~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2024年3月20日(水祝) 
サラ系3歳 大井1,700m
京浜盃(Jpn2)

レース紹介

羽田盃トライアル「京浜盃(Jpn2)」
京浜盃は南関東クラシックの登竜門として幾多の名馬を送り出してきた。
その役割は2024年以降も担うことになるが、大きな変更点はダートグレード競走への昇格だ。

3歳ダート三冠初戦「羽田盃(Jpn1)」への優先出走権
○地方所属馬:上位2頭
○JRA所属馬 :5着以内の上位2頭

▼データ分析のポイント
・高配当となる傾向
・「8枠」の3着内率は50.0%
・全日本2歳優駿の上位馬に注目

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年 サベージ 大井 ディープスカイ 4人気
2022年 シャルフジン 船橋 ヘニーヒューズ 1人気
2021年 チサット 大井 スマートファルコン 3人気
2020年 ブラヴール 船橋 セレン 8人気
2019年 ステッペンウルフ 船橋 サウスヴィグラス 3人気
2018年 ヤマノファイト 船橋 エスポワールシチー 1人気
2017年 ヒガシウィルウィン 船橋 サウスヴィグラス 3人気
2016年 タービランス 浦和 パイロ 2人気
2015年 オウマタイム 船橋 タイムパラドックス 3人気
2014年 ハッピースプリント 大井 アッミラーレ 1人気

3歳ダート三冠初戦「羽田盃」の前哨戦。
JRAの「弥生賞(G2)」と同じような位置付けといえばイメージしやすいだろうか。

南関東所属馬限定で実施されていた2023年以前の優勝馬を振り返ってみると、その後、南関東クラシックで活躍する馬がズラリと並ぶ。
過去10年の優勝馬のうち、後の南関クラシックホースは4頭(うち、二冠馬2頭)、3着内にまで広げると計9頭にもなる。

とりわけ、「羽田盃」とは相性が良く、過去10年で3勝、2着3回、3着3回。
なんと10頭中、9頭の京浜盃覇者が羽田盃でも好走しているのだ。

今年からダートグレード競走となるわけだが、「優勝馬=クラシックの主役」という傾向は揺るがないところだろう。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

特定の騎手が上位独占

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年 石崎 駿 本田 正重 矢野 貴之
2022年 御神本 訓史 本橋 孝太 矢野 貴之
2021年 笹川 翼 矢野 貴之 真島 大輔
2020年 本橋 孝太 矢野 貴之 赤岡 修次
2019年 御神本 訓史 森 泰斗 本橋 孝太
2018年 本橋 孝太 御神本 訓史 柏木 健宏
2017年 森 泰斗 赤岡 修次 矢野 貴之
2016年 森 泰斗 笹川 翼 和田 譲治
2015年 左海 誠二 張田 京 吉原 寛人
2014年 吉原 寛人 真島 大輔 山崎 誠士

「御神本訓史騎手」「本橋孝太騎手」「森泰斗騎手」が2勝ずつ。
また、「矢野貴之騎手」は2着2回、3着3回と勝ち星こそないものの、2020年から4年連続で3着内に好走している。

上記4名の合計成績は、過去10年で6勝、2着5回、3着4回だ。

船橋所属馬が好成績!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 2 1 24 3.6% 10.7%
船橋 6 4 3 29 14.3% 23.8%
大井 3 3 6 37 6.1% 12.2%
川崎 0 1 0 13 0.0% 7.1%

「船橋所属馬」が過去10年で6勝、2着4回、3着3回。
うち、同所属馬によるワンツー決着は4回ある。

対する地元の「大井所属馬」は3勝、2着3回、3着6回。
2021年チサット、2023年サベージと近況の成績は上昇傾向だ。

1~3番人気馬が合計8勝!でも揃い踏みは!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 1 0 6 30.0% 40.0%
2人気 1 2 1 6 10.0% 30.0%
3人気 4 1 1 4 40.0% 50.0%
4人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
5人気 0 0 2 8 0.0% 0.0%
6人気以下 1 5 5 72 1.2% 7.2%

「1~3番人気馬」が合計8勝を挙げている。
ただし、3強揃い踏みとなった年はなく、「4番人気以下」の馬が割って入るケースが多い。

割って入るのは…1勝、2着5回、3着5回の「6番人気以下」。
直近5年では「1~3番人気:2頭」「6番人気以下:1頭」という組み合わせが最も多い(3回)。

単勝は堅く、馬複、三連単は高配当!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年 640 2,770 103,400
2022年 290 6,050 28,740
2021年 1,010 5,330 158,990
2020年 2,670 4,800 101,190
2019年 710 1,420 181,460
2018年 210 520 3,960
2017年 420 2,360 29,050
2016年 300 3,370 173,480
2015年 490 19,530 286,030
2014年 110 880 6,550
平均 685 4,703 107,285

「単勝」は全体的に堅く収まっている。

一方、「馬複」「三連単」は高配当の香りが…
上位人気馬が揃って好走するケースが少ないため“紐荒れ”の傾向にある。
特に「三連単」は高配当が多く、過去10年で10万円オーバーのビッグ配当は6回だ。

ピンク祭り!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 0 1 10 0.0% 0.0%
2枠 0 1 1 9 0.0% 9.1%
3枠 1 2 0 14 5.9% 17.6%
4枠 3 1 1 13 16.7% 22.2%
5枠 1 0 3 14 5.6% 5.6%
6枠 0 0 1 18 0.0% 0.0%
7枠 3 1 0 15 15.8% 21.1%
8枠 2 5 3 10 10.0% 35.0%

