~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2024年8月14日(水) 
サラ系3歳 大井1,800m
黒潮盃(S3)

レース紹介

真夏の3歳重賞「黒潮盃(S3)」
南関東クラシック出走組と、夏場に力をつけてきた上がり馬が激突。
さらには、南関東以外からの遠征馬を迎える華やかな3歳重賞を過去10年のレースから分析してみよう。

なお、1・2着馬には3歳ダート三冠最終戦「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」の優先出走権が与えられる。

▼データ分析のポイント
・「1番人気馬」は3着内率90.0%
・「5~7枠」が好成績
・東京ダービー組が好成績だが今年は!?

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年 ヒーローコール 浦和 ホッコータルマエ 2人気
2022年 エスポワールガイ 大井 エスポワールシチー 8人気
2021年 ジョエル 船橋 トーセンブライト 2人気
2020年 インペリシャブル 川崎 エスポワールシチー 10人気
2019年 リンノレジェンド 北海道 トビーズコーナー 2人気
2018年 クロスケ 大井 キャプテントゥーレ 2人気
2017年 ブラウンレガート 大井 ディープスカイ 1人気
2016年 ミスミランダー 船橋 アッミラーレ 1人気
2015年 ブラックレッグ 大井 タイキシャトル 5人気
2014年 スマイルピース 大井 プリサイスエンド 1人気

黒潮盃にはバラエティに富んだメンバーが参戦してくる。
南関東での実績馬はもとより、牝馬や連勝中の上がり馬、さらには南関東以外からの遠征馬にもチャンスありだ。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

森泰斗騎手が連覇中

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年 森 泰斗 R.クアトロ 的場 文男
2022年 森 泰斗 安藤 洋一 矢野 貴之
2021年 張田 昂 瀬川 将輝 的場 文男
2020年 山崎 誠士 森 泰斗 保園 翔也
2019年 岡部 誠 笹川 翼 本橋 孝太
2018年 笹川 翼 的場 文男 森 泰斗
2017年 的場 文男 岡部 誠 柏木 健宏
2016年 森 泰斗 大畑 雅章 本橋 孝太
2015年 矢野 貴之 本橋 孝太 的場 文男
2014年 楢崎 功祐 御神本 訓史 本橋 孝太

「森泰斗騎手」が連覇中。
過去10年を合計しても3勝、2着1回、3着1回と好成績を残している。

また、南関東リーディング上位以外の騎手が活躍しているのも特徴的。
近年では「安藤洋一騎手」「瀬川将輝騎手」「保園翔也騎手」のほか、2023年は短期騎手免許を取得していた「R.クアトロ騎手」が2着だった。

上記4名の中で今回ピックアップするのは「安藤洋一騎手」。
“ジョッキー界のサラブレッド”という愛称の通り、父は笠松出身の安藤光彰元JRA騎手、叔父にはレジェンド安藤勝己元騎手がいる。
自身は名門・藤田輝信厩舎に所属。
2023年には51勝をマークし、今年4月には「東京プリンセス賞(S1)」を制して見事に初タイトルを獲得している。

お盆開催恒例の黒潮盃は、次代を担うジョッキーたちに是非ともご注目を!

地の利を生かす!遠征馬も見逃せない!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 1 3 11 6.3% 12.5%
船橋 2 3 4 24 6.1% 15.2%
大井 5 4 3 54 7.6% 13.6%
川崎 1 0 0 12 7.7% 7.7%
南関以外 1 2 0 21 4.2% 12.5%

「大井所属馬」が5勝、2着4回、3着3回の成績。
出走頭数の関係上、勝率、連対率は他の南関東所属馬と互角だが、やはり地の利は見逃せないところだろう。

また、注目したいのは「南関以外」から遠征してくる馬たち。
2019年は北海道所属のリンノレジェンドが完勝したほか、過去10年で1勝、2着2回の成績を残している。
各地のダービー馬が参戦することも多く、“南関ドリーム”を手にするチャンスは十二分にあると言えそうだ。

1番人気は石より堅い!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 5 1 1 30.0% 80.0%
2人気 4 1 1 4 40.0% 50.0%
3人気 0 1 1 8 0.0% 10.0%
4人気 0 0 2 8 0.0% 0.0%
5人気 1 1 0 8 10.0% 20.0%
6人気以下 2 2 5 93 2.0% 3.9%

2020年こそ上位人気馬が総崩れとなったが、データ上では「1番人気馬」が“堅軸”。
過去10年で3勝、2着5回、3着1回ということは…3着内率は90.0%だ!

また、注目したいのが「6番人気以下」の2勝、2着2回、3着5回。
データ通り、穴をあけるシーンが目立っており、「1番人気馬」との組み合わせでも高配当が期待できそう。

馬複&三連単は高配当!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年 260 270 5,850
2022年 1,830 2,560 25,690
2021年 330 430 6,170
2020年 3,020 16,680 453,660
2019年 590 940 10,720
2018年 380 300 7,300
2017年 180 2,030 21,630
2016年 230 1,030 36,480
2015年 900 5,710 64,500
2014年 240 320 1,990
平均 796 3,027 63,399

1番人気が過去10年で3勝を挙げていることから、「単勝」の平均配当は「796円」と落ち着き傾向。
ただし、1番人気が勝利した3回(2014年・2016年・2017年)のうち、単勝1倍台での決着は2017年のみだ。

