~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2024年5月2日(木) 
サラ系3歳 船橋1,700m
東京湾カップ(S2)

レース紹介

東京ダービーTR「東京湾カップ(S2)」!
船橋ゴールデンウイーク開催を彩る東京ダービートライアル!
1着馬には3歳ダート三冠第2戦「東京ダービー(Jpn1)」の優先出走権が付与される。

▼データ分析のポイント
・船橋所属騎手が苦戦
・トライアル連対馬は連下に
・クラウンカップ組がなんと8勝

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年 ライズゾーン 川崎 ビーチパトロール 9人気
2022年 タツノエクスプレス 川崎 アジアエクスプレス 3人気
2021年 ギガキング 船橋 キングヘイロー 1人気
2020年 マンガン 川崎 アイルハヴアナザー 3人気
2019年 サクセッサー 船橋 アドマイヤオーラ 2人気
2018年 クレイジーアクセル 大井 ロージズインメイ 2人気
2017年 ソッサスブレイ 船橋 コンデュイット 5人気
2016年 ディーズプリモ 川崎 シニスターミニスター 6人気
2015年 ドライヴシャフト 大井 トワイニング 5人気
2014年 サーモピレー 船橋 クロフネ 1人気

東京ダービーの貴重な出走権を巡る争い。
過去10年の優勝馬から東京ダービー馬は出ていないものの、その後も重賞戦線で活躍する馬は多い。

代表的な馬では2020年の優勝馬マンガン、2021年の優勝馬ギガキング。
マンガンは東京ダービーで2着に好走したほか、翌年の「金盃(S2)」を制覇、
ギガキングは同年秋の「ダービーグランプリ(盛岡)」を含めて重賞5勝の活躍だ(4/23時点)。

ちなみに、1987年に行われた「第1回東京湾カップ」の優勝馬はイナリワン。
JRAでは1989年の「天皇賞(春)(G1)」「宝塚記念(G1)」「有馬記念(G1)」を制し、年度代表馬に輝いているが、
南関東所属時には、デビュー8連勝で東京湾カップのタイトルを手にしている。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

どの騎手にもチャンスあり

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年 今野 忠成 藤本 現暉 本橋 孝太
2022年 和田 譲治 左海 誠二 矢野 貴之
2021年 和田 譲治 御神本 訓史 今野 忠成
2020年 山崎 誠士 山口 達弥 森 泰斗
2019年 石崎 駿 笹川 翼 真島 大輔
2018年 御神本 訓史 矢野 貴之 真島 大輔
2017年 柏木 健宏 石崎 駿 今野 忠成
2016年 山崎 誠士 的場 文男 左海 誠二
2015年 的場 文男 矢野 貴之 左海 誠二
2014年 吉原 寛人 的場 文男 左海 誠二

直近で活躍が目立つのは2021年&2022年を連覇した「和田譲治騎手」。
南関東4競馬場の重賞では船橋が最も相性が良く、4/23時点で重賞全20勝中、7勝が船橋コースでの重賞だ。
(大井3勝・浦和4勝・川崎2勝・その他4勝)

また、特徴的なのはリーディング上位騎手の好走例が少ないということ。
もちろん、「笹川翼騎手」「森泰斗騎手」「矢野貴之騎手」の上位3傑は3着内実績はあるが、東京湾カップの勝利歴は1度もない。

もう一つ特徴として挙がるのは地元ジョッキーが劣勢ということだろう。
過去10年で船橋所属騎手が勝利したケースは2019年の「石崎駿騎手」のみで、その他に2着3回、3着5回があるだけとなる。

どの騎手でもタイトルを狙える傾向にある重賞だけに、地元ジョッキーズの活躍にも期待したい。

川崎所属馬に押され気味?

