~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年12月4日(木) 
サラ系2歳 大井1,200m
ジェムストーン賞(S3)

レース紹介

2歳スプリント重賞「ジェムストーン賞(S3)」
2020年に準重賞として始まったジェムストーン賞。
2024年には重賞に昇格し、2歳スプリント路線の目標レースに生まれ変わった。

※本データ分析は2020年以降の準重賞及び重賞のデータを採用

▼データ分析のポイント
・笹川騎手と矢野騎手に注目
・牝馬も好勝負可能
・大井1,200mのスペシャリストを探せ

【過去5年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 プリムスパールス 船橋 ベストウォーリア 5人気
2023年 フクノフードゥル 大井 サンダースノー 3人気
2022年 ハーンドルフ 大井 ヘニーヒューズ 2人気
2021年 フォラステロ 大井 ヘニーヒューズ 3人気
2020年 ギシギシ 大井 アルデバラン2 4人気

実施当初は年内のTCKトゥインクルレース最終日を飾っていたメイン競走。
初年度の優勝馬ギシギシはその後、スプリント重賞を2勝し、この路線の代表馬にまで出世している。

さらに、本競走のレベルの高さは、2021年の2着馬ミゲル、3着馬エスポワールガイが重賞ウイナーに上り詰めて証明済みだ。

重賞に昇格した2024年は出走頭数が14頭に増え、従来までの平均出走頭数8頭から飛躍的に向上。
勝ち馬プリムスパールスは「ネクストスター東日本(S3)」4着、2着フレンドローマは3歳ダート三冠皆勤、
3着ミラクルメイキングは明けて3歳、無傷の3連勝を飾るなど、準重賞当時以上にジェムストーン賞が果たす役割は大きくなっている。

2025年は重賞昇格2年目。
3歳スプリント路線も充実が図られる昨今、2歳スプリント王の座を獲得して大きく羽ばたいていきたい。

過去の成績はこちら

リーディング上位2名の争い

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 澤田 龍哉 矢野 貴之 御神本 訓史
2023年 笹川 翼 矢野 貴之 新原 周馬
2022年 本田 正重 矢野 貴之 御神本 訓史
2021年 笹川 翼 西 啓太 森 泰斗
2020年 桑村 真明 笹川 翼 繁田 健一

南関東リーディングの上位二傑「笹川翼騎手」「矢野貴之騎手」が好相性。

「笹川翼騎手」は過去5年で2勝、2着1回。
勝利した2回は大井の小林分厩舎(千葉県印西市)に所属する「荒山勝徳厩舎」「福田真広厩舎」で挙げている。

なお、2025年の「笹川翼騎手×荒山勝徳厩舎」はファーンヒルでの「JBCスプリント(Jpn1)」を含め重賞4勝、
「笹川翼騎手×福田真広厩舎」はマウンテンローレルで「黒潮盃(S3)」を勝利している(11/12時点)。

対する「矢野貴之騎手」は2022年から3年連続で2着に好走中。
大井限定のリーディングでは2年連続8回目の1位をおおよそ手中に収めているだけに、今年こそはジェムストーン賞のタイトルを獲得したいところ。

2025年南関東リーディングはこちら
2025年大井リーディングはこちら

南関東リーディングは「浦和」「船橋」「大井」「川崎」の“南関東4競馬場”を合計した成績。
今年も残り約1か月となったが、11/14時点の勝利数では「笹川翼騎手」、収得賞金では「矢野貴之騎手」がトップを走っている。

ちなみに、「笹川翼騎手」が南関東リーディング(勝利数)を獲得すれは2023年以来2回目、「矢野貴之騎手」なら2017年以来2回目だ。

中心は大井所属馬だが!?

