真夏のスプリント決戦!「習志野きらっとスプリント(S2)」!
2011年に創設された地方競馬スーパースプリントシリーズ。
そのファイナルを担っていたレースだが、同シリーズは2023年をもって一区切りとなった。
ただし“地方交流”は変わりなく、今年も全国各地からスピード自慢が揃うことだろう。
▼データ分析のポイント
・若くて勢いのある前走勝ち馬
・牝馬も好成績
・必勝パターンは4角先頭
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2023年 | キモンルビー | 船橋 | コパノリチャード | 1人気 |
2022年 | ギシギシ | 大井 | アルデバラン2 | 1人気 |
2021年 | コパノフィーリング | 船橋 | ヘニーヒューズ | 2人気 |
2020年 | ノブワイルド | 浦和 | ヴァーミリアン | 1人気 |
2019年 | ノブワイルド | 浦和 | ヴァーミリアン | 3人気 |
2018年 | アピア | 大井 | ファスリエフ | 1人気 |
2017年 | スアデラ | 船橋 | ゴールドアリュール | 3人気 |
2016年 | フラットライナーズ | 船橋 | シニスターミニスター | 2人気 |
2015年 | ルックスザットキル | 大井 | Wildcat Heir | 1人気 |
2014年 | ナイキマドリード | 船橋 | ワイルドラッシュ | 3人気 |
南関東きっての快速馬たちが歴代優勝馬に名を連ねる。
過去9頭の優勝馬のうち、スアデラを除く8頭が複数のスプリント重賞を制しているのだ。
(連覇のノブワイルドは1頭としてカウント)
また、冬期の「船橋記念(S3)」とともに、船橋1,000m戦を目標としてきた馬たちには注目したい。
こちらは過去9頭の優勝馬のうち、4頭が「船橋記念」&「習志野きらっとスプリント」を制している。
名手たる由縁
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2023年 | 御神本 訓史 | 矢野 貴之 | 吉原 寛人 |
2022年 | 笹川 翼 | 御神本 訓史 | 本田 正重 |
2021年 | 森 泰斗 | 御神本 訓史 | 今野 忠成 |
2020年 | 左海 誠二 | 岡部 誠 | 本橋 孝太 |
2019年 | 左海 誠二 | 御神本 訓史 | 吉原 寛人 |
2018年 | 御神本 訓史 | 西 啓太 | 赤岡 修次 |
2017年 | 本田 正重 | 岩橋 勇二 | 戸崎 圭太 |
2016年 | 左海 誠二 | 森 泰斗 | 笹川 翼 |
2015年 | 早田 功駿 | 町田 直希 | 本田 正重 |
2014年 | 川島 正太郎 | 真島 大輔 | 脇田 創 |
「御神本訓史騎手」が直近6年で2勝、2着3回と抜群の相性。
この間、1番人気が4回、3番人気と4番人気が1回ずつなので、人気馬をキッチリと好走に導いている。
その他、直近では「笹川翼騎手」「森泰斗騎手」が勝利し、2023年は2着「矢野貴之騎手」、3着「吉原寛人騎手」。
人気馬の手綱を取ることの多いトップジョッキーが結果を出している重賞と言えそうだ。
ちなみに、上記ジョッキーたちが直近で樹立した成績は以下の通り。
■御神本訓史騎手:2024年5月15日 地方通算2,800勝
■森泰斗騎手:2024年6月13日 地方通算4,300勝
■笹川翼騎手:地方通算2,000勝まで残り8勝(7/10現在)
■矢野貴之騎手:2024年7月9日 地方通算2,600勝
■吉原寛人騎手:2024年4月18日 地方通算3,000勝
名手の活躍する南関東、地方競馬のレースは見どころ満載だ。
南関東優勢
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 2 | 1 | 4 | 9 | 12.5% | 18.8% |
船橋 | 5 | 4 | 4 | 29 | 11.9% | 21.4% |
大井 | 3 | 4 | 0 | 16 | 13.0% | 30.4% |
川崎 | 0 | 0 | 1 | 12 | 0.0% | 0.0% |
南関以外 | 0 | 1 | 1 | 38 | 0.0% | 2.5% |
各地から韋駄天が集結する一戦。
勝ち星的には「南関東所属馬」が全10勝を挙げている。
「南関東以外」の好走は、2017年2着タイセイバンデット(北海道)、2018年3着サクラレグナム(高知)だ。
優勝馬は全て1~3番人気馬!
