 40.0% 70.0%
2人気 2 2 1 5 20.0% 40.0%
3人気 4 1 0 5 40.0% 50.0%
4人気 0 1 3 6 0.0% 10.0%
5人気 0 1 1 8 0.0% 10.0%
6人気以下 0 2 4 66 0.0% 2.8%

「1~3番人気馬」だけで全10勝。
トップは「1番人気馬」と「3番人気馬」の4勝、続いて「2番人気馬」が2勝となっている。

「4番人気以下」は優勝実績がなく、2、3着に食い込むのがやっとという成績だ。

スピード勝負に紛れなし!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年1月 420 820 6,160
2022年 520 1,340 7,070
2021年 280 630 3,230
2020年 340 280 8,680
2019年 130 850 11,150
2018年 210 4,980 49,470
2017年 170 1,240 11,510
2016年 450 1,790 13,240
2015年 710 1,010 42,750
2014年 440 980 20,320
平均 367 1,392 17,358

前項「人気別成績」の通り、3番人気以内の馬が10勝しているので「単勝」は非常に堅い配当。
最も高い配当は2015年の「710円(2番人気)」、最も低い配当は2019年の「130円」である。

「馬複」は4桁配当が5回、「三連単」は万馬券が6回。
現在、4年連続で「三連単」の配当が4桁となっている通り、より堅い傾向に傾いているのが船橋記念の特徴だ。

黄色と桃色の枠がスゴイ!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 1 0 8 10.0% 20.0%
2枠 1 0 1 8 10.0% 10.0%
3枠 1 1 1 9 8.3% 16.7%
4枠 1 1 1 13 6.3% 12.5%
5枠 4 2 1 10 23.5% 35.3%
6枠 0 1 1 15 0.0% 5.9%
7枠 1 2 0 17 5.0% 15.0%
8枠 1 2 5 12 5.0% 15.0%

黄色の「5枠」が2017年~2022年にかけて6年連続連対(4勝、2着2回)。
結果的に御神本訓史騎手が黄色の帽子を被ることが多いのだが、船橋1,000mの傾向を見てみてもセンター枠が好成績のようだ。

次に好走率が高いのは「8枠」の1勝、2着2回、3着5回。
勝率、連対率は目立つ数字ではないが、過去10年の3着内率は「5枠」の41.2%に対して、「8枠」も40.0%と高くなっている。

ちなみに、「5枠」と「8枠」が同時に3着内に好走した回数は過去10年で4回(枠複5=8は1回)。
「5枠」もしくは「8枠」が3着内に好走しなかったケースは1度もない。

スピード勝負なら牝馬も通用!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 6 8 5 56 8.0% 18.7%
牝馬 2 2 5 22 6.5% 12.9%
セン馬 2 0 0 14 12.5% 12.5%

牡馬牝馬混合の重賞は数多くあるが、船橋記念は「牝馬」が活躍している重賞の1つ。

「牝馬」は過去10年で2勝、2着2回、3着5回。
3着内に好走しなかった年は僅かに2回しかない。

世代間のスピード比べ!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
4歳 1 1 2 12 6.3% 12.5%
5歳 2 2 3 13 10.0% 20.0%
6歳 2 4 2 18 7.7% 23.1%
7歳以上 5 3 3 49 8.3% 13.3%

過去10年で最も勝ち星を挙げているのは「7歳以上」の5勝。
ナイキマドリード(8・9歳)、アピア(7・8歳)、キャンドルグラス(7歳)で5勝分となるので、年を重ねても衰えはなかったということになる。

一方、連対率では「5歳馬」「6歳馬」も見劣らない。
スピード勝負なら「5歳馬」「6歳馬」といった、比較的年齢の若い馬も負けていないようだ。

オープン馬強し!

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
57(57.5)kg 6 4 2 25 16.2% 27.0%
55(55.5)kg 1 3 4 29 2.7% 10.8%
53(53.5)kg以下 3 3 4 38 6.3% 12.5%

船橋記念の斤量は“クラス別定”
斤量は【A1級57kg・A2級55kg・B1級以下53kg・牝馬2kg減】となり、
獲得賞金額などによる斤量の加増は無いので、実績馬にとっては力を出し易い条件だ。

そんな条件でもあり「57kg」を背負うA1級の牡馬が6勝、2着4回、3着2回で最も成績が良い。
次いで「53kg以下」「55kg」と続くが、やはり「53kg以下」の馬が出走表に並ぶとどうしても注目してしまう。

「53kg以下」の馬はのべ48頭が出走して3勝、2着3回、3着4回。
該当馬は2022年キモンルビー(53.5kg)、2023年1月ティアラフォーカス(53kg)が勝利するなど、2018年を除く全ての年で3着内に好走している。

また、「53kg以下」に該当する「51(51.5)kg」は15頭出走していて1勝、2着1回、3着1回。
近年は好走例がないものの、斤量「51kg」は“B1級以下の牝馬”となるので、格上挑戦の牝馬だからといって侮ってはいけない。

★【豆知識】0.5kgの秘密
通年ナイターを実施している船橋は、寒さの厳しい冬期期間中も「ハートビートナイター」として実施される。
このため、ジョッキーが着用するアンダーシャツ分(寒さ対策)の重量「0.5kg」が斤量に上乗せされるのである。
例えば、船橋記念に出走するA1級の馬は斤量57.0kgが通常なのだが、斤量57.5kgでの出走となるのだ。

ちなみに、2023年は1月、11月ともに適用なし

狙いはココ!

