2024年、日本のダートは大きく変動。
地方・JRAの枠を超えた3歳ダート三冠の創設だ。
2024年4月24日 大井1,800m
羽田盃(JpnI)
アマンテビアンコ
2024年6月5日 大井2,000m
東京ダービー(JpnI)
ラムジェット
2024年10月2日 大井2,000m
ジャパン
ダートクラシック(JpnI)
2023年優勝馬 ヒーローコール号
JRA所属馬の詳細な出走馬選定方法はこちら
(PDF/地方競馬全国協会)
3歳限定で行われる1,800m戦。
3歳ダート競馬の最高峰「東京ダービー(JpnI)」から約2ヶ月。
クラシックロードを歩んできた馬と、夏場に力をつけてきた馬の激突は見応え十分だ!
黒潮盃は南関東以外の所属馬の活躍も多く、2007年には笠松のマルヨフェニックスが優勝。
2011年は園田で無敵の強さを誇っていたオオエライジンが南関東でも力を見せつけ優勝!
2019年にはホッカイドウ競馬のリンノレジェンドが優勝と勢いある遠征馬には要注目となりそうだ。
実績馬が力を見せるか?上がり馬や南関東以外の所属馬の勢いか?
「ジャパンダートクラシック」の出走権をかけた真夏の3歳重賞は盛り上がること間違いなし!
●ダテノショウグン
父バンブーエール
母ウートゥルメール(母父マンハッタンカフェ)
通算成績6戦6勝
5戦全勝で2歳重賞「ハイセイコー記念(SI)」を制した逸材。
いずれのレースも後続を引き離す内容で、ハイセイコー記念は2着馬に8馬身差をつけるパフォーマンスを披露している。
3歳ダート三冠元年の活躍が期待された春シーズンはアクシデントにより休養。
復帰戦となった7月の「赤兎馬賞(OP)」を5馬身差の完勝と実力を誇示し、再び重賞の舞台へと戻ってきた。
黒潮盃を勝利して、いざクラシック最終戦へ。
●シシュフォス
父アポロソニック
母アポロユッキー(母父アポロキングダム)
通算成績14戦5勝
3歳重賞「クラウンカップ(SIII)」の優勝馬。
ホッカイドウ競馬から今年春に移籍すると、2連勝でクラウンカップを制してみせた。
その後、「東京湾カップ(SII)」2着を経て迎えた「東京ダービー(JpnI)」。
JRAをはじめとしたダートの猛者が揃ったレースで南関東所属馬最先着となる6着に健闘した。
強豪相手に揉まれた経験を糧に、南関東所属馬同士のレースとなれば上位争い必至だろう。
●マコトロクサノホコ
父トゥザワールド
母マコトジョワイユー(母父フジキセキ)
通算成績13戦4勝
3歳重賞「東京湾カップ(SII)」の優勝馬。
ホッカイドウ競馬でデビューすると、芝コースの「コスモス賞(JRA)」や「ジュニアグランプリ(盛岡)」に遠征するなど経験も豊富だ。
その経験が花開いたのが南関東に移籍した2024年。
船橋コース4戦3勝、そして「東京湾カップ」制覇という成績を残して「東京ダービー」の出走馬に名を連ねた。
東京ダービーでは9着と苦戦を強いられたが、
「ペースが遅かったし、この馬のエンジンがかかるのも遅かった。もっと伸びるイメージでしたが」と御神本訓史騎手。
※参考:東京ダービーのレース回顧
大井コースとの相性がカギを握るものの、JRA勢不在の黒潮盃では自慢の末脚が炸裂する事だろう。
●イモノソーダワリデ
父キンシャサノキセキ
母フレイミングクリフス(母父Kingmambo)
通算成績17戦3勝
上半期だけで7戦とタフに走りながら着実に成長。
「東京ダービー」の出走がかかった指定競走「東京ダービーチャレンジ(OP)」を制して晴れ舞台に立っている。
春シーズンの疲れを癒して迎える秋の戦い。
レベルの高いメンバーが揃ったが、自身の成績も胸を張れるものだ。
●ムットクルフェ
父トビーズコーナー
母リンデンブリューテ(母父キングカメハメハ)
通算成績17戦4勝
春シーズンは3歳ダート三冠「羽田盃(JpnI)」&「東京ダービー」を戦い抜いた。
南関東所属馬で3歳ダート三冠2レースに出走した馬は3頭のみだったので立派な経歴と言えるだろう。
4月には「羽田盃」の指定競走「クラシックチャレンジ(OP)」を制し、「羽田盃」では5着と力量的にも全く見劣りしない。
新たなるダート3冠ロードは2冠目までが終わり、秋の最終戦ジャパンダートクラシックを残すのみ。
ラスト1冠は超豪華メンバーが揃いそうで、一競馬ファンとして今からレースが楽しみで仕方ありません。
一新された3冠戦。
当初から中央勢圧倒的優勢の声が多かったことも確かですが、
そんな声を一掃したのが、京浜盃で2着のアンモシエラに7馬身差をつけて圧勝した地元大井のサントノーレ。
