~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2024年10月2日(水) 
サラ系3歳 大井2,000m
ジャパンダートクラシック(Jpn1)

レース紹介

3歳ダート三冠最終章「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」
春の実績馬と夏以降に力をつけてきた上がり馬が激突。
南関東クラシックとして実施されていた「ジャパンダートダービー」が秋に移行し最終決戦の時を迎える。

なお、本分析は「ジャパンダートダービー」のデータを採用させて頂く。

▼データ分析のポイント
・1番人気馬は勝ち切れない
・東京ダービー馬に注目
・前走1着の馬が圧倒

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年 ミックファイア 大井 シニスターミニスター 1人気
2022年 ノットゥルノ JRA ハーツクライ 4人気
2021年 キャッスルトップ 船橋 バンブーエール 12人気
2020年 ダノンファラオ JRA American Pharoah 6人気
2019年 クリソベリル JRA ゴールドアリュール 1人気
2018年 ルヴァンスレーヴ JRA シンボリクリスエス 1人気
2017年 ヒガシウィルウィン 船橋 サウスヴィグラス 5人気
2016年 キョウエイギア JRA ディープスカイ 4人気
2015年 ノンコノユメ JRA トワイニング 2人気
2014年 カゼノコ JRA アグネスデジタル 2人気

従来は南関東クラシックホースがJRAをはじめとした全国の実力馬を迎え撃つ図式。
2023年は南関東二冠馬ミックファイアが勝利し、当時の南関東三冠体系(※)では初となる三冠馬に輝いている。

※「羽田盃(旧S1)」「東京ダービー(旧S1)」「ジャパンダートダービー(Jpn1)」

過去10年の対戦成績は「南関東:3勝」に対し、「JRA:7勝」とJRA優勢。
それでも、大井2,000mを舞台とした「帝王賞(Jpn1)」「東京大賞典(G1)」と比較すると南関東所属馬の活躍は目立っているのも事実だ。

2024年からスタートした全国統一の新3歳ダート三冠。
春の「羽田盃(Jpn1)」「東京ダービー(Jpn1)」はJRA所属馬が圧倒したが、ひと夏を越した秋の大一番はどのような結果となるか。

【2024年の3歳ダート三冠】
▼4月24日 大井1,800m 「羽田盃」:アマンテビアンコ(JRA)
▼6月5日 大井2,000m 「東京ダービー」:ラムジェット(JRA)
▼10月2日 大井2,000m 「ジャパンダートクラシック」:???

ちなみに、「ジャパンダートクラシック」は「ジャパンダートダービー」から引き継がれ“第26回”として実施される。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

ダービー男にご注目

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年 御神本 訓史 藤岡 佑介 武 豊
2022年 武 豊 菅原 明良 池添 謙一
2021年 仲野 光馬 中井 裕二 武 豊
2020年 坂井 瑠星 池添 謙一 田邊 裕信
2019年 川田 将雅 戸崎 圭太 御神本 訓史
2018年 M.デムーロ 川田 将雅 C.ルメール
2017年 本田 正重 川田 将雅 川島 信二
2016年 戸崎 圭太 武 豊 川田 将雅
2015年 C.ルメール 岩田 康誠 今野 忠成
2014年 秋山 真一郎 吉原 寛人 田中 勝春

“ダービー”と名の付くレースは…
JRA所属の「武豊騎手」が過去10年で1勝、2着1回、3着2回の成績を残しており、目下のところ3年連続で3着内に好走している。

「武豊騎手」は過去25回のジャパンダートダービーで最も勝ち星を挙げているジョッキー。
コンビを組んで勝利した馬はゴールドアリュール、ビッグウルフ、カネヒキリ、ノットゥルノの4頭だ。

その他では「川田将雅騎手」が1勝、2着2回、3着1回。
地方所属で勝利を手にしているのは「御神本訓史騎手」「仲野光馬騎手」「本田正重騎手」の3名となっており、
「仲野光馬騎手」はジャパンダートダービーが初タイトルだった。

2024年からはレース名称が「ジャパンダートクラシック」に変更。
“ダービー”の名は無くなってしまったが、ビッグレースで光る名手の腕には注目だろう。

JRA vs 船橋&大井

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 0 1 3 0.0% 0.0%
船橋 2 0 1 14 11.8% 11.8%
大井 1 1 0 20 4.5% 9.1%
川崎 0 0 0 3 0.0% 0.0%
JRA 7 9 8 43 10.4% 23.9%
南関以外 0 0 0 18 0.0% 0.0%

「JRA所属馬」が7勝、2着9回、3着8回。
さすがの実力を誇示するとともに、南関東所属馬にとっては非常に高い壁として立ちふさがっていた。

地方では「船橋所属馬」がキャッスルトップとヒガシウィルウィンで2勝。
「名馬の宝庫」としても知られる船橋は、過去25回のジャパンダートダービーで地方最多の5勝を挙げている(地方馬は全7勝)。

ちなみに、地方馬が挙げたその他の2勝は「大井所属馬」で、オリオンザサンクスとミックファイアだ。

過去の傾向としては「JRA」vs「船橋&大井」だが、3歳ダート三冠初年度の今年は…!?