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 5 | 2 | 1 | 2 | 50.0% | 70.0% |
2人気 | 2 | 2 | 1 | 5 | 20.0% | 40.0% |
3人気 | 3 | 2 | 0 | 5 | 30.0% | 50.0% |
4人気 | 0 | 3 | 1 | 6 | 0.0% | 30.0% |
5人気 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0.0% | 0.0% |
6人気以下 | 0 | 1 | 5 | 78 | 0.0% | 1.2% |
人気馬が確実に結果を残している。
過去10年の優勝馬は全て「1~3番人気馬」で、馬券圏内の30頭中、18頭を「1~3番人気馬」が占めている。
ただし、「1~3番人気馬」による上位3着内の独占は2011年を最後に出ていない。
となると、注目は3着5回の「6番人気以下」の馬たちだろう。
2023年も1着から順に「1番人気」⇒「2番人気」⇒「9番人気」の順での決着だった。
配当金も低い
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2023年 | 210 | 470 | 9,810 |
2022年 | 250 | 580 | 6,000 |
2021年 | 370 | 490 | 32,300 |
2020年 | 290 | 450 | 7,610 |
2019年 | 590 | 730 | 13,250 |
2018年 | 160 | 850 | 23,130 |
2017年 | 400 | 2,020 | 10,420 |
2016年 | 380 | 1,200 | 14,350 |
2015年 | 250 | 700 | 5,590 |
2014年 | 570 | 2,460 | 18,070 |
平均 | 347 | 995 | 14,053 |
上位人気馬が活躍しているため、配当金も落ち着く傾向にある。
特に「単勝」はその傾向が顕著となっており、最高配当は590円、過去10年の平均配当は347円という低さだ。
前項「人気別の成績」の通り、「6番人気以下」の3着が多いので、三連単及び三連複で高配当を狙っても良いだろう。
「6枠」「7枠」が好成績
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0.0% | 0.0% |
2枠 | 0 | 3 | 0 | 7 | 0.0% | 30.0% |
3枠 | 3 | 0 | 1 | 15 | 15.8% | 15.8% |
4枠 | 2 | 0 | 3 | 14 | 10.5% | 10.5% |
5枠 | 0 | 0 | 2 | 16 | 0.0% | 0.0% |
6枠 | 2 | 3 | 2 | 12 | 10.5% | 26.3% |
7枠 | 2 | 3 | 1 | 13 | 10.5% | 26.3% |
8枠 | 1 | 1 | 1 | 17 | 5.0% | 10.0% |
「6枠」と「7枠」の好走率が高い傾向。
特に、3着内率は「6枠」の36.8%が全体トップ、「7枠」の31.6%が全体2位だ。
一方、3着内率0.0%と大苦戦しているのは「1枠」。
習志野きらっとスプリントは2011年に重賞へと昇格したが、過去13回の歴史の中で1度として3着内の実績がないのである。
スピード比べなら性別は関係ない!
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 6 | 7 | 8 | 67 | 6.8% | 14.8% |
牝馬 | 3 | 2 | 1 | 28 | 8.8% | 14.7% |
セン馬 | 1 | 1 | 1 | 9 | 8.3% | 16.7% |
「牝馬」が3勝、2着2回、3着1回の成績!
優勝馬は2017年スアデラ、2021年コパノフィーリング、2023年キモンルビーと全く引けを取らない。
“夏は牝馬”という格言はあるが、スピード勝負に性別など関係ない!ということだろう。
若さと勢い!
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
3歳 | 1 | 1 | 0 | 3 | 20.0% | 40.0% |
4歳 | 4 | 0 | 2 | 15 | 19.0% | 19.0% |
5歳 | 0 | 3 | 4 | 20 | 0.0% | 11.1% |
6歳 | 1 | 2 | 2 | 21 | 3.8% | 11.5% |
7歳以上 | 4 | 4 | 2 | 45 | 7.3% | 14.5% |
「年齢」は若い方が有利な傾向!
