

2歳スプリント重賞「ジェムストーン賞(S3)」
2020年に準重賞として始まったジェムストーン賞。
2024年には重賞に昇格し、2歳スプリント路線の目標レースに生まれ変わった。
※本データ分析は2020年以降の準重賞及び重賞のデータを採用
▼データ分析のポイント
・笹川騎手と矢野騎手に注目
・牝馬も好勝負可能
・大井1,200mのスペシャリストを探せ
| 年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年 | プリムスパールス | 船橋 | ベストウォーリア | 5人気 |
| 2023年 | フクノフードゥル | 大井 | サンダースノー | 3人気 |
| 2022年 | ハーンドルフ | 大井 | ヘニーヒューズ | 2人気 |
| 2021年 | フォラステロ | 大井 | ヘニーヒューズ | 3人気 |
| 2020年 | ギシギシ | 大井 | アルデバラン2 | 4人気 |
実施当初は年内のTCKトゥインクルレース最終日を飾っていたメイン競走。
初年度の優勝馬ギシギシはその後、スプリント重賞を2勝し、この路線の代表馬にまで出世している。
さらに、本競走のレベルの高さは、2021年の2着馬ミゲル、3着馬エスポワールガイが重賞ウイナーに上り詰めて証明済みだ。
重賞に昇格した2024年は出走頭数が14頭に増え、従来までの平均出走頭数8頭から飛躍的に向上。
勝ち馬プリムスパールスは「ネクストスター東日本(S3)」4着、2着フレンドローマは3歳ダート三冠皆勤、
3着ミラクルメイキングは明けて3歳、無傷の3連勝を飾るなど、準重賞当時以上にジェムストーン賞が果たす役割は大きくなっている。
2025年は重賞昇格2年目。
3歳スプリント路線も充実が図られる昨今、2歳スプリント王の座を獲得して大きく羽ばたいていきたい。
過去の成績はこちら
リーディング上位2名の争い
| 年 | 1着 | 2着 | 3着 |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 澤田 龍哉 | 矢野 貴之 | 御神本 訓史 |
| 2023年 | 笹川 翼 | 矢野 貴之 | 新原 周馬 |
| 2022年 | 本田 正重 | 矢野 貴之 | 御神本 訓史 |
| 2021年 | 笹川 翼 | 西 啓太 | 森 泰斗 |
| 2020年 | 桑村 真明 | 笹川 翼 | 繁田 健一 |
南関東リーディングの上位二傑「笹川翼騎手」「矢野貴之騎手」が好相性。
「笹川翼騎手」は過去5年で2勝、2着1回。
勝利した2回は大井の小林分厩舎(千葉県印西市)に所属する「荒山勝徳厩舎」「福田真広厩舎」で挙げている。
なお、2025年の「笹川翼騎手×荒山勝徳厩舎」はファーンヒルでの「JBCスプリント(Jpn1)」を含め重賞4勝、
「笹川翼騎手×福田真広厩舎」はマウンテンローレルで「黒潮盃(S3)」を勝利している(11/12時点)。
対する「矢野貴之騎手」は2022年から3年連続で2着に好走中。
大井限定のリーディングでは2年連続8回目の1位をおおよそ手中に収めているだけに、今年こそはジェムストーン賞のタイトルを獲得したいところ。
2025年南関東リーディングはこちら
2025年大井リーディングはこちら
南関東リーディングは「浦和」「船橋」「大井」「川崎」の“南関東4競馬場”を合計した成績。
今年も残り約1か月となったが、11/14時点の勝利数では「笹川翼騎手」、収得賞金では「矢野貴之騎手」がトップを走っている。
ちなみに、「笹川翼騎手」が南関東リーディング(勝利数)を獲得すれは2023年以来2回目、「矢野貴之騎手」なら2017年以来2回目だ。
中心は大井所属馬だが!?
| 所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 浦和 | 0 | 1 | 1 | 7 | 0.0% | 11.1% |
| 船橋 | 1 | 1 | 0 | 4 | 16.7% | 33.3% |
| 大井 | 4 | 3 | 3 | 19 | 13.8% | 24.1% |
| 川崎 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% |
2020年~2023年の4年間は準重賞として実施。
同期間中は「大井所属馬」の4勝、2着2回、3着2回なので、全ての勝ち馬を送り出していたことになる。
しかしながら、重賞に昇格した2024年は大井以外からの遠征馬(船橋所属馬)がいきなり勝利。
準重賞当時から質の高い馬たちが遠征してきていたが、重賞昇格でよりその傾向は強くなったのかもしれない。
「大井所属馬」の出走頭数が多くなるだろうが、好走率の高い他場所属馬、特に「船橋所属馬」には注目した方が良いだろう。
重賞昇格で混戦に?