人気の盲点を探せ

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 2 2 3 30.0% 50.0%
2人気 2 1 1 6 20.0% 30.0%
3人気 0 2 3 5 0.0% 20.0%
4人気 2 4 0 4 20.0% 60.0%
5人気 1 0 1 8 10.0% 10.0%
6人気以下 2 1 3 75 2.5% 3.7%

「1番人気馬」が3勝、2着2回、3着2回の安定感。
ただし、勝率30.0%と絶対的な信頼度はなく、「2番人気以下」の馬たちの方が活躍が目立っている。

ここで、過去10年で「1番人気」に支持された馬の前走を見てみよう。

▼ユニコーンS優勝馬:【5頭】
▼兵庫チャンピオンシップ優勝馬:【3頭】
▼東京ダービー優勝馬:【2頭】

上記の通り、3つのステップレース優勝馬が高い支持を集めていることになる。
この中でジャパンダートダービーを勝利したのが各レース1頭ずつというのは興味深いデータだ。

その他、目立つところでは「4番人気馬」の2勝、2着4回。
いずれも「JRA所属馬」が該当することになるが、計6頭中、4頭が前走敗戦、2頭が非重賞の優勝馬となっている。

人気を集めることになる重賞ウイナーの陰に隠れた実力馬を探し出したいところだ。

高配当も期待できる

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年 200 3,660 15,410
2022年 560 1,030 8,090
2021年 12,950 38,200 554,300
2020年 4,060 17,820 770,730
2019年 120 470 2,760
2018年 220 1,000 6,060
2017年 1,020 3,080 28,450
2016年 1,420 2,420 22,780
2015年 280 210 4,980
2014年 510 350 4,920
平均 2,134 6,824 141,848

1番人気馬の安定感はあるものの、全体的には高配当の傾向。
前項の通り、重賞ウイナーには人気が集まる一方、勝ち切れていないだけに配当にも影響が出てくる。

2021年は船橋所属のキャッスルトップが会心の逃げ切りで「単勝12,950円」の高配当を演出。
2020年はJRA3頭の決着ながら「三連単770,730円」が飛び出すなど、ビッグ配当があるのもジャパンダートダービーの特徴だろう。

ピンクの帽子が躍動

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 0 9 10.0% 10.0%
2枠 0 0 0 10 0.0% 0.0%
3枠 1 0 3 9 7.7% 7.7%
4枠 0 1 1 17 0.0% 5.3%
5枠 1 3 2 13 5.3% 21.1%
6枠 3 1 2 14 15.0% 20.0%
7枠 2 0 1 17 10.0% 10.0%
8枠 2 5 1 12 10.0% 35.0%

内側の「1~4枠」は2勝、2着1回、3着4回。
対して「5~8枠」は全体で8勝、2着9回、3着6回となっており、データ上では明らかに「外枠有利」という傾向だ。

大井2,000mはフルゲート16頭立て。
過去10年の平均出走頭数は「13.1頭」とフルゲート割れする傾向にあり、大外枠でも存分に実力を発揮できているのかもしれない。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 10 9 96 8.0% 16.0%
牝馬 0 0 1 4 0.0% 0.0%
セン馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%

過去10年で「牝馬」の参戦は5頭。
唯一、3着に好走したのは「関東オークス(Jpn2)」を勝利した3歳女王ウェルドーンとなっている。

なお、関東オークスからジャパンダートダービーに転戦した馬は過去10年で僅かに2頭だ。

東京ダービー馬は強い!

