2025 Dirt Triple Crown
2025.4.29 大井 1,800m羽田盃(JpnI) ~3歳ダート三冠初戦~ 【上位3頭】東京ダービー 出走権付与(地方所属馬) 【上位3頭(5着以内)】東京ダービー 出走権付与(JRA所属馬)

2024年優勝馬 アマンテビアンコ号
3歳ダート三冠

羽田盃とは
3歳ダート三冠の初戦は「大井1,800m」で行われる「羽田盃(JpnI)」!
2024年に創設された3歳ダート三冠は以下の3戦で構成される。
▼第1戦「4/29羽田盃(JpnI)」
▼第2戦「6/11東京ダービー(JpnI)」
▼第3戦「10/8ジャパンダートクラシック(JpnI)」
2023年以前は“南関東クラシック”として当地の3歳馬が目標としていたが、
2024年からはJRA所属馬や全国の地方馬にも門戸が開かれたダートグレード競走として実施されている。
実施初年度の2024年はJRA所属のアマンテビアンコが1番人気に応えて勝利。
今年もJRA所属馬が実力を誇示するか?それとも、地方所属馬が意地を見せるか?
三冠最初のレースを制して、世代の主役に躍り出るのはどの馬に!?
予想<小島友実>
初めて、こちらに書かせて頂きます。競馬キャスターの小島友実です。
2003年よりJRAの馬場取材を始め、2024年5月に「馬場のすべて教えます2」を上梓させて頂きました。
JRAはもちろん、近年は地方競馬場の馬場取材も積極的に行っています。
大井競馬場ダートコースについても機会があるごとに取材していますから、最近の傾向を交えてお伝えします。
最近の大井競馬場の大きなトピックと言えば、砂を入れ替えたこと。
以前は青森県つがる市・六ケ所村産海砂(洗浄砂)と青森県東通村産海砂(新砂)を使用していましたが、
2023年のJBC開催から西オーストラリア州のアルバニー産の珪砂に変更されました。
このオーストラリア産の砂は見た目が白いです(写真)。
近年、地方競馬場では〝白い砂〟の導入が進んでいますが、
大井で使用されているこのオーストラリア産の砂は先に、園田や門別、船橋競馬場で導入されたものと同じです。
ですから、船橋や門別で結果が出ている馬が、初の大井で結果を出すケースは珍しくありません。

