~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2024年7月31日(水) 
サラ系3歳以上 大井1,600m
サンタアニタトロフィー(S3)

レース紹介

真夏のマイル重賞第1弾「サンタアニタトロフィー(S3)」!
TCK(大井)とアメリカのサンタアニタパーク競馬場との友好交流提携を記念した重賞。
南関東重賞では珍しい"ハンデキャップ競走"として実施される一戦だ。

なお、2023年より「秋」⇒「夏」に開催時期を変更して実施されている。
※2020年~2022年は秋、2019年以前は夏開催

▼データ分析のポイント
・ハンデを課された実績馬が貫録見せる
・トライアル組は厳しい
・重賞をステップにした馬が好成績

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年 シュアゲイト 大井 キズナ 2人気
2022年 スマイルウィ 船橋 エスポワールシチー 1人気
2021年 トロヴァオ 大井 カネヒキリ 5人気
2020年 ワークアンドラブ 大井 シニスターミニスター 3人気
2019年 ノンコノユメ 大井 トワイニング 1人気
2018年 ヒガシウィルウィン 船橋 サウスヴィグラス 1人気
2017年 ゴーディー 大井 プレシャスカフェ 4人気
2016年 リアライズリンクス 浦和 ダイタクリーヴァ 5人気
2015年 ソルテ 大井 タイムパラドックス 1人気
2014年 セイントメモリー 大井 アフリート 6人気

激戦必至のハンデ重賞。
2023年は連勝街道を走ったシュアゲイトが制したほか、若手から古豪、サラ系ゴーディー(※)の勝利などオールスター感もある一戦だ。

※母イケノエメラルドが“アングロアラブ”で、「ゴーディー」のアラブ血量は14.86%(父はプレシャスカフェ)
※アングロアラブ:アラブとサラブレッドの交雑種(アラブ血量25.0%以上)

また、ダートグレード競走覇者も優勝馬に名を連ねる傾向にある。
G1級のタイトルホルダーではヒガシウィルウィン、ノンコノユメの2頭。
さらに、セイントメモリー、ソルテも南関東のダートグレード競走を勝利している。

なお、大井競馬の誘導馬としても活躍したセイントメモリー号が2024年7月5日に蹄葉炎のため永眠した。
セイントメモリーは大井生え抜きとしてダートグレード競走1勝を含めて重賞6勝、NARグランプリ4歳以上最優秀牡馬も受賞した名馬だ。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

笹川騎手が好相性

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年 達城 龍次 石崎 駿 R.クアトロ
2022年 矢野 貴之 笹川 翼 真島 大輔
2021年 笹川 翼 山崎 誠士 真島 大輔
2020年 笹川 翼 森 泰斗 矢野 貴之
2019年 真島 大輔 的場 文男 笹川 翼
2018年 森 泰斗 笹川 翼 瀧川 寿希也
2017年 的場 文男 柏木 健宏 左海 誠二
2016年 的場 文男 笹川 翼 中野 省吾
2015年 吉原 寛人 的場 文男 中野 省吾
2014年 本橋 孝太 御神本 訓史 坂井 英光

2023年に自身初の南関東リーディングを獲得した「笹川翼騎手」。
サンタアニタトロフィーとは相性が良く、過去10年で2勝、2着3回、3着1回の成績を残している。

2023年の「笹川翼騎手」は兵庫・イグナイターとのコンビで「JBCスプリント(Jpn1)」などを勝利。
もちろん、2024年も南関東リーディングの上位に位置し、2024年7月16日には地方通算2,000勝の大台に到達している。

また、2023年は“馬場読みの魔術師”の愛称を持つ「達城龍次騎手」が勝利。
この勝利が1996年のデビューから30年弱で掴んだ、嬉しい嬉しい初タイトルだった。

地元勢強し!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 1 2 20 4.2% 8.3%
船橋 2 2 1 20 8.0% 16.0%
大井 7 6 7 74 7.4% 13.8%
川崎 0 1 0 5 0.0% 16.7%

地元の「大井所属馬」が7勝、2着6回、3着7回と好成績。
なかでも「荒山勝徳厩舎」は、2019年~2021年に3連覇を達成している(2020年~2022年には3年連続3着も)。
2024年7月10日の「優駿スプリント(S2)」で地方通算900勝を達成した名伯楽には是非とも注目したい。

また、2022年は「船橋所属」のスマイルウィ、2023年は「大井所属」のシュアゲイトが勝利。
管理する「張田京調教師(船橋)」及び「坂井英光調教師(大井)」はジョッキー時代にもサンタアニタトロフィーを勝利していた。

なお、データ分析の対象期間外だが、2011年のみ「国際招待競走」として実施され、アメリカからレッドアラートデイが参戦している。
ちなみに、レッドアラートデイの半兄コーラスマスターは2006年の「ニューイヤーカップ(旧G3)」覇者だ。

人気馬と人気薄の組み合わせ

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 3 0 3 40.0% 70.0%
2人気 1 3 1 5 10.0% 40.0%
3人気 1 0 3 6 10.0% 10.0%
4人気 1 0 1 8 10.0% 10.0%
5人気 2 0 1 7 20.0% 20.0%
6人気以下 1 4 4 90 1.0% 5.1%

「1番人気馬」が4勝、2着3回、連対率70.0%と信頼度は高い。
次いで「2番人気馬」の連対率40.0%が続き、「1・2番人気馬」によるワンツー決着は過去10年で3回ある。