【東京ダービーの着順別の成績】

東京ダービー着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京ダービー1着 2 1 1 4 25.0% 37.5%
東京ダービー2着 0 0 1 4 0.0% 0.0%
東京ダービー3着 0 0 0 5 0.0% 0.0%
東京ダービー4着以下 0 0 0 16 0.0% 0.0%

南関東所属馬にとっては晴れ舞台。
2023年までは「東京ダービー」で世代の頂点に立ち、強豪JRA勢との戦いに挑むという図式だった。

過去10年の「東京ダービー馬」は8頭がジャパンダートダービーに挑戦。
結果は2勝、2着1回、3着1回となり、3着内率50.0%という数字からも分かるように「勝負になる」のである。

ジャパンダートダービーと同条件の「大井2,000m」で結果を残した馬には是非とも注目したい。

一方、「東京ダービー」で敗れた馬の巻き返しは少なく、「東京ダービー2着以下」からはのべ26頭が参戦して3着が1回あるのみ。
唯一、3着に好走したのは後の「JBCクラシック(Jpn1)」覇者ミューチャリーだ。

さて、3歳ダート三冠の第2戦として実施された今年の結果は如何に。

2024年東京ダービーの結果

3歳ダート三冠初戦

【羽田盃の着順別の成績】

羽田盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
羽田盃1着 1 1 1 2 20.0% 40.0%
羽田盃2着 1 0 0 4 20.0% 20.0%
羽田盃3着 0 0 1 1 0.0% 0.0%
羽田盃4着以下 0 0 0 15 0.0% 0.0%

3歳ダート三冠初戦「羽田盃(Jpn1)」。
2023年まで南関東クラシックの初戦として実施されており、「大井1,800m」という条件に変更はない。

「羽田盃1~3着馬」はのべ12頭が参戦して2勝、2着1回、3着2回。
3着内に好走した全5頭中、4頭が東京ダービー馬、残りの1頭はミューチャリーとなる。

前項「東京ダービーの着順別の成績」と全く同じデータとなるので、データ上は「東京ダービー馬に注目」で良さそうだ。

2024年羽田盃の結果

ユニコーンS優勝馬は判断が難しい

【ユニコーンSの着順別の成績】

ユニコーンS着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ユニコーンS1着 2 1 1 3 28.6% 42.9%
ユニコーンS2着 0 0 1 2 0.0% 0.0%
ユニコーンS3着 0 1 0 0 0.0% 100.0%
ユニコーンS4着以下 0 0 1 10 0.0% 0.0%

3歳ダート三冠競走を頂点とする3歳ダート路線の整備。
東京1,600mで行われていた「ユニコーンS(G3)」も整備され、時期を6月から4月に、条件を京都1,900mに変更して実施された。

2023年までの傾向ではあるが、「ユニコーンS覇者」は7頭が参戦して2勝、2着1回、3着1回。
「人気別成績」の項目にも記載したが、7頭中5頭が1番人気(※)に支持されていることを考慮すると“苦戦している”と言えそう。

※残りの2頭は2・3番人気

条件が大きく異なる「東京1,600m」と「大井2,000m」では求められる能力、そして、条件の変更に対応する適応力が必要なのだろう。

重賞ウイナーに注目

【ジャパンダートダービー1~3着馬の前走成績】

前走着順 1着 2着 3着
前走1着 8 5 7
前走2着 1 3 2
前走3着 0 1 0
前走4着以下 1 1 1

ジャパンダートダービーの「前走」を調べたデータ。

表をご覧頂くと明らかな通り、「前走1着」の馬が8勝、2着5回、3着7回と圧倒的な成績を残している。
さらに細かく見ると、重賞を勝利してきた馬が5勝、2着4回、3着6回を占めているので、重賞を勝利してきた馬は素直に評価したいところ。

なお、非重賞を勝ってきた馬の内訳は「JRAオープン1着」が2頭、「船橋B3」が1頭となっている。

マイル路線 vs 中距離路線

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,600m未満 0 0 0 7 0.0% 0.0%
1,600m 3 2 4 18 11.1% 18.5%
1,601m~1,800m未満 0 0 0 0
1,800m以上 7 8 6 76 7.2% 15.5%

最後に「前走の距離別の成績」をまとめてみよう。

最も成績が良いのは「前走1,800m以上」で7勝、2着8回、3着6回。
対するは「前走1,600m」の3勝、2着2回、3着4回となるが、こちらは出走頭数が少ないので好走率は高い傾向にある。

ジャパンダートダービーに出走した馬は概ね「前走1,800m以上」or「前走1,600m」に分類される。
したがって「中距離路線組」 vs 「マイル路線組」がジャパンダートダービーの見どころだ。


3歳ダート三冠はいよいよ最終ラウンド。
今までの傾向とは合致しないところも多いが、2024年をスタートに新たな歴史を重ねていくことだろう。

今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は10月9日(水)に川崎競馬場で行われる「鎌倉記念(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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