3歳重賞「雲取賞(Jpn3)」!
2024年より雲取賞は全国の優駿に門戸が開かれる。
3歳ダート三冠初戦「羽田盃(Jpn1)」の出走権を巡るトライアルだ。
なお、雲取賞は2019年に南関東S3重賞に昇格、それ以前は準重賞として実施されていた。
※本データ分析は、2018年までの準重賞を含めた過去10年分のデータを採用
▼データ分析のポイント
・重賞昇格以降はハイレベル
・配当は低く、7枠が好成績
・全日本2歳優駿組が強さを見せる
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2023年 | ヒーローコール | 浦和 | ホッコータルマエ | 1人気 |
2022年 | シャルフジン | 船橋 | ヘニーヒューズ | 2人気 |
2021年 | ランリョウオー | 浦和 | パイロ | 1人気 |
2020年 | ゴールドホイヤー | 川崎 | トランセンド | 4人気 |
2019年 | ヒカリオーソ | 川崎 | フリオーソ | 4人気 |
2018年 | ワグナーコーヴ | 大井 | マンハッタンカフェ | 6人気 |
2017年 | カンムル | 浦和 | サマーバード | 1人気 |
2016年 | ハタノリヴィール | 船橋 | フレンチデピュティ | 4人気 |
2015年 | ノースノース | 船橋 | カネヒキリ | 1人気 |
2014年 | ドバイエキスプレス | 船橋 | デュランダル | 5人気 |
2018年までは「内回り1,600m」、重賞に昇格した2019年以降は「外回り1,800m」が舞台。
スタート位置こそ「1,600m」と「1,800m」は同じだが、外回りコースとなり、最後の直線が100m長くなった。
また、レースレベルは格段に上昇し、近年の南関東では出世レースとしても知られている。
2019年からの5年間、雲取賞の上位3頭が生涯で獲得した重賞タイトル数は「41個」。
この中には東京ダービー馬ヒカリオーソ、Jpn1馬カジノフォンテン・ミューチャリー、現在も活躍中のランリョウオー・ヒーローコールが含まれる。
※2024.1.26時点
雲取賞は羽田盃と同舞台、そして大井2,000mの東京ダービーと同じ外回りコースを使用。
3歳ダート三冠が行われる大井コースでの走りは例年以上に注目を集めることになるだろう。
なお、地方所属の上位2頭及び5着以内のJRA所属上位2頭には「羽田盃」の優先出走権が付与される。
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トップジョッキーの相棒は?
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2023年 | 森 泰斗 | 矢野 貴之 | 達城 龍次 |
2022年 | 御神本 訓史 | 矢野 貴之 | 本橋 孝太 |
2021年 | 本橋 孝太 | 森 泰斗 | 真島 大輔 |
2020年 | 吉原 寛人 | 左海 誠二 | 笹川 翼 |
2019年 | 瀧川 寿希也 | 御神本 訓史 | 本田 正重 |
2018年 | 今野 忠成 | 左海 誠二 | 坂井 英光 |
2017年 | 吉原 寛人 | 山崎 誠士 | 石崎 駿 |
2016年 | 中野 省吾 | 繁田 健一 | 石崎 駿 |
2015年 | 左海 誠二 | 森 泰斗 | 的場 文男 |
2014年 | 川島 正太郎 | 張田 京 | 石崎 駿 |
重賞に昇格して以降は「御神本訓史騎手」と「森泰斗騎手」が1勝、2着1回。
「本橋孝太騎手」が1勝、3着1回の成績を残している。
南関東のトップジョッキーがクラシックの相棒候補とともに挑戦してくる重賞とも言えそうだ。
船橋以外もチャンスあり
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 3 | 3 | 0 | 12 | 16.7% | 33.3% |
船橋 | 4 | 3 | 5 | 29 | 9.8% | 17.1% |
大井 | 1 | 2 | 4 | 35 | 2.4% | 7.1% |
川崎 | 2 | 2 | 1 | 16 | 9.5% | 19.0% |
地元の「大井所属馬」がやや劣勢。
これに対して、質量ともに高水準の「船橋所属馬」、少数精鋭の「浦和所属馬」「川崎所属馬」という図式となる。