| 人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1人気 | 0 | 4 | 1 | 0 | 00.0% | 80.0% |
| 2人気 | 1 | 0 | 1 | 3 | 20.0% | 20.0% |
| 3人気 | 2 | 0 | 1 | 2 | 40.0% | 40.0% |
| 4人気 | 1 | 0 | 1 | 3 | 20.0% | 20.0% |
| 5人気 | 1 | 0 | 0 | 4 | 20.0% | 20.0% |
| 6人気以下 | 0 | 1 | 1 | 19 | 0.0% | 4.8% |
特徴的なのは「1番人気馬」の成績。
勝利実績はないものの、2着4回、3着1回で、連対率は80.0%、3着内率は100.0%と“連軸”としての信頼度は100点満点だ。
前述もしたが、準重賞当時の平均出走頭数は「8頭」なので、基本的には上位人気馬が活躍。
勝利した5頭は全て「2~5番人気馬」、2着は4頭が「1番人気馬」で、3着も4頭が「1~4番人気馬」となる。
重賞に昇格した2024年(14頭立て)は1着から順に「5番人気馬」⇒「9番人気馬」という結果だったので、
多頭数となった場合は人気薄の台頭がありそう。
多頭数なら荒れる可能性も!?
| 年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 1,760 | 16,740 | 128,840 |
| 2023年 | 370 | 440 | 21,940 |
| 2022年 | 340 | 330 | 3,650 |
| 2021年 | 490 | 300 | 2,180 |
| 2020年 | 780 | 710 | 8,360 |
| 平均 | 748 | 3,704 | 32,994 |
2020年~2023年の平均を見てみよう。
▽単勝:495円
▽馬複:445円
▽三連単:9,033円
これが2024年の「単勝:1,760円」「馬複:16,740円」「三連単:128,840」で様変わり。
重賞としては1回しか施行実績がないため一概には言えないが、2歳馬で多頭数となれば紛れが生じる可能性も高いだろう。
揉まれる1枠は不利?
| 枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 0 | 0 | 2 | 3 | 0.0% | 0.0% |
| 2枠 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0.0% | 20.0% |
| 3枠 | 0 | 2 | 1 | 3 | 0.0% | 33.3% |
| 4枠 | 2 | 0 | 0 | 4 | 33.3% | 33.3% |
| 5枠 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0.0% | 0.0% |
| 6枠 | 2 | 1 | 0 | 3 | 33.3% | 50.0% |
| 7枠 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0.0% | 0.0% |
| 8枠 | 1 | 1 | 0 | 3 | 20.0% | 40.0% |
過去5年のデータとなるのでバラつきはあるが、3着内に好走した頭数では内~外まで大きな差はない。
一方、勝ち星となると「4枠以降」のみで、「1~3枠」は0勝、とりわけ「1枠」は連対実績もなく苦戦中と言えそう。
ちなみに、「1枠」は2021年と2022年に3着しているが、ともにレース史上最も頭数の少ない「7頭立て」だった。
こちらは直近3か月で行われた「大井1,200m」のデータ。
2歳戦に限定したデータではないものの、「1枠」の勝率は低く、3着内率は高いという傾向は上記に合致するところだ。
牝馬も速い
| 性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 牡馬 | 3 | 4 | 4 | 24 | 8.6% | 20.0% |
| 牝馬 | 2 | 1 | 1 | 6 | 20.0% | 30.0% |
| セン馬 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
過去の南関データ分析を参考にすると、スプリント戦は性別による差が出にくい傾向にある。
本競走でも「牝馬」は過去5年で2勝、2着1回、3着1回となり、勝率、連対率では「牡馬」を上回っているのだ。
2020年の準重賞当時から斤量は獲得賞金額(2022年以降は番組ポイント)による「別定」。
基本重量は「牝馬」が1kg軽いものの、成績次第では「牡馬」と同斤量ないし超える斤量を背負っている。
ただし、過去に3着以内で好走した「牝馬」4頭は、全て「牡馬」より1kg軽い斤量での出走。
データ上では「牡馬」と同等以上の斤量を背負うよりは、1kgのアドバンテージを生かしているケースの方が多い。
ちなみに、2024年の重賞初年度は牡馬と同斤量のラブミーメアリーが3番人気に推されたものの8着に敗れている。
巻き返す馬が多い
| GJ着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| GJ1着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
| GJ2着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
