
伝統の中距離重賞「大井記念(S1)」
南関東の有力馬が一堂に会す伝統の一戦。
1,2着馬に優先出走権が付与される“帝王賞トライアル”としての役割も担っている重賞だ。
なお、大井記念は2014年から距離が2,000m(※)に変更されたため、一部の分析は2014年以降のデータとする。
※第1~17回は2,400m、第18~22回は2,600m、第23~39回は2,500m、第40~58回は2,600m、第59回以降(2014年)は2,000m
▼データ分析のポイント
・南関東を代表する名馬が活躍
・ブリリアントカップ組が好成績
・金盃組は苦戦する傾向
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2022年 | ランリョウオー | 浦和 | パイロ | 2人気 |
2021年 | ミューチャリー | 船橋 | パイロ | 2人気 |
2020年 | ストライクイーグル | 大井 | キンシャサノキセキ | 1人気 |
2019年 | モジアナフレイバー | 大井 | バトルプラン | 4人気 |
2018年 | リッカルド | 船橋 | フサイチリシャール | 1人気 |
2017年 | ウマノジョー | 大井 | ウイングアロー | 6人気 |
2016年 | ケイアイレオーネ | 大井 | Henny Hughes | 1人気 |
2015年 | プレティオラス | 大井 | フィガロ | 4人気 |
2014年 | サミットストーン | 船橋 | ロージズインメイ | 1人気 |
2013年 | フォーティファイド | 大井 | フォーティナイナー | 1人気 |
南関東を代表する中長距離馬が優勝している。
距離変更となった2014年以降、代表的な馬を挙げてみると…
▼サミットストーン:NARグランプリ2014・年度代表馬
▼プレティオラス:2012年東京ダービー馬
▼ケイアイレオーネ:重賞6勝(ダートグレード競走2勝)
▼リッカルド:重賞5勝(ダートグレード競走1勝)
▼ミューチャリー:2021年「JBCクラシック(金沢・Jpn1)」制覇、NARグランプリ2021・年度代表馬
▼ランリョウオー:重賞4勝
※2023.5.13現在での現役馬を含む
南関東史に残る名馬が歴代優勝馬に名を連ねているのがお分かり頂けるだろう。
2018年からは南関東最高グレードの「S1重賞」に昇格したこともあり、今まで以上にハイレベルな重賞となっている。
御神本騎手が3勝、本橋騎手が2勝
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2022年 | 本橋 孝太 | 真島 大輔 | 町田 直希 |
2021年 | 御神本 訓史 | 本橋 孝太 | 笹川 翼 |
2020年 | 御神本 訓史 | 山崎 誠士 | 本田 正重 |
2019年 | 繁田 健一 | 左海 誠二 | 森 泰斗 |
2018年 | 矢野 貴之 | 笹川 翼 | 森 泰斗 |
2017年 | 山本 聡哉 | 繁田 健一 | 的場 文男 |
2016年 | 的場 文男 | 森 泰斗 | 吉原 寛人 |
2015年 | 本橋 孝太 | 吉原 寛人 | 石崎 駿 |
2014年 | 石崎 駿 | 坂井 英光 | 川島 正太郎 |
2013年 | 御神本 訓史 | 達城 龍次 | 今野 忠成 |
過去10年で「御神本訓史騎手」が3勝の活躍。
“大井”と名の付く唯一の重賞で存在感を放っている。
ちなみに、昨年は大井の重賞を7つも勝利しているが、2023年も既に3つのタイトル(大井)を獲得している。
また、「本橋孝太騎手」も大井記念と相性が良く、直近2年で1勝、2着1回の成績。
「本橋孝太騎手」は2022年に大井重賞を4勝しているが、全て南関東最高グレード「S1」(※)のタイトルを獲得しているのだ。
※南関東のグレード
南関東で行われる重賞の表記は「S1~S3」「Jpn1~Jpn3」「G1」の3種類
▽[S]:南関東所属馬 or 地方所属馬のみが出走可能
▽[Jpn]:JRA所属馬も出走可能なダートグレード競走
▽[G1]:地方競馬唯一の国際G1「東京大賞典」が該当
1番人気が強い!
