~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2023年5月10日(水) 
サラ系3歳 大井1,800m
羽田盃(S1)

レース紹介

南関東クラシック開幕「羽田盃(S1)」!
現行体系の南関東クラシック三冠は2023年で一区切り。
2024年からは全日本的なダート三冠が整備され、JRAを含めた全国の馬に門戸が開かれる。

締め括りとなる2023年南関東クラシックは以下の日程だ。

▽5/10(水)「羽田盃(大井1,800m・S1)」
▽6/7(水)「東京ダービー(大井2,000m・S1)」
▽7/12(水)「ジャパンダートダービー(大井2,000m・Jpn1)」

▼データ分析のポイント
・1~3番人気馬で7勝、2着8回
・京浜盃or雲取賞優勝馬が主役
・ハイセイコー記念優勝馬に注目

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2022年 ミヤギザオウ 大井 パイロ 9人気
2021年 トランセンデンス 浦和 トランセンド 5人気
2020年 ゴールドホイヤー 川崎 トランセンド 4人気
2019年 ミューチャリー 船橋 パイロ 1人気
2018年 ヤマノファイト 船橋 エスポワールシチー 1人気
2017年 キャプテンキング 大井 ファスリエフ 1人気
2016年 タービランス 浦和 パイロ 1人気
2015年 ストゥディウム 船橋 ルースリンド 2人気
2014年 ハッピースプリント 大井 アッミラーレ 1人気
2013年 アウトジェネラル 船橋 アドマイヤドン 2人気

2022年に初の南関東リーディングサイアー(収得賞金)を獲得した種牡馬パイロ。
羽田盃でも同年にミヤギザオウが勝利したほか、過去10年で3勝を挙げる活躍だ。

2023年のリーディングサイアーランキングでは7位(4/27時点)となっているが、
タレント豊富な同産駒たちが巻き返してくることだろう。

2023年南関東リーディングサイアーはこちら

ちなみに、今年のリーディングサイアーはシニスターミニスターが首位を走っている。
例年、リーディング上位に名を連ねている種牡馬だが、初の南関東リーディングに向けて好スタートを切ったと言えるだろう。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

リーディングジョッキーの手綱

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2022年 真島 大輔 今野 忠成 御神本 訓史
2021年 森 泰斗 左海 誠二 的場 文男
2020年 山崎 誠士 本橋 孝太 左海 誠二
2019年 御神本 訓史 森 泰斗 矢野 貴之
2018年 本橋 孝太 森 泰斗 矢野 貴之
2017年 矢野 貴之 森 泰斗 赤岡 修次
2016年 森 泰斗 本田 正重 赤岡 修次
2015年 石崎 駿 左海 誠二 今野 忠成
2014年 吉原 寛人 川島 正太郎 今野 忠成
2013年 御神本 訓史 真島 大輔 張田 京

「森泰斗騎手」が過去7年で2勝、2着3回と大車輪の活躍!
南関東のリーディングジョッキー(※)が手綱を握るクラシック候補生には是非とも注目したい。
※2023年は4/27時点で第3位

その他では「本橋孝太騎手」「御神本訓史騎手」の相性が良さそうだ。

1~3番人気が7勝、2着8回

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 5 1 1 3 50.0% 60.0%
2人気 2 4 1 3 20.0% 60.0%
3人気 0 3 1 6 0.0% 30.0%
4人気 1 0 3 6 10.0% 10.0%
5人気 1 0 0 9 10.0% 10.0%
6人気以下 1 2 4 83 1.1% 3.3%

勝率では「1番人気馬」の50.0%が最も信頼度が高い。
連対率は「1番人気馬」と「2番人気馬」が並んで60.0%、これに「3番人気馬」の30.0%が続く。

ただし、3着馬となると「6番人気以下」の馬たちも侮れない。
過去10年では1勝、2着2回、3着4回となっているので、3連勝式の紐にはマークしたいところだろう。

昨年を振り返ってみると…1着から順に「9番人気」⇒「13番人気」⇒「1番人気」で波乱の決着。
傾向とは少し異なるが、信頼度の高い「1番人気馬」から人気薄という組み合わせではあった。

堅い重賞?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2022年 4,040 190,320 3,019,350
2021年 830 2,520 30,580
2020年 690 1,470 106,930
2019年 260 290 1,680
2018年 180 2,090 19,500
2017年 220 330 9,720
2016年 240 660 9,520
2015年 640 490 61,170
2014年 110 450 1,180
2013年 390 1,400 9,340
平均 760 20,002 326,897

