~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2024年5月15日(水) 
サラ系4歳以上 大井2,000m
大井記念(S1)

レース紹介

伝統の中距離重賞「大井記念(S1)」
南関東の有力馬が一堂に会す伝統の一戦。
1,2着馬に優先出走権が付与される“帝王賞トライアル”としての役割も担っている重賞だ。

▼データ分析のポイント
・南関東を代表する名馬が活躍
・ブリリアントカップ組が好成績
・金盃組は苦戦する傾向

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年 セイカメテオポリス 大井 マジェスティックウォリアー 3人気
2022年 ランリョウオー 浦和 パイロ 2人気
2021年 ミューチャリー 船橋 パイロ 2人気
2020年 ストライクイーグル 大井 キンシャサノキセキ 1人気
2019年 モジアナフレイバー 大井 バトルプラン 4人気
2018年 リッカルド 船橋 フサイチリシャール 1人気
2017年 ウマノジョー 大井 ウイングアロー 6人気
2016年 ケイアイレオーネ 大井 Henny Hughes 1人気
2015年 プレティオラス 大井 フィガロ 4人気
2014年 サミットストーン 船橋 ロージズインメイ 1人気

南関東を代表する中長距離馬が優勝している。
2017年ウマノジョー以外は複数のタイトルホルダーだが、その馬たちの実績を挙げると…

▼サミットストーン:NARグランプリ2014・年度代表馬
▼プレティオラス:2012年東京ダービー馬
▼ケイアイレオーネ:重賞6勝(ダートグレード競走2勝)
▼リッカルド:重賞5勝(ダートグレード競走1勝)
▼モジアナフレイバー:重賞4勝、2019年東京大賞典3着
▼ストライクイーグル:重賞3勝
▼ミューチャリー:2021年「JBCクラシック(金沢・Jpn1)」制覇、NARグランプリ2021・年度代表馬
▼ランリョウオー:重賞5勝
▼セイカメテオポリス:重賞5勝
※2024.5.10現在での現役馬を含む

南関東史に残る名馬が歴代優勝馬に名を連ねているのがお分かり頂けるだろう。
2018年からは南関東最高グレードの「S1重賞」に昇格したこともあり、今まで以上にハイレベルな重賞となっている。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

御神本騎手と本橋騎手が2勝

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年 吉原 寛人 澤田 龍哉 矢野 貴之
2022年 本橋 孝太 真島 大輔 町田 直希
2021年 御神本 訓史 本橋 孝太 笹川 翼
2020年 御神本 訓史 山崎 誠士 本田 正重
2019年 繁田 健一 左海 誠二 森 泰斗
2018年 矢野 貴之 笹川 翼 森 泰斗
2017年 山本 聡哉 繁田 健一 的場 文男
2016年 的場 文男 森 泰斗 吉原 寛人
2015年 本橋 孝太 吉原 寛人 石崎 駿
2014年 石崎 駿 坂井 英光 川島 正太郎

過去10年で「御神本訓史騎手」が2勝。
大井を代表するジョッキーの一人が、“大井”と名の付く唯一の重賞で存在感を放っている。

ちなみに、2023年の「御神本訓史騎手」は重賞13勝と大車輪の活躍。
2023年の南関東リーディング上位「笹川翼騎手」「森泰斗騎手」「矢野貴之騎手」の3人は、
合わせて重賞16勝なので大舞台での強さが良く分かるだろう。

また、過去10年で2勝、2着1回の「本橋孝太騎手」も大舞台での勝負強さが光るジョッキー。
2022年は重賞11勝中、4勝が南関東最高グレード「S1」、1勝がダートグレード競走、2023年は重賞3勝中、2勝が「S1」タイトルだ。

南関東最高グレードで行われる「大井記念」は騎手の勝負強さにも注目したい。

※南関東のグレード
南関東で行われる重賞の表記は「S1~S3」「Jpn1~Jpn3」「G1」の3種類
▽[S]:南関東所属馬 or 地方所属馬のみが出走可能
▽[Jpn]:JRA所属馬も出走可能なダートグレード競走
▽[G1]:地方競馬唯一の国際G1「東京大賞典」が該当

御神本訓史騎手の重賞タイトル
本橋孝太騎手の重賞タイトル

1番人気と実績馬に注目

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 0 4 2 40.0% 40.0%
2人気 2 1 1 6 20.0% 30.0%
3人気 1 2 1 6 10.0% 30.0%
4人気 2 0 1 7 20.0% 20.0%
5人気 0 3 0 7 0.0% 30.0%
6人気以下 1 4 3 89 1.0% 5.2%

過去10年で「1番人気馬」は4勝、3着4回。
戦術が定まった古馬でマークされる立場にはあるのだが、3着内率80.0%は立派な成績だろう。

「2~5番人気馬」の好走率は横一線。
となれば1勝、2着4回、3着3回の「6番人気以下」の馬たちにも注目したい。
直近5年では2着1回、3着2回で、該当馬のカジノフォンテン&オールブラッシュはJpn1馬、キタノオクトパスはJpn1で3着の実績があった。

「1番人気」に支持された馬はもちろん、人気を落とした実績馬には注目したい。

1番人気から手広く

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年 740 7,600 55,540
2022年 630 2,650 55,200
2021年 250 770 2,710
2020年 270 570 8,900
2019年 850 1,710 14,000
2018年 170 5,910 30,900
2017年 1,830 14,020 198,100
2016年 250 2,260 15,310
2015年 1,170 7,410 414,980
2014年 120 2,090 38,740
平均 628 4,499 83,438

過去10年で1番人気馬が馬券に絡まなかったのは2015年と2022年の2回。
これらの年は各賭式で高配当を提供しているが、その他の年も堅く収まっているかといえばそうでもない。

