~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年10月8日(水) 
サラ系3歳牡馬・牝馬 大井2,000m
ジャパンダートクラシック(Jpn1)

レース紹介

3歳ダート三冠最終章「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」
春の「羽田盃(Jpn1)」、「東京ダービー(Jpn1)」、そして秋の「ジャパンダートクラシック」。
3歳ダートの頂点を巡り、春の実績馬と夏以降に力をつけてきた上がり馬が雌雄を決する。

なお、本分析は2023年までの「ジャパンダートダービー」のデータも採用している。

▼データ分析のポイント
・武豊騎手が4年連続3着内
・JRA vs 船橋&大井
・東京ダービー組 or 秋のトライアル組

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 フォーエバーヤング JRA リアルスティール 1人気
2023年 ミックファイア 大井 シニスターミニスター 1人気
2022年 ノットゥルノ JRA ハーツクライ 4人気
2021年 キャッスルトップ 船橋 バンブーエール 12人気
2020年 ダノンファラオ JRA American Pharoah 6人気
2019年 クリソベリル JRA ゴールドアリュール 1人気
2018年 ルヴァンスレーヴ JRA シンボリクリスエス 1人気
2017年 ヒガシウィルウィン 船橋 サウスヴィグラス 5人気
2016年 キョウエイギア JRA ディープスカイ 4人気
2015年 ノンコノユメ JRA トワイニング 2人気

2023年までは南関東のクラシックホースがJRAを含めた全国の実力馬を迎え撃つ図式。
そのフィナーレを飾ったのは、最後の南関東三冠馬(※)に輝いたミックファイアだ。

※「羽田盃(旧S1)」「東京ダービー(旧S1)」「ジャパンダートダービー(Jpn1)」

そして、2024年からは全国統一の3歳ダート三冠がスタート。
実施初年度はJRA所属馬が三冠全てに勝利、2025年も春シーズンの「羽田盃」&「東京ダービー」をJRA所属馬が勝利している。

過去10年の対戦成績は「南関東:3勝」に対し、「JRA:7勝」とJRAが優勢。
それでも、大井2,000mを舞台とした「帝王賞(Jpn1)」「東京大賞典(G1)」と比較すると南関東所属馬の活躍は目立っているのも事実だ。

【2025年の3歳ダート三冠】
▼4月29日 大井1,800m 「羽田盃」:ナチュラルライズ(JRA)
▼6月11日 大井2,000m 「東京ダービー」:ナチュラルライズ(JRA)
▼10月8日 大井2,000m 「ジャパンダートクラシック」:???

ちなみに、「ジャパンダートクラシック」は「ジャパンダートダービー」から引き継がれており、2025年は“第27回”として実施される。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

ダービー男にご注目

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 坂井 瑠星 戸崎 圭太 武 豊
2023年 御神本 訓史 藤岡 佑介 武 豊
2022年 武 豊 菅原 明良 池添 謙一
2021年 仲野 光馬 中井 裕二 武 豊
2020年 坂井 瑠星 池添 謙一 田邊 裕信
2019年 川田 将雅 戸崎 圭太 御神本 訓史
2018年 M.デムーロ 川田 将雅 C.ルメール
2017年 本田 正重 川田 将雅 川島 信二
2016年 戸崎 圭太 武 豊 川田 将雅
2015年 C.ルメール 岩田 康誠 今野 忠成

ビッグレースにはこの人!
JRA所属の「武豊騎手」が過去10年で1勝、2着1回、3着3回の成績を残しており、目下のところ4年連続で3着内に好走している。

「武豊騎手」は旧ジャパンダートダービーで最も勝ち星を挙げているジョッキー。
コンビを組んで勝利した馬はゴールドアリュール、ビッグウルフ、カネヒキリ、ノットゥルノの4頭だ。

また、3歳ダート三冠初年度の2024年は1着から「坂井瑠星騎手」⇒「戸崎圭太騎手」⇒「武豊騎手」の順。
「坂井瑠星騎手」の父は大井所属の坂井英光調教師、「戸崎圭太騎手」は元大井リーディングと“大井”にルーツのある2名が連対している。

