~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年4月29日(火祝) 
サラ系3歳牡馬・牝馬 大井1,800m
羽田盃(Jpn1)

レース紹介

3歳ダート三冠開幕「羽田盃(Jpn1)」!
南関東の三冠から日本ダート競馬の三冠へ。
全国の地方馬、さらにはJRA所属馬に門戸が開かれた3歳ダート三冠は2年目を迎える。

なお、本データ分析は南関東クラシック当時のデータも採用しているのでご承知おき頂きたい。

【3歳ダート三冠】
▽4/29(火祝) 大井1,800m 「羽田盃(Jpn1)」
▽6/11(水) 大井2,000m 「東京ダービー(Jpn1)」
▽10/8(水) 大井2,000m 「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」

▼データ分析のポイント
・1~5番人気馬で9勝、2着8回
・京浜盃or雲取賞優勝馬が主役
・南関東所属馬限定の前哨戦組は苦戦

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 アマンテビアンコ JRA ヘニーヒューズ 1人気
2023年 ミックファイア 大井 シニスターミニスター 4人気
2022年 ミヤギザオウ 大井 パイロ 9人気
2021年 トランセンデンス 浦和 トランセンド 5人気
2020年 ゴールドホイヤー 川崎 トランセンド 4人気
2019年 ミューチャリー 船橋 パイロ 1人気
2018年 ヤマノファイト 船橋 エスポワールシチー 1人気
2017年 キャプテンキング 大井 ファスリエフ 1人気
2016年 タービランス 浦和 パイロ 1人気
2015年 ストゥディウム 船橋 ルースリンド 2人気

2023年以前は南関東クラシック、2024年以降は全国統一の3歳ダート三冠。
南関東クラシック当時からミューチャリー、ミックファイアといったG1級の馬が名を連ねる伝統の一戦だったが、
歴史が変わった2024年も“白毛”のアマンテビアンコが勝利する劇的なレースとなった。

種牡馬傾向は「THE ダート!」といったラインナップで、南関東リーディングサイアーの上位が順当に活躍。
2024年の優勝馬アマンテビアンコの父はヘニーヒューズだが、同馬のサイアーランキングは2024年4位、2025年は4月11日時点で5位だ。

ちなみに、2025年の南関東リーディンサイアーは2022年以来のリーディング奪還を狙うパイロ。
先日の「川崎記念(Jpn1)」を産駒のメイショウハリオが勝利し勢いがあるだけに、貴重な3歳世代から活躍馬が出てくるか注目したい。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら
2025年の南関東リーディングサイアー(収得賞金)はこちら

名手の手綱

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 川田 将雅 横山 武史 本田 正重
2023年 御神本 訓史 森 泰斗 石崎 駿
2022年 真島 大輔 今野 忠成 御神本 訓史
2021年 森 泰斗 左海 誠二 的場 文男
2020年 山崎 誠士 本橋 孝太 左海 誠二
2019年 御神本 訓史 森 泰斗 矢野 貴之
2018年 本橋 孝太 森 泰斗 矢野 貴之
2017年 矢野 貴之 森 泰斗 赤岡 修次
2016年 森 泰斗 本田 正重 赤岡 修次
2015年 石崎 駿 左海 誠二 今野 忠成

優勝ジョッキーには名手がズラリ。
複数回勝利しているのは「森泰斗元騎手」、ミックファイアの主戦を務めていた「御神本訓史騎手」で各2勝ずつ。
その他にも「矢野貴之騎手」、「山崎誠士騎手」といった南関東競馬を代表する騎手が勝利している。

そして、3歳ダート三冠元年はJRAの「川田将雅騎手」が歴史に名を刻んだ。
全国各地から集まる名手たちの競演に是非ご注目を。

1~5番人気が9勝、2着8回だが!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 5 2 1 2 50.0% 70.0%
2人気 1 4 1 4 10.0% 50.0%
3人気 0 1 1 8 0.0% 10.0%
4人気 2 1 2 5 20.0% 30.0%
5人気 1 0 0 9 10.0% 10.0%
6人気以下 1 2 5 81 1.1% 3.4%

「1番人気馬」が勝率50.0%、連対率70.0%で最も信頼度が高い。
これに続くのが連対率50.0%の「2番人気馬」となり、「1・2番人気馬」でのワンツーは過去10年で3回を数える。
また、「1・2番人気馬」がともに連対しなかった年は2022年の1回しかない。

全連対馬20頭中、上記の「1・2番人気馬」が計12頭を占めるが、これを「1~5番人気馬」とすると計17頭となる。
基本的には上位人気馬が好走しているが、一方で3着馬は「6番人気以下」が5頭と紐荒れの傾向。