上位人気馬同士のワンツー決着が多いため「単勝」「馬複」は比較的堅い配当。

という傾向にあったが、2022年はまさに桁違いのビッグ配当となった。
その配当額は「単勝:4,040円」「馬複:190,320円」「三連単:3,019,350円」だ。

2022年はレアケースと言っても良さそうで、過去のデータ傾向としては堅めに推移している。

船橋&大井が16連対!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 2 1 3 17 8.7% 13.0%
船橋 4 6 5 21 11.1% 27.8%
大井 3 3 0 62 4.4% 8.8%
川崎 1 0 2 10 7.7% 7.7%

「船橋所属馬」と「大井所属馬」が2強を形成。
過去10年の連対馬20頭中、16頭を両所属馬で占めている状況だ。

両所属馬の成績は「船橋所属馬」の4勝、2着6回、「大井所属馬」の3勝、2着3回。
厩舎別では、ミューチャリーでも羽田盃を制している「矢野義幸厩舎(船橋)」が3勝を挙げる活躍ぶりだ。

また、「浦和所属」の小久保智厩舎は直近3年で1勝、2着1回、3着2回と相性がいい。
近年のデータ傾向的には「船橋」「大井」「小久保厩舎(浦和)」の組み合わせとなるだろうか。

枠番による有利不利は少ない

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 2 0 0 10 16.7% 16.7%
2枠 0 2 1 11 0.0% 14.3%
3枠 0 4 2 12 0.0% 22.2%
4枠 1 0 0 17 5.6% 5.6%
5枠 2 1 0 15 11.1% 16.7%
6枠 2 2 3 13 10.0% 20.0%
7枠 2 1 2 15 10.0% 15.0%
8枠 1 0 2 17 5.0% 5.0%

2014年からの優勝枠番を並べてみると…
「7枠」⇒「7枠」⇒「1枠」⇒「1枠」⇒「5枠」⇒「5枠」⇒「6枠」⇒「6枠」⇒「8枠」となる。
となると、順番的に今年は「8枠」となりそうだが果たして!?

特定の枠番が勝利してはいるものの、全ての枠に連対実績があるように大きな偏りはない。
過去10年の羽田盃平均出走頭数は14頭(フルゲート16頭)。
南関東で最も広い「大井外回りコース(1周1,600m)」、そして長い直線を使っての先行争いとなるため、どの枠からでも力を発揮できるようだ。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 10 10 108 7.2% 14.5%
牝馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%
セン馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%

牡馬クラシック第1戦ということもあり、牝馬の出走は過去10年で1頭のみ。

京浜盃優勝馬が主役!

【京浜盃の着順別の成績】

京浜盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
京浜盃1着 3 3 2 2 30.0% 60.0%
京浜盃2着 1 1 1 6 11.1% 22.2%
京浜盃3着 0 0 1 7 0.0% 0.0%
京浜盃4着以下 2 3 5 34 4.5% 11.4%

羽田盃トライアル「京浜盃」との関連性が非常に興味深い。

過去10年の「京浜盃」優勝馬は全て羽田盃に出走して3勝、2着3回、3着2回、4着2回。
3着内率80.0%、4着内率100.0%という数字から「京浜盃覇者 = 羽田盃の主役」という図式が成り立つ。

さらに、「京浜盃」2着馬の成績は1勝、2着1回、3着1回。
「京浜盃」の1、2着馬が羽田盃でどちらも4着以下に敗れたケースは2021年の1回しかない。

ちなみに、「京浜盃」以外のレースをステップに羽田盃を制した馬は、
2017年キャプテンキング、2019年ミューチャリー、2020年ゴールドホイヤー、2022年ミヤギザオウの4頭だ。

2023年京浜盃の結果

クラウンカップ10着以下から!?

【クラウンカップの着順別の成績】

クラウンC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
クラウンC1着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
クラウンC2着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
クラウンC3着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
クラウンC4着以下 0 1 2 10 0.0% 7.7%

羽田盃トライアルの「クラウンカップ(S3)」。

クラウンカップは施行時期によって「羽田盃トライアル」or「東京ダービートライアル」として実施されており、
過去10年では、2013年・2014年・2021年が東京ダービートライアルとして行われている。
※東京ダービートライアル時は「クラウンカップ」⇒「羽田盃」が連闘だった(参戦実績なし)

「クラウンカップ」出走馬のうち、羽田盃で3着内に好走した馬は3頭。
2015年10着ラッキープリンス(羽田盃3着)、2020年13着ファルコンウィング(羽田盃3着)、2022年11着ライアン(羽田盃2着)が該当する。
いずれも「クラウンカップ」二桁着順からの巻き返しで、羽田盃での人気も10番人気以下だった。

しかしながら、南関東クラシックの有力馬が一堂に会す京浜盃と比較すると、データ上では劣勢と言わざるを得ない。

2023年クラウンカップの結果

王道ローテに!