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 1 7 0.0% 11.1%
船橋 1 1 0 4 16.7% 33.3%
大井 4 3 3 19 13.8% 24.1%
川崎 0 0 1 1 0.0% 0.0%

2020年~2023年の4年間は準重賞として実施。
同期間中は「大井所属馬」の4勝、2着2回、3着2回なので、全ての勝ち馬を送り出していたことになる。

しかしながら、重賞に昇格した2024年は大井以外からの遠征馬(船橋所属馬)がいきなり勝利。
準重賞当時から質の高い馬たちが遠征してきていたが、重賞昇格でよりその傾向は強くなったのかもしれない。

「大井所属馬」の出走頭数が多くなるだろうが、好走率の高い他場所属馬、特に「船橋所属馬」には注目した方が良いだろう。

重賞昇格で混戦に?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 0 4 1 0 00.0% 80.0%
2人気 1 0 1 3 20.0% 20.0%
3人気 2 0 1 2 40.0% 40.0%
4人気 1 0 1 3 20.0% 20.0%
5人気 1 0 0 4 20.0% 20.0%
6人気以下 0 1 1 19 0.0% 4.8%

特徴的なのは「1番人気馬」の成績。
勝利実績はないものの、2着4回、3着1回で、連対率は80.0%、3着内率は100.0%と“連軸”としての信頼度は100点満点だ。

前述もしたが、準重賞当時の平均出走頭数は「8頭」なので、基本的には上位人気馬が活躍。
勝利した5頭は全て「2~5番人気馬」、2着は4頭が「1番人気馬」で、3着も4頭が「1~4番人気馬」となる。

重賞に昇格した2024年(14頭立て)は1着から順に「5番人気馬」⇒「9番人気馬」という結果だったので、
多頭数となった場合は人気薄の台頭がありそう。

多頭数なら荒れる可能性も!?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 1,760 16,740 128,840
2023年 370 440 21,940
2022年 340 330 3,650
2021年 490 300 2,180
2020年 780 710 8,360
平均 748 3,704 32,994

2020年~2023年の平均を見てみよう。

▽単勝:495円
▽馬複:445円
▽三連単:9,033円

これが2024年の「単勝:1,760円」「馬複:16,740円」「三連単:128,840」で様変わり。
重賞としては1回しか施行実績がないため一概には言えないが、2歳馬で多頭数となれば紛れが生じる可能性も高いだろう。

揉まれる1枠は不利?

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 0 2 3 0.0% 0.0%
2枠 0 1 1 3 0.0% 20.0%
3枠 0 2 1 3 0.0% 33.3%
4枠 2 0 0 4 33.3% 33.3%
5枠 0 0 1 5 0.0% 0.0%
6枠 2 1 0 3 33.3% 50.0%
7枠 0 0 0 7 0.0% 0.0%
8枠 1 1 0 3 20.0% 40.0%

過去5年のデータとなるのでバラつきはあるが、3着内に好走した頭数では内~外まで大きな差はない。
一方、勝ち星となると「4枠以降」のみで、「1~3枠」は0勝、とりわけ「1枠」は連対実績もなく苦戦中と言えそう。

ちなみに、「1枠」は2021年と2022年に3着しているが、ともにレース史上最も頭数の少ない「7頭立て」だった。

こちらは直近3か月で行われた「大井1,200m」のデータ。
2歳戦に限定したデータではないものの、「1枠」の勝率は低く、3着内率は高いという傾向は上記に合致するところだ。

牝馬も速い

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 3 4 4 24 8.6% 20.0%
牝馬 2 1 1 6 20.0% 30.0%
セン馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%

過去の南関データ分析を参考にすると、スプリント戦は性別による差が出にくい傾向にある。
本競走でも「牝馬」は過去5年で2勝、2着1回、3着1回となり、勝率、連対率では「牡馬」を上回っているのだ。

2020年の準重賞当時から斤量は獲得賞金額(2022年以降は番組ポイント)による「別定」。
基本重量は「牝馬」が1kg軽いものの、成績次第では「牡馬」と同斤量ないし超える斤量を背負っている。

ただし、過去に3着以内で好走した「牝馬」4頭は、全て「牡馬」より1kg軽い斤量での出走。
データ上では「牡馬」と同等以上の斤量を背負うよりは、1kgのアドバンテージを生かしているケースの方が多い。

ちなみに、2024年の重賞初年度は牡馬と同斤量のラブミーメアリーが3番人気に推されたものの8着に敗れている。

巻き返す馬が多い

【ゴールドジュニア(GJ)の着順別の成績】

GJ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
GJ1着 0 0 0 0 - -
GJ2着 0 0 0 0 - -
GJ3着 0 1 0 0 0.0% 100.0%
GJ4着以下 1 1 2 2 16.7% 33.3%

