2024年9月4日(水)　
サラ系3歳　川崎2,100m戸塚記念(S1)

初秋の3歳重賞「戸塚記念(S1)」
春のクラシック出走組と黒潮盃組、さらには夏の上がり馬が激突。
2023年までは「秋の3歳チャンピオン決定戦」の様相だったが、今年は3歳ダート三冠を占うレースとなった。

▼データ分析のポイント
・川崎リーディングに注目
・浦和所属馬が直近4年で3勝
・黒潮盃優勝馬は信頼度？

【過去10年の優勝馬】

2017年以前(S2重賞)は「別定戦」として実施されていたが、S1昇格とともに「定量戦」へと変更。
実績馬が出走しやすくなったこともあり、レースレベルは格段に向上していると言えるだろう。

2018年以降で実績馬が勝利したケースといえば東京ダービー馬ヒカリオーソと牝馬二冠スピーディキック。
さらに、ティーズダンク、セイカメテオポリスなど、今では南関東を代表するまでに成長した馬が制してきている。

ちなみに、2023年の優勝馬はヒーローコール。
そこからちょうど1年前には準重賞として実施されていた「若武者賞(現S3)」を勝利している。
(7月～9月期は通算6戦5勝と好相性 ※8月20日時点)

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

2日連続重賞タイトル奪取の可能性も！？

【騎手の傾向(敬称略)】

川崎所属の「山崎誠士騎手」が過去10年で3勝の活躍。
同一開催で行われる「若武者賞」でも好相性なので、2日連続の重賞制覇が期待されるところだ。

また、「森泰斗騎手」も戸塚記念は2023年の勝利を含めて2勝、2着2回と好成績。
8月9日の川崎開催終了時点での川崎リーディング1位「森泰斗騎手」、2位「山崎誠士騎手」には注目となりそう。

ちなみに、2023年の「戸塚記念」と「若武者賞」を見てみると両名とも相性が良いのが分かる。

2024年川崎リーディングはこちら

浦和所属馬が好調

【所属競馬場別の成績】

「浦和所属馬」が直近4年で3勝、2着2回と上昇中。
2020年ティーズダンク、2022年スピーディキック、2023年ヒーローコールと南関東でも屈指の実力馬が制している。

一方、地元の「川崎所属馬」は1勝、2着1回、3着1回と苦戦中。
直近では2018年2着トキノパイレーツ、2019年1着ヒカリオーソが好走例となっている。

人気薄の好走も少なくない

【人気別成績】

1番人気で勝利した3頭は2019年ヒカリオーソ、2022年スピーディキック、2023年ヒーローコール。
春のクラシック戦線で大活躍してきた馬が貫禄を示したことになる。

ただし、過去10年の「1番人気馬」は3勝、2着2回、連対率及び3着内率50.0%となれば絶対的な信頼度はなさそうだ。

一方、注目したいのは「6番人気以下」の2勝、2着2回、3着5回だろう。
夏の疲れ、秋初戦、トリッキーな川崎コース…様々な要因も重なり一筋縄ではいかないレースとなっている。

高配当が期待できそう

【配当傾向】

2018年から「S1重賞」に昇格し、定量戦として行われている。
これに伴い実績馬も出走しやすく、2018年～2020年及び2023年は重賞ウイナーが勝利し、配当的にも落ち着いたものであった。

しかしながら、2021年、2022年は高配当に。
1番人気馬、または2番人気馬が3着内に好走しているものの、「馬複」「三連単」は高配当になっている。

実績馬を取るか？それとも自己条件を勝ってきた上がり馬を狙うか？
昨年は1着：実績馬、2着：実績馬で「三連単3,700円」の配当だった。

内～外まで満遍なく

【枠番別の成績】

川崎2,100mは「川崎記念(Jpn1)」や「関東オークス(Jpn2)」が行われるコース。
スタミナはもちろんのこと、コーナーを6回通過する器用さ、川崎競馬場でのコース経験などが求められる。

コーナー6回、外々を回らされるとロスが大きく、各馬のコース取りには注目となるが、「枠番別の成績」としては内/外で大きな差は出ていない。
「6枠」「8枠」に勝利がないので少し割引となりそうだが、連対率は互角とみて良いだろう。

