
南関東クラシック開幕「羽田盃(S1)」!
現行体系の南関東クラシック三冠は2023年で一区切り。
2024年からは全日本的なダート三冠が整備され、JRAを含めた全国の馬に門戸が開かれる。
締め括りとなる2023年南関東クラシックは以下の日程だ。
▽5/10(水)「羽田盃(大井1,800m・S1)」
▽6/7(水)「東京ダービー(大井2,000m・S1)」
▽7/12(水)「ジャパンダートダービー(大井2,000m・Jpn1)」
▼データ分析のポイント
・1~3番人気馬で7勝、2着8回
・京浜盃or雲取賞優勝馬が主役
・ハイセイコー記念優勝馬に注目
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2022年 | ミヤギザオウ | 大井 | パイロ | 9人気 |
2021年 | トランセンデンス | 浦和 | トランセンド | 5人気 |
2020年 | ゴールドホイヤー | 川崎 | トランセンド | 4人気 |
2019年 | ミューチャリー | 船橋 | パイロ | 1人気 |
2018年 | ヤマノファイト | 船橋 | エスポワールシチー | 1人気 |
2017年 | キャプテンキング | 大井 | ファスリエフ | 1人気 |
2016年 | タービランス | 浦和 | パイロ | 1人気 |
2015年 | ストゥディウム | 船橋 | ルースリンド | 2人気 |
2014年 | ハッピースプリント | 大井 | アッミラーレ | 1人気 |
2013年 | アウトジェネラル | 船橋 | アドマイヤドン | 2人気 |
2022年に初の南関東リーディングサイアー(収得賞金)を獲得した種牡馬パイロ。
羽田盃でも同年にミヤギザオウが勝利したほか、過去10年で3勝を挙げる活躍だ。
2023年のリーディングサイアーランキングでは7位(4/27時点)となっているが、
タレント豊富な同産駒たちが巻き返してくることだろう。
2023年南関東リーディングサイアーはこちら
ちなみに、今年のリーディングサイアーはシニスターミニスターが首位を走っている。
例年、リーディング上位に名を連ねている種牡馬だが、初の南関東リーディングに向けて好スタートを切ったと言えるだろう。
リーディングジョッキーの手綱
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2022年 | 真島 大輔 | 今野 忠成 | 御神本 訓史 |
2021年 | 森 泰斗 | 左海 誠二 | 的場 文男 |
2020年 | 山崎 誠士 | 本橋 孝太 | 左海 誠二 |
2019年 | 御神本 訓史 | 森 泰斗 | 矢野 貴之 |
2018年 | 本橋 孝太 | 森 泰斗 | 矢野 貴之 |
2017年 | 矢野 貴之 | 森 泰斗 | 赤岡 修次 |
2016年 | 森 泰斗 | 本田 正重 | 赤岡 修次 |
2015年 | 石崎 駿 | 左海 誠二 | 今野 忠成 |
2014年 | 吉原 寛人 | 川島 正太郎 | 今野 忠成 |
2013年 | 御神本 訓史 | 真島 大輔 | 張田 京 |
「森泰斗騎手」が過去7年で2勝、2着3回と大車輪の活躍!
南関東のリーディングジョッキー(※)が手綱を握るクラシック候補生には是非とも注目したい。
※2023年は4/27時点で第3位
その他では「本橋孝太騎手」「御神本訓史騎手」の相性が良さそうだ。
1~3番人気が7勝、2着8回
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 5 | 1 | 1 | 3 | 50.0% | 60.0% |
2人気 | 2 | 4 | 1 | 3 | 20.0% | 60.0% |
3人気 | 0 | 3 | 1 | 6 | 0.0% | 30.0% |
4人気 | 1 | 0 | 3 | 6 | 10.0% | 10.0% |
5人気 | 1 | 0 | 0 | 9 | 10.0% | 10.0% |
6人気以下 | 1 | 2 | 4 | 83 | 1.1% | 3.3% |
勝率では「1番人気馬」の50.0%が最も信頼度が高い。
連対率は「1番人気馬」と「2番人気馬」が並んで60.0%、これに「3番人気馬」の30.0%が続く。
ただし、3着馬となると「6番人気以下」の馬たちも侮れない。
過去10年では1勝、2着2回、3着4回となっているので、3連勝式の紐にはマークしたいところだろう。
昨年を振り返ってみると…1着から順に「9番人気」⇒「13番人気」⇒「1番人気」で波乱の決着。
傾向とは少し異なるが、信頼度の高い「1番人気馬」から人気薄という組み合わせではあった。
堅い重賞?
