
3歳ダート三冠開幕「羽田盃(Jpn1)」!
南関東の三冠から日本ダート競馬の三冠へ。
全国の地方馬、さらにはJRA所属馬に門戸が開かれた3歳ダート三冠は2年目を迎える。
なお、本データ分析は南関東クラシック当時のデータも採用しているのでご承知おき頂きたい。
【3歳ダート三冠】
▽4/29(火祝) 大井1,800m 「羽田盃(Jpn1)」
▽6/11(水) 大井2,000m 「東京ダービー(Jpn1)」
▽10/8(水) 大井2,000m 「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」
▼データ分析のポイント
・1~5番人気馬で9勝、2着8回
・京浜盃or雲取賞優勝馬が主役
・南関東所属馬限定の前哨戦組は苦戦
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2024年 | アマンテビアンコ | JRA | ヘニーヒューズ | 1人気 |
2023年 | ミックファイア | 大井 | シニスターミニスター | 4人気 |
2022年 | ミヤギザオウ | 大井 | パイロ | 9人気 |
2021年 | トランセンデンス | 浦和 | トランセンド | 5人気 |
2020年 | ゴールドホイヤー | 川崎 | トランセンド | 4人気 |
2019年 | ミューチャリー | 船橋 | パイロ | 1人気 |
2018年 | ヤマノファイト | 船橋 | エスポワールシチー | 1人気 |
2017年 | キャプテンキング | 大井 | ファスリエフ | 1人気 |
2016年 | タービランス | 浦和 | パイロ | 1人気 |
2015年 | ストゥディウム | 船橋 | ルースリンド | 2人気 |
2023年以前は南関東クラシック、2024年以降は全国統一の3歳ダート三冠。
南関東クラシック当時からミューチャリー、ミックファイアといったG1級の馬が名を連ねる伝統の一戦だったが、
歴史が変わった2024年も“白毛”のアマンテビアンコが勝利する劇的なレースとなった。
種牡馬傾向は「THE ダート!」といったラインナップで、南関東リーディングサイアーの上位が順当に活躍。
2024年の優勝馬アマンテビアンコの父はヘニーヒューズだが、同馬のサイアーランキングは2024年4位、2025年は4月11日時点で5位だ。
ちなみに、2025年の南関東リーディンサイアーは2022年以来のリーディング奪還を狙うパイロ。
先日の「川崎記念(Jpn1)」を産駒のメイショウハリオが勝利し勢いがあるだけに、貴重な3歳世代から活躍馬が出てくるか注目したい。
過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら
2025年の南関東リーディングサイアー(収得賞金)はこちら
名手の手綱
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2024年 | 川田 将雅 | 横山 武史 | 本田 正重 |
2023年 | 御神本 訓史 | 森 泰斗 | 石崎 駿 |
2022年 | 真島 大輔 | 今野 忠成 | 御神本 訓史 |
2021年 | 森 泰斗 | 左海 誠二 | 的場 文男 |
2020年 | 山崎 誠士 | 本橋 孝太 | 左海 誠二 |
2019年 | 御神本 訓史 | 森 泰斗 | 矢野 貴之 |
2018年 | 本橋 孝太 | 森 泰斗 | 矢野 貴之 |
2017年 | 矢野 貴之 | 森 泰斗 | 赤岡 修次 |
2016年 | 森 泰斗 | 本田 正重 | 赤岡 修次 |
2015年 | 石崎 駿 | 左海 誠二 | 今野 忠成 |
優勝ジョッキーには名手がズラリ。
複数回勝利しているのは「森泰斗元騎手」、ミックファイアの主戦を務めていた「御神本訓史騎手」で各2勝ずつ。
その他にも「矢野貴之騎手」、「山崎誠士騎手」といった南関東競馬を代表する騎手が勝利している。
そして、3歳ダート三冠元年はJRAの「川田将雅騎手」が歴史に名を刻んだ。
全国各地から集まる名手たちの競演に是非ご注目を。
1~5番人気が9勝、2着8回だが!?
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 5 | 2 | 1 | 2 | 50.0% | 70.0% |
2人気 | 1 | 4 | 1 | 4 | 10.0% | 50.0% |
3人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% |
4人気 | 2 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 30.0% |
5人気 | 1 | 0 | 0 | 9 | 10.0% | 10.0% |
6人気以下 | 1 | 2 | 5 | 81 | 1.1% | 3.4% |
「1番人気馬」が勝率50.0%、連対率70.0%で最も信頼度が高い。
これに続くのが連対率50.0%の「2番人気馬」となり、「1・2番人気馬」でのワンツーは過去10年で3回を数える。
また、「1・2番人気馬」がともに連対しなかった年は2022年の1回しかない。
全連対馬20頭中、上記の「1・2番人気馬」が計12頭を占めるが、これを「1~5番人気馬」とすると計17頭となる。
基本的には上位人気馬が好走しているが、一方で3着馬は「6番人気以下」が5頭と紐荒れの傾向。
3歳ダート三冠として生まれ変わった2024年も「1番人気」に推されたアマンテビアンコが勝利したものの、
3着には「8番人気馬」のフロインフォッサル(船橋)が好走して波乱を演出した。
堅い重賞?