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 0 1 17 0.0% 0.0%
船橋 4 9 4 52 5.8% 18.8%
大井 2 0 4 14 10.0% 10.0%
川崎 4 1 1 17 17.4% 21.7%

「船橋所属馬」が4勝、2着9回、3着4回。
近年は「川崎所属馬」の活躍が目立つものの、地元のタイトルだけに負けられないところだ。

その「川崎所属馬」はトップタイの4勝を挙げているが、直近4年で3勝の固め打ちをしている。
いずれも川崎の重賞「クラウンカップ(S3)」からの転戦となるので、臨戦過程は要チェックとなりそう。

混戦模様

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 2 2 0 6 20.0% 40.0%
2人気 2 3 2 3 20.0% 50.0%
3人気 2 2 0 6 20.0% 40.0%
4人気 0 1 0 9 0.0% 10.0%
5人気 2 1 2 5 20.0% 30.0%
6人気以下 2 1 6 71 2.5% 3.8%

勝率は20.0%が並ぶ。
連対率も上位人気馬で大きな差はないので、“人気に比例した信頼度”という傾向ではない。

一方で人気馬総崩れというケースは2023年の1回しかないため、軸馬の選定が非常に難しいとも言えそう。

東京湾カップは三冠初戦「羽田盃(Jpn1)」の前後に行われる3歳重賞。
また、東京ダービーを狙う“上がり馬”や“出世が遅れた素質馬”が出走してくることもあり、結果として大混戦となることが多いのだろう。

高配当も期待できそう

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年 2,710 39,630 1,632,820
2022年 1,120 770 25,720
2021年 290 580 5,970
2020年 450 650 4,900
2019年 480 2,030 75,750
2018年 900 5,470 240,770
2017年 1,550 4,280 494,550
2016年 1,750 1,630 33,540
2015年 800 2,120 179,380
2014年 200 520 2,870
平均 1,025 5,768 269,627

過去10年で「三連単」が4桁配当だった年は3回。
一方、10万円オーバーの配当は4回、うち1回は160万馬券のビッグ配当だ。

「人気別成績」の通り、混戦が多いレース傾向となっているので、
当サイトにコラム連載中の浅野靖典さんが提唱している「流すな、ボックス」で良いのかもしれない。

全ての枠番が連対!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 1 2 7 0.0% 10.0%
2枠 2 1 0 7 20.0% 30.0%
3枠 1 2 1 11 6.7% 20.0%
4枠 1 1 1 15 5.6% 11.1%
5枠 0 1 1 17 0.0% 5.3%
6枠 1 2 1 15 5.3% 15.8%
7枠 1 0 3 15 5.3% 5.3%
8枠 4 2 1 13 20.0% 30.0%

東京湾カップが行われる「船橋1,700m」は、4コーナー出口、直線入り口からスタートするコース。
また、船橋は南関東4競馬場で唯一「スパイラルカーブ」を採用している。
「コーナー入口は緩やかに、出口はきつく」設計されており、4コーナー出口で馬群がばらけやすい。
差し馬は緩やかな3コーナーから加速でき、直線でも馬群を捌きやすくなる為、各馬が力を発揮しやすいコース設定となっている。

過去10年で目立つのは「8枠」の4勝、2着2回、3着1回。
2023年は8枠14番ライズゾーン(9人気)が1着、8枠13番コロンバージュ(11番人気)が3着だったように、外枠でも力を十分に発揮できる。

こちらは直近1年の「船橋1,700m」の人気&枠番別の成績。
レース施行数が少ないので多少のバラつきはあるものの、全体的にみると内~外まで大きな差は出ていない。

東京湾カップでも「全ての枠」に連対実績、「1枠・5枠以外」は勝利実績があるように枠順による有利不利は少ないと言えそうだ。

牝馬は狙い目!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 8 10 10 95 6.5% 14.6%
牝馬 2 0 0 5 28.6% 28.6%
セン馬 0 0 0 0 - -

「牝馬」が2勝を挙げている。
2016年ディーズプリモ、2018年クレイジーアクセル、2頭の共通点はスピードを生かした「逃げ切りV」ということだ。

ちなみに、ディーズプリモの母はプリモタイム。
2013年「桜花賞(S1)」覇者イチリュウ 、2016年「関東オークス(Jpn2)」覇者タイニーダンサーの姉にあたり、
プリモタイムの3つ下の弟ブンブイチドウは、2010年の東京湾カップ2着なので、姪が6年越しのリベンジを果たしたことになる。