残念ながらレース後に骨折が判明し、現在は休養中ですが、
陣営によると「あくまでも馬本位だが、戸塚記念での復帰を目指しています」とのことで、秋へ向けて嬉しい声も聞かれました。
そしてサントノーレ同様、打倒JRAの筆頭格として2歳時から期待されていたダテノショウグン。
5連勝でハイセイコー記念を制し前途洋々かと思われましたが、爪の不安で休養を余儀なくされ、クラシックの2冠には出走できず。
しかし7月の赤兎馬賞で待望の復帰を果たすと、2着馬に5馬身差をつける圧勝。
そして秋のトライアルレースとなる黒潮盃へ駒を進め、
単勝1.1倍の圧倒的な支持を背に2つ目の重賞タイトルなるか、ファンの注目が集まりました。
ただクラウンCを制し、東京ダービー6着と南関東最先着を果たしたシシュフォス、
東京湾カップで素晴らしい末脚を披露したマコトロクサノホコ、堅実な走りを見せる実力馬ムットクルフェ、
スピーディキックの弟で春先からぐんぐん力をつけてきたケンタッキースカイなど、
真夏の夜に相応しい好メンバーが揃いました。
圧倒的人気に推された復帰2戦目のダテノショウグンは出遅れ後方から。
2コーナー過ぎで隊列も決まり、前半3F38.5のスローペースでレースは流れていきました。
開催初日から先行有利が顕著な馬場で、有力馬達が前のポジションで運んでいただけに、
ダテノショウグンに一抹の不安がよぎりましたが、
800m過ぎから動き出すと一気に外の3番手まで押し上げ、前を行くオーウェルとムットクルフェを射程圏に。
4コーナー手前から鞍上の御神本騎手が動き出し、デビュー当初から勝負所の反応はあまりよくないタイプとはいえ、
この遅めの流れで長く脚を使っていて直線弾けるのか…その心配は一瞬で杞憂に終わりました。
直線半ばでは他馬と脚色の差は歴然でラスト1ハロン過ぎでは早くも大勢が決し、2着に3馬身半。
勝ち時計1:54.9は、翌日のB2B3の1,800mの勝ち時計1:56.4を大きく上回る出色の好記録。
これでデビューから無傷の7連勝、ハイセイコー記念以来2つ目のタイトルを手にし、
打倒JRAの大将格が輝きを増してクラシック戦線に戻ってきました。
2つ目のタイトル
管理する森下調教師にレース後話を伺うと
「出遅れてしまったので、本来のイメージとは違った競馬になってしまいました。
長く脚を使う競馬になったのでレース後は少ししんどそうでしたが、
これから中央の強い相手と戦っていくには必要なことですしそういう意味ではいい練習になったと思います」と収穫を得た様子。
お盆休みということもあり、多くのファンで賑わった大井競馬場。
ゲートインの静寂の後、ダテノショウグンが出遅れ、騒ついた場内。
ただ今回のスタートに関しても「本来はスタートが早い馬ですから少しヒヤッとしました。
ただ休み明けだった前走は爪を気遣いながらの調整だったのですが、久々のレースで先を見据えての仕上げ。
その中でしっかりと走ったので、気持ちの反動で馬自身が日和ってしまったのだと思います。
まともならスタートは上手ですからね」と要因を冷静に分析されており、おそらく一過性のものだとのことです。
「休み明け2戦目でいくらか気負いがある中でしっかり結果を出せて、改めて能力の高さを感じました。
レース前の理想は4,5番手からでしたが、スタートで後手を踏み5Fまるまる脚を使ったのできつい競馬に。
疲れもあると思うので、しっかり見極めてから次に向かいたいと思っています。
中央勢と戦うにはある程度前のポジションで、あれくらい脚を使わないと通用しないですが、
そういう競馬ができたことは大きかったですね。
これからどんどん強い馬が出てきますが、強い相手とやれば馬も更に強くなっていくと思いますし、
これからの状態次第ですが、次走はジャパンダートクラシック。現状でどこまでやれるのか楽しみにしています」
と語るその視線は、10月の大舞台をしっかりと据えていました。
一夜明けて改めて取材をすると
「特に今のところはおかしな感じもなく、長く脚を使った分いつもより少しだけ消耗はしていますが、爪の状態も大丈夫です。
馬の状態次第ですが、順調ならジャパンダートクラシックへ直行の予定です」とのことです。
復帰しパワーアップして戻ってきたダテノショウグン。
今年から名前と施行時期は変わりますが、3歳ダート三冠の最終戦は圧倒的に中央勢が優勢。
しかし昨年は大井所属のミックファイアが、南関東3冠を達成。
2021年は12番人気の船橋所属馬キャッスルトップが逃げ切り大波乱を演出と、ここ3年で地方所属馬が2勝と活躍。
キャッスルトップの父はダテノショウグンと同じバンブーエールで、