レース名こそ「ジャパンダートクラシック」に変わったが、大井を代表するビッグレースに変わりはない。
3歳ダート三冠最後のタイトルは地元の南関東勢にとっても、遠征してくるジョッキーにとっても魅力的なタイトルだろう。

JRA vs 船橋&大井

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 0 1 3 0.0% 0.0%
船橋 2 0 1 14 11.8% 11.8%
大井 1 0 0 23 4.2% 4.2%
川崎 0 0 0 2 0.0% 0.0%
JRA 7 10 8 43 10.3% 25.0%
南関以外 0 0 0 18 0.0% 0.0%

「JRA所属馬」が7勝、2着10回、3着8回。
2023年までは南関東クラシックの最終戦だったが、南関東所属馬にとっては最後の一冠が非常に高い壁となっていた。

「地方所属馬」の優勝は「船橋所属」のキャッスルトップとヒガシウィルウィン、「大井所属」のミックファイア。
過去26回の歴史を紐解くと「地方所属馬」は全7勝を挙げているが、その内訳は「船橋所属」が5勝、「大井所属」が2勝となっている。

2024年は「JRA所属馬」が上位3着内を独占。
過去の傾向としては「JRA」vs「船橋&大井」だが、3歳ダート三冠2年目を迎える今年は…!?

人気の盲点を探せ

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 1 2 3 40.0% 50.0%
2人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
3人気 0 3 3 4 0.0% 30.0%
4人気 2 4 1 3 20.0% 60.0%
5人気 1 0 1 8 10.0% 10.0%
6人気以下 2 1 2 78 2.4% 3.6%

「1番人気馬」が4勝、2着1回、3着2回の安定感。
2023年は三冠が掛かったミックファイア、2024年は人気を一身に集めたフォーエバーヤングが貫禄を見せている。

その他、目立つところでは「4番人気馬」の2勝、2着4回、3着1回。
いずれも「JRA所属馬」が該当することになるが、計7頭中、4頭が前走敗戦、2頭が非重賞の優勝馬となっている。

人気を集めることになる重賞ウイナーの陰に隠れた実力馬を探し出したいところだ。

高配当も期待できる

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 170 600 3,150
2023年 200 3,660 15,410
2022年 560 1,030 8,090
2021年 12,950 38,200 554,300
2020年 4,060 17,820 770,730
2019年 120 470 2,760
2018年 220 1,000 6,060
2017年 1,020 3,080 28,450
2016年 1,420 2,420 22,780
2015年 280 210 4,980
平均 2,100 6,849 141,671

前項「人気別成績」の通り、1番人気馬と4番人気馬が安定。
上表では未記載だが、両人気馬のワイドは過去10年で5回、合計配当は1,540円なので、毎年ワイドを購入していてもプラスとなる。

2024年こそ上位人気馬での決着で配当は落ち着いていたが、全体的には高配当寄りと言って良い。

2021年は船橋所属のキャッスルトップが会心の逃げ切りで「単勝12,950円」の高配当を演出。
2020年はJRA3頭の決着ながら「三連単770,730円」が飛び出すなど、ビッグ配当があるのもジャパンダートダービーの特徴だろう。

外側の枠が有利な傾向

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 2 0 0 8 20.0% 20.0%
2枠 0 0 0 11 0.0% 0.0%
3枠 1 0 3 10 7.1% 7.1%
4枠 0 1 1 17 0.0% 5.3%
5枠 1 3 2 13 5.3% 21.1%
6枠 3 1 1 15 15.0% 20.0%
7枠 1 0 2 17 5.0% 5.0%
8枠 2 5 1 12 10.0% 35.0%

内側の「1~4枠」を合計すると3勝、2着1回、3着4回。
対して「5~8枠」は7勝、2着9回、3着6回となっており、データ上では明らかに「外枠有利」という傾向だ。

大井2,000mはフルゲート16頭立て。
過去10年の平均出走頭数は「13.3頭」とフルゲート割れする傾向にあり、大外枠でも存分に実力を発揮できているのかもしれない。