クラシックが行われる大井コースということもあり、「船橋・浦和・川崎」の素質馬たちがコース経験を含めて出走してくるケースも多そうだ。
なお、重賞昇格以降、過去5年の成績は以下の通り。
▽浦和所属馬:2勝、2着2回、3着0回
▽船橋所属馬:1勝、2着1回、3着2回
▽大井所属馬:0勝、2着2回、3着3回
▽川崎所属馬:2勝、2着0回、3着0回
1番人気が連対率70.0%
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 4 | 3 | 0 | 3 | 40.0% | 70.0% |
2人気 | 1 | 2 | 2 | 5 | 10.0% | 30.0% |
3人気 | 0 | 1 | 4 | 5 | 0.0% | 10.0% |
4人気 | 3 | 2 | 0 | 5 | 30.0% | 50.0% |
5人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% |
6人気以下 | 1 | 1 | 3 | 67 | 1.4% | 2.8% |
2021年、2022年と上位3番人気以内の馬が上位を独占。
2023年も1・2番人気によるワンツー決着だったように、上位人気馬が順当に結果を残す傾向となっている。
ちなみに、重賞昇格以降で最も人気の無かった馬は2019年3着のカジノフォンテン。
後にJpn1を2勝する馬だが、当時の人気は「13番人気」というものだった(2024.1.26時点)。
堅い決着も多い
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2023年 | 150 | 200 | 2,050 |
2022年 | 360 | 520 | 3,680 |
2021年 | 160 | 290 | 1,170 |
2020年 | 830 | 6,760 | 69,970 |
2019年 | 1,150 | 660 | 46,240 |
2018年 | 1,690 | 5,640 | 511,470 |
2017年 | 220 | 810 | 4,880 |
2016年 | 1,560 | 1,450 | 29,500 |
2015年 | 260 | 770 | 3,390 |
2014年 | 1,430 | 4,750 | 162,300 |
平均 | 781 | 2,185 | 83,465 |
1番人気馬の好走が多いため、配当も低めの傾向にある。
特に直近3年はその傾向が強く、2021年は全ての賭式が1番人気の組み合わせだった。
「7枠」有利!
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 1 | 0 | 1 | 10 | 8.3% | 8.3% |
2枠 | 0 | 1 | 0 | 12 | 0.0% | 7.7% |
3枠 | 1 | 1 | 1 | 10 | 7.7% | 15.4% |
4枠 | 1 | 1 | 0 | 12 | 7.1% | 14.3% |
5枠 | 2 | 1 | 1 | 10 | 14.3% | 21.4% |
6枠 | 0 | 1 | 2 | 14 | 0.0% | 5.9% |
7枠 | 2 | 4 | 3 | 10 | 10.5% | 31.6% |
8枠 | 3 | 1 | 2 | 14 | 15.0% | 20.0% |
真ん中から外側の枠の成績が良い。
特に「7枠」は連対率31.6%、3着内率47.4%と特筆に値するデータだ。
一方、「1枠」は連対率8.3%、「2枠」は同7.7%と苦戦を強いられる傾向にある。
2019年以降、舞台は「大井1,600m(内)」から「大井1,800m(外)」に。
まだ5回のみだが、傾向的には外枠有利に変わりはなさそう。
▽2019年:1着「3枠」⇒2着「6枠」⇒3着「8枠」
▽2020年:1着「8枠」⇒2着「7枠」⇒3着「1枠」
▽2021年:1着「7枠」⇒2着「4枠」⇒3着「3枠」
▽2022年:1着「8枠」⇒2着「3枠」⇒3着「7枠」
▽2023年:1着「7枠」⇒2着「2枠」⇒3着「6枠」
参考までに、2022年10月1日~2023年9月30日の期間中に行われた「大井1,600m」と「大井1,800m」の「枠番別」の成績をご紹介しよう。
「大井1,800m」の「7枠」は連対率、3着内率が全体No.1、勝率は全体2位のハイアベレージだ!