1番人気の優勝は2014年・2016年・2018年・2020年の4回。
この4回の「馬複」平均配当は2,708円、「三連単」は23,463円と堅い配当とは言い難い。

また、1番人気が3着の年は2017年・2019年・2021年・2023年。
こちらの平均は「馬複」が6,025円、「三連単」が67,588円となっている。

地元の大井所属馬が強い

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 4 2 10 5.9% 29.4%
船橋 3 2 4 35 6.8% 11.4%
大井 6 4 3 65 7.7% 12.8%
川崎 0 0 1 7 0.0% 0.0%

地元の「大井所属馬」が6勝、2着4回、3着3回。
過去10年で「大井所属馬」によるワンツーは1回しかないものの、2014年を除く全ての年で連対を果たしている(9年連続連対中)。

対抗格となるのは「船橋所属馬」で3勝、2着2回、3着4回。
勝った3頭はミューチャリー、リッカルド、サミットストーンといった船橋を代表する名馬だ。

また、近年は「浦和所属馬」の活躍も目立っており、直近5年だけで1勝、2着2回、3着2回の成績を残している。

枠番の有利不利はない!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 2 0 2 11 13.3% 13.3%
2枠 0 1 1 15 0.0% 5.9%
3枠 3 0 3 12 16.7% 16.7%
4枠 2 2 0 15 10.5% 21.1%
5枠 1 2 1 15 5.3% 15.8%
6枠 0 0 0 20 0.0% 0.0%
7枠 0 3 1 15 0.0% 15.8%
8枠 2 2 2 14 10.0% 20.0%

内枠~外枠まで万遍なく馬券に絡んでいる。
唯一、「6枠」のみ3着内の実績がないものの、「枠番」による偏りは少ないと言えるだろう。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 8 9 96 7.4% 13.9%
牝馬 0 0 0 6 0.0% 0.0%
セン馬 1 2 1 15 5.3% 15.8%

過去10年で「牡馬」が9勝、2着8回、3着9回。
「セン馬」が1勝、2着2回、3着1回なので、実質的には“牡馬”がパーフェクトだ。

経験豊富な馬が活躍

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
4歳 3 0 2 12 17.6% 17.6%
5歳 2 1 1 17 9.5% 14.3%
6歳 3 5 2 19 10.3% 27.6%
7歳以上 2 4 5 69 2.5% 7.5%

各年代の馬が活躍している。

勝率No.1は「17.6%」の「4歳馬」で3勝、3着2回。
連対率では「27.6%」の「6歳馬」が3勝、2着5回、3着2回だ。

南関東は高齢馬が活躍する傾向にあるが、チャンピオンディスタンスで行われるS1重賞は互角の争いが展開されている。

最重要トライアル!

【ブリリアントカップ(BC)の着順別の成績】

BC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
BC1着 4 1 0 4 44.4% 55.6%
BC2着 0 0 1 6 0.0% 0.0%
BC3着 1 1 0 3 20.0% 40.0%
BC4着以下 1 3 1 33 2.6% 10.5%

※2017年までは準重賞

大井記念トライアル「ブリリアントカップ(S3)」。
2018年までは「2,000m」で争われていたが、2019年からは「1,800m」で行われている。

過去10年で6頭の大井記念覇者を輩出している「ブリリアントカップ」出走組。
うち、2014年・2016年・2018年・2020年は「ブリリアントカップ」と「大井記念」を連勝している。

2024年から中長距離路線の体系が整備されたが、「ブリリアントカップ」⇒「大井記念」の流れは大きく変わらないだろう。

2024年ブリリアントカップの結果

金盃覇者の成績は奮わず…

【金盃の着順別の成績】

金盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
金盃1着 0 0 0 7 0.0% 0.0%
金盃2着 1 0 1 5 14.3% 14.3%
金盃3着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
金盃4着以下 2 1 0 27 6.7% 10.0%

同年2月に大井2,600mで行われる「金盃(S2)」(※)。
過去10年の優勝馬のうち、7頭が大井記念に出走しているが、3着以内に好走している馬が1頭もいないのは気になるところだ。

「金盃2着以下」に限ると、のべ40頭が大井記念に出走して4勝、2着1回、3着1回。
データ傾向からすると、大井2,600mと2,000mでは求められる能力が違うということだろう。

※2024年から1月に実施

2024年金盃の結果

報知グランプリカップ(GPC)の上位馬は!?

【報知GPCの着順別の成績】

報知GPC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
報知GPC1着 1 0 1 1 33.3% 33.3%
報知GPC2着 1 1 1 5 12.5% 25.0%
報知GPC3着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
報知GPC4着以下 0 1 0 12 0.0% 7.7%

「報知グランプリカップ(S3)」は同年2月に船橋1,800mで行われる重賞(※1)。
過去10年の「報知グランプリカップ」出走組からは優勝馬3頭、2着馬8頭、3着馬3頭が大井記念に出走している。

上記の該当馬で大井記念を勝っているのは、2014年サミットストーン(2着※2)、2016年ケイアイレオーネ(3着※2)、2018年リッカルド(1着※2)。
この3頭の共通点は「報知グランプリカップ好走」⇒「ブリリアントカップ優勝」⇒「大井記念優勝」だ。

※1.2024年から1月に実施
※2.()内は同年の「報知グランプリカップ」での成績

例年のローテーションとして「金盃」「報知グランプリカップ」のデータを紹介したが、2024年の体系整備に伴い傾向は変わる可能性がある。
上記2レースのほか、「報知オールスターカップ(S3)」「川崎記念(Jpn1)」も開催時期が変更となったのでステップレースとして要注目だろう。

2024年報知グランプリカップの結果

今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は5月22日(水)に浦和競馬場で行われる「プラチナカップ(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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