強い牝馬が台頭！

【牡馬牝馬別の成績】

「牡馬8勝」に対して「牝馬2勝」と「牝馬」の成績は悪くない。

「3歳牝馬」にとって、秋の目標の1つは11月に行われる「ロジータ記念(S1)」。
ロジータ記念は「川崎2,100m」で行われることもあり、同舞台の戸塚記念には有力牝馬が参戦する傾向にある。
“夏は牝馬”という格言もある通り、暑い時期に行われる3歳重賞では見逃せない存在だ！

芙蓉賞はハイレベル！？

【芙蓉賞の着順別の成績(過去9回)】

※2014年は未実施のため、過去9回分の成績

川崎2,000mで行われる戸塚記念TR「芙蓉賞」。
2017年までは出走条件が「B3以下」だったが、2018年からは「A1以下」の馬にも門戸が開かれている。

「芙蓉賞」優勝馬は過去9年で8頭が参戦。
結果1勝とあまり戸塚記念に直結していないトライアルだが、「A1以下」に出走条件が変わってレースレベルは確実に上昇。
2018年はトキノパイレーツが2着、さらに2020年はウタマロが3着に好走している。

残念ながら2021年～2023年は好走馬を送り出せていないが、是非とも注目したいトライアルだ。

2024年芙蓉賞の結果

黒潮盃からの巻き返し！

【黒潮盃の着順別の成績】

戸塚記念の約1か月前に大井競馬場で行われる3歳重賞「黒潮盃(S3)」。
条件が「大井1,800m」⇒「川崎2,100m」に替わるが、その関連性はどうだろう。

過去10年の「黒潮盃」優勝馬は6頭が戸塚記念に出走して1勝、3着1回、4着以下4回。
いずれも戸塚記念では「2番人気以内」に支持されていたので、やや物足りない成績かもしれない。
なお、唯一の優勝馬は2023年ヒーローコールとなるが、これは2013年以来、実に10年ぶりの出来事だった。

逆に「黒潮盃」で敗れた馬たち、特に「黒潮盃」4着以下から巻き返す馬は少なくない。
大井 ⇒ 川崎の条件替わりで一変する馬を見つけるのも馬券検討の一つと言ってよさそうだ。

2024年黒潮盃の結果

関東オークス上位馬には大注目！

【関東オークスの着順別の成績】

南関東牝馬クラシック第3戦「関東オークス(Jpn2)」。
戸塚記念と同舞台で行われるだけに、当然ながら注目のレースとなる。

関東オークスはJRA勢とのレースとなるだけに「上位争い ＝ 実力馬」がそのまま当てはまる。
過去10年で「関東オークス」1～3着馬は戸塚記念に4頭参戦して1勝、3着1回。

2022年のスピーディキックは良い例だろう。

2024年関東オークスの結果

上がり馬vs重賞組

【戸塚記念1～3着馬の前走成績】

黒潮盃の「南関データ分析」と同様に、過去10年の「1～3着馬」の「前走成績」を調べてみた。

「前走1着」からは3頭の優勝馬が出ており、うち2頭は重賞以外のレースを勝ち上がってきている。
また「前走4着以下」からは4頭の優勝馬が出ているが、こちらは4頭中3頭が重賞を走ってきた馬だ。

なお、「前走が重賞以外」で3着内に好走した馬はのべ10頭いるが、うち7頭は前走を勝利していた上がり馬。
図式的には「前走勝利の上がり馬」 vs「重賞組」となるだろう。

川崎巧者は見逃せない！

【川崎コースの経験有無別の成績】

1周1,200mと小回りなコースは経験がものをいう！？
過去10年の優勝馬のうち、実に7頭が川崎コースの経験があり、2着＆3着も「経験あり」が大勢を占めている。

さらに細かく見てみると、「経験あり」のうち、「川崎コース無敗馬」の成績は以下のとおり。

「経験あり」で戸塚記念を勝利した7頭中、2頭が「川崎コース無敗」を誇る“川崎巧者”。
あまりデータ的には強調できないが、「コース経験あり」よりも「コース無敗馬」の方が好走率は高くなっている。

今回の「南関データ分析」はここまで！
川崎競馬場は2日連続重賞！次回は戸塚記念の翌日、9月5日(木)に行われる「若武者賞(S3)」です！

南関データ分析とは

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