連対率40.0%の「3歳馬」は、2015年の優勝馬ルックスザットキルと、2018年の2着馬クルセイズスピリツ。
斤量面の恩恵はあるものの、古馬の壁を感じさせない走りを見せている。
また、「4歳馬」も4勝と好成績。
「3歳馬」と「4歳馬」のワンツー決着は1回も無いものの、若い馬の勢いには注目したいところだ。
ちなみに、「7歳以上」の優勝馬はナイキマドリード、アピア、ノブワイルド(2勝)の3頭だが、
偶然にもこの3頭のみ、前走敗戦からの巻き返しだった。
※3歳~6歳の優勝馬6頭は前走も勝利していた
南関東の最短距離重賞
川崎SS着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
川崎SS1着 | 2 | 0 | 1 | 6 | 22.2% | 22.2% |
川崎SS2着 | 0 | 1 | 2 | 6 | 0.0% | 11.1% |
川崎SS3着 | 1 | 1 | 0 | 4 | 16.7% | 33.3% |
川崎SS4着以下 | 0 | 0 | 1 | 15 | 0.0% | 0.0% |
2021年から重賞に昇格した川崎900m重賞。
習志野きらっとスプリントに転戦してくる馬も多く、最も重要なステップレースと言えよう。
過去10年の優勝馬は、2021年を除く全ての年で出走。
結果は2勝、3着1回と抜群の成績ではないものの、9頭中5頭が掲示板を確保しているように堅実さは魅力だろう。
2024年川崎スパーキングスプリントの結果
若潮スプリント着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
若潮スプリント1着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
若潮スプリント2着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
若潮スプリント3着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
若潮スプリント4着以下 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
※重賞に昇格した2021年以降、3年間の成績
船橋1,200mで争われる3歳限定重賞。
重賞に昇格してから歴史は浅いが、1着馬には習志野きらっとスプリントの優先出走権が付与されている。
2023年は優勝馬メンコイボクチャンが参戦し、習志野きらっとスプリントでは10着に敗れているが…!?
2024年若潮スプリントの結果
スピードは古馬に劣らない
優駿スプリント着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
優駿スプリント1着 | 1 | 1 | 0 | 0 | 50.0% | 100.0% |
優駿スプリント2着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
優駿スプリント3着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% |
優駿スプリント4着以下 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
南関東の3歳スプリンターが目標とする「優駿スプリント(S2)」。
この時期に3歳馬が古馬重賞に挑戦する例は少ないが、過去には2頭の優勝馬が参戦して1勝、2着1回。
「年齢別の成績」でご紹介した「3歳馬の連対2頭」はここに該当する。
2024年優駿スプリントの結果
同条件のトライアル
閃光スプリント着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
閃光スプリント1着 | 2 | 0 | 2 | 3 | 28.6% | 28.6% |
閃光スプリント2着 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0.0% | 25.0% |
閃光スプリント3着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
閃光スプリント4着以下 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0.0% | 0.0% |
習志野きらっとスプリントと同じ「船橋1,000m」で争われるトライアル競走。
※2017年、2019年は「船橋1,200m」で実施
※トライアルとして実施されている2017年以降のデータ
下級条件のトライアルとなるため、習志野きらっとスプリントには格上挑戦となる馬も少なくない。
いわゆる「夏の上がり馬」という存在になるが、過去7回のトライアル優勝馬で2勝、3着2回、4着2回、6着1回なら出色と言えそうだ。
なお、2024年は「ドレミスプリント」という名称のレースが該当する。
2024年ドレミスプリントの結果
先手必勝!
1着 | 2着 | 3着 | |
---|---|---|---|
1番手 | 6 | 1 | 1 |
2~5番手 | 4 | 6 | 3 |
6~10番手 | 0 | 2 | 6 |
11番手以降 | 0 | 1 | 0 |
向こう正面からスタートし、3・4コーナーから直線へ。
終い一手では厳しく、4コーナーを5番手以内では通過したいところだろう。
特に好成績を挙げているのは「4コーナー先頭」の馬(※)。
過去10年で6頭が優勝し、3着内を外したのは僅かに2回のみだ。
※4コーナー先頭≠単独先頭
ちなみに、優勝馬10頭のうち、4コーナーで最も後ろにいたのは、「5番手」のナイキマドリード、アピア、ギシギシ。
ナイキマドリードとアピアは船橋1,000mの重賞を複数回優勝しているスペシャリストだ。
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は7月31日(水)に大井競馬場で行われる「サンタアニタトロフィー(S3)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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