【カムイユカラスプリント(カムイユカラS)の着順別の成績】

カムイユカラS着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
カムイユカラS1着 4 1 0 1 66.7% 83.3%
カムイユカラS2着 1 1 1 3 16.7% 33.3%
カムイユカラS3着 0 0 1 1 0.0% 0.0%
カムイユカラS4着以下 0 0 1 17 0.0% 0.0%

※「カムイユカラスプリント」がオープン競走となって以降のデータ(8回分)

船橋記念トライアルとして実施されている「カムイユカラスプリント」。
2018年・2019年アピア、2020年キャンドルグラス、そして2022年のキモンルビーは本競走をステップ(1着)に船橋記念を勝利している。

また、2021年は「カムイユカラスプリント」1着のアドバイザーが船橋記念2着、2023年1月は同2着のキモンルビーが船橋記念でも2着。
2018年以降、6年連続で「カムイユカラスプリント」の連対馬が船橋記念でも連対していることになる。

「カムイユカラ」という名のレースは昔から船橋で行われていたが、
2015年実施回からはオープン競走となり、よりハイレベルなレースとなっているようだ。

2023年カムイユカラスプリントの結果

初秋の重賞を飛躍に!?

【アフター5スター賞の着順別の成績】

アフター5スター賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
アフター5スター賞1着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
アフター5スター賞2着 3 0 0 1 75.0% 75.0%
アフター5スター賞3着 1 1 0 2 25.0% 50.0%
アフター5スター賞4着以下 0 2 3 13 0.0% 11.1%

初秋に大井1,200mで行われている「アフター5スター賞(S3)」。

「アフター5スター賞」組からは4頭の勝ち馬を送り出しているが、ここもアピアとキャンドルグラスが該当する。
必勝ローテとしては「アフター5スター賞好走」⇒「カムイユカラスプリント優勝」⇒「船橋記念」だろう。
※前年のアフター5スター賞と船橋記念を制した馬は不在

なお、2023年は9月「アフター5スター賞」 ⇒ 11月前半「JBCスプリント(Jpn1)」 ⇒ 11月後半「船橋記念」というスプリントロード。
「カムイユカラスプリント」を含め、秋のスプリント戦線は例年以上に盛り上がりそうだ。

2023年アフター5スター賞の結果

同舞台の重賞“連覇”も!

【習志野きらっとスプリント(習志野きらっとS)の着順別の成績】

習志野きらっとS着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
習志野きらっとS1着 3 1 1 3 37.5% 50.0%
習志野きらっとS2着 1 1 0 2 25.0% 50.0%
習志野きらっとS3着 0 0 1 0 0.0% 0.0%
習志野きらっとS4着以下 0 1 0 14 0.0% 6.7%

船橋記念と同舞台で行われている「習志野きらっとスプリント(S1)」。
地方競馬「スーパースプリントシリーズ」のファイナルを飾る競走で、全国各地からスピード自慢が集結する。

過去10年で8頭の「習志野きらっとスプリント」の優勝馬が参戦して3勝、2着1回、3着1回。
勝率37.5%、連対率50.0%、さらに3着内率62.5%とハイアベレージを残している。

同舞台の重賞勝ち馬なので要注目といったところだろう。

2023年習志野きらっとスプリントの結果

【1~3着馬の4コーナー通過順】

船橋記念

1着 2着 3着
1番手 2
(20.0%)
2
(20.0%)
2
(20.0%)
2~5番手 6
(60.0%)
7
(70.0%)
3
(30.0%)
6番手以降 2
(20.0%)
1
(10.0%)
5
(50.0%)

習志野きらっとスプリント

1着 2着 3着
1番手 6
(60.0%)
1
(10.0%)
1
(10.0%)
2~5番手 4
(40.0%)
7
(70.0%)
2
(20.0%)
6番手以降 0
(0.0%)
2
(20.0%)
7
(70.0%)

船橋1,000mは向こう正面からスタートし、3・4コーナーを周って308mの直線へ。

上段のデータは「船橋記念」、下段は「習志野きらっとスプリント」の4コーナーでの位置取り。
()内のパーセンテージは各着順に占める、位置取りの割合を示している。

船橋記念の「位置取り」に関しては、「4コーナー先頭」の馬が2勝、2着2回、3着2回。
必ずしも“先手必勝”という結果とはなっていないのが分かる。

逆に“必勝パターン”は「4コーナーで2~5番手」に位置している馬で、6勝、2着7回、3着3回だ。

これを同舞台の「習志野きらっとスプリント」と比較すると、「4コーナー先頭の優勝馬」の成績に差が。
「習志野きらっとスプリント」は「4コーナー先頭」の馬が6勝もしている一方、「船橋記念」では僅かに2勝を挙げたのみ。

季節が異なることもあり、天候・砂の状態などなど、微妙に違いが出るのかもしれない。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は12月7日(木)に大井競馬場で行われる「勝島王冠(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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