今年はアクアマリンカップ

【アクアマリンカップの着順別の成績】

アクアマリンカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
アクアマリンカップ1着 0 3 1 6 0.0% 30.0%
アクアマリンカップ2着 0 4 1 4 0.0% 44.4%
アクアマリンカップ3着 0 0 2 3 0.0% 0.0%
アクアマリンカップ4着以下 1 0 0 16 5.9% 5.9%

東京湾カップトライアルとして実施される船橋1,700m戦。

以前は「ブルーバードカップ」がその役割を担っていたが、同レースは2024年から3歳ダート三冠の主要レースに。
これに伴い、「アクアマリンカップ」がトライアルへと昇格した形だ。

本項目のデータはブルーバードカップ(2014年~2022年)及びダイヤモンドカップ(2023年)の成績を採用。
以下は上記2つのレース名を「アクアマリンカップ」と置き換えて記載する。

「アクアマリンカップ」出走組の成績は過去10年で1勝、2着7回、3着4回。
唯一の勝利は「アクアマリンカップ」5着からだったが、2着7回、3着4回は全て「アクアマリンカップ」1着~3着馬となっている。

本番と同じ舞台で行われるトライアルだけに親和性は非常に高いと言えそうだ。

2024年アクアマリンカップの結果

京浜盃での悔しさを東京湾カップで晴らせ!

【京浜盃の着順別の成績】

京浜盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
京浜盃1着 0 0 0 0 - -
京浜盃2着 0 0 0 0 - -
京浜盃3着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
京浜盃4着以下 1 1 3 19 4.2% 8.3%

羽田盃トライアルの「京浜盃(Jpn2)」。
2023年までは南関東クラシックを狙う有力馬が参戦していたが、3歳ダート三冠が整備されて以降も傾向は変わらないだろう。

「京浜盃」の1~3着馬(※)は羽田盃に優先出走できたため、羽田盃と施行時期が近い東京湾カップに参戦する馬は少ない。
となると、注目は「京浜盃」で4着以下に敗れた馬たちだ。
※2024年は「京浜盃」の地方所属馬上位2頭に優先出走権付与

「京浜盃4着以下」からはのべ24頭が参戦して1勝、2着1回、3着3回。
東京湾カップで3着内に好走した5頭は全て「京浜盃」の「5~9着馬」だった。

2024年の東京湾カップは1着馬に東京ダービーの優先出走権が付与される。
「京浜盃での悔しさをバネに東京湾カップで結果を出し、東京ダービーへと向かう」と、言ったところだろう。

2024年京浜盃の結果

必勝ローテはここ!

【クラウンカップの着順別の成績】

クラウンカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
クラウンカップ1着 0 1 0 2 0.0% 33.3%
クラウンカップ2着 4 0 1 3 50.0% 50.0%
クラウンカップ3着 1 1 0 3 20.0% 40.0%
クラウンカップ4着以下 3 1 2 25 9.7% 12.9%

例年、東京湾カップの約1か月前に行われる「クラウンカップ(S3)」。
東京ダービーを目指すローテーションとして、「クラウンカップ」⇒「東京湾カップ」⇒「東京ダービー」と歩む馬も多い。
2020年の東京ダービー1着エメリミット、同2着マンガンもこのローテーションだ。

過去10年で8頭の東京湾カップ覇者を輩出している「クラウンカップ」出走組。
とりわけ好成績は「クラウンカップ」1~3着馬で、のべ16頭が東京湾カップに出走して5勝、2着2回、3着1回の成績を残している。

なお、直近2年はクラウンカップ4着馬及び6着馬が東京湾カップを勝利した。

2024年クラウンカップの結果


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は5月15日(水)に大井競馬場で行われる「大井記念(S1)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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