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2024年 | 210 | 850 | 45,190 |
2023年 | 1,360 | 950 | 11,740 |
2022年 | 4,040 | 190,320 | 3,019,350 |
2021年 | 830 | 2,520 | 30,580 |
2020年 | 690 | 1,470 | 106,930 |
2019年 | 260 | 290 | 1,680 |
2018年 | 180 | 2,090 | 19,500 |
2017年 | 220 | 330 | 9,720 |
2016年 | 240 | 660 | 9,520 |
2015年 | 640 | 490 | 61,170 |
平均 | 867 | 19,997 | 331,538 |
「単勝」「馬複」は比較的落ち着いた配当。
2022年の超ビッグ配当が平均を押し上げているが、それを除いた平均は「単勝:514円」「馬複:1,072円」だ。
また、「三連単」は6番人気以下の好走によって高配当となる傾向にある。
こちらも2022年は飛び抜けて高配当だが、2022年を除いた平均配当は「32,892円」となる。
上記の傾向はダートグレード競走になっても変わらず、2024年は「単勝:210円」「馬複:850円」に対して、「三連単」は45,190円だった。
JRA勢の一角を崩せ!
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 2 | 2 | 3 | 19 | 7.7% | 15.4% |
船橋 | 3 | 5 | 5 | 20 | 9.1% | 24.2% |
大井 | 3 | 2 | 1 | 56 | 4.8% | 8.1% |
川崎 | 1 | 0 | 1 | 12 | 7.1% | 7.1% |
JRA | 1 | 1 | 0 | 2 | 25.0% | 50.0% |
南関以外 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
3歳ダート三冠初年度は1着から順に「JRA所属馬」⇒「JRA所属馬」⇒「船橋所属馬」での決着。
他のダートグレード競走と同様に強豪JRA勢の強さが際立つ結果となった。
しかしながらJRA勢上位独占とはならず、「船橋所属馬」が3着に好走してJRAの一角を崩している。
過去10年の「船橋所属馬」は33頭が出走して3勝、2着5回、3着5回で3着内率にすると39.4%というハイアベレージに。
“名馬の宝庫”としても知られる「船橋競馬」だが、南関東クラシック当時からその活躍は枚挙にいとまがない。
また、地元の「大井所属馬」は3勝、2着2回、3着1回で2023年には三冠馬ミックファイアを輩出。
そのミックファイアをはじめ、南関東クラシック当時の「ジャパンダートダービー(Jpn1)」を制しているのは「大井」と「船橋」の各所属馬のみ。
南関東クラシックは全国統一の三冠競走となったが、十分に勝ち負けできることは過去の歴史が物語っている。
枠番による有利不利は少ない
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 2 | 1 | 0 | 10 | 15.4% | 23.1% |
2枠 | 0 | 2 | 0 | 13 | 0.0% | 13.3% |
3枠 | 1 | 3 | 2 | 12 | 5.6% | 22.2% |
4枠 | 1 | 1 | 0 | 16 | 5.6% | 11.1% |
5枠 | 2 | 1 | 2 | 13 | 11.1% | 16.7% |
6枠 | 2 | 2 | 2 | 13 | 10.5% | 21.1% |
7枠 | 1 | 0 | 2 | 16 | 5.3% | 5.3% |
8枠 | 1 | 0 | 2 | 16 | 5.3% | 5.3% |
全ての枠に連対実績、「2枠」以外の全ての枠に勝利実績がある。
過去10年の羽田盃平均出走頭数は13.9頭(フルゲート16頭)。
南関東で最も広い「大井外回りコース(1周1,600m)」、そして長い直線を使っての先行争いとなるため、どの枠からでも力を発揮できるようだ。
ちなみに、2024年は8頭立てという少頭数に。
「羽田盃」が10頭未満となったのは1980年以来だったわけだが、果たして今年は…!?
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 10 | 9 | 10 | 105 | 7.5% | 14.2% |
牝馬 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 50.0% |
セン馬 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
2024年に「牝馬」のアンモシエラが2着に好走。
南関東には「牝馬クラシック」があるものの、全国統一の「3歳牝馬クラシック」は存在していない。
もちろん、6月には南関東牝馬クラシックの第3戦として「関東オークス(Jpn2)」が控えているものの、
冬~春にかけては世代限定のダートグレード競走はなく、春シーズンの目標として3歳ダート三冠路線を歩む牝馬は多くなってくるだろう。
必勝展開はマイポジション?
1着 | 2着 | 3着 | |
---|---|---|---|
1番手 | 3 | 3 | 2 |
2~5番手 | 4 | 5 | 6 |
6~10番手 | 2 | 1 | 2 |
11番手以降 | 1 | 1 | 0 |
大井1,800mは4コーナー出口からスタートし、外回りコースをぐるっと1周するコース設定。
力の発揮しやすいコースということで、上位勢の3コーナーでの位置取りに大きな偏りはない。
過去には直線一気も決まっているので、展開予想も重要なファクターになりそうだ。
上位3頭のコーナー別の位置取りはこちら。
京浜盃優勝馬が主役!