なお、過去10年で最も頭数が揃った年は2024年の「15頭立て」。
その中で「1枠1番」から勝利を手にしたフォーエバーヤングはまさに規格外なのだろう。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 10 9 98 7.9% 15.7%
牝馬 0 0 1 4 0.0% 0.0%
セン馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%

過去10年で「牝馬」の参戦は5頭。
唯一、3着に好走したのは「関東オークス(Jpn2)」を勝利した3歳女王ウェルドーンとなっている。

3歳ダート三冠初戦

【羽田盃の着順別の成績】

羽田盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
羽田盃1着 1 0 1 2 25.0% 25.0%
羽田盃2着 1 0 0 3 25.0% 25.0%
羽田盃3着 0 0 1 1 0.0% 0.0%
羽田盃4着以下 0 0 0 15 0.0% 0.0%

3歳ダート三冠初戦「羽田盃」。
2023年までは南関東クラシックの初戦として実施されていたが、条件的には「大井1,800m」に変更はない。

南関東クラシック当時はのべ25頭が参戦して2勝。
すなわち、南関東所属馬としてJRA所属馬に勝利したのが2頭ということになる。

そして、3歳ダート三冠が創設された2024年は…なんと地方、JRAからの参戦馬は「0頭」。
春の勢力図がガラッと変わってしまったわけだが、それだけダートの三冠ロードはタフな道のりと言うことだろう。

次項では「東京ダービー」の成績を見てみよう。

2025年羽田盃の結果

春の東京ダービー組は強い!

【東京ダービーの着順別の成績】

東京ダービー着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京ダービー1着 2 0 1 5 25.0% 25.0%
東京ダービー2着 0 0 1 5 0.0% 0.0%
東京ダービー3着 0 0 0 5 0.0% 0.0%
東京ダービー4着以下 0 0 0 16 0.0% 0.0%

3歳ダート三冠第2戦「東京ダービー」。
南関東、そして全国のダート馬にとっては晴れの舞台“ダービー”である。

こちらも南関東クラシック当時のデータを先に出すと、東京ダービー馬は7頭が参戦して2勝。
2023年のミックファイアは三冠を達成したが、もう1頭の東京ダービー馬ヒガシウィルウィンは羽田盃で2着だったので準三冠馬となる。

さて、2024年の「東京ダービー組」からは5頭が参戦。
初戦の「羽田盃」とは趣が異なるものの、「東京ダービー」の1・2・4着馬が出走していずれも4着以下に敗れている。

2024年のジャパンダートクラシックの好走馬は「羽田盃組」でも「東京ダービー組」でもない。
別路線組に注目してみよう。

2025年東京ダービーの結果

秋初戦に選ぶ馬も多い

【不来方賞の着順別の成績(2024年以降)】

不来方賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
不来方賞1着 0 0 1 0 0.0% 0.0%
不来方賞2着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
不来方賞3着 0 0 0 0 - -
不来方賞4着以下 0 0 0 2 0.0% 0.0%

盛岡2,000mで争われる「不来方賞(こずかたしょう・Jpn2)」。
2024年の3歳ダート三冠創設に合わせて盛岡の地区重賞からダートグレード競走に昇格した形だ。

データとしては1年分とはなるが、「不来方賞組」からは1・2・4・5着馬が参戦。
好走実績は「不来方賞」の1着馬がジャパンダートクラシックでも3着に好走したのみで、それ以外の馬は着外に敗れている。

まだまだ始まったばかりのトライアルで結果も伴っていないが、2024年は転戦馬の多いレースだったので今後も重要なステップレースになるだろう。

2025年不来方賞の結果

JRAでのトライアル

【レパードSの着順別の成績(2024年以降)】

レパードS着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
レパードS1着 0 1 0 0 0.0% 100.0%
レパードS2着 0 0 0 0 - -
レパードS3着 0 0 0 0 - -
レパードS4着以下 0 0 0 0 - -