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2022年 | 4,040 | 190,320 | 3,019,350 |
2021年 | 830 | 2,520 | 30,580 |
2020年 | 690 | 1,470 | 106,930 |
2019年 | 260 | 290 | 1,680 |
2018年 | 180 | 2,090 | 19,500 |
2017年 | 220 | 330 | 9,720 |
2016年 | 240 | 660 | 9,520 |
2015年 | 640 | 490 | 61,170 |
2014年 | 110 | 450 | 1,180 |
2013年 | 390 | 1,400 | 9,340 |
平均 | 760 | 20,002 | 326,897 |
上位人気馬同士のワンツー決着が多いため「単勝」「馬複」は比較的堅い配当。
という傾向にあったが、2022年はまさに桁違いのビッグ配当となった。
その配当額は「単勝:4,040円」「馬複:190,320円」「三連単:3,019,350円」だ。
2022年はレアケースと言っても良さそうで、過去のデータ傾向としては堅めに推移している。
船橋&大井が16連対!
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 2 | 1 | 3 | 17 | 8.7% | 13.0% |
船橋 | 4 | 6 | 5 | 21 | 11.1% | 27.8% |
大井 | 3 | 3 | 0 | 62 | 4.4% | 8.8% |
川崎 | 1 | 0 | 2 | 10 | 7.7% | 7.7% |
「船橋所属馬」と「大井所属馬」が2強を形成。
過去10年の連対馬20頭中、16頭を両所属馬で占めている状況だ。
両所属馬の成績は「船橋所属馬」の4勝、2着6回、「大井所属馬」の3勝、2着3回。
厩舎別では、ミューチャリーでも羽田盃を制している「矢野義幸厩舎(船橋)」が3勝を挙げる活躍ぶりだ。
また、「浦和所属」の小久保智厩舎は直近3年で1勝、2着1回、3着2回と相性がいい。
近年のデータ傾向的には「船橋」「大井」「小久保厩舎(浦和)」の組み合わせとなるだろうか。
枠番による有利不利は少ない
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 2 | 0 | 0 | 10 | 16.7% | 16.7% |
2枠 | 0 | 2 | 1 | 11 | 0.0% | 14.3% |
3枠 | 0 | 4 | 2 | 12 | 0.0% | 22.2% |
4枠 | 1 | 0 | 0 | 17 | 5.6% | 5.6% |
5枠 | 2 | 1 | 0 | 15 | 11.1% | 16.7% |
6枠 | 2 | 2 | 3 | 13 | 10.0% | 20.0% |
7枠 | 2 | 1 | 2 | 15 | 10.0% | 15.0% |
8枠 | 1 | 0 | 2 | 17 | 5.0% | 5.0% |
2014年からの優勝枠番を並べてみると…
「7枠」⇒「7枠」⇒「1枠」⇒「1枠」⇒「5枠」⇒「5枠」⇒「6枠」⇒「6枠」⇒「8枠」となる。
となると、順番的に今年は「8枠」となりそうだが果たして!?
特定の枠番が勝利してはいるものの、全ての枠に連対実績があるように大きな偏りはない。
過去10年の羽田盃平均出走頭数は14頭(フルゲート16頭)。
南関東で最も広い「大井外回りコース(1周1,600m)」、そして長い直線を使っての先行争いとなるため、どの枠からでも力を発揮できるようだ。
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 10 | 10 | 10 | 108 | 7.2% | 14.5% |
牝馬 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
セン馬 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
牡馬クラシック第1戦ということもあり、牝馬の出走は過去10年で1頭のみ。
京浜盃優勝馬が主役!
京浜盃着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
京浜盃1着 | 3 | 3 | 2 | 2 | 30.0% | 60.0% |
京浜盃2着 | 1 | 1 | 1 | 6 | 11.1% | 22.2% |
京浜盃3着 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0.0% | 0.0% |
京浜盃4着以下 | 2 | 3 | 5 | 34 | 4.5% | 11.4% |
羽田盃トライアル「京浜盃」との関連性が非常に興味深い。
過去10年の「京浜盃」優勝馬は全て羽田盃に出走して3勝、2着3回、3着2回、4着2回。
3着内率80.0%、4着内率100.0%という数字から「京浜盃覇者 = 羽田盃の主役」という図式が成り立つ。
さらに、「京浜盃」2着馬の成績は1勝、2着1回、3着1回。
「京浜盃」の1、2着馬が羽田盃でどちらも4着以下に敗れたケースは2021年の1回しかない。
ちなみに、「京浜盃」以外のレースをステップに羽田盃を制した馬は、
2017年キャプテンキング、2019年ミューチャリー、2020年ゴールドホイヤー、2022年ミヤギザオウの4頭だ。
2023年京浜盃の結果
クラウンカップ10着以下から!?