3歳ダート三冠として生まれ変わった2024年も「1番人気」に推されたアマンテビアンコが勝利したものの、
3着には「8番人気馬」のフロインフォッサル(船橋)が好走して波乱を演出した。

堅い重賞?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 210 850 45,190
2023年 1,360 950 11,740
2022年 4,040 190,320 3,019,350
2021年 830 2,520 30,580
2020年 690 1,470 106,930
2019年 260 290 1,680
2018年 180 2,090 19,500
2017年 220 330 9,720
2016年 240 660 9,520
2015年 640 490 61,170
平均 867 19,997 331,538

「単勝」「馬複」は比較的落ち着いた配当。
2022年の超ビッグ配当が平均を押し上げているが、それを除いた平均は「単勝:514円」「馬複:1,072円」だ。

また、「三連単」は6番人気以下の好走によって高配当となる傾向にある。
こちらも2022年は飛び抜けて高配当だが、2022年を除いた平均配当は「32,892円」となる。

上記の傾向はダートグレード競走になっても変わらず、2024年は「単勝:210円」「馬複:850円」に対して、「三連単」は45,190円だった。

JRA勢の一角を崩せ!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 2 2 3 19 7.7% 15.4%
船橋 3 5 5 20 9.1% 24.2%
大井 3 2 1 56 4.8% 8.1%
川崎 1 0 1 12 7.1% 7.1%
JRA 1 1 0 2 25.0% 50.0%
南関以外 0 0 0 0 - -

3歳ダート三冠初年度は1着から順に「JRA所属馬」⇒「JRA所属馬」⇒「船橋所属馬」での決着。
他のダートグレード競走と同様に強豪JRA勢の強さが際立つ結果となった。

しかしながらJRA勢上位独占とはならず、「船橋所属馬」が3着に好走してJRAの一角を崩している。
過去10年の「船橋所属馬」は33頭が出走して3勝、2着5回、3着5回で3着内率にすると39.4%というハイアベレージに。
“名馬の宝庫”としても知られる「船橋競馬」だが、南関東クラシック当時からその活躍は枚挙にいとまがない。

また、地元の「大井所属馬」は3勝、2着2回、3着1回で2023年には三冠馬ミックファイアを輩出。
そのミックファイアをはじめ、南関東クラシック当時の「ジャパンダートダービー(Jpn1)」を制しているのは「大井」と「船橋」の各所属馬のみ。

南関東クラシックは全国統一の三冠競走となったが、十分に勝ち負けできることは過去の歴史が物語っている。

枠番による有利不利は少ない

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 2 1 0 10 15.4% 23.1%
2枠 0 2 0 13 0.0% 13.3%
3枠 1 3 2 12 5.6% 22.2%
4枠 1 1 0 16 5.6% 11.1%
5枠 2 1 2 13 11.1% 16.7%
6枠 2 2 2 13 10.5% 21.1%
7枠 1 0 2 16 5.3% 5.3%
8枠 1 0 2 16 5.3% 5.3%

全ての枠に連対実績、「2枠」以外の全ての枠に勝利実績がある。

過去10年の羽田盃平均出走頭数は13.9頭(フルゲート16頭)。
南関東で最も広い「大井外回りコース(1周1,600m)」、そして長い直線を使っての先行争いとなるため、どの枠からでも力を発揮できるようだ。

ちなみに、2024年は8頭立てという少頭数に。
「羽田盃」が10頭未満となったのは1980年以来だったわけだが、果たして今年は…!?

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 9 10 105 7.5% 14.2%
牝馬 0 1 0 1 0.0% 50.0%
セン馬 0 0 0 3 0.0% 0.0%

2024年に「牝馬」のアンモシエラが2着に好走。

南関東には「牝馬クラシック」があるものの、全国統一の「3歳牝馬クラシック」は存在していない。
もちろん、6月には南関東牝馬クラシックの第3戦として「関東オークス(Jpn2)」が控えているものの、
冬~春にかけては世代限定のダートグレード競走はなく、春シーズンの目標として3歳ダート三冠路線を歩む牝馬は多くなってくるだろう。

必勝展開はマイポジション?

【1~3着馬の4コーナー通過順】

1着 2着 3着
1番手 3 3 2
2~5番手 4 5 6
6~10番手 2 1 2
11番手以降 1 1 0

大井1,800mは4コーナー出口からスタートし、外回りコースをぐるっと1周するコース設定。
力の発揮しやすいコースということで、上位勢の3コーナーでの位置取りに大きな偏りはない。

過去には直線一気も決まっているので、展開予想も重要なファクターになりそうだ。

上位3頭のコーナー別の位置取りはこちら

京浜盃優勝馬が主役!