京浜盃着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
京浜盃1着 | 2 | 3 | 3 | 1 | 22.2% | 55.6% |
京浜盃2着 | 0 | 2 | 0 | 7 | 0.0% | 22.2% |
京浜盃3着 | 0 | 0 | 0 | 9 | 0.0% | 0.0% |
京浜盃4着以下 | 2 | 2 | 5 | 34 | 4.7% | 9.3% |
羽田盃トライアル「京浜盃(Jpn2)」との関連性が非常に興味深い。
過去10年の「京浜盃」優勝馬のうち9頭が羽田盃に出走して2勝、2着3回、3着3回、4着1回。
3着内率88.9%、4着内率100.0%という数字から「京浜盃覇者 = 羽田盃の主役」という図式が成り立つ。
なお、2024年はサントノーレが「京浜盃」を勝利したが、怪我により戦線離脱して羽田盃には未出走だった。
一方で「京浜盃2着馬・3着馬」はやや分が悪く、該当馬はのべ18頭が参戦して2着が2回あるのみ。
南関東クラシック当時は「勝負付けは終わった」というような成績ではあったが、
2024年は京浜盃2着のアンモシエラが羽田盃でも2着に好走している。
「京浜盃」がダートグレード競走になったことにより傾向は変わっていくだろうか。
2025年京浜盃の結果
王道ローテに!
雲取賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
雲取賞1着 | 1 | 1 | 2 | 3 | 14.3% | 28.6% |
雲取賞2着 | 3 | 0 | 1 | 3 | 42.9% | 42.9% |
雲取賞3着 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% |
雲取賞4着以下 | 0 | 1 | 1 | 11 | 0.0% | 7.7% |
2019年から「S3重賞」、2024年から「ダートグレード競走」に昇格した「雲取賞(Jpn3)」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、羽田盃との関連性は非常に高くなっている。
2018年までの準重賞の成績を含むデータは上表の通り。
では、重賞昇格以降のデータを以下に抽出してみよう。
雲取賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
雲取賞1着 | 1 | 1 | 2 | 1 | 20.0% | 40.0% |
雲取賞2着 | 3 | 0 | 1 | 1 | 60.0% | 60.0% |
雲取賞3着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% |
雲取賞4着以下 | 0 | 1 | 1 | 5 | 0.0% | 14.3% |
2019年以降の「雲取賞」連対馬はのべ10頭が羽田盃に参戦。
この10頭で4勝、2着1回、3着3回なので、連対馬が出走すれば高い確率で3着内に好走していることになる。
「雲取賞」は「上位2頭の地方所属馬」と「上位2頭(5着以内)のJRA所属馬」に羽田盃の優先出走権が付与される。
2024年のアマンテビアンコをはじめ、上記の優勝馬4頭中、3頭が「雲取賞」⇒「羽田盃」のローテーションを組んでいる。
羽田盃と同じコース設定の雲取賞は“王道路線”と言えるだろう。
2025年雲取賞の結果
南関東馬のみで争われる羽田盃TR
スターバーストC着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
スターバーストC1着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
スターバーストC2着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
スターバーストC3着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
スターバーストC4着以下 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
2022年までは秋の3歳準重賞として親しまれてきたが、
2024年からは南関東所属馬による“羽田盃トライアル”として実施されている。
羽田盃トライアルとしてのデータとしてはこれから蓄積されてくることになるが、
2024年に関してはスターバーストカップ優勝馬が羽田盃に参戦して6着という結果だった。
2025年スターバーストカップの結果
南関東所属馬による羽田盃指定競走
クラシックC着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
クラシックC1着 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0.0% | 16.7% |
クラシックC2着 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% |
クラシックC3着 | 1 | 0 | 0 | 0 | 100.0% | 100.0% |
クラシックC4着以下 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0.0% | 0.0% |
2017年から行われている「クラシックトライアル」。
2024年からは「クラシックチャレンジ」と名称を改め、羽田盃の指定競走(※)として実施される。
※羽田盃出走馬の選定にあたり、その成績を重視される競走
「クラシックトライアル」当時は1着馬に東京ダービー、1・2着馬に羽田盃への優先出走権が付与されていた。
2022年は優先出走権こそ獲得できなかったが、クラシックトライアル3着のミヤギザオウが羽田盃を制覇。
また、2020年のクラシックトライアル優勝馬ブラヴールは羽田盃で2着だった。
なお、3歳ダート三冠が創設された2024年は「クラシックチャレンジ」優勝馬が羽田盃に出走し5着掲示板を確保している。
2024年クラシックチャレンジの結果
今回の「南関データ分析」はここまで!
南関東は2日連続クラシック!次回は4月30日(水)に大井競馬場で行われる「東京プリンセス賞(S1)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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