| GJ3着 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% |
| GJ4着以下 | 1 | 1 | 2 | 2 | 16.7% | 33.3% |
大井1,400mで争われる2歳重賞。
本競走も2020年に重賞へと昇格、距離は紆余曲折を経たもののジェムストーン賞の重賞昇格に伴い「1,400m」に落ち着いた感がある。
上表のデータは「2020年:1,400m」「2021年~2023年:1,200m」「2024年:1,400m」でのもの。
2020年~2023年は両レースの格付上、重賞 ⇒ 準重賞のローテーションとなり、上位入線馬は賞金獲得=斤量を背負うことになる。
その影響もあってか「ゴールドジュニア」の1~3着馬からは2020年サウスワールドのみ参戦して、ジェムストーン賞では2着だった(斤量56kg)。
また、同じく2020年~2023年の「ゴールドジュニア」4着以下の組は3頭が出走して2着1回、3着2回。
重賞で揉まれた経験を活かした結果が「3着内率100.0%」というハイアベレージに繋がっているのかもしれない。
さて、両レースが“重賞”として実施された2024年。
「ゴールドジュニア」上位馬の参戦はなかったものの、4着以下からは3頭が参戦して優勝馬も送り出している。
その他、2024年の「ゴールドジュニア」組からは重賞上位馬が出ているように、レベルの高い一戦であることは間違いない。
2025年ゴールドジュニアの結果
参戦例は多くないが…
| ハイセイコー記念着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ハイセイコー記念1着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
| ハイセイコー記念2着 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% |
| ハイセイコー記念3着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
| ハイセイコー記念4着以下 | 1 | 0 | 0 | 3 | 25.0% | 25.0% |
大井1,600mが舞台となる南関東グレードでは最も格式の高い「S1」重賞。
例年、ゴールドジュニアの約2か月後、ジェムストーン賞の約1か月前に行われている。
上記2レースは「外回りコース」、これに対して「ハイセイコー記念」は「内回りコース」を使用。
「ハイセイコー記念」⇒「ジェムストーン賞」は距離短縮に加え、内回りから外回りコースと条件的には大きく替わってくるのだ。
ちなみに、前項の「ゴールドジュニア」と同じく、ハイセイコー記念の上位馬は斤量を課されるケースが多い。
過去5年の同レース1~3着馬では、2021年に「ハイセイコー記念」2着のミゲルが斤量57.0kgを課せられながら2着に好走している。
その他の参戦例は「ハイセイコー記念」4着以下からのみ。
該当馬は4頭と少ないのだが、2021年にはフォラステロが勝利を手にしている。
2025年ハイセイコー記念の結果
スペシャリストに軍配
| 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 経験あり | 4 | 4 | 4 | 18 | 13.3% | 26.7% |
| 経験なし | 1 | 1 | 1 | 13 | 6.3% | 12.5% |
こちらのデータは「大井1,200m」の経験があるか否か。
まずは「経験あり」だが、該当馬は30頭が出走して4勝、2着4回、3着4回。
対する「経験なし」は1勝、2着1回、3着1回となるので、質量ともに「経験あり」に分があるという結果に。
ちなみに、「大井1,200m」を2勝以上している馬は9頭が出走して1勝、2着2回、3着1回。
勝率11.1%、連対率33.3%なので、全頭対象の「経験あり」とそれほど差は出ていないということになる。
ここもスペシャリストだ
| 前走距離 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1,200m未満 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
| 1,200m | 5 | 3 | 3 | 19 | 16.7% | 26.7% |
| 1,400m | 0 | 0 | 1 | 2 | 0.0% | 0.0% |
| 1,500m以上 | 0 | 2 | 1 | 7 | 0.0% | 20.0% |
最後は「前走の距離別の成績」を見てみよう。
前項「大井1,200m」にも通ずるが、スペシャリストが順当に力を発揮している。
前走距離が「1,200m(※)」の馬は30頭が出走して5勝、2着3回、3着3回となり、他路線からの挑戦をことごとく跳ね返している。
※大井1,200mとは限らない
次に成績が良いのは「1,500m以上」からの参戦で2着2回、3着1回。
該当馬は2着がミゲル、サウスワールド、3着がデーレーラプターだが、偶然か必然か、3頭とも大井以外からの遠征馬だった。
狙いは1,200mのスペシャリストと他場から遠征してくる距離短縮馬だ。
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は12月10日(水)に船橋競馬場で行われる「船橋記念(S3)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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