【雲取賞の着順別の成績】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 2 1 2 2 28.6% 42.9%
雲取賞2着 2 0 1 4 28.6% 28.6%
雲取賞3着 0 0 0 5 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 0 1 1 14 0.0% 6.3%

2019年から「S3重賞」に昇格した「雲取賞(S3)」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、羽田盃との関連性は非常に高くなっている。

2018年までの準重賞の成績を含むデータは上表の通り。
では、重賞昇格以降のデータを以下に抽出してみよう。

【雲取賞の着順別の成績(重賞昇格以降)】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 1 0 2 0 33.3% 33.3%
雲取賞2着 2 0 1 1 50.0% 50.0%
雲取賞3着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 0 1 0 4 0.0% 20.0%

2019年以降の「雲取賞」連対馬はのべ7頭が参戦。
この7頭で3勝、3着3回なので、連対馬が出走すれば高い確率で3着内に好走していることになる。

また、優勝した3頭中、2頭は「雲取賞」から羽田盃に直行したように、羽田盃と同じコース設定の雲取賞は新たな“王道路線”と言えるだろう。

2023年雲取賞の結果

好走馬は少ないが…!?

【クラシックトライアル(TR)の着順別の成績】

クラシックTR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
クラシックTR1着 0 1 0 3 0.0% 25.0%
クラシックTR2着 0 0 0 5 0.0% 0.0%
クラシックTR3着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
クラシックTR4着以下 0 0 0 7 0.0% 0.0%

2017年から行われている「クラシックトライアル競走」。
1着馬には東京ダービー、1、2着馬には羽田盃への優先出走権が付与される。

早い時期にクラシック出走を確定できる夢のようなトライアル。
2022年は優先出走権こそ獲得できなかったが、クラシックトライアル3着のミヤギザオウが羽田盃を制している。
また、2020年のクラシックトライアル優勝馬ブラヴールは羽田盃で2着だった。

全体的にみると羽田盃での好走率は低くなっているが、回を重ねる度にレースレベルは上昇しているのかもしれない。

2023年クラシックトライアル競走の結果

ハイセイコー記念覇者に注目!

【南関2歳重賞ウイナーの成績】

2歳重賞 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドジュニア優勝馬 0 1 0 0 0.0% 100.0%
鎌倉記念優勝馬 1 2 1 0 25.0% 75.0%
平和賞優勝馬 1 1 1 3 16.7% 33.3%
ハイセイコー記念優勝馬 1 3 1 2 14.3% 57.1%
全日本2歳優駿優勝馬 1 1 0 1 33.3% 66.7%

※ゴールドジュニアは2020年以降のデータ(重賞昇格後)

南関東では例年、9月~12月にかけて2歳重賞が行われる。

各重賞馬の成長力は気になるところだが、データ的には悪くない数字と言えるだろう。
これと同様のデータは、今年の京浜盃(南関データ分析)でも抽出しているが、その時の数字は下表の通り。

2歳重賞 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドジュニア優勝馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%
鎌倉記念優勝馬 1 0 1 3 20.0% 20.0%
平和賞優勝馬 0 0 2 5 0.0% 0.0%
ハイセイコー記念優勝馬 0 0 0 6 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿優勝馬 1 0 0 2 33.3% 33.3%

出走頭数こそ「京浜盃」と「羽田盃」では異なるものの、各2歳重賞の連対率は羽田盃の方が明らかに良い。
特に、「ハイセイコー記念」の優勝馬は、京浜盃時の連対率0.0%から、羽田盃では57.1%にまで上昇しているのだ。

“本番で一変”する2歳重賞ウイナーの存在を忘れてはいけない。
ちなみに、2022年の羽田盃2着馬ライアンは「平和賞」の優勝馬だった。


今回の「南関データ分析」はここまで!
南関東は2日連続クラシック!次回は5月11日(木)に大井競馬場で行われる「東京プリンセス賞(S1)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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