実績馬、上がり馬など、様々な要素が入り混じる“夏の3歳重賞”を具現した配当とも言えそうだ。

一方、「馬複」「三連単」は高配当となるケースも少なくない。
「人気別成績」でも示したように、人気薄はマークする必要がありそうだ。

5~7枠が6年連続連対中!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 1 3 11 6.3% 12.5%
2枠 2 1 0 15 11.1% 16.7%
3枠 0 2 1 16 0.0% 10.5%
4枠 0 4 0 15 0.0% 21.1%
5枠 2 0 1 17 10.0% 10.0%
6枠 3 1 2 14 15.0% 20.0%
7枠 2 0 1 17 10.0% 10.0%
8枠 0 1 2 17 0.0% 5.0%

真ん中寄りの「5枠」~「7枠」が好成績。
この3枠のみで7勝を挙げており、2018年から6年連続で「5枠」~「7枠」のいずれかが勝利している。

一方、大外の「8枠」は勝ち星がなく、連対率も全体8位の5.0%とやや苦戦を強いられている状況だ。

関東オークス上位馬に注目!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 10 7 110 6.6% 14.0%
牝馬 1 0 3 11 6.7% 6.7%
セン馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%

「牡馬」が9勝、2着10回、3着7回と強さを見せている。

一方、「牝馬」は1勝、3着3回だが、そのうち1勝、3着1回は南関東牝馬クラシック第3戦「関東オークス(Jpn2)」の上位馬。
JRA勢相手に好走した実力馬にはぜひとも注目したい。

2024年関東オークスの結果

東京ダービー出走組は要注目!

【東京ダービー(東京D)の着順別の成績】

東京D着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京D1着 0 0 0 0 - -
東京D2着 2 2 1 1 33.3% 66.7%
東京D3着 2 0 0 0 100.0% 100.0%
東京D4着以下 1 3 4 31 2.6% 10.3%

日本ダート界の歴史が動いた2024年。
JRA所属馬も出走可能となった「東京ダービー(Jpn1)」出走組の成績はどうだろう。

過去に「東京ダービー馬」は出走していないものの、「東京ダービー2着馬」は6頭が出走して2勝、2着2回、3着1回(3着内率83.3%!)。
2023年も東京ダービーで2着だったヒーローコールが“ここでは負けられない”とばかりに1馬身以上をつける完勝だった。

さらに、「東京ダービー3着馬」は2頭が出走して勝率100.0%!
さらにさらに、「東京ダービー」で4着以下に敗れた馬たちの活躍も目立ち、過去10年で1勝、2着3回、3着4回。
着順に関係なく、東京ダービーに出走していた馬たちからは目が離せないようだ。

なお、本データは南関東所属馬で争われていた「東京ダービー」を採用しているため、データ傾向も変わってくることが予想される。

2024年東京ダービーの結果

羽田盃組は苦戦…

【羽田盃の着順別の成績】

羽田盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
羽田盃1着 0 0 0 0 - -
羽田盃2着 1 1 0 2 25.0% 50.0%
羽田盃3着 0 0 1 2 0.0% 0.0%
羽田盃4着以下 2 3 3 24 6.3% 15.6%

3歳ダート三冠の初戦「羽田盃(Jpn1)」の成績。
こちらも2024年より、JRA所属馬をはじめとした全国の優駿に門戸が開かれたダートグレード競走として実施されている。

過去10年で「羽田盃1着馬」の参戦は「0」。
また、「羽田盃2・3着」ものべ7頭が参戦して1勝、2着1回、3着1回となっていることから、あまり「羽田盃上位馬」とは関連性がないようだ。
※2023年の羽田盃2着馬ヒーローコールが唯一の優勝馬

となると、注目は「羽田盃」で4着以下に敗れた馬たち。

該当馬は過去10年で32頭が出走し、2勝、2着3回、3着3回。
優勝した2頭、スマイルピースとクロスケの共通点は、「羽田盃4着以下」 ⇒ 「東京ダービー好走」 ⇒ 「黒潮盃優勝」。
厳しいクラシック戦線をタフに戦い抜いた馬が結果を残している傾向にあるようだ。

なお、「羽田盃」も南関東所属馬で争われていた2023年までのデータを採用している。

2024年羽田盃の結果

夏は勢いが大切?

【黒潮盃1~3着馬の前走成績】

前走着順 1着 2着 3着
前走1着 1 3 3
前走2着 4 0 1
前走3着 1 0 0
前走4着以下 4 7 6

過去10年の「1~3着馬」の「前走成績」はご覧の通り。

黒潮盃の優勝馬10頭中、4頭が「前走4着以下」からの巻き返し。
ただし、4頭中3頭が「ジャパンダートダービー(Jpn1)」で4着以下に敗れた馬たちなので、2024年の傾向は大きく変わってくるかもしれない。
※「ジャパンダートダービー」は実施時期を「夏 ⇒ 秋」、名称を「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」に変更して行われる

では、前走を勝った上がり馬はどうだろう。
該当馬は黒潮盃で1勝、2着3回、3着3回と一定の成績を残しており、この内の5頭は2走前も連対している。

例年は「ジャパンダートダービーで強豪と戦ってきた馬」vs「勢いのある夏の上がり馬」だったが、さて今年はどのような戦いとなるだろう。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は8月21日(水)に浦和競馬場で行われる「ルーキーズサマーカップ(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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