そして、見逃せないのが「6番人気以下」の馬たち。
過去10年で1勝、2着4回、3着4回なので、単純計算すると、毎年1頭程度は馬券に絡んでいることになる。

直近3年を振り返っても2着は「6番人気以下」の馬によるものだ。

人気薄を絡めて高配当!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年 360 6,980 63,980
2022年 300 1,490 12,570
2021年 900 12,400 276,310
2020年 660 740 7,570
2019年 190 510 11,540
2018年 220 450 18,730
2017年 670 3,820 42,650
2016年 1,120 980 23,860
2015年 150 450 18,970
2014年 1,510 3,260 154,110
平均 608 3,108 63,029

1、2番人気の好走率は高いものの、「馬複」「三連単」は高配当となるケースも少なくない。

過去10年で1、2番人気が揃って4着以下となった年は2017年と2021年の2回のみ。
となれば、人気上位馬を軸にして高配当を狙っても良さそうだ。

どの枠でもチャンスあり?

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1枠 2 0 0 12 14.3% 14.3% 14.3%
2枠 1 2 0 14 5.9% 17.6% 17.6%
3枠 3 2 1 13 15.8% 26.3% 31.6%
4枠 1 2 1 16 5.0% 15.0% 20.0%
5枠 0 2 2 16 0.0% 10.0% 20.0%
6枠 2 0 3 15 10.0% 10.0% 25.0%
7枠 0 2 0 18 0.0% 10.0% 10.0%
8枠 1 0 3 15 5.3% 5.3% 21.1%

サンタアニタトロフィーは大井の内回りコースを使用するマイル戦。
したがって、内枠勢が有利のイメージとなるが果たしてどうだろう?

枠順別の勝率は「1枠」と「3枠」が高い。
さらに、「1枠」~「4枠」が連対率の上位を独占しているように、やはり内寄りの枠が好成績と言えそう。
ただし、3着内率となると少し状況は異なり、内から外まで大きな差はなく20%前後で推移している。

勝ち切るのは「内枠」が有利な傾向にあるが、連対率、さらには3着内率となると横一線と言えそうだ。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 10 9 111 6.5% 13.7%
牝馬 0 0 1 3 0.0% 0.0%
セン馬 1 0 0 5 16.7% 16.7%

「牝馬」で唯一、3着に好走したのは2018年のニシノラピート。
その他は全て「牡馬(セン馬)」が上位を占めている。

5歳馬が好成績!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 0 0 0 1 0.0% 0.0%
4歳 1 3 0 15 5.3% 21.1%
5歳 3 4 2 15 12.5% 29.2%
6歳 2 1 3 31 5.4% 8.1%
7歳以上 4 2 5 57 5.9% 8.8%

成長曲線の差はあるものの、競走馬として充実期を迎える「5歳馬」が好成績。
過去10年で3勝、2着4回、3着2回となっている。

また、「4歳馬」も連対率が高くなっており、2017年~2022年の6年間は「4歳馬」もしくは「5歳馬」が連対していた。

重ハンデを克服する実力馬!

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
56.5kg以下 1 5 4 56 1.5% 9.1%
57.0kg 4 2 6 54 6.1% 9.1%
57.5kg以上 5 3 0 9 29.4% 47.1%

南関東所属馬限定の重賞では唯一の“ハンデキャップ競走(※)”となる。

過去10回で斤量「57.5kg以上」のハンデを課せられた馬はのべ17頭。
「重ハンデ=実力馬」ではあるが、この17頭で5勝、2着3回(連対率47.1%)ならば「一定の成績を残している」と言えるかもしれない。

その中で、2023年は斤量51.5kgの上がり馬シュアゲイトが9連勝でタイトルを射止めた。
ハンデ戦ながら軽量馬の活躍は少なく、斤量51.5kg以下での勝利は1987年テツノヒリユウ(51.0kg)以来の快挙だった。

※南関東重賞におけるハンデキャップ競走は他に船橋の「クイーン賞(Jpn3)」がある

トライアル組は?

【サンタアニタトロフィートライアル(TR)】

TR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
TR1着 0 0 1 5 0.0% 0.0%
TR2着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
TR3着 0 0 0 0 - -
TR4着以下 0 1 0 1 0.0% 50.0%

2018年より実施されている「サンタアニタトロフィートライアル競走」。
「A2以下」の格付馬で争われており、1着馬にはサンタアニタトロフィーへの優先出走権が付与される。

2018年以降、過去6年のトライアル優勝馬は全て参戦して3着1回、4着以下5回。
実質、格上挑戦という形になるが、データ的には重賞の壁に跳ね返されていると言えそうだ。

2024年サンタアニタトロフィートライアルの結果

重賞からの転戦馬vs上がり馬

【前走レース別の着順別の成績】

前走 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
重賞 8 4 4 52 11.8% 17.6%
重賞以外 2 6 6 67 2.5% 9.9%

※南関東地区以外の重賞を含む

こちらは、サンタアニタトロフィーの「前走」が「重賞か否か」に分類した成績。

「重賞転戦組」が8勝、2着4回、3着4回とさすがの貫禄。
一方、前走が「重賞以外」のレースで、サンタアニタトロフィーを制した2回はゴーディーとシュアゲイトが該当する。

また、前走が「重賞以外」の2着馬6頭のうち4頭、3着馬6頭のうち3頭は“前走で勝利”している馬たちだった。
傾向的には「前走:重賞組」が勝利し、「前走:非重賞を勝った馬」が相手候補。

今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は8月7日(水)に川崎競馬場で行われる「スパーキングサマーカップ(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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