クラウンC着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
クラウンC1着 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
クラウンC2着 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
クラウンC3着 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
クラウンC4着以下 | 0 | 1 | 2 | 10 | 0.0% | 7.7% |
羽田盃トライアルの「クラウンカップ(S3)」。
クラウンカップは施行時期によって「羽田盃トライアル」or「東京ダービートライアル」として実施されており、
過去10年では、2013年・2014年・2021年が東京ダービートライアルとして行われている。
※東京ダービートライアル時は「クラウンカップ」⇒「羽田盃」が連闘だった(参戦実績なし)
「クラウンカップ」出走馬のうち、羽田盃で3着内に好走した馬は3頭。
2015年10着ラッキープリンス(羽田盃3着)、2020年13着ファルコンウィング(羽田盃3着)、2022年11着ライアン(羽田盃2着)が該当する。
いずれも「クラウンカップ」二桁着順からの巻き返しで、羽田盃での人気も10番人気以下だった。
しかしながら、南関東クラシックの有力馬が一堂に会す京浜盃と比較すると、データ上では劣勢と言わざるを得ない。
2023年クラウンカップの結果
王道ローテに!
雲取賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
雲取賞1着 | 2 | 1 | 2 | 2 | 28.6% | 42.9% |
雲取賞2着 | 2 | 0 | 1 | 4 | 28.6% | 28.6% |
雲取賞3着 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% |
雲取賞4着以下 | 0 | 1 | 1 | 14 | 0.0% | 6.3% |
2019年から「S3重賞」に昇格した「雲取賞(S3)」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、羽田盃との関連性は非常に高くなっている。
2018年までの準重賞の成績を含むデータは上表の通り。
では、重賞昇格以降のデータを以下に抽出してみよう。
雲取賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
雲取賞1着 | 1 | 0 | 2 | 0 | 33.3% | 33.3% |
雲取賞2着 | 2 | 0 | 1 | 1 | 50.0% | 50.0% |
雲取賞3着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% |
雲取賞4着以下 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0.0% | 20.0% |
2019年以降の「雲取賞」連対馬はのべ7頭が参戦。
この7頭で3勝、3着3回なので、連対馬が出走すれば高い確率で3着内に好走していることになる。
また、優勝した3頭中、2頭は「雲取賞」から羽田盃に直行したように、羽田盃と同じコース設定の雲取賞は新たな“王道路線”と言えるだろう。
2023年雲取賞の結果
好走馬は少ないが…!?
クラシックTR着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
クラシックTR1着 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0.0% | 25.0% |
クラシックTR2着 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% |
クラシックTR3着 | 1 | 0 | 0 | 0 | 100.0% | 100.0% |
クラシックTR4着以下 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0.0% | 0.0% |
2017年から行われている「クラシックトライアル競走」。
1着馬には東京ダービー、1、2着馬には羽田盃への優先出走権が付与される。
早い時期にクラシック出走を確定できる夢のようなトライアル。
2022年は優先出走権こそ獲得できなかったが、クラシックトライアル3着のミヤギザオウが羽田盃を制している。
また、2020年のクラシックトライアル優勝馬ブラヴールは羽田盃で2着だった。
全体的にみると羽田盃での好走率は低くなっているが、回を重ねる度にレースレベルは上昇しているのかもしれない。
2023年クラシックトライアル競走の結果
ハイセイコー記念覇者に注目!
2歳重賞 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ゴールドジュニア優勝馬 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% |
鎌倉記念優勝馬 | 1 | 2 | 1 | 0 | 25.0% | 75.0% |
平和賞優勝馬 | 1 | 1 | 1 | 3 | 16.7% | 33.3% |
ハイセイコー記念優勝馬 | 1 | 3 | 1 | 2 | 14.3% | 57.1% |
全日本2歳優駿優勝馬 | 1 | 1 | 0 | 1 | 33.3% | 66.7% |
※ゴールドジュニアは2020年以降のデータ(重賞昇格後)
南関東では例年、9月~12月にかけて2歳重賞が行われる。
各重賞馬の成長力は気になるところだが、データ的には悪くない数字と言えるだろう。
これと同様のデータは、今年の京浜盃(南関データ分析)でも抽出しているが、その時の数字は下表の通り。
2歳重賞 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ゴールドジュニア優勝馬 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
鎌倉記念優勝馬 | 1 | 0 | 1 | 3 | 20.0% | 20.0% |
平和賞優勝馬 | 0 | 0 | 2 | 5 | 0.0% | 0.0% |
ハイセイコー記念優勝馬 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% |
全日本2歳優駿優勝馬 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% |
出走頭数こそ「京浜盃」と「羽田盃」では異なるものの、各2歳重賞の連対率は羽田盃の方が明らかに良い。
特に、「ハイセイコー記念」の優勝馬は、京浜盃時の連対率0.0%から、羽田盃では57.1%にまで上昇しているのだ。
“本番で一変”する2歳重賞ウイナーの存在を忘れてはいけない。
ちなみに、2022年の羽田盃2着馬ライアンは「平和賞」の優勝馬だった。
今回の「南関データ分析」はここまで!
南関東は2日連続クラシック!次回は5月11日(木)に大井競馬場で行われる「東京プリンセス賞(S1)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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