大井1,400mで争われる2歳重賞。
本競走も2020年に重賞へと昇格、距離は紆余曲折を経たもののジェムストーン賞の重賞昇格に伴い「1,400m」に落ち着いた感がある。

上表のデータは「2020年:1,400m」「2021年~2023年:1,200m」「2024年:1,400m」でのもの。

2020年~2023年は両レースの格付上、重賞 ⇒ 準重賞のローテーションとなり、上位入線馬は賞金獲得=斤量を背負うことになる。
その影響もあってか「ゴールドジュニア」の1~3着馬からは2020年サウスワールドのみ参戦して、ジェムストーン賞では2着だった(斤量56kg)。

また、同じく2020年~2023年の「ゴールドジュニア」4着以下の組は3頭が出走して2着1回、3着2回。
重賞で揉まれた経験を活かした結果が「3着内率100.0%」というハイアベレージに繋がっているのかもしれない。

さて、両レースが“重賞”として実施された2024年。
「ゴールドジュニア」上位馬の参戦はなかったものの、4着以下からは3頭が参戦して優勝馬も送り出している。

その他、2024年の「ゴールドジュニア」組からは重賞上位馬が出ているように、レベルの高い一戦であることは間違いない。

2025年ゴールドジュニアの結果

参戦例は多くないが…

【ハイセイコー記念の着順別の成績】

ハイセイコー記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ハイセイコー記念1着 0 0 0 0 - -
ハイセイコー記念2着 0 1 0 0 0.0% 100.0%
ハイセイコー記念3着 0 0 0 0 - -
ハイセイコー記念4着以下 1 0 0 3 25.0% 25.0%

大井1,600mが舞台となる南関東グレードでは最も格式の高い「S1」重賞。
例年、ゴールドジュニアの約2か月後、ジェムストーン賞の約1か月前に行われている。

上記2レースは「外回りコース」、これに対して「ハイセイコー記念」は「内回りコース」を使用。
「ハイセイコー記念」⇒「ジェムストーン賞」は距離短縮に加え、内回りから外回りコースと条件的には大きく替わってくるのだ。

ちなみに、前項の「ゴールドジュニア」と同じく、ハイセイコー記念の上位馬は斤量を課されるケースが多い。
過去5年の同レース1~3着馬では、2021年に「ハイセイコー記念」2着のミゲルが斤量57.0kgを課せられながら2着に好走している。

その他の参戦例は「ハイセイコー記念」4着以下からのみ。
該当馬は4頭と少ないのだが、2021年にはフォラステロが勝利を手にしている。

2025年ハイセイコー記念の結果

スペシャリストに軍配

【大井1,200mの経験有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 4 4 4 18 13.3% 26.7%
経験なし 1 1 1 13 6.3% 12.5%

こちらのデータは「大井1,200m」の経験があるか否か。

まずは「経験あり」だが、該当馬は30頭が出走して4勝、2着4回、3着4回。
対する「経験なし」は1勝、2着1回、3着1回となるので、質量ともに「経験あり」に分があるという結果に。

ちなみに、「大井1,200m」を2勝以上している馬は9頭が出走して1勝、2着2回、3着1回。
勝率11.1%、連対率33.3%なので、全頭対象の「経験あり」とそれほど差は出ていないということになる。

ここもスペシャリストだ

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,200m未満 0 0 0 3 0.0% 0.0%
1,200m 5 3 3 19 16.7% 26.7%
1,400m 0 0 1 2 0.0% 0.0%
1,500m以上 0 2 1 7 0.0% 20.0%

最後は「前走の距離別の成績」を見てみよう。

前項「大井1,200m」にも通ずるが、スペシャリストが順当に力を発揮している。
前走距離が「1,200m(※)」の馬は30頭が出走して5勝、2着3回、3着3回となり、他路線からの挑戦をことごとく跳ね返している。
※大井1,200mとは限らない

次に成績が良いのは「1,500m以上」からの参戦で2着2回、3着1回。
該当馬は2着がミゲル、サウスワールド、3着がデーレーラプターだが、偶然か必然か、3頭とも大井以外からの遠征馬だった。

狙いは1,200mのスペシャリストと他場から遠征してくる距離短縮馬だ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は12月10日(水)に船橋競馬場で行われる「船橋記念(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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