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 4 | 0 | 3 | 2 | 44.4% | 44.4% |
2人気 | 2 | 1 | 1 | 5 | 22.2% | 33.3% |
3人気 | 0 | 2 | 1 | 6 | 0.0% | 22.2% |
4人気 | 2 | 0 | 1 | 6 | 22.2% | 22.2% |
5人気 | 0 | 3 | 0 | 6 | 0.0% | 33.3% |
6人気以下 | 1 | 3 | 3 | 81 | 1.1% | 4.5% |
過去9年で「1番人気馬」は4勝、3着3回。
実力を評価された馬が順当に結果を残している形で、勝率44.4%、3着内率77.8%の数値からも堅軸と言えそうだ。
1番人気から手広く
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2022年 | 630 | 2,650 | 55,200 |
2021年 | 250 | 770 | 2,710 |
2020年 | 270 | 570 | 8,900 |
2019年 | 850 | 1,710 | 14,000 |
2018年 | 170 | 5,910 | 30,900 |
2017年 | 1,830 | 14,020 | 198,100 |
2016年 | 250 | 2,260 | 15,310 |
2015年 | 1,170 | 7,410 | 414,980 |
2014年 | 120 | 2,090 | 38,740 |
平均 | 616 | 4,154 | 86,538 |
過去9年で1番人気馬が馬券に絡まなかったのは2015年と2022年の2回。
これらの年は各賭式で高配当を提供しているが、その他の年も堅く収まっているかといえばそうでもない。
1番人気の優勝は2014年・2016年・2018年・2020年の4回。
この4回の「馬複」平均配当は2,708円、「三連単」は23,463円と堅い配当とは言い難い。
また、1番人気が3着の年は2017年・2019年・2021年。
こちらの平均は「馬複」が5,500円、「三連単」が71,603円となっている。
データ的には堅軸の「1番人気」から手広く流しても良さそうだ。
大井と船橋!
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 1 | 4 | 2 | 8 | 6.7% | 33.3% |
船橋 | 3 | 1 | 4 | 31 | 7.7% | 10.3% |
大井 | 5 | 4 | 3 | 61 | 6.8% | 12.3% |
川崎 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% |
地元の「大井所属馬」と「船橋所属馬」の一騎打ち。
「大井所属馬」は5勝、2着4回、3着3回、「船橋所属馬」は3勝、2着1回、3着4回だ。
ただし、近年は「浦和所属馬」の活躍も目立っており、直近5年だけで1勝、2着2回、3着2回の成績を残している。
枠番の有利不利はない!
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 1 | 0 | 2 | 11 | 7.1% | 7.1% |
2枠 | 0 | 1 | 1 | 14 | 0.0% | 6.3% |
3枠 | 3 | 0 | 2 | 11 | 18.8% | 18.8% |
4枠 | 2 | 1 | 0 | 14 | 11.8% | 17.6% |
5枠 | 1 | 2 | 1 | 13 | 5.9% | 17.6% |
6枠 | 0 | 0 | 0 | 18 | 0.0% | 0.0% |
7枠 | 0 | 3 | 1 | 13 | 0.0% | 17.6% |
8枠 | 2 | 2 | 2 | 12 | 11.1% | 22.2% |
内枠~外枠まで万遍なく馬券に絡んでいる。
唯一、「6枠」のみ3着内の実績がないものの、「枠番」による偏りは少ないと言えるだろう。
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 8 | 7 | 8 | 88 | 7.2% | 13.5% |
牝馬 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% |
セン馬 | 1 | 2 | 1 | 13 | 5.9% | 17.6% |
過去9年で「牡馬」が8勝、2着7回、3着8回。
「セン馬」が1勝、2着2回、3着1回なので、実質的には“牡馬”がパーフェクトだ。
経験豊富な馬が活躍
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
4歳 | 3 | 0 | 2 | 10 | 20.0% | 20.0% |
5歳 | 1 | 1 | 1 | 14 | 5.9% | 11.8% |
6歳 | 3 | 5 | 1 | 17 | 11.5% | 30.8% |
7歳以上 | 2 | 3 | 5 | 65 | 2.7% | 6.7% |
伸び盛りの「4歳馬」が3勝、3着2回。
2019年のモジアナフレイバー、2022年のランリョウオーなど、南関東を担う将来性豊かな実力馬が活躍している。
また、「6歳馬」も3勝、2着5回、3着1回と成績は良いが、直近5年に限ると2着1回、3着1回のみ。
頭数に勝る「7歳以上馬」は直近5年で2勝、2着3回、3着2回となっており、データ的には勢いある「4歳馬」vs歴戦の「7歳以上馬」だ。
最重要トライアル!