連対率20.0%超えは「4枠」「7枠」「8枠」の3つ。
傾向としては外枠が好走しており、「7枠」「8枠」が揃って4着以下となったのは2023年の1回しかない。

以下は過去10年の枠番別の着順となる。

1着 2着 3着
2023年 4枠 3枠 5枠
2022年 7枠 3枠 6枠
2021年 5枠 7枠 8枠
2020年 3枠 4枠 8枠
2019年 4枠 8枠 4枠
2018年 4枠 2枠 8枠
2017年 7枠 8枠 1枠
2016年 8枠 8枠 5枠
2015年 7枠 8枠 2枠
2014年 8枠 8枠 5枠

上表の太字の通り、「7枠」「8枠」の好走回数が多い。
特に「8枠」の好走率が高く、過去10年の3着内率は50.0%にもなる。

クラシックを狙う牡馬が優勢

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 9 10 97 7.9% 15.1%
牝馬 0 1 0 4 0.0% 20.0%
セン馬 0 0 0 2 0.0% 0.0%

牡馬クラシックを狙う素質馬が参戦していることもあり「牡馬」が圧倒的に優勢だ。
「牝馬」の2着1回は「東京2歳優駿牝馬(S1)」を勝利していたピンクドッグウッド。

近年の出世レース!

【ニューイヤーカップの着順別の成績】

ニューイヤーカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ニューイヤーカップ1着 2 0 0 4 33.3% 33.3%
ニューイヤーカップ2着 1 0 2 3 16.7% 16.7%
ニューイヤーカップ3着 1 1 0 5 14.3% 28.6%
ニューイヤーカップ4着以下 0 1 0 23 0.0% 4.2%

「浦和1,500m」で行われる年明け恒例の3歳重賞。
※2021年まで「浦和1,600m」

「ニューイヤーカップ(S3)」で特に注目したいのが1~3着馬。
該当馬は過去10年でのべ19頭が出走し、4勝、2着1回、3着2回の成績を残している。

「ニューイヤーカップ」上位馬の力量は素直に評価したいところだ。

2024年ニューイヤーカップの結果

大注目の重賞

【雲取賞の着順別の成績】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 1 1 0 3 20.0% 40.0%
雲取賞2着 0 0 1 6 0.0% 0.0%
雲取賞3着 0 0 0 9 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 0 1 1 24 0.0% 3.8%

2019年から「S3重賞」、2024年からはダートグレード競走「Jpn3」に昇格した「雲取賞」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、実施初年度から3年連続で南関クラシックホースを輩出している。
2023年こそクラシックホースは誕生しなかったが、優勝馬ヒーローコールがクラシック戦線で活躍したことは記憶に新しい。

2018年までの「準重賞」のデータを含むが、「雲取賞」出走組は1勝、2着2回、3着2回。
重賞昇格以降の5年間に限定すると、のべ23頭が出走して1勝、3着1回とデータ上ではあまり相性が良くない。
(好走例は2022年1着シャルフジンと3着ナッジ)

ただし、「雲取賞」は本項目の冒頭にも記したように、重賞昇格以降、レースレベルは格段に向上。
一方で、「京浜盃との相性」となると、やや割引が必要なのかもしれない。
※重賞昇格以降、雲取賞1~3着馬から羽田盃馬3頭、東京ダービー馬1頭を輩出

2024年雲取賞の結果

JRA勢相手の好走歴は信頼の証!?

【全日本2歳優駿の着順別の成績】

全日本2歳優駿着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿1着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
全日本2歳優駿2着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿3着 0 0 2 4 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿4着以下 1 1 1 12 6.7% 13.3%

前年12月に行われる2歳ダート王決定戦「全日本2歳優駿(Jpn1)」。
強豪JRA勢をはじめ、全国から有力馬が参戦しており、レベルの高い争いが展開されている。

JRA勢相手に好走=能力の証ではあるが、次は「全日本2歳優駿」の“好走馬”にフォーカスを当ててみよう。

【全日本2歳優駿「5着内馬」の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿[5着以内] 2 1 2 9 14.3% 21.4%

上表は「全日本2歳優駿」で5着以内に好走した馬の京浜盃での成績。
該当馬の3着内率は35.7%となるが、5着内率に広げてみると85.7%にまでなる。

掲示板に載る可能性は高い、あとは3着圏内に入るか否かといったところ。

また、今年からは「全日本2歳優駿」に出走していたJRA所属馬も京浜盃に出走できるようになる。
過去のデータ傾向は南関東所属馬を対象としているが、上位争いに加わることの多いJRA所属馬となれば注目度はさらに増すだろう。

2023年全日本2歳優駿の結果

成長曲線の差?

【南関2歳重賞ウイナーの成績】

2歳重賞 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドジュニア優勝馬 0 0 0 2 0.0% 0.0%
鎌倉記念優勝馬 1 0 0 3 25.0% 25.0%
平和賞優勝馬 0 0 1 5 0.0% 0.0%
ハイセイコー記念優勝馬 0 0 0 5 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿優勝馬 1 0 0 2 33.3% 33.3%

南関東では、例年8月~12月にかけて2歳重賞が行われる。
京浜盃出走馬の成長曲線は各馬それぞれだが、果たして「2歳重賞ウイナー」は京浜盃でも通用しているのだろうか?

「2歳重賞ウイナー」はのべ20頭が参戦。
もちろん、クラシックへの“一叩き”として走る馬もいるが、京浜盃に限ってはあまり結果が出ていないようだ。


次回は南関東牝馬クラシック初戦!
3月27日(水)に浦和競馬場で行われる「桜花賞(S1)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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