【京浜盃の着順別の成績】

京浜盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
京浜盃1着 2 3 3 1 22.2% 55.6%
京浜盃2着 0 2 0 7 0.0% 22.2%
京浜盃3着 0 0 0 9 0.0% 0.0%
京浜盃4着以下 2 2 5 34 4.7% 9.3%

羽田盃トライアル「京浜盃(Jpn2)」との関連性が非常に興味深い。

過去10年の「京浜盃」優勝馬のうち9頭が羽田盃に出走して2勝、2着3回、3着3回、4着1回。
3着内率88.9%、4着内率100.0%という数字から「京浜盃覇者 = 羽田盃の主役」という図式が成り立つ。
なお、2024年はサントノーレが「京浜盃」を勝利したが、怪我により戦線離脱して羽田盃には未出走だった。

一方で「京浜盃2着馬・3着馬」はやや分が悪く、該当馬はのべ18頭が参戦して2着が2回あるのみ。
南関東クラシック当時は「勝負付けは終わった」というような成績ではあったが、
2024年は京浜盃2着のアンモシエラが羽田盃でも2着に好走している。

「京浜盃」がダートグレード競走になったことにより傾向は変わっていくだろうか。

2025年京浜盃の結果

王道ローテに!

【雲取賞の着順別の成績】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 1 1 2 3 14.3% 28.6%
雲取賞2着 3 0 1 3 42.9% 42.9%
雲取賞3着 0 0 0 5 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 0 1 1 11 0.0% 7.7%

2019年から「S3重賞」、2024年から「ダートグレード競走」に昇格した「雲取賞(Jpn3)」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、羽田盃との関連性は非常に高くなっている。

2018年までの準重賞の成績を含むデータは上表の通り。
では、重賞昇格以降のデータを以下に抽出してみよう。

【雲取賞の着順別の成績(重賞昇格以降)】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 1 1 2 1 20.0% 40.0%
雲取賞2着 3 0 1 1 60.0% 60.0%
雲取賞3着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 0 1 1 5 0.0% 14.3%

2019年以降の「雲取賞」連対馬はのべ10頭が羽田盃に参戦。
この10頭で4勝、2着1回、3着3回なので、連対馬が出走すれば高い確率で3着内に好走していることになる。

「雲取賞」は「上位2頭の地方所属馬」と「上位2頭(5着以内)のJRA所属馬」に羽田盃の優先出走権が付与される。
2024年のアマンテビアンコをはじめ、上記の優勝馬4頭中、3頭が「雲取賞」⇒「羽田盃」のローテーションを組んでいる。

羽田盃と同じコース設定の雲取賞は“王道路線”と言えるだろう。

2025年雲取賞の結果

南関東馬のみで争われる羽田盃TR

【スターバーストCの着順別の成績】

スターバーストC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
スターバーストC1着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
スターバーストC2着 0 0 0 0 - -
スターバーストC3着 0 0 0 0 - -
スターバーストC4着以下 0 0 0 0 - -

2022年までは秋の3歳準重賞として親しまれてきたが、
2024年からは南関東所属馬による“羽田盃トライアル”として実施されている。

羽田盃トライアルとしてのデータとしてはこれから蓄積されてくることになるが、
2024年に関してはスターバーストカップ優勝馬が羽田盃に参戦して6着という結果だった。

2025年スターバーストカップの結果

南関東所属馬による羽田盃指定競走

【クラシックチャレンジ(C)の着順別の成績】

クラシックC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
クラシックC1着 0 1 0 5 0.0% 16.7%
クラシックC2着 0 0 0 6 0.0% 0.0%
クラシックC3着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
クラシックC4着以下 0 0 1 7 0.0% 0.0%

2017年から行われている「クラシックトライアル」。
2024年からは「クラシックチャレンジ」と名称を改め、羽田盃の指定競走(※)として実施される。

※羽田盃出走馬の選定にあたり、その成績を重視される競走

「クラシックトライアル」当時は1着馬に東京ダービー、1・2着馬に羽田盃への優先出走権が付与されていた。
2022年は優先出走権こそ獲得できなかったが、クラシックトライアル3着のミヤギザオウが羽田盃を制覇。
また、2020年のクラシックトライアル優勝馬ブラヴールは羽田盃で2着だった。

なお、3歳ダート三冠が創設された2024年は「クラシックチャレンジ」優勝馬が羽田盃に出走し5着掲示板を確保している。

2024年クラシックチャレンジの結果


今回の「南関データ分析」はここまで!
南関東は2日連続クラシック!次回は4月30日(水)に大井競馬場で行われる「東京プリンセス賞(S1)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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