BC着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
BC1着 | 4 | 1 | 0 | 3 | 50.0% | 62.5% |
BC2着 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0.0% | 0.0% |
BC3着 | 1 | 1 | 0 | 3 | 20.0% | 40.0% |
BC4着以下 | 1 | 3 | 1 | 30 | 2.9% | 11.4% |
※2017年までは準重賞
大井記念トライアル「ブリリアントカップ(S3)」。
2018年までは「2,000m」で争われていたが、2019年からは「1,800m」で行われている。
過去9回で6頭の大井記念覇者を輩出している「ブリリアントカップ」出走組。
うち、2014年、2016年、2018年、2020年は「ブリリアントカップ」と「大井記念」を連勝している。
春シーズンにおける古馬の中距離重賞は「ブリリアントカップ」しかないため、必然的にレベルの高いレースとなっているのだろう。
2023年ブリリアントカップの結果
金盃覇者の成績は奮わず…
金盃着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
金盃1着 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% |
金盃2着 | 1 | 0 | 1 | 5 | 14.3% | 14.3% |
金盃3着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% |
金盃4着以下 | 2 | 1 | 0 | 25 | 7.1% | 10.7% |
同年2月に大井2,600mで行われる「金盃(S2)」(※)。
過去9年の優勝馬のうち、6頭が大井記念に出走しているが、3着以内に好走している馬が1頭もいないのは気になるところだ。
「金盃出走組」に広げてみると、のべ43頭が大井記念に出走して3勝、2着1回、3着1回。
データ傾向からすると、大井2,600mと2,000mでは求められる能力が違うということだろう。
※2014年の金盃は2,000mで実施
2023年金盃の結果
報知グランプリカップ(GPC)の上位馬は!?
報知GPC着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
報知GPC1着 | 1 | 0 | 1 | 0 | 50.0% | 50.0% |
報知GPC2着 | 1 | 1 | 1 | 4 | 14.3% | 28.6% |
報知GPC3着 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% |
報知GPC4着以下 | 0 | 1 | 0 | 12 | 0.0% | 7.7% |
「報知グランプリカップ(S3)」は同年2月に船橋1,800mで行われる重賞。
過去9年の「報知グランプリカップ」出走組からは優勝馬2頭、2着馬7頭、3着馬3頭が大井記念に出走している。
上記の該当馬で大井記念を勝っているのは、2014年サミットストーン(2着※)、2016年ケイアイレオーネ(3着※)、2018年リッカルド(1着※)。
この3頭の共通点は「報知グランプリカップ好走」⇒「ブリリアントカップ優勝」⇒「大井記念優勝」だ。
※()内は同年の「報知グランプリカップ」での成績
2023年報知グランプリカップの結果
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は南関東クラシック第2戦!6月7日(水)に大井競馬場で行われる「東京ダービー(S1)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。
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