「大井1,600m」の「枠番別」の成績
「大井1,800m」の「枠番別」の成績
なお、大井コースは2023年のJBC開催週より力を要するオーストラリア産の白砂を採用している。
上記データには含まれていないため、以下に示す直近3か月のデータ(要ログイン)をご参照頂きたい。
直近3か月の「大井1,800m」の「人気別/枠番別」成績(要ログイン)
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 10 | 10 | 10 | 89 | 8.4% | 16.8% |
牝馬 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
セン馬 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
クラシックシーズンということで「牝馬」の出走はのべ3頭と少ない。
強敵相手に揉まれた成果
全日本2歳優駿着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
全日本2歳優駿1着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
全日本2歳優駿2着 | 1 | 0 | 0 | 0 | 100.0% | 100.0% |
全日本2歳優駿3着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
全日本2歳優駿4着以下 | 2 | 3 | 1 | 5 | 18.2% | 45.5% |
※雲取賞が重賞に昇格して以降、5年間のデータ
前年末に行われる2歳ダート王決定戦。
全国の地方馬はもとより、JRAからも有力馬が参戦するレベルの高い一戦だ。
2021年は「全日本2歳優駿(Jpn1)」2着のランリョウオーが貫禄勝ち。
さらに、「全日本2歳優駿」で4着以下に敗れた馬も成績が良く、2023年は同4着のヒーローコールが雲取賞を勝利した。
「全日本2歳優駿」出走組をまとめると、のべ12頭が雲取賞に出走して3勝、2着3回、3着1回。
ビッグタイトルを狙った素質馬たちだけに、南関馬同士のレースとなれば格上的な存在だが、ダートグレード競走となる今年は!?
2023年全日本2歳優駿の結果
上位馬は要チェック
ニューイヤーカップ着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ニューイヤーカップ1着 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% |
ニューイヤーカップ2着 | 1 | 0 | 0 | 1 | 50.0% | 50.0% |
ニューイヤーカップ3着 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 50.0% |
ニューイヤーカップ4着以下 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0.0% | 0.0% |
※雲取賞が重賞に昇格して以降、5年間のデータ
明け3歳馬によって争われる浦和重賞。
2021年までは「1,600m」、2022年以降は「1,500m」で実施されている。
「ニューイヤーカップ」組は上位3着内の馬に注目。
該当馬はのべ5頭と出走頭数は多くないものの、そのうちの3頭で1勝、2着2回の成績を残している。
ちなみに、好走した3頭のうち、ヒカリオーソとトランセンデンスは「全日本2歳優駿」→「ニューイヤーカップ」のローテーション。
後にクラシックを制する2頭は同じようなステップを踏んでいたのだ。
2024年ニューイヤーカップの結果
前走・重賞組が活躍
前走 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
重賞 | 4 | 5 | 2 | 21 | 12.5% | 28.1% |
非重賞 | 1 | 0 | 3 | 28 | 3.1% | 3.1% |
※雲取賞が重賞に昇格して以降、5年間のデータ
こちらのデータは、雲取賞の前走が「重賞」か否かで分類した成績。
前走が「重賞組」の馬は4勝、2着5回、3着2回、前走が「非重賞組」は1勝、3着3回。
準重賞当時は「非重賞組」も結果を残していたが、重賞に昇格してからは「重賞組」が圧倒している傾向だ。
では、「非重賞組」をさらに“着順別”で集計した結果はどうか。
勝った馬に注目!
前走着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
前走1着 | 1 | 0 | 2 | 11 | 7.1% | 7.1% |
前走2着 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% |
前走3着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% |
前走4着以下 | 0 | 0 | 1 | 11 | 0.0% | 0.0% |
※雲取賞が重賞に昇格して以降、5年間のデータ
前走が「非重賞組」の32頭を“前走の着順別”に細分化したデータ。
狙いは「前走1着」の馬だろう。
なお、「前走4着以下」から3着に好走した馬は、後にJpn1のタイトルを獲得することになるカジノフォンテンだ(13番人気)。
距離経験は大きなアドバンテージに!
前走距離 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1,600m未満 | 1 | 0 | 0 | 9 | 10.0% | 10.0% |
1,600m | 3 | 5 | 3 | 32 | 7.0% | 18.6% |
1,601m以上 | 1 | 0 | 2 | 8 | 9.1% | 9.1% |
※雲取賞が重賞に昇格して以降、5年間のデータ
最後に「前走の距離別の成績」を抽出してみよう。
前項の「全日本2歳優駿」と「ニューイヤーカップ(※)」が1,600mということもあり、前走が「1,600m」の馬が好成績を残している。
一方、前走が「1,600m未満」の距離延長組はあまり奮わず、逆に「1,601m以上」からの参戦は1勝、3着2回とまずまずの成績だ。
なお、「ニューイヤーカップ」は2022年から「1,500m」に距離変更となったため、
「1,600m未満」からの距離延長組が成績を上げる可能性は十分にありそう。
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は2月21日(水)に浦和競馬場で行われる「ユングフラウ賞(S2)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。
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