JRA新潟1,800mで争われるトライアル。

2024年は「レパードS」を勝利したミッキーファイトがジャパンダートクラシックでも2着。
JRA所属馬のトライアルは「レパードS」or「不来方賞」となるが、
JRAの競馬場で行われる「レパードS」の勝ち馬は“JRAの上がり馬”と言って良いだろう。
そのレースを勝ち上がってきた同馬はその後、
ダートグレード競走を3勝、2025年の「帝王賞(Jpn1)」も制したように実力は折り紙付きだったのだが…

新潟1,800mと大井2,000mでは大きく条件は異なるが、JRAの重賞を勝ち抜いてきた力は素直に評価したいところだ。

南関東でのトライアル

【黒潮盃の着順別の成績(2024年以降)】

黒潮盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
黒潮盃1着 0 0 0 0 - -
黒潮盃2着 0 0 0 0 - -
黒潮盃3着 0 0 0 0 - -
黒潮盃4着以下 0 0 0 1 0.0% 0.0%

大井1,800mで争われる南関東所属馬によるトライアル戦。

2024年に関しては勝ち馬ダテノショウグンがアクシデントでジャパンダートクラシックを回避。
よって「黒潮盃組」からは6着馬のみが参戦して結果は12着だった。

南関東の夏の上がり馬はダートグレード競走でも通用するのか?
今後の結果に注目していきたい。

2025年黒潮盃の結果

秋の南関東3歳チャンピオン

【戸塚記念の着順別の成績(2024年以降)】

戸塚記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
戸塚記念1着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
戸塚記念2着 0 0 0 0 - -
戸塚記念3着 0 0 0 0 - -
戸塚記念4着以下 0 0 0 0 - -

川崎2,100mで争われる3歳重賞。
南関東重賞としては最高格付けの「S1」となるため、“秋の南関東3歳チャンピオン決定戦”の意味合いを持つ。
※ジャパンダートクラシックのトライアルには指定されていない

以前は「黒潮盃」⇒「戸塚記念」と歩む馬も多かったが、2024年からはさらにもう一戦、「ジャパンダートクラシック」が大目標となった。
その2024年はサントノーレが怪我明け初戦の「戸塚記念」を快勝したものの、ジャパンダートクラシックでは7着。
結果こそ伴わなかったが、「戸塚記念」⇒「ジャパンダートクラシック」というローテーションは今後のトレンドとなるかもしれない。

2025年戸塚記念の結果

【ユニコーンSの着順別の成績】

ユニコーンS着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ユニコーンS1着 2 1 1 4 25.0% 37.5%
ユニコーンS2着 0 0 1 3 0.0% 0.0%
ユニコーンS3着 0 2 0 0 0.0% 100.0%
ユニコーンS4着以下 0 0 1 9 0.0% 0.0%

春にJRA京都1,900mで争われるダートグレード競走。
2023年まではJRA東京1,600mが舞台でジャパンダートダービーの前哨戦だったが、2024年からは東京ダービーの前哨戦となっている。

2024年は上位3頭が揃ってジャパンダートクラシックに出走。
結果は1着馬から順に「4着」「13着」「2着」だが、春のクラシックを狙う馬たちが参戦しているので当然ながらレベルは高いと言えそうだ。

マイル路線 vs 中距離路線

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,600m未満 0 0 0 6 0.0% 0.0%
1,600m 3 2 3 17 12.0% 20.0%
1,601m~1,800m未満 0 0 0 1 0.0% 0.0%
1,800m以上 7 8 7 79 6.9% 14.9%

最後に「前走の距離別の成績」をまとめてみよう。

最も成績が良いのは「前走1,800m以上」で7勝、2着8回、3着7回。
対するは「前走1,600m」の3勝、2着2回、3着3回となるが、こちらは出走頭数が少ないので好走率は高い傾向にある。

なお、2024年は出走15頭中、13頭が「1,800m以上」から参戦して上位3着内も独占。
南関東クラシック当時とは異なり、3歳ダート三冠の体系図がある程度確立され、各馬のローテーションも定まりやすくなったのかもしれない。

3歳ダート三冠はいよいよ最終ラウンド。
ジャパンダートダービー当時とは傾向も合致しないだろうが、歴史を重ねてより重みのあるレースになっていくことだろう。

今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は10月15日(水)に川崎競馬場で行われる「鎌倉記念(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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