産駒数はそこまで多くはないですが、爆発力がある種牡馬でタフな競馬と大舞台がピッタリ。
残念ながら羽田盃、東京ダービーの2冠には間に合いませんでしたが
その鬱憤を晴らすべく大井生え抜きのダテノショウグンは、
全国から最強メンバーが集うと言っても過言でない最後の1冠へ、無敗で突き進みます。
厩舎でのダテノショウグン(渋谷獣医提供)
<優勝ジョッキーコメント>
ダテノショウグン 御神本訓史騎手
「2週前追い切りに跨らせていただきましたが、更にパワーアップした動きをみせてくれていました。
今日はプラス5kgでしたが、充実した馬体だと思っています。スタートはヒヤッとしましたね。
普段この馬はゲートが上手なんですが、2走ボケかわかりませんが、
ゲートのなかで気負ってしまってタイミングが遅れてしまいました。
完璧な馬でもこういうことがあるので今後気を付けないとなと思いました。
道中は有力馬が前のほうにいてペースも2コーナーで落ち着いてしまったので、
3コーナーからのヨーイドンでは分が悪くなると思って早めに動いていきました。
直線はいつも素晴らしい脚で走ってくれるので問題ないのですが、
次の大一番に向けて揉まれる競馬をしたかったので、少し雑な内容になってしまったのは致し方無いところかなと思います」
圧倒的な人気を背負うプレッシャーのある中、あそこから思い切って動く判断は流石のひと言。
落ち着いていて馬の能力を信じた素晴らしい騎乗でした。
口取り
<他陣営のコメント>
2着シシュフォス 森泰斗騎手
「東京ダービー以来のレースでしたが、状態は良かったと思いますし、レース運びも完璧だったと思います。
強いて敗因を挙げるなら、ダテノショウグンより2キロ重い58キロでの出走だったので、斤量差が最後に堪えたのかもしれません。
順調に調整が進めば次走は戸塚記念の予定と聞いています。
レースが上手な馬ですし、川崎はクラウンカップを勝っているようにフィーリングの合うコースです。
他馬との斤量差もないと思うので、改めての気持ちで臨みたいです」
3着ムットクルフェ 矢野貴之騎手
「スタートからリズム良く運べました。この馬なりには力は出しているし、良くも悪くも相手なりのタイプ。
ただリフレッシュされて状態は良かったし、まだこの先ももう一段階成長が期待できそうです」
4着マコトロクサノホコ 本田正重騎手
「58キロでしたが、最後まで良く伸びてくれました。
ポジションを取れないのがネックで、器用さが着順に出た感じですね。
今日は流れも向かなかっただけで力負けではないし、展開一つでまた重賞を勝てるチャンスがあるはずです」
5着オーウェル 笹川翼騎手
「跨った瞬間、馬体も増えて良くなっているなと感じましたね。
指示通り逃げれて、いいペースで道中も運べました。秋に向けていいスタートを切れたし、まだまだ良くなってきますよ」
6着ケンタッキースカイ 菅原涼太騎手
「次走は戸塚記念を予定していて、先を見据えて今日は控える競馬をしました。
体も増えていて状態は良かったし、改めて走るなと感じました。
この競馬でもしっかりと走れたことは今後に向けていい経験になったと思います」
7着イモノソーダワリデ 鷹見陸騎手
「今日は前残りの競馬でこの馬にとっては流れが向かなかったですね。
ただラストはいい脚を使っているしひと息後を考えれば上々の内容だったと思います。これからの馬ですよ」
10着スマイルナウ 張田昂騎手
「短い距離中心に使ってきていたのでこの距離は不安でしたが悪くない走りでしたよ。
センスのいい馬で先々はマイルくらいでも問題なくやれると思います。これからの成長は楽しみです」
11着クリコマ 山崎誠士騎手
「まだ状態はいい頃に比べて上がってきていない感じがしました。相手も強かったですね」
12着バハマフレイバー 川島正太郎騎手
「体も減っていたしまだ本来の状態に戻り切れていない感じでした。
背中も良くいいものを持っている馬なのでこれで変わってきてほしいですね」
先頭でゴールするダテノショウグン
実施日 | 8/14(水) |
競馬場 | 大井競馬場 |
距離 | 1,800m |
出走条件 | サラ系3歳 |
負担重量 | 牡馬56kg 牝馬54kg 2024.8.9までのダートグレード競走/JRA重賞/南関東SI重賞勝ち馬3kg、 南関東SII/SIII重賞勝ち馬2kg、その他重賞勝ち馬1kg加増 (2歳時の成績を除く) |
優先出走権 | 1、2着馬に「ジャパンダートクラシック(JpnI)」の優先出走権付与 |
※南関東4競馬場の開催日程により、対象レースやキャンペーン内容などが変更となる場合がございます