大井競馬場で使用されている西オーストラリア州のアルバニー産の珪砂(撮影:小島友実)
なお2023年の砂入替を機に、事故の防止と安全性を確保するため、砂厚が以前の8cmから10cmに変更となっています。
今の砂になった当時は走破時計がかかっていましたが、次第に落ち着きはじめ、2024年12月からは砂厚が9cmとなり、
前開催のブリリアントカップ(1,800m)では良馬場で1分51秒6がマークされるなど、最近は時計が速くなってきている印象です。
また、極端に前が残る馬場ではなく、ペースによって差しが決まります。
特に前開催の後半ではけっこう差しが届いていましたよね。羽田盃はこれらの傾向も頭に入れて予想しました。
◎7枠12番 ナチュラルライズ
昨年7月に札幌の新馬戦を好時計で勝った時から注目していた馬です。
全日本2歳優駿は小回りコースが合わなかったとのことで4着に敗れましたが、前走の京浜盃は6馬身差の圧勝。
勝ち時計の1分45秒5は過去10年の京浜盃では最速。
今年の京浜盃があった3月26日が特別に速い時計がでる状態だったわけではないので、ナチュラルライズのタイムはより際立ちます。
横山武史騎手がレース後、「まだまだ上を目指せる馬です」と話していたのが印象的でした。
なお、過去10年の羽田盃の勝ち馬10頭中9頭は前走の上がり3ハロンタイムが3位以内。
その内訳は1位が6頭、2位が2頭、3位1頭。
GIレースですからスピードだけではなく、最後までしっかりとした末脚も求められるのだと、私は理解しています。
ナチュラルライズが本命なのは京浜盃で上がり1位の脚を使っていたことも理由の一つです。
最終追い切りの動きも良く、仕上がりは良好。
7枠に入りましたが、元々そんなにスタートが速くないので、内枠でもまれるより良かったと思います。
多少、出遅れても前走や2走前では二の足を発揮し、道中で好位置を取れていますからね。
どんなレースを見せてくれるのか、本当に楽しみです。
〇5枠9番 ジャナドリア
雲取賞を上がり3ハロン2位の脚で勝利。3連勝を決めました。
この馬の強さを感じたのは2走前の中山ダート1,800mです。
出遅れて、3コーナーでは後方。4コーナー手前から上がっていき、上がり3ハロン1位の脚で差し切りました。
中山ダートで最後方に近い位置から差し切るという芸当は能力がある証。
3戦すべてで1,800mを走っているのも強みです。
ただ、ナチュラルライズ同様にこの馬もスタートが良いタイプではありません。
道中、いかにスムーズな競馬ができるかがポイントになりそうです。
▲3枠5番 アメージング
2走前、3月2日の中山1,800m戦を逃げて1分53秒9で勝利。
これはジャナドリアが2走前の昨年12月8日に中山ダート1,800mで勝った時の1分54秒1より速いです。
同じ良でも3月2日の方が含水率は低く、少し時計がかかる状態だったことを考慮すると、アメージングの時計は価値があります。
京浜盃は先行したものの、失速してしまい5着。
レース後、田邊裕信騎手は、
「ほかに速そうな馬がいたので控えましたが、持ち味はしぶとさなのでやはり行けたほうがいいのかもしれません」とコメントしていました。
今回は人気が少し落ちそうなことと、2走前を見直して、▲評価としました。
△4枠6番 ナイトオブファイア
負けなしの4連勝で向かった京浜盃は3着。
しかし内を突いて伸びた脚は今後の上積みを期待させるものがありましたよね。
今回も4枠と、内目の枠となりました。
鞍上の矢野貴之騎手が4月27日にXで、
「さぁ羽田盃です。やってやりましょうか」とポストすると、
ナイトオブファイアを管理する渡邉和雄調教師がそれを引用する形で、「やっちゃってください」とポストしていましたね。
2023年の南関東三冠馬ミックファイアと同じオーナー、厩舎が手掛ける期待馬です。
△3枠4番 グランジョルノ
全日本2歳優駿は7着に敗れたものの、雲取賞では2着と巻き返しました。
3枠4番と内目の枠を引けたことと、戸崎圭太騎手が連続騎乗になるのは心強いですよね。
2度目の大井コースで前進を期待します。
△4枠7番 スマイルマンボ
雲取賞は逃げて3着。
レース後の坂井英光調教師のコメントを読むと、仕上がり途上だったようです。
今回は動きが良くなっているようなので、巻き返す可能性は十分。
同型との兼ね合いが鍵にはなると思いますが、新コンビとなる吉原寛人騎手がどんな戦法を取るのか、楽しみです。
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有力馬紹介
データ分析
参考レース
-
- 1/22
- 船橋
- 1,800m
- ブルーバードカップ(JpnIII)
- メルキオル
-
- 2/19
- 大井
- 1,800m
- 雲取賞(JpnIII)
- ジャナドリア
-
- 3/11
- 大井
- 2,000m
- '25スターバーストカップ(羽田盃TR)
- ナイトオブファイア
-
- 3/26
- 大井
- 1,700m
- 京浜盃(JpnII)
- ナチュラルライズ
-
- 4/8
- 川崎
- 1,600m
- クラウンカップ(SIII)
- ミーヴァトン
-
- 4/14
- 大井
- 1,800m
- クラシックチャレンジ
- ヴァンディヴェール
レース回顧

レース概要
実施日 | 4/29(火祝) |
競馬場 | 大井競馬場 |
距離 | 1,800m |
出走条件 | サラ系3歳(セン馬不可) |
負担重量 | 牡馬57kg 牝馬55kg |
優先出走権 | 【地方所属馬】上位3頭に「東京ダービー(JpnI)」の優先出走権付与 【JRA所属馬】上位3頭(5着以内)に「東京ダービー(JpnI)」の優先出走権付与 |